今SNSで著名な幡野さんの推薦文に惹かれて、拝読しています。
この本を読むと、20年以上前にベストセラーになった「病院で死ぬこと」と言う本を思い出します。
あの頃、私は西台のダイエーの中の診療所で働いていました。
そして、私の考えで待合室に置かせていただきました。
ところが、患者さんからクレームが来て、下げることになったのです。
あれから20年以上。
いまだに医療の現場で本当に起こっていることは、患者さんとその家族に知られていませんね。
この本も、そのことを思い知らせてくれます。
何故、本当のことは伝えられないのでしょうか?
人は必ずいつか誰でも死にます。
その時にどうしたいのか、そして、その意思を持っていても叶えられない現実。
特に今回の本では、痛み、辛いこと、身体だけではなく、メンタルも痛んで辛いのだ、と言うことを教えてくれます。
でも、直ぐに死んで楽になれる訳ではない、と言う厳しい現実、現場。
その時を迎えるまで、どう身体も心も安寧に過ごすのか?
それには、どう考え、心を決め、残りの人生を生き抜くのか、を真摯に問い詰めている本だ、と思います。
私も、30前にB型の劇症肝炎で死にかけましたが、あの時は早く楽になりたい、ああ俺はこのまま死ぬんだな、まあいいか、とおぼろげな頭で思ってました。
あの時の苦しさ、辛さ、鉛のように重い身体、と言う言葉の表現すら軽い、と感じるくらいでした。
死にそうに苦しい思い高熱の風邪で動けない、身体が重い、と言う感じでした。
余りの辛さ、苦しさで、早く楽になりたい、死ねるなら死にたい、早くしてくれ、と考えたりしてましたね。
何しろ、幽体脱離して、寝てる自分の姿を上から見ましたし、地獄巡りもさせられましたから。
地獄巡りさせられ、知ったことは、死んでも決して楽にはならない、なれないんだな、特に自死は絶対に駄目なんだな、でした。
で、3%もない生還率で助かって生き返り、今まだ生きてます。
生かされたからには何かしなければならないんだろう、と思って、今まで色々として来ました。
そして、又こう言う本と出会い、私の道を強く考えさせられました。
人は誰でも皆んな、楽しく生きたい。
生きて良かった、と思って死にたい。
何かを残して逝きたい。
と言うことだ、と思います。
長い短い、ではなく、質、中身、本質。
そこの所をぶれずに、患者さんに辛い思い、苦しい思いをさせないように、早く楽しめる日々の生活、お仕事に戻してあげられる。
そんな医療人でありたい、です。