ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・52

2014-03-31 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

今回ぼくのお金の返還を速やかに終らせる為に取ったマリーの態度は正にそれだったと言える。裁判所事務官2名に各50ルピーを握らせた。ぼくの書類は順番に関係なく処理され1時間足らずでお金を受け取ることが出来た。もしその方法を取らず順番を待っていたらぼくの書類は事務官の机の片隅に何時間も放置されていただろう。事務官、刑務官に握らせたお金は200ルピーくらいだった。そしてぼくは1500㌦、約5万ルピー分の返還を受けた。
 ディクソンは昨日が出頭日だった。刑務官に100ルピーぐらい握らせれば1~2時間はフリーにしてくれると言った。家族に会い裁判所内の食堂で食事をしたらしい。刑務所に戻る前ビリ2パックをポンプして持ち込みぼくにビリ4本をくれた。考えて見ればスリランカ人はインド人と同じだ。今は独立国になっているが以前は一緒だったのだから。宗教は違うが基本的には同じような気がする、信用できる人間じゃない。パキスタンやイラン人のイスラム教徒の方がプライドを持っているように思える。彼らはぼくや白人に物をねだったりはしなかった、イスラム教徒だからか。アフガン人のプランは特別だ。奴は平気で嘘をつくしぼくも何度か騙された。以前200ルピー借りたアフリカ人はアートと呼ばれている。今日は100ルピーしかないと言って貸してくれた。彼はクリスチャンだ。何故だか穏やかな表情をしている。次の出頭は1月19日に決まった。その間、弁護士が私物返還の申請書を裁判所に提出してくれる事になっている。
 フィリップスにスタッフが入ったようだ。ついでにチョコレートをご馳走になった。ワード移転の件については噂が広がり部屋割りとメンバーの人選にまで進んでいる。スリランカ人は外国人として認められず暫く第2ワードに残され、その後インド人と一緒に他のインド人用ワードに移転させられるらしい。スリランカ人グループは猛反発してセンターゲート・オフィスに外国人認定の申請書を出すと息巻いていた。本当だとしたら嫌なショッカンと別れられる。アミーゴがしきりに誘いを掛けてくるがまだぼくの態度は決まっていない。この件についてフィリップスは何とも言って来ない。
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ジャンキーの旅        遠い道・・・・・21

2014-03-28 | 4章 遠い道・逃亡

 売人、中卸、卸元の組織を逮捕してもドラッグ・ビジネスが美味しいビジネスである限りなくなる事はない。ピーターはまだ暫らくデリーを動かない、スイスからの送金を待っている、ぼくはそう思っている。スイスからの送金を裁判所へ納め彼女を保釈させる、それから2人で逃亡するつもりだろう。
 フィリップスが用意したパスポートは南米のババドリアだと言う、どんな国でどこにあるのかさえぼくは知らない。インドとネパールの有効なビザのスタンプもない、とても使えるパスポートではない、断わった。夕方ジュース屋で待っているのだが例のネパール人は現れない、今日で3日目だ。一度だけ100ルピーを奴に渡して毎日ジュース屋へ来るように言ってある、自分でお金を作ってカトマンズへ帰ったのかもしれない。まずいなぁ、今から別のネパール人を捜すのは難しい、だからと言って最初のネパール人に頼む事もできない。一人で国境を抜けるしかないのか、大変なことになりそうだ。他のアフリカンには頼みたくはない、逃亡の話しをしなければならない、逃亡の噂が広がってはまずい。同行するネパール人がいたとしても、どこでどう態度を変えるか分からない、100パーセント信用はできない。最後に頼れるのは自分しかない、その次がお金だ。お金はいざという時には役に立つ、特にインドやネパールでは。だが今そのお金がない、帰国までぎりぎりのお金しか残っていない。根性を入れていくしかない。何とかなる、何とかする。気持ちは分かるけど、気持ちだけで大丈夫なのかね。


室温21度 忍び寄る夏の気配 昨年のような猛暑だけは勘弁してよぅ
川の様子を見てきた まだ早い 5月になると湾から川への入り口の橋で夜釣りを見るようになる
菜園の一部でミミズを育てている 土壌の改良にも役立つ 数匹見つけた 
この夏はこれでうなぎを釣る そう上手くいくのかねぇ~
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ジャンキーの旅        遠い道・・・・・20

2014-03-26 | 4章 遠い道・逃亡

中卸はメインバザールの卸元ではあるが、単なる中継点でしかない。中卸が常時、持っているスタッフの量は50gから多くて100gくらいだろう。ぼくがフィリップスやフレッドに50g、100gを頼むと必ず数日間は待たされる、卸元へ引取りにいくのだろう。卸元はやはりインド人ではないか、ぼくはそう思っている。一度、デリー郊外のシーク教徒の豪邸に行って取引きをしたことがある。応接室に案内されるとテーブルの上にスケールが置かれ、ダンボール箱からスタッフがスプーンでビニール袋に入れられ計量された。ダンボールを見ると50gは何と微々たる量だろうかと思った。その後、数㎏入りのダンボールを何個も見せられ、ぼくは度肝を抜かれた。そんなぼくを見て彼らは笑って、欲しければ何㎏でも売ってやる、何時でも連絡してくれ、と言われた場景を思い出した。
 デリーはドラッグの巨大な集積地であり供給地でもある。それにジャンキー達は吸い寄せられる。必要なドラッグを入手するとジャンキー達は危険なデリーを離れる、そしてまた帰ってくる、ぼくもそうだった。ブリティッシュ系国だけインドではビザを必要としない。暑くなれば北へ行き、寒くなれば南下してくる。パスポートの記録は1回の入国スタンプだけだ。そして何年でも滞在が出来る。刑務所内にブリティッシュ系ジャンキーがいなかったのは、そのビザ優遇制度があったからではないだろうか。ぼく達にはそれがない。インドを中心にしてネパール、パキスタンやタイ等へ行き戻ってくる、その都度、出入国スタンプが押される。ぼくはカトマンズとデリーを往復していた、その事によってインド大使館からマークされ逮捕に繋がった。同じ様に逮捕されたのはフランス、ドイツ、イタリア、スペイン等だった。訪問国のスタンプを集める旅行者でもパック旅行をしていたわけではない、パスポートを増ページしたのはぼくのミスだ。残りページ数が少なくなったり、損傷や汚れが酷ければ在外大使館は再交付してくれる、そうすれば以前の記録は残らない。新しいパスポートで入国ビザを申請すれば初めての入国として記録される。


雨は昨日の午後から断続的に降り続いている たまらん
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ジャンキーの旅        遠い道・・・・・19

2014-03-24 | 4章 遠い道・逃亡

裁判所は末端の売人を立て続けにリリースした。それはデリー警察の方針だろう。売人を何人、刑務所へぶちこんでもドラッグの取締りの効果は現れない。リリースしたら売人は必ず動く、中枢を逮捕するにはそれしかない、売人は何時でも再逮捕できる。アフリカンの売人にとっては塀の内外は何の意味もない。それどころか中に入っていれば毎日のホテル代や食事の心配はいらない。塀の中でもビジネスはできる。塀の外に出たら生活費は必要だ、その分は何としても稼がなければならない。
 多くのプッシャーがリリースされたのを見てフレッドは隠れ家から出て来た。フィリップスもぼくの保釈によって50g単位の注文を連続で受け頻繁に中卸しに接触した。組織は活発に動き出した。組織に関する情報はある程度、密告者キシトーから得ていたデリー警察は網を絞っていた。釈放されたキシトーはナンシーと共にデリーから姿を消した。12月に中卸しが逮捕されるとスタッフはスムースに流通しない、アフリカン組織は過渡期に低迷していた。二ナ、フレッドや多くのジャンキーと売人達はシックに苦しんだ。もしぼくが12月4日、精神病院に入院していなかったとしても、スタッフ100gを持っていたぼくは難に巻き込まれることはなかっただろう。ぼくは入院していたので正確な実態は分からない、誰もぼくには話してくれない、がこの想像は間違いない。


不安定な天候が続き 寒の戻りもあったが今日は晴天 釣り日和となった
6時 釣り道具を自転車に積み夢を抱いていざ海へ さあどうだと穏やかな海へ一投
暫く待つが当たりがない 竿先を見続ける 何度も投げる ぴくりとも竿の反応がない
11時 釣ったら呑もうと持ってきた焼酎はやけ酒になってしまった 
釣りとはこんなもんさぁ~  あぁ~ 帰りの自転車は重いよぅ~
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ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・51

2014-03-20 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

 2回会っただけなのだが印象としては有能な弁護士とぼくには映った。マリーはぼくが好きなモンパリ(殻付きピーナッツ)やフルーツを買ってきてくれていた。こんなときの親切は嬉しいものだ。お金の返還手続きは複雑でとてもぼくだけでは出来なかった。マリーの存在は大きい。小切手の番号照合、現金の計算や受領書類は本人の自筆となっていたがマリーは適切な指示をぼくに出してくれた。文面は弁護士が作成しぼくはそれを写して書類2通を書いた。あれやこれやで1時間は掛かった。それが終って今後の打ち合わせに入った。
 インドの裁判所では手錠や腰紐などは使わない。留置場を出る時は一人の被告に一人の刑務官がつく。被告を連れて行く方法は刑務官が左手の5本の指を広げるそこにぼくの右手の指を入れると刑務官はぎゅっと握る。それだけでぼくは逃げることが出来ない。法廷に着き審理が行われると刑務官は廊下で待機している。ぼくらの打ち合わせが続いていた。
「マリー、煙草持ってる?」
「吸わないのよ。でも次回から用意するわ」
弁護士がインドの高級煙草、ゴールド・フレークを出してくれた。ぼくが煙草を取ろうとすると刑務官がだめだめと制止に掛かろうとした時マリーがさっとお金を彼に握らせた。ぼくは刑務官の顔を見てゆっくりと煙草を吸った。
「トミー言葉じゃ何もできないのよ、全てマネー、マネー、マネー」
彼女ははっきりとそう言った。


曇り時々雨 風が強くなり波は2~4mと海は荒れる 明日まで続くだろう どもならん
昨日の朝 空は霞んでいる 杉 ひのきの花粉は非常に多い pm2・5は基準値を超える予報 帽子 マスク着用し湾へ行く Nさんがカレイを釣り上げていた 38cm大カレイだ 午後から彼と菜園の手入れをする 冬は畑を休ませていたので雑草が根を張っている 鍬で根を掘り返す しんどかった 2時間の作業で汗が滲む 部屋に戻って2人で冷たいビールだ カレイはどうする 湾で捌いてある 一晩冷蔵庫で寝かせた方が旨みがでる 明日刺身と煮つけ めかぶもある それで一杯呑もう やっぱし海だ なんでもある 自分の飲む分は持ち込みだ 後片づけは家主がやる 一番美味しいカレイの縁側は客であるぼくが食べる 暗黙の了解 夕方が楽しみだ
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ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・50

2014-03-18 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward

  1月5日(木)
 今日は裁判所へ行ってきた。ぼくが法廷に連行された時には既に弁護士は来てマリーと女性の友人と一緒に待っていた。ぼくを逮捕した私服と裁判所で一度会ったがその時の印象では現金は全てないものと思っていた、しかしそれ程のロスはなかった。戻ってきたのは旅行小切手1310㌦、現金60㌦それにインドルピー1800とネパール・ルピーは全額戻った。次にぼくが欲しかったのは旅のノート、手帳、英和辞典それにオークマンだったがそれら私物は戻って来なかった。大使館の今回の申請は金銭に限定されていたのだろう。時計は大丈夫だった。パスポートはどうして戻ってきたのだろうか、マリーに預かって貰うことにした。ぼくは当然、裁判所がパスポートを管理するものと思っていた。周りの者に聞いてみたが誰もパスポートは持っていない。ぼくのパスポートに記載されているインドのトランジット・ビザは期限切れになっているがネパールのビザは95年7月までの学生マルチビザは有効なのだ。もしチャンスがあって逃亡すればネパール行きは可能だ。印・ネ国境の町スノウリに行きインド出入国管理事務所を素通りし、ネパール出入国管理事務所で入国のスタンプを押してもらってカトマンズへ行けば何ら問題はない。インドへ戻りさえしなければタイランドへ行く事も日本へ帰国する事も出来る。ただ急がなければならないインド警察の捜査が追いかけてくるから。


昨日ふたりで飲んでいると 天気が良いからワカメを採りに行こうとTさんから電話があった 今呑んどるから行かれん 昼寝してシャワーを浴びブログの更新をしているとレジ袋一杯のワカメを持って彼が来た そんな量を持ってきてもどうならん 風呂場にほたって置いた 雨の間に床屋へ行った こんな天気は身体がだるい 風呂場にワカメ どがんかせんといかん 一時間かけて昼前にやっと茹で上げた 昼寝から起きてテーブル上の時計の温度計を見ると20度だ やば~い この温度では傷みが早い 海の幸 傷ませる訳にはいかん ワカメ1回使う分を平たくしてビニール袋に入れる そうした方が早く冷凍できる やっと終わった やれやれだ
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せり摘み

2014-03-17 | エッセー





○○さんにやらんと やらん これはせりではない と言われないか まず自分で食べてみることだ
美味しかった 土 日は用があった 明日から3日間雨の予報 今日しかない 
中ちゃんとせり摘みに出かけた 2日間は晴れている せり摘みで人が入ったのだろう 
それでも食べる量は採った 沢がにがおるぅ~ から揚げすると美味しいばい 一匹じゃしょうがない
茹でたせりをつまみに二人で飲んだ 
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せり摘み

2014-03-14 | エッセー

山越えをして小川の近くで車を停めた 去年うなぎを釣った川から1km程の上流だ 途中から地下に流れ湾から500mぐらい手前から地表に出て流れる川となる 土手を下りると1mぐらいの高さで石積みの護岸となる 対岸は流されて溜まった土砂が小さな洲を形造っていた その洲に草が生えている ひょいと飛び降りる 中ちゃんはどうしょうかと迷っていた 下りなんなぁ あんたは上りきらん 納得したのだろう土手からぼくの様子を見ている 草を摘んだ 茎の下は薄いピンク色だ 赤せりやろぅ 渡すとじっと見ていたがヨモギだ 食べられるがどうする とぼくの顔を見る いらん せりという植物をばくは知らないのだ 土手に上って川を見ると深くなった堰がある 二人で見ているとビュン ビュンビュン ビュンと物が動く わぁ~~ハヤや ハヤ~ なんぼでもおる 流線型をした川の小魚らしい それもぼくは知らない 天ぷらにしたら美味いばい あそう~ 今日の目的はせりだ 車を公園の下に回すと言う ぼくは土手に沿って下流へ進む 対岸は桜並木だ 満開で光輝く桜が見えるようだ 花が散り葉桜となる 雨が降り出すと紫陽花の季節となる 色とりどりの紫陽花は雨に濡れた鮮やかな緑の葉によって際立つのかもしれない ここの地名はほたるの里だ 蛍が舞う頃、公園ではほたる祭りが開かれる わぁ~なんぼでもある あれが青せりたい ほんまかいなぁ とぼくは内心思ったりしていた 下流の橋を渡って車を対岸に移動させる その間ぼくは川に下りてせりを摘んだ せりは水の流れにふわふわと浮いていた ようけ採ったね ○○さんにやらんでいいと うん やらん 帰り道スーパーに寄って魚やさんのにぎり寿司を2パック買った 駐車場に車を停めエンジンを切る これで中ちゃんもやっと飲めるね うん飲める と嬉しそう
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ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・49

2014-03-13 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward
 ピーターは何故だか評判が良くない。アフリカンに軽く見られていた。キシトは露骨にあまりここには来ないでくれとピーターに言った。どんな理由からなのかぼくには分からない。だが彼はスタッフが欲しいのだ。ここにいると人種の相互関係が少し分かるような気がする。ヨーロッパの上位はイギリス、フランスそれにドイツだと思う。そしてこの三国の人間関係はとても冷やかだ。親しく接触している場面をぼくは見たことがない。アミーゴはドイツ人には冷たかったがイギリス人、フランス人、イタリア人とは親しかった。ヨーロッパ各国は接近しているせいか言葉はある程度、相互に理解し合えるのではないだろうか、イギリス人がアミーゴにスペイン放送のあるタイトルを言って聴いていたとスペイン語で話をしていた。ドイツは2回の世界大戦でヨーロッパ、北欧を侵略し破壊した忌々しいイメージから抜け出せないのかもしれない。狭いCバラックの中でいろんな言葉が使われている。英語、スペイン、イタリア、アフリカ、ヒンディー、ウルドー、シンハリ、フランス語等だ。
 今夜は1パケ半も吸ってしまった。明朝は裁判所出頭日だ。ジャンバー、ズボン、靴に靴下すべてディクソンから借りて用意してあるが朝はちょっと忙しい。眠れないが寝床に潜り込む。


空はどんより曇って朝から雨だ 一日中降るだろう こんな日は気分が重い
つい焼酎の瓶に手が伸びる 昨日午後 せりの胡麻和えは美味いと中ちゃんから連絡があった 
山のつづき
おばちゃんとの話を報告しに車に戻った 田んぼの中をずぶずぶと歩いて長靴は泥だらけだ 小道を下って小川へ行き長靴を洗う 戻っていると中程に草を手にした中ちゃんがいる これが赤せりたい せりの匂いがするやろう 鼻で嗅いでみるが彼の煙草の煙しか感じない どこにあった 田んぼになんぼでもある 彼がレジ袋を取りに行く間せりを摘む 小道をおいさんが歩いてきた 土地の人ですか? そうや 草を見せてこれはせりですか? おいさんは あほかという顔をしてれんげだよ れんげぇ そんなもんも知らんのか   れ れ れ れんげぇ?稲の肥料になるんや 浄水場は市民の生活水だ農薬は使えない おいさんとすれ違い中ちゃんが下りてきた れんげだって れ れ れ れんげぇ~ 丸い小さなピンクの花 田んぼ一面に咲く蓮華草それだったのだ 草をほたって車に乗る 竹の子を掘るつもりのスコップは用無しになった 帰り道 車中で焼酎を飲んでいると うおぅ~くさ~ 焼酎はくさ~ぃと言う 自分は運転で飲めないからだ 地元に戻れば青せりはなんぼでもあるそれを採って帰ることにした・・・つづく
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ジャンキーの旅          No2 Ward・・・・・48

2014-03-11 | 3章 デリー中央第一刑務所No2Ward
大使館からの差し入れのお金2000ルピーが後40ルピーを残してとうとう底をついた。スタッフ一回分のパケが60~70ルピー約200円で日本のタバコ1箱分くらいだ。一日2パケとビリ五本を吸えば200ルピーくらいになる。スタッフをやらなければ2000ルピーは一ヶ月の生活費としては十分な金額なのだ。それでも足りないと大使館に言えばどうしてそんなにお金が必要なのか、隠れてドラッグをやっているではないかと痛い腹を探られる。刑務所の中、お金の使い道は限られている。
 アフリカ人に借金を申し込んだ。気持ち良くOKしてくれた。ショッカンがまたぼくに接近しょうとしていると思ったら5000ルピー必要だと言って来た。明日の面会でスタッフ10gが入るのでそれをぼくに渡す、その代金として5000ルピーを至急用意してくれないかと頼んできた。ぼくは出来ないと断った。スタッフを小分けパケにしないで1g単位で買うと相場にもよるが大体800ルピーはする。外では300~400ルピーだから二倍以上の高値になる。だから奴が言う10gで5000ルピーは高くはない。良質であれば買っても良いのだが不安なのは大量のスタッフを隠す場所がない。刑務官に見つかってごめんなさいでは済まない。
「5000ルピーを裁判所に納めれば俺は出所出来る」
最後に奴はそう言った。今回ぼくの逮捕に深く関わっていたのは奴しかない。その疑念は今でもある。奴に早く出てもらっては困る。



海がだめなら山へ
昨日 中ちゃんから電話あり 山の浄水場に赤せりを採りに行こう ついでに竹の子もある
上手くいけば山芋のじねんじょもある ありそうもない夢のような話だ 暇だから乗った
車で30分 浄水場を過ぎた畑は緑だ 小川の対岸をおばあちゃんが歩いている せりは下流の
川渕で採れるがまだ早い 竹林は持ち主がおり勝手に入ると怒られる そんなもんだろう
帰り道 竹林で車を止めた 福岡県防災林と立て看板だ 県民税を払っている 登った
手が入っている 枯れ葉を蹴ってみると良質の赤土だ 急斜面の竹林を二人のおやじは見上げた
美味しい竹の子があるに違いない うぅ~ん良い土だよ そうだなぁ~ 足は上ではなく
下りへ向かっていた スーパーだなぁ~やっぱしぃ
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