あれやらこれやら いろいろ沖縄

沖縄に住み30数年の県外居住者が見た沖縄の生活や人情・自然や文化、観光。「あれやらこれやら」気ままに。

台風17号。情報から隔絶された一日の記録

2012年10月07日 18時20分27秒 | Weblog
 9月29日土曜日、夜明け前の朝4時5分。
ゴーッという物凄い風の音に目を覚さます。
テレビのスイッチを入れる。台風情報がテロップで流れている。
予報円の中心が那覇の線上にある。中心が通る予想だ。
少しベランダのサッシを開けてみる。
猛烈な勢いで風が飛び込んできた。風の唸りが凄い。
 沖縄のベランダには雨戸のようなものはない。もろに風や雨が当たる。
ゴーゴーと地鳴りのような風が吹いている。
時折、ゴーンという地鳴りのような突風らしい風音が襲ってくる。
 眠ることも出来ず寝床の中で読みかけの本のページを開く。
地鳴りのような音に目が覚めた。
いつの間にやら、本を脇に捨て置いて眠りについていたらしい。
小一時間も眠っていただろうか。時計は5時50分を指していた。
カーテンを開けると外は暗い。
少し早いが起きるか、寝床から出る。
いつものように、浴室に飛び込みシャワーの蛇口を捻る。
いつもなら、窓を開け、涼風を入れて浴びるシャワーも今朝だけは窓を閉め切って換気扇を回す。



 シャワーに濡れた身体を拭いていて「まさか」と思い、入り口の新聞受けを開けてみると今朝の朝刊が入っていた。
昨夜からは空も海も運休している。今朝はバスやモノレールは止まっているのに。



 

写真上:9月29日朝の公園の模様。横殴りの雨が霧の様に視界を遮る。
写真下:10月6日:枯葉に覆われた枝を無残に切り取られた公園の木。


 昨夕、友人から電話があった。働く女性である。
用件が終り、雑談の中で、
「今夜は夜勤があるので出社する」という。
「無理じゃないか」と諌めた。
すると、
「台風なんかで休むわけにはいかない。新聞だって配達するでしょう」
という、そういえば、15号、16号のときも新聞が朝5時過ぎには新聞受けに入っていて驚いたことを思い出した。今朝もそうだった。

 朝刊を手に取り、居間に戻るとテレビが映っていない。
「受信レベルが低下しました。アンテナ線を確認してください」
と文字だけを冷ややかに映し出していた。暴風下、外に出るわけにはいかない。
これはいつものこと。台風が来るたびに腹が立つ。
対策を何もしていない。
外をみると風雨は更に激しく木々を殴りつけていた。

 7時半、朝ごはんを食べる。
ニュースや朝ドラを見ながらの朝食が日課であるが、今日ばかりはさみしい。
カーテンを開けると風が唸りを上げて、ますます激しく吹き荒れ、雨は横なぐりにまるで霧のように視界を遮っている。
 10日以上もアップしていないブログを書こうとパソコンに向かった。
パソコンを起動した。電気が通じていることをはじめて認識する。
 台風情報をみようとインターネットを起動するが繋がらない。
電話も発信音がない。。
途方にくれていたが携帯電話があることに気付く。
OCNに連絡するか、NTT西日本かと迷う。
OCNの連絡メモがないので、取り敢えず、料金問い合わせに電話すると休日だ。
NTT116に電話する。
携帯電話からはだめ、一般電話からしてくれと録音テープが流れる。
ようやく携帯に登録された番号をみつけ、NTT故障に電話する。
「災害のため電話では受付できません。インターネットから申し込んでください」
と、これまたテープ。
最後の手段で104に電話する。
「ただいま非常に混みあっていますから後ほどお掛け直しください」
これもテープ。いつになったら空くんだ。

 運よく階下の事務所が開いていた。
「パソコンを貸してくれませんか」
事情を話してパソコンを立ち上げる。
トップページは開くが、どこにも「故障のときは」「困ったときは」などの案内のリンクは見当たらない。営業に関する案内ばかりである。
 時計は12時を少し回っていた。風も収まり、雨も上がった。
外を見回っていた件の事務所の部長が事務所に帰ってきた。
「台風の目に入りましたね。ところで一本電線が切れていますよ」
という。出てみると我が家への引き込み線が切れて、ぶらぶら揺れている。
連絡のつけようもなく、苛立ちは頂点に達していた。
「113でやってみましょう」
と彼は携帯電話を持ち出してきた。
113はNTTdocomoの故障係だった。ここからNTTに繋がった。

 3時間余りの悪戦苦闘だった。NTTは、
「想定外のことですからね」と言い訳をするつもりか。
担当者に噛み付きたかったけど、電話口の彼も嵐の中を押して出社したまじめな社員だと考え慰労の言葉に変えた。
「大変ですね」とだけ声をかけて状況を説明した。
「後程、係から電話させます」
そういって電話を切った。感じのいい若い女性の声だった。
 一夜明けて、9月30日になった。昼過ぎても連絡はない。
未だ、風雨は収まらず、吹き返しの風が猛烈だ。
公園のアカギや栴檀の小枝がちぎれて風に舞う。
テレビも見ることができない。
インターネットもメールもだめ。
ラジオは、先日、友人にやったばかりである。
通信手段は携帯電話だけ。
それでも世間から隔離されたような孤独感に苛まれる。
 幸いなことに停電はしていない。
パソコンに向かいこのブログの原稿を書いた。
書き終えたけれど、NTTからの工事予定の電話が未だない。

 現在。9月30日日曜日 午後3時12分。


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