ある私立学校の教師のH氏。
新幹線の駅K市から初診で来られて、インプラントがかなり入っているけれど、歯周病の状態が酷い。
歯垢が歯にべったりだし、歯周ポケットからも膿とかが沢山出て来ていました。
今までのインプラント治療で散々痛い思いをして来た、と言う話で、インプラント治療の相談で来たのだが、それ以前に口の中の状態が酷い。
余りに酷いので、徹底的にクリーニングしてそれから口腔内診査をして、右上の犬歯と第一小臼歯が揺れていて、特に4番第一小臼歯が凄く揺れているので、気の毒なので徹底したクリーニング後、初診だが抜歯しますか、と言うことで抜歯をした。
そうしたら、案の定凄い病巣でそれを徹底的に取って、そのままだと顎堤が相当に痩せてしまうので、海外から特別に入手して来た生体修復材料を充填して、顎堤再建するようにして縫合して終了した。
それが、14日。
そして、翌日のクリーニング、洗浄をキャンセルしてそのままで今日。
その後の状態が心配なので、こちらから電話したら、電話に出るなり、しまった出てしまったと言う雰囲気ありありで、初診時の時の話振りと打って変わって凄い上から目線な口ぶりだったそう。
で、あろうことか、生体修復材料をしっかりと留めて置く為の縫合を、もう他の医院に行って抜糸したと。
呆れて開いた口が塞がらなかった。
なんてことするんだろうか!
国内では絶対に手に入らない、とても有効な貴重な生体修復材料を、とんでもない患者の為に使ってしまって無駄にしてしまった。
こう言う医療人の善意を、無に帰すような馬鹿なことする患者が時々いる。
生意気だが、使った生体材料は海外でないと入手出来ないモノだし、非常に有効だがまだそんなに知られてないモノで、私が海外の学会に行って特別に分けていただいて来たモノなのだ。
しかも、その費用は殆ど向こうで購入して来た費用のまま、私の取り分なんて10年レベル、と言う渡米費とか色々な手間賃なんて一切いただかないで患者さんの身体の為にと思って使っているものだ。
これをそのまま業者とか、会社組織が輸入して、市販したら間違いなく5倍以上の値段にはなる。
そう言う貴重なうちでしか受けれない、他では絶対に出来ない治療受けていても、全く有り難味が分からない患者がいる。
しかも、教師だから、尚呆れる。
困ったもんだ。
かような無礼な患者は、天がちゃんと見ているだろうから、因果応報で報いが来ることだろう。
しかし、かえすがえすも限りある有効な生体修復材料を使ってしまったことが悔やまれる。
馬鹿なことに、もう抜糸してしまったから、必ず型崩れして折角に治療が無駄に帰すだろう・・・
型崩れしないようにしっかりと縫合して、出来る限り長くそのままでいなければならなかったのに。
抜糸した他のDRは、何故こんなに綺麗に顎堤が保たれているんだろうと不思議に思わなかったんだろうか?
実に馬鹿な話だ。
縫った糸が亡くなったので、型崩れしてしまう・・・
実に残念。
真面な他の真面目な患者さんを救う為に使えたモノを、無駄にしてしまった。
まだまだ、こう言う馬鹿な患者に嫌な思いさせられる。
残念で仕方がない。