介護保険制度の一部改正で、介護認定「要支援1、2」と認定された人が受けられる介護サービスが、今年4月から市町村の事業になった。そのためか介護認定「要支援1、2」の認定基準が以前より厳しくなっているという。さらに、改定ごとに65歳以上の高齢者が支払う介護保険料を増額する自治体が多くなっているとか。
介護保険料は市町村ごとで大きく違い、介護保険の利用者が少ない地域では、保険料を安く抑えられるそうである。
私も今年度から保険料が大幅値上げとなった。2017年度は67,820円だったのに、今年度は84,960円、年間17,140円の値上がりだ。平均すると月額7,080円、これは全国平均5,869円を大きく超えている。
ちなみに、最も高額なのは福島県葛尾村で9,800円。最も低額は北海道音威子府村で3,000円。福島第一原発事故で避難指示を受けた福島県内の12市町村は、葛尾村では2,300円アップ、双葉町は1,448円アップと、すべての市町村で引き上げとなったそうだ。原発事故後の避難生活で環境が変化したなか、要介護認定を受ける人が増えたことが主な要因だとか。
年々値上げされる介護保険料だが、本当に必要な介護サービスをどこまで受けることができるのか、常々疑問に思っている。
私の友人は84歳、「要支援1」の認定を受けている。彼女は膝が悪く歩くのが不自由なので、これ以上ひどくならないために、リハビリ特化型デイサービス「カラダラボ」を利用している。
ここは「介護度の改善・維持」が目的の施設で、食事と入浴のサービスはない。毎週1回月曜の午後1時から3時間、イラストのように色々なツールを使って運動をするそうである。
とくにお気に入りは「レッドコード」で、天井から吊られた2本の赤い紐を用いて、最適な負荷環境を作り出すというもの。このツールは病院の整形外科にはないそうで、これを使って運動するのが楽しみだという。
彼女はずっと「カラダラボ」を利用したかったが、先月末、3ヵ月に1度の定期評価で退所を宣告された。どうやら介護サービスの質を評価し、自立支援に資するサービスを提供したかどうかで、介護事業所への交付金か補助金か知らないが影響するらしい。要するに、退所者が多いということはサービスの質が高い。長く通所する者が多いということはサービスの質が低いとみなされるようである。
リハビリ特化型デイサービスは、機能訓練を行うことによって身体機能が低下しないように、又は身体機能が向上することを目的としている。だが、高齢者は3カ月くらいの運動で、それほど身体機能が向上するわけがない。定期的に長く続けてこそ効果もあるというもの、3カ月で止めてしまっては元の木阿弥ではないか? まったくお役所のやることはよく分からない。
彼女は仕方なく、これまでのデイサービス「高齢者の幼稚園」的なところに通所しているが、ここでは身体機能の低下防止にはならないと嘆いている。
介護保険料は年々値上げし、きっちり徴収するくせに…。これでは高齢者のための介護サービスではなく、業者に儲けさせるためのものとしか思えない。
2ヶ月に一回雀の涙のような国民年金が銀行に振り込まれる際、勝手に!少しずつ値上がりした金額が徴収されている。
さあどうする?保険利用の時期がどんどん近づく!
値上げも重要事項だけれど、利用内容こそ近い将来お世話になる身?には一番の関心事。
行政に一人一人きめ細かな奉仕活動を求めるのは無理だとはなから諦めているから、やっぱり自己責任で頑張らねば!
それなりにサービス内容が改善されるのであれば保険料値上げも容認できます。が、自分が必要とするサービスが受けられないというのはおかしいでしょう。
利用しなければ損、と家政婦代わりに利用すると言う人がいて審査が厳しくなったとか。利用者側にも責任があります。自立支援に必要なサービスとは何か。高齢者の身になってプランを立ててもらいたいですね。
できるなら利用したくない、そう思っていますが、いつまで頑張れるか…?