デリーはジャンキーにとって非常に危険な都市に変っていた。デリー警察はドラッグの取り締まりに対しかってない強い方針でジャンキーやプッシャーをピックアップ、根こそぎ逮捕しデリー中央刑務所へ収監していた。うかつにもぼくはその事に気付かなかった。メインバザールに着いて直ぐピクニック・ゲストハウスにいる筈のフレッドとニナに会いにいった。以前、と言っても今年の5月、このホテルの殆どの部屋がアフリカンで溢れアフリカ料理とドラッグの臭いがしていた。ドアーの隙間からは白い歯と濁った目がこちらを窺っている。今、静まり返って人の気配がない。屋上から各階の廊下、階段を歩いて下りる。いつも流れていたボブマーレー、アフリカンが一人残らず何処へ行ってしまったというのか。気難しいが誇り高いアフリカン、だが知り合うと楽しい。フレッドは確実にスタッフを用意してくれた。
バザールを歩いていれば誰か売人に会えるだろう、と帰りかけたときホテルの入り口のソファーに座っていたマダムが
「買いに来たんだろう、二階にスリランカ人がいる行ってみな」
と教えてくれた。顔は知っていたが彼女と話したことはなかった。二階の部屋で会ったのはショッカンとサンダーだった。
「良質のスタッフを100gぐらい欲しい。g・400ルピーで用意できるか」
「捜してみる」
2日、3日が過ぎても誰にも会わない。夜遅くなって何人かのアフリカンに声を掛けた。
「持っていない、知らない」
何の情報も得られない。トランジット・ビザは通過許可書で二週間以内に第三国へ出国しなければならない。デリーに来て5日が無為に過ぎた。その間ショッカンが2度サンプルを持ってきたが使える代物ではなかった。奴は中卸しとの繋がりを持っていない。夜9時頃、何の手がかりもなくホテルへ帰ろうとメインバザールをぶらぶらと歩いていた。馴染みのレストランの前を通り過ぎ暗い路地へ曲がろうとしたとき
「トミー、トミー・・・」 とぼくを呼ぶ声がした、と同時にサンダルのぱたぱたと駆ける音がしてぼくの身体を抱きしめた。二ナとの再会だった。
バザールを歩いていれば誰か売人に会えるだろう、と帰りかけたときホテルの入り口のソファーに座っていたマダムが
「買いに来たんだろう、二階にスリランカ人がいる行ってみな」
と教えてくれた。顔は知っていたが彼女と話したことはなかった。二階の部屋で会ったのはショッカンとサンダーだった。
「良質のスタッフを100gぐらい欲しい。g・400ルピーで用意できるか」
「捜してみる」
2日、3日が過ぎても誰にも会わない。夜遅くなって何人かのアフリカンに声を掛けた。
「持っていない、知らない」
何の情報も得られない。トランジット・ビザは通過許可書で二週間以内に第三国へ出国しなければならない。デリーに来て5日が無為に過ぎた。その間ショッカンが2度サンプルを持ってきたが使える代物ではなかった。奴は中卸しとの繋がりを持っていない。夜9時頃、何の手がかりもなくホテルへ帰ろうとメインバザールをぶらぶらと歩いていた。馴染みのレストランの前を通り過ぎ暗い路地へ曲がろうとしたとき
「トミー、トミー・・・」 とぼくを呼ぶ声がした、と同時にサンダルのぱたぱたと駆ける音がしてぼくの身体を抱きしめた。二ナとの再会だった。