フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

脳を鍛えるには運動しかない

2020年10月01日 07時00分00秒 | 読書・書籍

脳を鍛えるには運動しかない」という本があります。

けっこう分厚くて読み応えがあります。

しかし、なかなか面白いので、ちょっと要点だけでも紹介したいと思います。

運動の中でも、脳に効果のある運動は、有酸素運動です。

有酸素運動は、呼吸をしながら中程度の負荷をかけて行う運動です。

心拍数をそこそこ上げるのが重要ですね。

ちょっとした体操、はや歩き、ジョギング、サイクリング、エアロビクスなどです。

有酸素運動には3つの効果があります。

1、頭が良くなる

2、集中力が上がる

3、メンタルが安定する

一つ一つ解説していきましょう。

1についてです。

有酸素運動するとBDNFという物質が作られます。BDNFとは、脳神経を発達させる栄養素です。

神経が発達すると認知能力と情報処理能力がアップします。

アルツハイマーの人はこのBDNFの量が低下しているそうです。

2についてです。

集中力は脳の前頭葉が関係しています。

その前頭葉には、集中できるエネルギーの総量が、ある程度決まっています。

この「集中して物事を成し遂げる力」を意志力と言います。

前頭葉を鍛えることによって、その意志力を上げることができます。

その能力を上げる方法が、有酸素運動なのです。

3についてです。

昨日もちょっと触れましたが、感情に関わる脳の部分は、扁桃体です。

ちょっと嫌なことがあると、この扁桃体にスイッチが入り、コルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。

そして、その場から逃げろと脳が司令を出します。

逃げて、安全な場所に避難して、ストレスから開放され、一件落着となります。

しかし、うつになりやすい人は、このスイッチが入ったままになり、コルチゾールが過剰になるそうです。

このコルチゾールが出っぱなしだと、海馬という記憶に関する部分の脳が萎縮していくそうです。

海馬が萎縮することによって、新しい回路を作れなくなる。

それで否定的な記憶をぐるぐる巡って、そこから抜け出せなくなっていく。

これを改善するのが、1で言ったBDNFです。

有酸素運動をして、BDNFが作られると、扁桃体や海馬に栄養がいきわたり、ポジティブな思考回路を作ることが分かっています。

また、ドーパミンの分泌のよりマリファナやモルヒネと同程度の多幸感も得られます。

この脳内麻薬は、副作用もありません。

実際、抗うつ剤より、運動のほうが効果があるとされています。

もちろん、痩せてスタイルも良くなります。

僕は筋トレ専門なので、有酸素運動はしません。

走りすぎると筋肉が落ちるからです。

でも、このブログを書く前に20分くらい走ってきました。すごく気持ちが良かった。

脳内麻薬出まくりです。確かに多幸感が得られますね。

だから、有酸素運動もちょっとだけ取り入れてみようと思います。

皆さんも何かしてると思いますが、

もしやられていなければちょっとしたウォーキングでもどうでしょうか。

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試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。 尾形真理子

2020年07月15日 07時00分00秒 | 読書・書籍

アマゾンで見つけた短編集なんですが、なかなか素敵な題名だと思いませんか。

「試着室で思い出したら、本気の恋だと思う」

尾形さんは、博報堂のコピーライターだそうです。さすがという感じです。

言葉選びにセンスがある。

「悪い女ほど、清楚な服がよく似合う」って、松本清張の小説みたいですよね。うまい。


この小説は、プロローグとエピローグを入れて7つの短編からできています。

プロローグ

あなたといたい、とひとりで平気、をいったりきたり。

悪い女ほど、清楚な服がよく似合う。

可愛くなりたいって思うのは、ひとりぼっちじゃないってこと。

ドレスコードは、花嫁未満の、わき役以上で。

好きは、片思い。似合うは、両思い。

エピローグ

こんな感じの短編が収録されています。


女性の感性で、ぜんぶ女性視点で書かれています。

だから、共感はできませんが、新鮮な気持ちで読むことができました。

なるほど、そういう事を考えてるんだなって感じです。

Closetという洋服屋に、洋服を買いに来る女性たちの人生や日々の生活を、描いた作品です。

基本的に、僕は体を鍛えていれば、Tシャツとジーンズで十分だという考えです。

だから、あんまりファッションに、こだわりはありません。

しかし、女性にとって、体に身につけるものって、人生の様々な場面で、すごく重要なことなんですね。

男には、あんまりわからない感覚です。不思議な感覚。

小説の中の女性たちも、人生の岐路で、渾身の一着を選ぶ。

洋服を選ぶことが、あたかも人生における重要な選択のように、自分自身の人生と重なっていく。

いろんな形の恋愛があって、いろんな男がいて、いろんな選択がある。

ファッションのように。

まあ、僕としては単純に、女性がキレイだと嬉しいです。


この小説のショップClosetのオーナーは、カナメという女性で、自分でも洋裁をしています。

僕の友達にも、和裁をしている女性がいます。とびっきりの腕前です。

美しいものに囲まれている人は、たしかに美的感覚に優れていますね。

ああいうことができる人ってほんと尊敬します。すごいものです。


そうそう、小説ですね。もし面白そうと思ったら、読んでみてください。


試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。 尾形真理子

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もものかんづめ さくらももこ著

2020年05月16日 07時00分00秒 | 読書・書籍

エッセイの中で、傑作中の傑作といえば、なんといっても「もものかんづめ」だと思う。

ちびまる子ちゃんの作者、さくらももこさんのエッセイです。

さくらさんが、亡くなられてから二年くらい経つかな。早いものです。

とにかく笑えます。

乙女な少女が、いろんな恥ずかしい目にあって、ドタバタする話が多いです。

個人的には、一番最初の「奇跡の水虫治療」が一番好きかな。

ちょっと冒頭だけ引用してみます。

 

 水虫といえばたいがいオッサンの持病であり、それにかかると脂足に甚だしい異臭を放ち、その靴及び靴下は、家族の間では汚物とみなされるという恐ろしい病気である。

そんな大変な病気に、私は16の夏、冒されてしまった。

 途中、省略

 私が水虫になったというウワサは、約一分で家族全員に知れわたった。臭い足のヒロシと異名をとる父は「オウ、水虫女、大変だなぁ」とニタニタしながらからかってきた。彼は自分の脂足よりも、もっと強力なキラワレ者が登場した事がうれしくて仕方がないのだ。
 姉は急に冷酷極まりないナチの司令塔のような顔になり、トイレのスリッパは使うなとか、部屋を裸足で歩くなとか、数々のオキテを数十秒のうちにつくりあげ公布した。


このあと、水虫がお姉さんにうつってしまって、「呪われた水虫姉妹」になってしまう。

家族のドタバタに思わず、ゲラゲラ笑ってしまう。

他にも、おもろいエッセイがたくさんあります。

さくらももこさんは、自分の中にある滑稽さを見つけ出し、それを笑いにかえてしまいます。

なかなかできることではない。みんな自分のことは、格好つけたいから。

僕も調子がいいとできますが、弱っているときにはできません。

彼女は、本当に強い人だったんだなと思います。

その強さで、日本中を笑わせてくれた。ありがとうと言いたいです。

「もものかんづめ」は、腹をかかえて笑いたいときには、ほんとおすすめです。

 

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頭に来てもアホと戦うな! 田村耕太郎著

2020年05月09日 07時00分00秒 | 読書・書籍

「頭に来てもアホと戦うな!」を読了。

2hの創始者のひろゆきさんが勧めていたので、読んでみた。

アホとは、人の足を引っ張ったり、からんでくる当たり屋のことだ。

アホの特徴は、暇であること、あなたに強い関心があること、あなたにかまってほしいこと、などがあげられる。

本の内容を簡単に言うと「アホに勝つ方法ではなく、いかに戦わずに逃げるか」だ。

僕も、基本的に戦わないタイプだが、やる時はやる。

でも、ケンカすると、自分自身も傷を負うことになる(物理的な傷ではなく、心の傷ですね)。

だから、いろいろと参考になった。

いろいろとアホと戦わない技術が書かれているが、多くて紹介できない。

だから,骨子だけ述べてみようと思う。

まず、人生の目的をはっきりさせること。

人生じゃなくても、今自分がやっていることの目的を頭に叩き込む。

その目的に向かって行動する。

当然、目的を達成する過程で、問題が起こったり、邪魔が入る。アホからの邪魔であることが多い。

でも、アホとケンカしまうと、目的達成が遅れるし、そもそも達成自体ができなくなるかもしれない。

だから、目的達成のために、アホと戦うのを極力避けるのだ。

自分の本当にやりたいことに集中すること。

アホとのケンカに勝つことが人生の目的ではない。

悔いのない人生を送るために、大きな戦いに勝って目的を達成するために、主体的に生きていこう。

アホに振り回されるな。

こんな感じの内容かな。

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人の顔をじっと見る癖

2020年04月30日 07時00分00秒 | 読書・書籍

川端康成の「日向」って、なかなか素敵な短編小説です。

 ちょっと、出だしだけ紹介しましょう。

二十四の秋、私はある娘と海辺の宿で会った。恋の初めであった。

娘が突然、首を真っ直ぐにしたまま袂を持ち上げて、顔を隠した。

また自分が悪い癖を出していたんだなと、私はそれを見て気がついた。


22歳のときに川端康成は、伊藤初代という15歳の女性と婚約します。

ただ、一ヶ月後、伊藤さんから婚約破棄されます。

理由は謎とされていますが、伊藤初代で検索すると出てきます。

「日向」という小説は、この婚約者との出来事を書いたものだと言われています。


川端康成は、女の人をじっと見る癖がありました。

美人編集者さんの顔を、数時間黙って見続け、相手を気味悪くさせ、泣かしたことがあるそうです。

この小説の出だしも、女性をじーっと見つめて、女性が恥ずかしがっています。

この後、自分はどうして人の顔をじーっと見る癖があるんだろうか?と自己嫌悪に陥ります。

そして、その原因を思い出そうとする。

幼い時に両親が死んで、親戚に厄介になっていた頃、人の顔色を読んでいたからか?と自問します。

しかし、原因は、好きだった盲目の祖父を観察していたからだ、と気づきます。

自分のこの変な癖が、卑しい心の名残ではないと気づき、とたんに嬉しくなってくる。

そして、愛する女性が、顔を赤らめて、言います。

「私の顔なんか、今に毎日毎晩で珍しくなくなるんですから」と。

最後に、幸せな気分に包まれ、めでたしめでたしと終わります。

 

僕も、川端康成ほどではないにしても、人の顔をじーっと見る癖があります。

僕の場合、相手の心を深く知りたいからです。

何を考えてるのかな?疲れてるかな?今日は元気があるな?、とかね。

たしかに、恥ずかしがられることがありますね。じっと見てると。

ただ、それは、相手を気にかけているからです。変態だからではありません。


川端康成は、女好きで有名でした。

晩年、加賀まりこが好きすぎて、デートに誘ったり、彼女のために映画の原作を書いたりしたそうです。

加賀さんを熱っぽく口説いていたが、彼女は軽く袖にしていたそうです。

彼はちょっと変態なのかもしれませんねwwww。

ノーベル賞作家に好き勝手言ったら、怒られるかな。

だったらごめんなさい。

 

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働くおっぱい 紗倉まな

2020年04月21日 07時00分00秒 | 読書・書籍

アマゾンのKindle Unlimited、電子書籍の読み放題に加入している。

そこに「働くおっぱい」というエッセイ集があったので、ダウンロードして読んでみた。

著者は、男なら一回は見たであろうと思われる国民的AV女優の紗倉まなさんだ。

冒頭から笑ってしまった。

「AVの撮影現場は、肉棒という刀に狩られる戦場である…と、私は思っている」と。

でも読み進めていると、ちょっと印象の違ったエッセイだった。

AV女優という特殊な職業ではあるが、そこには書かれていたのは、働いている女性の苦労や悩みであり、一生懸命仕事に打ち込んでいる女性の姿だった。

たとえば、引っ越し屋さんが「重たいダンボール100個を五階まで階段で運んだんですよ。チョー腰いた」というのと「昨日、21Pしてフェラしまくって、うっかり顎が外れそうになったんですよ。腰も痛いっす」というのに、基本的な違いはない。仕事の内容が違うだけだ。

問題は、セックスが男女の愛情に深く関わっていることである。

回転のはやい世界で、七年間も人気女優なのだから、彼女が非常に魅力的な女性なのはいうまでもない。

男性から言い寄られることもあるし、恋愛もしているだろう。

しかし、その場合、セックスに関して、仕事と愛情の切り替えをうまくしなくてはならない。

しかし、そうは簡単にはいかない。

彼女たちは、世間の先入観と戦わざるをえないし、少しだけ心に傷を負う。

でも、その辺の心の動きが、コミカルに描かれていて、読んでいて気持ちのいい内容になっている。


彼女は、学生の時に空港の滑走路の整備点検のインターンをしたそうだ。二ヶ月間、伊藤英明似のお兄さんと一緒に。

その時の文章を、ちょっと紹介しよう。

「遠方のイベントがあって、その空港を利用するたびに、あのときのことが浮かんできて、時々、ひどく切ない気持ちに駆られる。記憶の中で、ロメンパッチや点検車が淡い青春として深く刻まれているのは、お兄さんに瞬間的なときめきを抱いたからではなく、あの夜の自分が、なりたくてももう二度となれない姿であり、今の自分にはなれない ”理想の社会人”という姿であったからだと思う。だからこそ、滑走路はずっと美しく輝き続けているのかもしれない」

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死の家の記録 ドストエフスキー

2020年04月19日 07時00分00秒 | 読書・書籍

東京の土曜日は、自粛要請をするまでもなく、大雨だったので、外には出られなかった。

こういうときは、家で静かに読書するのがいい。

「死の家の記録」ドストエフスキー著 を読んでいた。

この本は、一応、小説の形式になっているが、ドストエフスキーの獄中記と考えていい。

ドストエフスキーは、思想犯として、逮捕され、死刑判決を受ける。
処刑当日、銃殺にされる直前で、皇帝の恩赦で死刑執行は中止される。
そのかわり、四年間のシベリア流刑になる。このシベリアでの獄中記が、この本である。

主人公(ドストエフスキーといってもいい)は貴族出身だ。貴族出身の囚人は敵意の目で見られる。
他の囚人たちは、普段の生活で、貴族にいじめらていたからである。
だから、最初、主人公は他の囚人たちにうまく馴染めない。

そんな獄中生活で、様々なタイプの囚人に出会う。
たとえば、ガージンという囚人は、普段はおとなしいが、酒を飲むと(監獄の中でもこっそり酒が飲める)突然暴れだす。恐ろしく屈強な体格をしていてるから、10人くらいの囚人が飛びかかって完全に気を失うまで殴る。普通の人なら死んでしまうのだが、次の日の朝、ケロッとした顔をして起き上がってくる。
こういった感じで、ろくでもない囚人たちが次から次へと出てくる。
でも、主人公は、徐々に心を開いていき、他の囚人たちと友好な関係を築いていく。

小説を読み進めていくとき、彼らは犯罪者だから全員がクズなんだと思うと、ちょっといろんなことを見誤る。
僕たち心の中にも、善良な部分もあるし、暗い闇もある。それは囚人たちと、ちっとも変わらない。
ドストエフスキーは、囚人たちの心の闇にだけにスポットライトを当てるのではなく、囚人たちの人間らしい善良な部分にも公平にスポットライトを当てる。
すごい人間観察である。そして、そこには常に温かい眼差しがある。

ドストエフスキーの小説は、宗教的である。

これは断言してもいい。それもテーマは愛についてである。

「君は、こんなクズみたいな人間たちを愛せるのか」と問われているのである。

小説を読み終わったあとに「許せ、愛せ、辱めるな、敵を愛せ」という言葉の意味が、心に響いてくる。

この「死の家の記録」に出てくる囚人たちは、のちのドストエフスキーの小説の登場人物になって出てくる。

ドストエフスキーの小説に出てくる登場人物は、みんな癖があり、弱さがあり、変なやつだが、最後にその人物を、なぜか愛してしまう。

それは作者であるドストエフスキーが、弱い人間たちを愛していたからである。

彼の小説を読むと、深い人間愛を感じてしまう。そして心が静かに揺さぶられる。

それはある種の宗教的経験といってもいいだろう。

家の中に閉じこもってたけど、まあ、こんな重い小説が読めたから、良かったかな。

ただ、正直言って、全部は読んでいません。長いからさ。一日では読めないよ。

 

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4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて 

2020年04月09日 07時00分00秒 | 読書・書籍

「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」は、村上春樹の短編小説だ。

結構人気のある短編で、僕も若い頃読んで、感銘をうけた覚えがある。

でもさ、100%の女の子って、本当にいるのかな。そもそも、100%って何よって話だ。

小説の中で言ってるように、容姿の好みではない。「タイプファイ」なんてできない。ただ、そう感じるだけだ。

今までの人生で、そういう女性がいたかと聞かれれば、うーん、どうだっけ。

ああ、「いたね」と答えるだろう。そういうのって感覚でわかる。あの子は100%だったなって。

ただ、しっかり捕まえておかなかったから、うなぎのようにスルスルッと逃してしまった。

小説のようにもう一回再会したら、どんな感じになるのかな。興味深い。

 

ちなみに、アメリカの調査で、一目惚れから始まったカップルの55%が結婚し、そのうちの90%以上が離婚しないそうだ。一目惚れから始まった恋は冷めにくいようだ。

その理由について、諸説あるが、人は瞬時に、遺伝子レベルで自分に合う相手を見分ける。

そして、その判断はかなり正しい。

でも、世の中に100%の女の子がいるとしても、そう簡単に会うことなんてできない。

だいたい60とかで、良くて80とかだ。

社会心理学者のエーリッヒ・フロムは、著書「愛するということ」で言っている。

人を愛することは、技術だと。

恋に落ちるという体験と愛を持続させることは違う。それを混同すると、愛することを失敗してしまう。

「愛の失敗を克服する方法は、一つしかない。愛の意味を学ぶことである。そのための第一歩は、愛は技術であることを知ることである」

素晴らしい本なので、よかったら読んでみてください。ちょっと哲学書っぽいですが。

このフロムの考え方は、僕たちに希望を与えてくれる。

愛は技術だから、60%の女の子だとしても、98%までもっていけるかもしれない。

うまくやればね。

そうでなきゃ、人生つまらないからね。


4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」の朗読があったので、興味がある人は聴いてみてください。

なかなか素敵な小説です。12分くらいの長さです。

 

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僕の好きな短編小説 芥川龍之介「蜜柑」

2020年03月03日 07時00分00秒 | 読書・書籍

今日は、僕の好きな短編小説を一つ紹介したいと思います。
その短編小説は、芥川龍之介の「蜜柑」です。
芥川龍之介の小説の中でも一番好きな小説で、文章で人をこういう気持ちにさせられたら最高だなあと思います。
この小説で書かれたことは、芥川が実際に体験した出来事だそうです。
だから、主人公は芥川龍之介自身になります。

「蜜柑」は、短編小説のお手本のような小説で、小説の構成もなかなか興味深い。
短編小説は、起承転結のような長い構成は難しい。そこで、前フリとオチのような一つの変化で読ませることが多い。
この小説も、前フリがあり、ある出来事があって、大きく心が変化するという構成になっています。
前フリとは、最後のオチと真逆な状態のことです。例えば、アホみたいなふりして実は賢かったり、貧乏だったのに金持ちになるとか、前の部分がフリになります。
この小説は、前フリが長いのが特徴です。そして、最後に大きく心が動かされ、ガラリと情景が変化する。

横須賀線の汽車に乗る芥川は、すごく疲れていて不機嫌です。
読んでいて気分が悪くなります。
そこに13歳くらいの娘が、汽車に乗ってくる。その娘が、また芥川を不機嫌にさせる。
その不機嫌さが、最後のクライマックスまで続きます。
そして、最後に奇跡的な変化が起こる。
そういう話です。

これもYou Tubeで朗読があります。12分くらい。
リンクを張っておきますので、良かったら、ぜひ聴いてみてください。

 芥川龍之介「蜜柑」

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夏目漱石の夢十夜 第一夜が好きだ

2020年03月01日 07時00分00秒 | 読書・書籍
夏目漱石の短編小説で「夢十夜」というのがある。
出だしが「こんな夢を見た」で始まる。第一夜から第十夜まである。
その中でも、第一夜と第三夜が好きだ。
三夜は、ちょっと怪談のような話で読みやすい。
でも、僕が好きののはなんと言っても、第一夜だ。
ちょっと、出だしを書いてみる。
 
 こんな夢を見た。
 腕組みをして枕元に座っていると、仰向に寝た女が、静かな声でもう死にますと言う。女は長い髪を枕元に敷いて、輪郭の柔らかな瓜実顔をその中に横たえている。真っ白な頬の底に温かい血の色が程よく差して、唇の色は無論赤い。到底死にそうには見えない。
 
主人公とこの女性がどういう関係なのかわからない。
ただ、女は言ったとおり死んでしまう。
それで死ぬ前に、主人公にこう言う。
「また逢いに来ますから」「百年待っていてください」と。
それで、主人公は百年間、女を待つ、という話だ。
なんとも夢らしい不思議な話で、ロマンチックで美しい。
この短編を読んでも、あまりピンとこないが、朗読で聴くと、すごくいい。
僕の個人的なことだが、体がつかれたときじゃなくて、神経的に疲れたとき、第一夜の朗読を聴くと、疲れがスーッととれる。みんながみんなそうかわからないが。
第三夜も話としては、なかなかいい。
You Tubeで朗読してるのが、沢山あるので、もしよかったら聞いてみてください。

だいたい10分くらいの短い朗読です。
 
 
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