今朝の朝刊1面のコラム「滴一滴」より一部抜粋。
大言壮語や作り話を披露し合う奇祭という。―中略―。もともとは中世、節分の夜に参拝者がたき火を囲んで自慢話などで夜を明かしたのが起源とされる。先日掲載された記事を読んで、失礼ながらあの人の顔が思い浮かんだ。反撃能力の保有など安全保障政策の転換と防衛費の大幅増、異次元の少子化対策で予算倍増、原発依存度を減らすとした従来方針の転換。さらに、人口流入が加速している東京圏の転入超過を2027年度に解消して一極集中に歯止めをかけるとも。岸田首相が実行を表明した重要政策の数々だ。―中略―。
1強と言われた長期の安倍政権でも成し得なかった難題が並ぶ。そうでなくても借金が膨らんで苦しい財政面を含め、実現できるのか疑問が拭えない。神事のような大言壮語で終わらないためには正念場だ。
首相になったからには実績を挙げたくて張り切るのも分かるが、ちょっとやり過ぎという感もしている。素人考えだが、防衛費の大幅増は今でなくても、もっと経済が回復し、国民の仕事や生活が安定してからでもいいのではないか、と。私はすでに岸田首相への期待感はすっかり失せている。ただ国民が望んでいることは何か、それを忘れないでほしい。
コロナ禍も4年目に、岸田首相はまだ「第8波」が続くこの時期に「5類化」を決断した。何でも「統一地方選前に感染症の区分を変えることは危険な賭けだが、その後の5月のG7広島サミット成功を含め、政権危機を脱出するためには、逆にこの時期しかなかった」と。また危険な賭けには、医療費抑制に伴う財源転用の狙いもあるとか。コロナ禍の現状に合わせて「5類」が妥当というのではなく、政治的状況から決断したというだ。
「5類」になって、何が変わるのかというと、これまでのように陽性者や濃厚接触者への行動制限、入院勧告などの対策は取れなくなる。実際、すでに大幅緩和されている対策が多く、国民の日常生活への影響は限定的だろうと。ただ再大の問題は、政府が5類化に伴って、コロナ患者への医療費の公費支援や、医療機関への財政支援を段階的に縮小すると表明したことである。
そもそもコロナが収束したわけでもないのに、政府は日常生活の規制を大幅に緩和した。何をしても効果は薄い、経済は悪化する一方だ。規制を緩和すれば国民は喜ぶし、経済も活性化する。大きな賭けだが、政府はもうなすすべがなかったのだろう。
今ではコロナ禍以前に戻ったかのように世間は賑わっている。コロナ禍は減少傾向にあるが、いつどうなるやら分からない。さて次は「5類化」だ。個人でできる感染対策はもう「マスク」しかない。政府があれこれ指示しなくても、この3年間でみんな賢い判断ができるようになっていると思うよ。
余談だが、過去3年のコロナ対策費用は77兆円とか。どこへどう、正しく使われたかなど知りようがない。その中の一つ、持続化給付金制度は不正受給で逮捕者が続出、不正受給総額は2月9日時点で17億6482万6130円だとか。
またコロナ入院患者を受け入れる医療機関を補助するための交付金について、岡山大学病院は昨年度までの2年間に、19億円余りを過大に受給していたという。患者の受け入れで休止した病床や、確保したものの埋まらなかった病床に対し、国から医療機関の機能に応じて1床ごとに1日1万6千円から43万6千円が支払われる。岡山大学病院は実際よりも高額な病床の単価で申請していたらしいというからあきれた。この事例は全国各地の病院でもあるとか。
そして茨城県にある百貨店では新型コロナの「雇用調整助成金」を不正受給。2022年10月までの2年半の従業員の勤務データを改ざんして3億円余りを不正に受給していたという。これは幹部が指示していたという。
不正受給事件では経済産業省のキャリア官僚が2人、「盗人を捕らえて見れば我が子なり」だった。今でも個人やグルーブの詐欺事件は数え切れないほどたくさんあるという。何のための支援制度か、大事な税金だよ。担当者はしっかりしろっ!
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