ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

その後    帰国・・・6

2019-06-12 | その後・帰国

 まだシック(スタッフの禁断症状)は感じていないがそろそろ症状が出る頃だ。上海を出てから最後のスタッフを使う予定にしているがトランジットすると普通、離陸まで2時間くらいはかかる。昨夜11時頃にスタッフを入れているので我慢できるぎりぎりの線だろう。朝食が終ると座席の上にある荷物ケースからバッグ類を出している日本人が増えてきた。かなりの人が降りるようだが入れ替わりに多くの日本や中国の人々が乗ってくるのかもしれない。禁煙になる前に一服しようとタバコに火をつけた。食後という事もあるだろう、それと降りる前に用を足しておきたい人達だろうかトイレへの動きが暫らく続いた。機内前方から日本人グループの楽しそうな話し声や笑い声が聞えてくる。シートベルトとノースモーキングのランプが点いた。
 ジェット機はゆっくりと高度を下げているのだろう、それは気圧の変化からくる耳の変調によって分かる。機が進路を変えると緑に覆われた山間部や青い海と白波が描く海岸線が見渡せた。海を見るのは何年振りだろうか?コロンボの防波堤に打ち寄せる大きな波。インド亜大陸最南端の聖地カニヤクマリでは西からアラビア海、東からインド洋が出合い穏やかな海は赤道へ向かって広がっていた。高度は下がり続け都市の高層ビルの上空を飛び過ぎると前方に滑走路や建物と駐機しているジェット機が見えた。漢字で書かれた大きな看板が建っている。上海だから当然、漢字があっても不思議ではない。機が着陸のため一段と高度を下げた時、カタカナや関西という文字を見つけた。ここは上海ではないのか、という疑念が初めてぼくの中に芽生えうろたえた。事情があって飛行が遅れることがあっても、上海にトランジットしないというフライト・スケジュールを変更するだろうか。如何なっているのか?どちらの空港に着陸しようとしているのか?
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