今日14日は私の誕生日。馬齢を重ねて70歳、いわゆる古希である。ところが、古希は数えの70歳、満69歳をいうそうで、本当は昨年が古希だったのである。まあ、この歳になってはどちらでもかまわない。
古希の由来は、唐の詩人杜甫の曲江(きょっこう)詩「酒債は尋常行く処に有り、人生七十古来稀なり」(酒代のつけは私が普通行く所にはどこにでもある。しかし、七十歳まで生きる人は昔から稀である)から来たものと言われている。が、その70歳も今では稀ではなくなっている。
ちなみに、1970年頃の平均寿命は男性70歳、女性75歳だったようである。現在は男性79.59歳、女性が86.44歳だから、40年の間に男性は9.59歳、女性は11.44歳も寿命が延びたのである。あくまで推定だから誰もが平均寿命どおり生きるとは限らないが、これから古代稀なる年齢は何歳を言うようになるのだろう。
織田信長の好んだ『敦盛』「人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり。ひとたび生を享け滅せぬもののあるべきか」の一節にある「人間五十年」は、「人間の寿命はせいぜい50年」という諦めであるとか、一般的には、「だから、どうなっても良いから思いっきりやってやろう」という開き直りの意味に解釈されているという。
私はこの歌が好きである。織田信長の性格、考え方を象徴するような解釈が気に入っている。寿命が自分で決められるわけはないのに、また、「美人薄命」には全く縁のないご面相なのに、30歳頃の私は「人生五十年」と決めていたのだからバカみたい。それが今や70歳、下手すると倍の100歳まで生き恥を晒すことも…。ああ、いやだいやだ。
この年になると誕生日とおおっぴらに言うのも憚られるし、いいことなどありはしない。が、70歳になって前期高齢者の仲間入りをして良かったことが1つだけ、国民健康保険の医療機関等で支払う窓口負担割合が1割になることである。しかし、これも来年3月まで1年間の据え置きで、この度の大震災復興の財源確保のためにも来年度から2割に引き上げられるのは決定的であろう。3割負担から2割負担になるだけでもありがたいと思わねば、高齢者だけが安穏と暮らしていいわけがない。
また、国民年金支給額は今年度から引き下げられた。報道では月額200円程度とあったが、私の場合、年額にして3500円、月額約300円引き下げの通知があり、6月支給分から適用される。年金支給金額の引き下げはこれからもあるだろうが、我々高齢者を支えてくれている若い人たちに掛かる負担を思えば文句は言えない。
昨今、よく耳にする「終活」。自分の人生の終わりのための活動の略で、終活は人生の最期をより良いもの(=自分の理想的なもの)とするため、事前に行う準備のことだという。私もこれを機に「終活」をしよう。葬儀は、20年ほど前に岡山医大へ献体手続きをしてあるので通夜も本葬もしないと決めている。お墓は昨年、移転時に50万円負担したので私の居場所くらいはあるだろう。あとは雀の涙ほどの財産と身辺の残務整理であるが、これは姉の娘である姪に頼んである。届出の必要があるものについては連絡先や必要事項を一覧表にして正式な書面にしておかねばと、町の無料相談日に弁護士との面談も考えている。
でも、「終活」で万全の“死に支度”をしたら、意外と長生きしたりして…。笑えない話である。
古希ですか?
今の60代70代の人達は若いですもの。
趣味も多いし、よく動くし
オールドレディさんは、文章力は見事なものだ
といつも感心しています。
知識も豊富ってことなんですよね。
そのままで、これからもイキイキ・キラキラと
頑張ってくださいね。
いつも楽しく拝見させていただいております。
そして、お誕生日おめでとうございます。
私の拙いブログにもまた、よろしかったら
気軽に遊びにいらして下さいね。
ありがとうございます。
ただいたずらに歳を重ねているだけで、これから長生きするほど若い人たちのお荷物的存在になるのでしょうね。
人生にも定年があればいいのですが…。
加齢とともに脳が老化しているのでしょう。語彙が減ってきて、どう表現しようか悩むことしきりです。
若い頃から印刷出版の仕事に携わっていたためさまざまな文章を読む機会に恵まれ、そこから浅学ではあるが多少の知識や語彙の数を増やせたのではないかと。小さいときからの読書の習慣づけは大切だと思います。
あっちこっちから引っ張ってきて並べただけの駄文ですが、これからもよろしくお願いいたします。
いつも読んでいただいているそうで、ありがとうございます。
また誕生祝のお言葉、ありがとうございました。やはりうれしいですね。
これからもよろしくお願いいたします。
幸せが1つ増えますように。
敦盛について一昨年に書いた日記のURLです。
http://blog.livedoor.jp/k545873/archives/1058638.html?blog_id=2547060
ありがとうございます。
幸せでなくシワが1つ増えるような…。
熊谷直実と敦盛のお話、昔読んだことあります。昔、映画もあったような記憶があります。紅顔の美少年だったそうですね。
アツモリソウ、クマガイソウも名だけは知っています。