どうもアフリカンのデブとは上手くいきそうにない、新しく替わってまだ3日だというのに。チャッキするとしたら3房のフィリップスの所か、ここは3名だから一応OKだ。ただ汚い、掃除をしてないのだろう。4房はピーター他2名で1名分の余裕がある。後は8房のランジャンの所も可能性がある、がどこにチャッキしても面白い事はなさそうだ。3房に入ったらスタッフの心配はない、フィリップスと同房だから、ただ他の売人から粉を買う事は出来ない。
明日も裁判所出頭だからディクソンの衣類はそのまま借りる事にした。
「ノープロブレム」とディクソン。
1月20日(金曜日)
疲れた。どうしてぼくの場合、2日連続の出頭になるのか、1日だけでは終らない。今日、何があったかと言えば裁判書類を15枚くらい貰っただけだ。肝心の私物の返還はなかった。大切だと思われる裁判書類が15枚も出されているのに弁護士は来ていない。法廷で30分以上待たされた。その間、刑務官に頼んで知らないインド人からビリをバクシシしてもらって吸っていた。パールガンジ警察署の私服のポリが来ていた。2度目の再会だ。奴がここへ来た理由はぼくの私物の件だろうと思ったので聞いてみたが、その件は知らないと奴は言った。
次回の出頭日は5日後の1月25日と決まった。弁護士はやはり昨日、来ていた。申請書を法廷に提出していたと書記官が教えてくれた。弁護士が今やろうとしているのは裁判所の権限でぼくの小切手を現金化する事ではないかとぼくには思えてしょうがない。彼はまず弁護費用を確保したいのだ。昨日、弁護士もマリーも来ていた。今日、15枚ものぼくに関する裁判書類が出される事を知らなかったのだろうか。裁判の進行さえ順調に行けばぼくは弁護費用の準備は当然する。今日、受取った書類の内容をぼくは早く知りたいのだ。大使館と東京銀行のゼネラル・マネージャーにぼくが手紙を書かないので弁護士はぼくを通さない別のルートを急ぎ出した。裁判所の審理は進んでいるのだろうか全く分からない。次回の出頭日、1月25日でぼくが逮捕されてちょうど3ヶ月になる。誰もが、裁判が動き出すのは3ヶ月後からだと言う。これからぼくの審理は本格化するのだろう。それにしても昨日、今日と弁護士に会っていない、ここにきて弁護士が不在だと心細い。数多くの依頼人を抱えていてぼく1人に掛かりっきりとはいかないだろう、それは分かる、しかし1月5日に会っただけだ。お金の催促の為に刑務所に来る時間があるのだったら裁判の方をちゃんとやってくれよ。