昨日は患者さんに向けて敢えて厳しい事を書いた。
今日は身内、歯科医に向けて更に厳しい事を書かせていただく。
インプラントは近年かなり進化して成功率は確かに高まっている。
だが、術者による成績が当然の如く物凄い差がある事を甘く見ていないか?
そして又、習って来て少しやって見て上手く行かないで、真贋を簡単に付けていないか?
自分と教えている先生との温度差、経験智、修練を軽く考えていないか?
総義歯の世界で考えると良く分かる事なのだが、難しい仕事を出来る歯科医は限られて来る。
何故なら、芸術的センス、感覚が物凄く物を言うからだ。
インプラント治療でも、これらの感覚は大きな差を生んでいる。
何もない所、無から有を創り出す世界では、拠る術はその歯科医の感覚以外にないからだ。
複数本もの治療になればなるほど、インプラント治療の難しさは比例級数的に上昇して行く。
単に少し難しくなる程度では済まないのだ。
この事を、私は甘く見ているのではないの?と突っ込みたくなる事がしばしばだ。
結局の所、最終的にはその歯科医の基礎力、臨床力がものを言う。
今まで、突き詰めて臨床を積んで来なかった人間がインプラントを手に入れて、それで全て上手く行く訳ではない事を、肝に銘じる事をお勧めする。
私が指摘する事は全ていつも同じだ。
ペリオ歯周病治療に必死でどれだけ取り組んで来たか?
外科、水平埋伏歯から逃げてばかりでは駄目だ。
総義歯を代表とする空間芸術的補綴治療に必要な芸術的センスを磨いて来たか?
知識で知っているだけではなく、手先指先の感覚を磨いて来たか?
根管を指先の感覚にのみ頼りで開けて行く感覚は、骨の中にインプラントを植立できる位置を探すのに良く似ている事を知っているか?
今までの全てを積み上げて、やっと何とか出来るのがインプラントであると言う事を、もう一度考え直して欲しい。
基礎が疎かな土地に高くて立派な建物は決して立たない。
一朝一夕に難しい事など絶対に出来ない。
イチローのように百年に一人の天才を除いての話と言いたい所だが、イチローは誰よりも練習、鍛錬を怠っていない事を誰もが知っている筈だ。
何処まで出来るようになるのか?
もっともっと突き詰めて努力して見よう。
いい歳をしている先生からとか相談される時でも、残念ながら、先生にはこの症例は無理だと思います、とハッキリとは言い難く、遠まわしに紹介されては如何ですか?としか私にも言えない。
若い先生からの相談は、言うまでもない。
何かが違う、この違和感を拭える時代の漱ぎをするのが、我らの役目なのかも知れない、と最近感じる。
古い時代を知り抜き、新しい時代の到来時にはそれなりの歳になってしまっている、時代の狭間としか言いようがない時をど真ん中で生きているからだ。
上にも意見し、下にも至言を残す。
繋ぎ目の世代、それが我らなのだろう。
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臨床の実力と書く実力、そしてそれを上手く伝える話し方が出来る事。
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