今回ぼくのお金の返還を速やかに終らせる為に取ったマリーの態度は正にそれだったと言える。裁判所事務官2名に各50ルピーを握らせた。ぼくの書類は順番に関係なく処理され1時間足らずでお金を受け取ることが出来た。もしその方法を取らず順番を待っていたらぼくの書類は事務官の机の片隅に何時間も放置されていただろう。事務官、刑務官に握らせたお金は200ルピーくらいだった。そしてぼくは1500㌦、約5万ルピー分の返還を受けた。
ディクソンは昨日が出頭日だった。刑務官に100ルピーぐらい握らせれば1~2時間はフリーにしてくれると言った。家族に会い裁判所内の食堂で食事をしたらしい。刑務所に戻る前ビリ2パックをポンプして持ち込みぼくにビリ4本をくれた。考えて見ればスリランカ人はインド人と同じだ。今は独立国になっているが以前は一緒だったのだから。宗教は違うが基本的には同じような気がする、信用できる人間じゃない。パキスタンやイラン人のイスラム教徒の方がプライドを持っているように思える。彼らはぼくや白人に物をねだったりはしなかった、イスラム教徒だからか。アフガン人のプランは特別だ。奴は平気で嘘をつくしぼくも何度か騙された。以前200ルピー借りたアフリカ人はアートと呼ばれている。今日は100ルピーしかないと言って貸してくれた。彼はクリスチャンだ。何故だか穏やかな表情をしている。次の出頭は1月19日に決まった。その間、弁護士が私物返還の申請書を裁判所に提出してくれる事になっている。
フィリップスにスタッフが入ったようだ。ついでにチョコレートをご馳走になった。ワード移転の件については噂が広がり部屋割りとメンバーの人選にまで進んでいる。スリランカ人は外国人として認められず暫く第2ワードに残され、その後インド人と一緒に他のインド人用ワードに移転させられるらしい。スリランカ人グループは猛反発してセンターゲート・オフィスに外国人認定の申請書を出すと息巻いていた。本当だとしたら嫌なショッカンと別れられる。アミーゴがしきりに誘いを掛けてくるがまだぼくの態度は決まっていない。この件についてフィリップスは何とも言って来ない。