回収ババはちょくちょく出店のババの露店へ立ち寄ってはチラムを吸っていくようになった。ぼくのチャラスを使っているので誰がこようと出店のババは文句を言わない。
「毎日ゴミを回収してお金はどこからでるんだ?」
とぼくが聞くと、ババは出店と顔を見合わせていた。どぅれぇ、とババはずだ袋に手を突っ込んでごそごそやっている。そしてどうだ、とばかりに数個のビンの蓋を取り出しぼくに見せる。
「これだ、これが金になる」
見ればコカコーラ等のただのビンの蓋だ。それが何故お金になる?蓋の中のコルクを剥いだら大当たりでもするのか、どうも奴の話が呑みこめない。
「俺のハウスへこい、見せてやる」
ババは何を見せるというのか、チラムを吸ってちょっとハイになっている、興味が芽ばえババについてハウスへ向かった。 ガンガ河畔から本通りへ出る階段を上るとここまで平坦だったリシケシからの本通りは参道と分岐し左側の山の方へ上り始める。巡礼者用のバス溜まりを過ぎ林の中をババと2人で上って行った。右斜面の木々の間から谷の下にちらちらとガンガが見える。バスも人も通らない山間の静かな道だ。坂を上りきる辺りにぽつんぽつんと林の中に小屋が現れた。
出店のババ 4月頃の乾季 向かって左がぼくの定位置 右に回収ババが座る
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