フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

八ヶ岳縦走 8月16日 3

2013年08月22日 17時50分25秒 | 登山

 行者小屋  05:05
 
地蔵の頭  06:30
 横岳    08:15
 硫黄岳   09:05
 赤石の頭  10:40
 オーレン小屋  11:50
 夏沢峠   13:35

 _0012761 _0012762 _0012764          _0012765

 前日の権現岳~赤岳のコースで体がボロボロになったが、16日の朝は嘘のように体の調子が良かった。
 縦走登山のいいところは、体をMAXに使い疲れきってしまうが、休息時間が十分にあるので復活し、来た時よりパワーアップすることである。いわゆる超回復である。ドラゴンボールで悟空がボロボロになって仙豆を食べて復活するのによく似ている。

 行者小屋から東側を見上げると、八ケ岳の主稜線が壁のようにそそり立っている。
 地蔵尾根は行者小屋からその主稜線に入るための山道である。
 行者小屋から主稜線分岐である地蔵の頭まで、標高差350mだ。針葉樹林帯を抜けると、大きなハシゴというか鉄の階段が現れる。その階段を登り切ると、森林限界を超え、岩場の道になる。
 岩場はところどころ急で鎖がなければ登れない。しかし、しっかりとした鎖がかけてあるからさほど危険ではないが、高度感があり少し怖いかもしれない。また、岩といっても砂まじりで崩れやすいので、滑らないように注意が必要である。落石の危険もある。
 その岩場を通り抜けると、しっかりとした顔立ちの地蔵様が出迎えてくれる。あとから来たおじさんが丁寧に手を合わせ祈っていた。私は神仏に頼まないたちなので、写真だけ撮ってスルーする。

 _0012780

 八ケ岳の主稜線に出ると、急に景色が開けてくる。それと同時に、赤岳頂上山荘や天望荘の方から人が押し寄せ、尾根が人だらけになる。ワイワイと楽しいが、静かな山歩きが好きな人は不快かもしれない。

 

 _0012782   

 左は赤岳、右は阿弥陀岳。素晴らしい展望。

 _0012778 

 横岳までの道のりは、岩場が多く危険だと聞いていたので、多少緊張したが、大したことはなかった。注意すれば危険な箇所はない。
 ただ、運動能力や体力また技術は、個人差があるので、注意して登ることに越したことはない。
 ちょっとした冒険心をくすぐられる楽しいコースである。

 _0012783 _0012792 _0012784 _0012788 _0012789

 横岳山頂。けっこうな賑わいだった。

 

_0012787  _0012793 _0012798

 赤岳や横岳が岩場で堅い男の世界だとすれば、硫黄岳は丸みのある女性的な優しい場所である。
 赤岳や横岳の登りはそれ自体が戦いであったのに対して、硫黄岳までの道のりは穏やかで歩きやすく私たちを快く受け入れてくれる。とりあえず安全でほっとする。
 この両面を兼ね備えているからこそ、八ケ岳は人気があるのだと思う。
 
 _0012800

 人の身長より高いケルン。濃霧やホワイトアウトの時、道に迷わないように作られたようだ。もし、このへんで道に迷ってしまったら、大変なことになる。というのも、火口は急な崖になっているので、落ちてしまったらほぼ確実に死ぬからだ。

 _0012802

 _0012803 _0012804 _0012805 

_0012808 _0012806 

 硫黄岳山頂。広くて気持ちがいい。ずーっとここに居たいくらいだが、そうもいかない

 _0012810 

 樹林帯を通り、今日の宿泊地、オーレン小屋へ向かう。

 _0012814 _0012820

 オーレン小屋。これまたきれいな小屋だった。テン場も広くて使いやすい。ただ、トイレが遠くてちょっと面倒。

 _0012812 _0012811

 小屋に着いたのが早く、またろくなものを食べていなかったので、オーレン小屋でカレーを食べた。
 右がボルシチ1000円、左がカレー800円。
 ボルシチもちょっとだけ味見をしたが、カレーの方が断然うまかった。本当にうまかった。
 レストランで食べるカレーよりうまかったので、オーレン小屋に寄った人は是非おすすめ。ただ、忙しそうで頼んでから持ってくるまで時間がかかるのが玉にキズ。しかし、遅いのをマイナスしても、食べてよかったと思わせる。

 _0012816

 時間があったので、夏沢峠まで足を運んだ。暇つぶしには持ってこいの場所だった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八ヶ岳縦走 8月15日 2

2013年08月20日 21時09分00秒 | 登山

 14日の夜10時頃、青年小屋のテン場に鹿が入ってきてピーピー鳴いてうるさく、それで目が覚めてしまった。
 寒いのとうるさいので、この日は少し寝不足になってしまった。

 青年小屋   05:05
 権現岳    06:50
 キレット小屋 09:35
 赤岳     12:00
 行者小屋   13:30

 

 _0012702

 少し登ったところからの青年小屋と編笠山。たしかに編笠のようになっているのがよく分かる。

 

 

 _0012703 

 武田信玄がのろしを上げたというのろし場。どんな感じだったか覚えていない。

 

 _0012705 _0012706

 _0012707 _0012708 _0012709 _0012710

_0012712 _0012713 

 権現小屋。メニューも比較的安い。

 

 _0012714 _0012715 _0012716

 

 _0012719 

 権現岳山頂。ちょっとだけ分かりずらい山頂。

 

 

_0012721 _0012722 _0012724

 八ケ岳のこのコースは、権現岳と赤岳の凹んだキレットと通らなくてはならない。キレットとはV字状に切れ込んだ岩稜帯をいう。
 権現岳(2715m)からキレット小屋(2450m)まで、265m下らなくてはならない。その権現岳直下の最初の急な下りが、このゲンジ梯子である。
 下から覗いた時は、かなり怖かったが、下り始めたらそれほど怖くない。ビビらずゆっくり降りよう。

 

_0012727

 コマクサ。

 

 _0012725 _0012730 _0012731

 キレット小屋から赤岳までの登り返しは、約450mくらい。
 しばらく樹林帯を登り、ハイマツ帯の砂と小石の道を抜けた辺りから一気に傾斜が増していく。その後、ルンゼ状の岩稜の登りとなる。
 ちなみにルンゼとは、水の浸食作用によってできた岩壁にある溝をいう。溝になっているから、落石が多く、非常に危ない。
 このへんが危険な登りの核心部であり、その登りが天狗尾根ノ頭まで続く。 特に天狗尾根ノ頭の直前にかかる7~8mの梯子と、その後に現れる、鎖を頼りに渡る崖のトラバースは非常に高度感がある。ただトラバースはきちんと道がついており安全だともいえる。だが下を見ると怖い。
 このトラバースが終わり、天狗尾根と合流する場所を天狗尾根ノ頭と呼ぶそうである。
 その後、梯子や鎖が断続的に現れ、稜線に上がると危険な場所はなくなる。それと同時に大きく展望が開け、振り返ると南アルプスや富士山が見える。
 この赤岳までの道のりが、今回の縦走登山で一番緊張し、一番楽しかったところだった。
 正直言って、ザックがテント泊装備の重さじゃなければ、楽勝だったと思う。しかし、ザックが重いと危険度が増す。踏ん張りが効かないからである。
 もし、筋力と体力に自信がなければ、テント泊はあきらめて小屋泊にするべきだろう。ちょっと、金額は高くなるが。

_0012733 _0012734 _0012735 _0012736 _0012737

_0012738 _0012739 _0012740 _0012742 _0012743

_0012744 _0012746 

_0012748 _0012750 
 赤岳山頂。もうヘロヘロだった。

 

_0012753 
 赤岳を下って、文三郎尾根の分岐点。前方に見えるのが中岳と阿弥陀岳。
 阿弥陀岳まで行く予定だったが、途中に雷雨に遭ってやめることにした。それで文三郎尾根から行者小屋に向かう。
 

 

 _0012756 _0012759
 
 行者小屋。きれいでいい小屋だった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八ヶ岳縦走 8月14日 1

2013年08月19日 16時47分39秒 | 登山

 今年の夏は三泊四日の八ヶ岳縦走。
 予定コースは、観音平~編笠山~ギボシ~権現岳~赤岳~阿弥陀岳~横岳~硫黄岳~天狗岳~中山~麦草峠、である。

 八ヶ岳全体はこんな感じ。ちなみにこの写真は、編笠山山頂から撮った写真。

 _KdkXumVf292M0g1376893936_1376894317
 
 このギザギザした南八ヶ岳を縦に縦走するわけだ。
 一日目のコースタイムは、
 小淵沢駅 09:43
 観音平  10:10
 編笠山  14:15
 青年小屋 15:00

 

 _0012682  _0012683
 
 小淵沢駅から
観音平までタクシーで20分くらい。料金は3260円。
 駐車場はほぼ満車。十時を回ればそうだろう。
 ここの標高1560mある。今日のピークの編笠山は2523mあるから、だいたい1000m登ることになる。
 

 

_0012684_0012687

 最初は笹の茂った気持ちのいい道が続くが、一時間ほど歩くと鬱蒼としたコメツガの樹林帯に変わる。
 はじめから標高が高いので、嘘みたいに涼しい。避暑地の名にふさわしい場所である。
 編笠山までの道のりは、息のつける平らな道はなく、絶えまない登りである。ただ、急登という程でもない。

 

_0012692 _0012691_0012693

 八ヶ岳はけっこう高山植物が咲いている。大切に扱われているのだろう。

 

_0012689_0012690

 シラビソやコメツガなどの大きな針葉樹がなくなり、背の低いハイマツが現れ始めると、編笠山の山頂はもう少しだ。

 

 _0012695

 編笠山山頂。広くて見晴らしが良い。この山だけでもなかなか素晴らしい。
 バックに権現岳、赤岳、阿弥陀岳などの展望も楽しめる。

 

 _0012699

 今日の宿泊地の青年小屋。テン場が広い。
 なのにテント泊している人が少なかった。早く来てキレット小屋に向かったのかもしれない。

 

 _0012700

 西岳方面に向かう道を5分ほど歩くと水場がある。かなり豊富に出ている。

  

 _0012701

 買ったばかりのポメラを持って行った。軽くて使いやすい。
 日が暮れるまで、今日あったことをいろいろメモしていた。その日のうちに書いておかないと忘れてしまうからだ。便利で嬉しい。


 気づいたことを、何点か書いておく。

 この縦走コースは、次の青年小屋~赤岳~行者小屋の行程が非常にきつい。だから、できるだけキレット小屋まで足を伸ばすのが賢明だろう。
 私はお金が無かったので、小淵沢まで鈍行で来た。もし、キレット小屋まで行くのなら、特急に乗って小淵沢にくるのがよい(大体一時間早い)。

 また、真夏だからといって油断していると、寒くて凍えそうになる。実際、青年小屋の夜は寒くて途中で目が覚めてしまった。
 1000m登ると6℃低くなる。青年小屋は2400mくらいあるから、東京都比べて15℃くらい低い。雲がなく放射冷却が進むともっと寒くなる。軽いダウンジャケットかフリースは必須である。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北高尾山稜 8月4日

2013年08月05日 17時38分51秒 | 登山

 日曜日に北高尾山稜に行ってきた。高尾山には行ったことはあるが、北高尾に行くのは初めてだった。
 高尾駅から八王子城跡行きバス(土日のみ運行)で八王子城跡へ

 

_0012663

 八王子城についての豆知識
 八王子城は北条氏照が1571年に築城した。
 1582年の本能寺の変で織田信長が殺されてから、時代は豊臣秀吉に移る。
 豊臣秀吉の天下統一の一環として、小田原(北条氏政)攻めが始まった。北条氏を城主とした八王子城も同じ運命を辿る。
 時は1590年7月24日、1万5千人の兵を引き連れた豊臣秀吉配下の上杉景勝、前田利家らが八王子城に攻めこんだ。
 八王子城内にはわずかな家臣と農民・婦女子
3000人しかいなかった。豊臣軍の攻めは激しく、短期間で落城する。小田原兵は虐殺され、婦女子は自刃した。滝は三日三晩、血に染まったといわれている。
 この戦いで亡くなられた人の霊が出るらしく、東京でも屈指の心霊スポットになっている。
 歴史について不勉強で、八王子に城があったこと自体知らなかった。調べてみて八王子城の不遇な運命について知った。そして、すこし考えさせられた。
 私は客観的には幽霊はいないと思っている。もし霊がいるとすれば私たちの主観的な頭の中に存在する。
 豊臣に滅ぼされた北条氏の無念さを主観的に感じる時に、幽霊が現れる条件がそろう。誰も供養せず放置された場所を憐れだと感じるからこそ、そこに何らかの情念が生まれるのである。

 

_0012664 _0012665 _0012670 _0012671 _0012668

 

 当初の予定では、八王子城跡から尾根を西に向かって堂所山へ向かうはずだった。しかし、あまりにも距離が長いので、景信山までにした。道標には景信山が記されているため、それに従っていけばいいわけだが、少し注意する点がある。
 狐塚峠から小下沢林道を通って景信山に向かうルートをとる場合、それが道標に記されていないため、堂所山に向かってしまうのだ。
 私も杉の丸にまで行って、行き過ぎであるのに気づいた。
 小下沢林道経由で近道して景信山に行きたい人は、道標に注意すること。

 

_0012673

_0012677

 狐塚峠を下って小下沢林道の広場。バーベキューやキャンプをしている人がたくさんいた。

_0012674 _0012676

 近くに水場もある。美味しい水だった。
 結局、景信山には行かなかった
。この静かで落ち着いた沢で昼飯をゆっくり食べていたら、山に登る気力を失ったしまったのだ。
 それで小下沢林道を下って日影バス停に向かった。バスはすぐ来て13時すぎに高尾駅に着いた。
 秋の涼しい時期にもう一度来たいコースである。なかなか楽しかった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

7月14日 大弛峠~国師岳・北奥仙丈岳 7月15日 大弛峠~金峰山

2013年07月15日 21時30分32秒 | 登山

_0012646 _0012645

 連休に奥秩父に行ってきた。気持ちのいい登山日和の天候だった。

 

 

 _0012650

 _0012654

 金峰山・五丈石

 

 _0012652

 _0012656

 千代の吹上・砂払いの頭の稜線

 

_0012659 _0012661

 
 金峰山小屋 
 なかなか綺麗な小屋。黒いレトリバーがいた。最初ビビったが、よく見ると可愛い。

 夜はかなり涼しかった。というか、ビックリするほど寒かった。泊まりで山に行く人は、ダウンジャケットを持っていったほうがいい。
 フリースだけしか持って行かなかったが、寒くてこごえていた。
 やっぱり山はナメるとこわい。 

 15日の朝、金峰山に向かっていたら、ヘリコプターが何度も谷沿いを旋回して人を探していた。ニュースで調べてみたら、西沢渓谷付近で、男性が行方不明になっているそうだ。見つかるといいのだけど。


 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2013 5月3日~5日 ゴールデンウィークの鳳凰三山

2013年05月16日 08時25分00秒 | 登山

 アップするのが遅くなってしまった。
 天気がよく景色が最高で素晴らしい登山だった。ただ、走りこみが足りず体力的に厳しい登山でもあった。
 天気が良く雲が少ないと放射冷却で朝晩は冷える。ちなみに放射冷却とは地球の熱が宇宙に奪われることである。雲があればそれが布団のようになって熱は奪われない。
 放射冷却ゆえ朝はマイナス15℃くらいに冷え込んだ。久しぶりに寒さで背骨がブルブルと震えた。つまり、死ぬほど寒かったということである。
 疲れと寒さの両方で、下山途中で具合が悪くなった。そして、休み明けもずーっと体調がおかしかった。帰りの温泉で体重を測ったら、75キロくらいあった。多分、過去最高の体重だと思う。筋肉はモリモリしているが、脂肪もたくさんある。体重を落とさなければ、長い距離は歩けない。登山をしたいなら、筋トレはやめて脂肪を燃やす有酸素運動に切り替えなくてはならない。
 今はガンガン走りこみをやっている。それでなんとか体調は回復した。割れた腹筋が戻るまで走りこみをしようと思っている。
 

 

_0012593_0012594_0012598

_0012599

_0012606

_0012610

_0012611

_0012615 _0012616

_0012617

_0012618

_0012622

_0012629

_0012635

_0012632

_0012642

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

縦走登山 最終日 1月5日

2013年01月19日 21時29分38秒 | 登山

 出発 8:00
 禿岩 8:50
 飛竜権現神社 8:55
 前飛竜 9:35
 熊倉山 10:40
 サオラ峠 11:20
 丹波天平 12:00
 親川 13:30
 お祭バス停 13:50

 デジカメの電池が無くなって写真があまり撮れなくなった。長期の縦走の場合、替えの電池が必要だ。

 

 _0012573 

 禿岩からの景色は最高だったが、カメラが動かなかった。残念。

 

 
 _0012575

 
 _0012576 

 

 _0012577

 丹波天平。広葉樹林帯。ミズナラやブナが多い。多分、夏になると熊がどんぐりを食べに来るだろう。この辺には必ず熊がいる

 

 _0012581 

 お祭りバス停。
 何日も風呂に入っていないので、頭を洗ってヒゲを剃った。

 
 去年の縦走登山に比べ、今年の縦走は比較的楽だったと思う。去年よりアップダウンの少ないコースだったことが大きい。
 また、今年は下半身中心に相当鍛えていたので体力的にも余裕があった。それ故、十分な装備を持っていくことができた。

 登山は、基本的には体力のある者が強い。
 道迷いや滑落・転倒の原因は、おおよそのところ疲労にあるといってもいい。だから、疲れにくい体作りをしていれば、トラブルはかなりの確率で回避できる。
 疲れてくると、物事がどうでも良くなってくる。あきらめが早くなる。
 例えば、道中のどこかで落し物をしたとする。疲れていると「もういいや」となりやすい。しかし、体力があると戻ってそれを拾いに行く。実際、サングラスと手袋を落としたが、拾いに行った。それも体力があってこその行動である。
 
 また、道に迷ったとき(特に下り)、引き返す勇気があるかどうかも体力の有無にかかっている。体力がなければ、間違った道をそのまま進みやすい。
 そして、極限的な疲れは、自分の命すらどうでも良く思ってしてしまう。このまま死んでもいいやと考えやすい。
 
 ただ、登山では装備が整い体力があってもどうにもならない事態がある。特に森林限界以上の場所で起こる自然の猛威である。例えば、稜線上での吹雪や雪崩、雪庇の踏み抜き等である。
 
 奥秩父の森林限界はおおよそ2400~2500mで、だいたい国師岳付近や金峰山付近にしかない。森林限界は樹木が育ちにくい過酷な環境である。当然、積雪も多い。
 今回は森林限界は越えなかった。それ故、楽な登山だったともいえる。寒くはあったが、自分でコントロールができないほどの出来事は起こらなかった。
 
 もし、冬の(特に厳冬期の)北アルピスにいくのなら、命を失う可能性がかなり高いことを意識しなくてはならない。
 そのような過酷な状況下では、人間はちょっとした天候の変化にすら対応できない。
 
 今回、一番寒い日の午前4時くらいの気温でだいたいマイナス15度~20度くらいだった。
 その日の朝、どうしても小便に行きたくてテントの外に出た。1分くらい外にいただけで、体の芯から冷えた。もしそこに30分立っていろと言われても、できなかったと思う。それくらい寒かった。あるものすべて身に着けているにも関わらずである。
 
 北アルプスの稜線上の吹雪は、同じくらいの気温でも風がある分だけもっと寒い。その状態で何時間もじっとしていたら、体温が奪われて、凍傷にかかり、いずれ死ぬだろう。奪われる熱以上の熱を作り出すことは不可能だ。
 だから、この状況に自分を置いた時点で負けなのである。
 それ故、厳冬期での森林限界を超えた場所での登山は、いかにこの状況を避けながら、ピークを目指すかが勝負になる。

 死ぬような状況下に身をおいて、死なないで帰ってくるのが、登山=冒険である。
 死ぬような状況に身を置いている意識のない人は、登山にいかないほうがいいだろう。
 問題は、なぜそのような命の危険の存在する状況に身を置きたいのかである。
 その答えは簡単ではないが、1つの答えとして、死に近づけば近づくほど生を感じることができるからだと思う。危ないところに身をおき生命が脅かされればされるほど、生きている実感が湧いてくる。これは事実である。
 
 また、危険な冬山の美しさは、想像を絶するものがある。これにはまってしまったら、何回も見たくなる。
 その凄さは実際に見てみなくてはわからない。

 ということで今年の縦走登山は無事に終わった。

 
 
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

縦走登山 笠取山~唐松尾山~将監峠~大ダル 1月4日

2013年01月14日 09時45分07秒 | 登山

 出発 7:20
 笠取山 8:40
 唐松尾山 12:30
 山ノ神土 13:30
 将監峠 14:00
 大ダル 16:00
  

_0012546

_0012549


 初日の出ではないが、日の出。

 

_0012551 


 笠取山。

 

_0012553


 笠取山山頂。

 

_0012554

 二日間歩いた尾根。

 

 

_0012556

 

_0012558 


 左側のとんがった山が唐松尾山。

 

 _0012563

 唐松尾山山頂。展望なし。

 

 

_0012564_0012565

 

_0012566 

 将監峠。


_0012570

 飛龍山。山と山の間の凹んだ所(大ダル)が今日のテン場。

 


_0012572

 大ダル。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

縦走登山 単調な一日 1月3日

2013年01月12日 09時51分23秒 | 登山

 出発 7;50
 倉掛山 9:40
 白沢峠 11:10
 ヤブ沢峠 15:00
 笠取小屋 15:30 テント設営


 

_0012538

_0012537


 あの尖った山は鶏冠山だと思う。

 


_0012536


 熊の足跡だろうか。結構大きかった。

 


_0012539


 倉掛山山頂。寒い。

 

 

_0012540

_0012542


 白沢峠。

 

_0012544

_0012545

 

 

_0012548


 笠取小屋。今日の幕営地。

 

 この日のコースは、もう一度来るかと聞かれたらNoと答えるだろう。正直言ってつまらないコースだった。
 標高1700mから1500mくらいのなだらかな歩きやすい尾根であるが、これといった特徴もなく単調である。
 尾根の西側には広瀬湖があり、そこから笛吹川が流れ、山梨市へと続いている。その谷沿いの集落には、それなりに人が住んでいる。
 尾根の東側は、廃村になったような村しかないが、奥多摩から続く青梅街道(大菩薩ライン)が通っていて、人の通りも多い。
 それ故、尾根沿いの林道はきちんと整備され広く歩きやすくなっている。白沢峠を超えてから少し歩くと、車が通れるくらい広くなる。実際、その林道を通って笠取小屋まで行けるようだ。
 ただ、整備されているから面白くもなんともない。そして、長くて疲れる。

 
 食事に関して。
 私は好き嫌いもなく、食べ物に関してはまったくわがままを言わない。しかし、さすがに毎日同じ物を食べているとだんだん飽きてくる。米と肉そぼろ。
 無性に麺類が食べたくなる。カップラーメンを持っていけばよかった。

 
 携帯の電波について
 最近はどの山でも、かなりの確率で電波が通じるようになった。特に谷沿いに大きな町がある場合には、電波が入りやすい。
 例えば、今回の尾根では前述のように西側に山梨市がある。だから電波の入りはすこぶるよかった。
 ただ、基本的に山の中は電波の入りが悪い。その場合、自分の現在地と大きな町の位置を把握しておくこと。電波が悪くても、そこまで動くことによって入るようになる。
 電波の良し悪しよりも大きな問題は、電池切れである。特にスマホの場合はその問題が顕著だ。電池がなければ、即アウトになる。
 遭難した場合、携帯電話が通じるか通じないかが生死をわける。だから、予備の電池、もしくは充電用の機器は必ず持っていくようにしたほうがいい。
 ちなみに私は携帯電話の電池を3つもっている。山に行くときはそれをすべて充電して持っていく。そうしておくと、電池がなくなった場合、取り出して替えるだけですぐ使えるようになる。
 登山中に必要のないときは、電源を切っておくことも大事だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

縦走登山  1月2日

2013年01月11日 08時21分03秒 | 登山

 出発 8:00
 大菩薩嶺 8:30
 丸川峠 9:40
 寺尾峠 10:20
 柳沢峠 13:30
 柳沢の頭 14:35
 ハンゼノ頭 15:00
 倉掛山手前 16:30




_0012490

 
 大菩薩嶺



_0012491

_0012492

 

_0012500

_0012498

_0012499

_0012502


 丸川峠。こじんまりした丸川荘があった。

 

_0012503


 大菩薩嶺までの登りは、太陽を背に南側から歩くことになる。だから、雪はあまりなかった。ただ、ところどころ凍っていたり溶けてぐちゃぐちゃしていて注意は必要だ。しかし、きついということはない。
 これに対し、大菩薩嶺から下っていく道は北側で日が当たらず、雪が多い。それゆえ、軽いラッセル状態になる。だから、きついしなかなか進まない。


_0012504

 寺尾峠。


_0012509

 六本木峠。

 

_0012513 _0012512


 柳沢峠。標高は1480mあるが、大菩薩ラインが通っていて、車が乗り入れられる。
 山の中にいた私にとっては、ずいぶん都会に感じられる(笑)。 

 

_0012517

 
柳沢ノ頭。

 

_0012518


 展望台からの大菩薩嶺。

 その尾根沿いを歩いてここまでやってきた。
 風景としては大したことはないが、その道を通ってきた者にとっては感動的な風景だ。
 山と比べると人間はちっぽけである。しかし、一歩一歩進めば、遠くまで進めるということが、リアルに実感できる。

 

_0012520

 _0012524

 

_0012526


 NTTの電波塔。笠取山や唐松尾山付近からも見えた。

 

_0012530

_0012531

_0012532


 この辺で少し迷ってしまった。
 藤谷の頭から倉掛山までの尾根は、北に向かって歩いて行くのだが、東側は国有地、西側は私有地になっている。
 それが、すこし混乱のもとになった。
どうやら私は私有地の林道に入り込んでしまって、その辺をぐるぐる回っていたようだ。

 私はそれに素早く気づいた。
 そこで、地図で大まかな現在地を予想し、コンパスで方向だけ確かめながら進んだ。そして、携帯の通じるところで、google mapで自分の現在地を確認した。
 そうしたら、バッチリ自分の位置が分かった。
 特に問題のない迷い方だったようだ。
 
 地図とコンパスなんて必要ないという人がいるが、それは間違いだ。私は何回もそれに助けられた。
 特に、初めて来るような土地でかつ道標のない道などは、地図とコンパスは必須である。
 それが自分の命を守ることになる。
 

 


_0012534

 この日のテン場。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする