ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

クマルとサソリ

2023-01-08 | 心の旅・追想
 ヨガ・アシュラムに入って2週間が過ぎただろう。アシュラムの日課は日曜日を除いた毎日、夜明け前と午前10時から、それと日没までの3回、各1時間の瞑想である。それともう一つは午後のハタ・ヨガ(エクササイズ)である。この4つは特別な事情がない限り参加するよう一応は義務づけられている。アサナという瞑想をするポーズが何点かあるが同じ姿勢で1時間、瞑想を続けるのは中々に難しい。自分に合ったアサナを選ぶ必要がある。瞑想の姿勢をしたとき頭から背骨が真直ぐに立たなければならない。しかし日常生活では姿勢がどちらかに傾いていたり、体がねじれていたに違いない。1週間ぐらいは真すぐに座ることが出来た、がそうする為に背中の筋肉は無理をしていたのではないだろうか。その後、瞑想の姿勢をすると背骨の両側から背筋全体が痛くてとても瞑想どころではない。部屋へ戻るとベッドの上に丸い薬ビン(正露丸)を置いて横になり背中を押し当て転がって一人でマッサージをしていた。そんなぼくを窓の外から不思議そうな顔をして覗いている奴がいる。何をやっているんだ、ジャパニーは?奴の顔にはそう書いてある。クマルである。
 ネパール人クマルはアシュラム内の庭や花壇の手入れを仕事としている。何度か見かけたことはあるが話しをするのは初めてだ。まあ話しをするというよりは殆どボディー・ランゲジーだ。
「ジャパニー、マッサージ、マッサージ~?」と言いながら彼は手で揉む仕草をする。
「おぅそれだ、マッサージ、それだよぅ~」
指で彼を差しながらぼくは起き上がる。
「待て、ちょっと待て」と言ってクマルは部屋から出て行った。
奴は何をするつもりなのか?ちょっと不安もあったが背中の痛みは我慢ができない。そこへ食用油が入った小ビンを持ってクマルが戻ってくると、上半身裸になってうつ伏せに寝ろと言う。横になるとぼくの背中にオイルを塗ってマッサージを始めた。オイルを塗った背中を指で滑らせると硬くなった筋肉が分かるのだろう、そこを親指でぐいと押される。とてもじゃないが痛くて、うぅと唸ってぼくはベッドを拳で叩き足を跳ねる。クマルは面白しろそうに笑いながら硬い筋肉をほぐしていく、30分ぐらいマッサージをやってもらった。楽になった、有り難うとぼくが起き上がると目の前に奴の手が出てくる。インドで無料の奉仕などあり得ない、しょうがない5ルピーを手の上に置くとクマルは部屋を出て行った。それからぼくの顔を見るとマッサージ・マッサージと言うようになった。


追記
1月六日 不可解なコメントの書き込みがあった あなたは何者? ぼくも 君こそ何者?
文章を書いたが2件とも削除した その日 画像一覧は17という数字だった 分からない
昨日 考えていた 糸口は編集トップにあった 本名と思われる名前が書かれている S君か?
彼は僕より先にベトナム ィンドの旅をして写真集を出版していた 検索から僕のブログ入った
マラリア・1の画像を見たのだろう うかつにPhoto by M Sakai を記入していなかった
マナリで僕の噂を耳にしてマクロードガンジに訪ねてきた パキスタンに寄って帰国するという彼に
目黒のアパートに彼女を残しての旅 喫茶店で働いている 指輪を渡してくれと依頼した
S君だったらこの話を理解してくれるだろう 訪問してくれたらコメント頼む ブログネームはtomyで・・・
コメント
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