昨年5月の種子島・屋久島に続き、今年は奄美大島へ行ってきました(雪国育ち故、「南国、亜熱帯」という良い響きに弱い。。)
松本空港からのチャーター便です。 5月19日~21日 3日間
5月19日午後
松本空港、このFDA機で2時間後には奄美空港に到着です。松本はとても良い天気なのですが、奄美大島は曇りから雨の予報。旅行のときに雨が降ったという記憶があまりないほど晴天に
恵まれているのですが、、まあ、こういうこともあります。
奄美空港に到着。やはり曇りで、夜は雨が降っていました。
名瀬市内に向かうバスから偶然見かけた教会へ導かれるように行ってみました。他には誰もいない夕暮れを過ぎた静かな礼拝堂、清められている場所で心が落ち着きます。
市内で、夕ご飯の場所を探してあちこち見て歩きましたが、満席であったり飲む方が中心の店だったりで、結局ホテルの食堂で済ませることに。でもこれが正解でした。
写真は、奄美の名物「鶏飯」。 ご飯を軽く盛り、具を載せて鳥のスープをかけてお茶づけのようにして食べます。なかなか美味しいです。しかも良心的な値段。
5月20日
雨。 でも夕方までの間、幸運なことにバスの外に出て歩く時には、不思議と小降りか曇りでした。
最初の訪問地は、マングローブパークです。希望者は有料でマングローブの中を巡るカヌーを体験できます。勿論やりました。(腰を傷めた後だったので、カヌーに座るのが少し大変でした)
乗る前に係の人から、「ここの植物はすべて大切な自然資産であり、オールなどで傷つけたりすることが無いよう注意してください。」との指導を受け、簡単に操作方法を教わってから出発。
波も殆どなく、容易く乗れます。カヌーを漕ぎながら視界をゆっくり流れていく水辺の木々は雨に濡れて生き生きとして、視線の高さにある木の根もよく見え、時々鳥が鳴きながら飛んで行き、
今自分が亜熱帯の真ん中にいるということを実感出来ました。水路の水を少し味見してみましたが、海水の半分か1/3位の塩分かなと感じました。過酷な環境に適応した植物だけが生きる生態系
を間近で見る貴重な体験でした。
マングローブパークの展望台から見た広大な風景です。出発間際に大急ぎで150段の階段を昇って撮影。
次は、高知山展望所へ。入口付近や展望所には「木」と勘違いしそうな巨大シダ「ヒカゲヘゴ」があちこちに生えています。高さは7,8メートルあります。
展望所からの大島海峡方向。残念なら雨雲と霧で、僅かに見えるだけでした。(海峡が観やすくなるよう少し画像を調整してあります)
高知山展望所を離れ、瀬戸内町手安の海沿いの食堂で昼食後、古仁屋より水中透視船で加計呂麻島へ。 曇りだったので水中の風景は色彩が今一つでしたが、豊かなサンゴ礁がよく見えました。
加計呂麻島では、民家が並ぶ路地を歩きながら、咲いている花や植物についてガイドさんから教えていただきました。
教えていただいた花の一つ、サネンです。沖縄から九州南部に分布、ショウガ科の植物。
加計呂麻島を離れ、古仁屋へ戻り、向かった先はこの日最後の訪問地、ホノホシ海岸。ここの浜辺は砂ではなく波により互いにぶつかり丸くなった石で埋め尽くされています。バスを降りる度に
雨が小康状態になる1日でしたが、唯一ここでは横なぐりの風雨の洗礼を受けました。写真もご覧のとおり雨粒や雨が写ってしまいました。波打ち際まで行ってみたかったのですが、とても近づ
ける天候ではないので断念。ちなみにここの石は、持ちだし厳禁です。
2日目の宿泊地は、島の北側、ばしゃ山村さんです。夕食の時、島唄と踊りで大歓迎をしてくれました。
5月21日
朝の風景。 ブーゲンビリア(写真の花)は元々奄美大島にあったものではなく、人によって他から持ち込まれたものだそうです。でも南国情緒たっぷりの演出にはやはりこの花でしょうか。
3日目の訪問地、あやまる岬の傍にあるソテツの群生地です。雲はあるものの良い天気でした。
赤いつぶつぶがソテツの実です。初めて見ました。
かつて奄美の人々は、藩に厳しく締め付けられ砂糖は全て年貢として取り上げられ、食べるものに窮し、ソテツの実も食料として利用していたとのこと、ただし有毒で、かなり手数の掛かる無毒化
の作業が必要だそうで、当時の人たちの生きるための苦労が忍ばれます。
(5月20日放送のNHK大河ドラマ「西郷どん」の中で悪代官が、濡れ衣を着せるために愛加那さんたちの家に踏み込んだ際に、ソテツの実が入ったざるをひっくり返すシーンがありました。
やっとの思いで生きるために収穫した僅かなものさえも無慈悲に蹴散らす役人に、ドラマとは言え腹が立ちました)
あやまる岬から望む。やっと南国の海を拝めました。
この旅行で最後の訪問地、南洲流謫跡、西郷隆盛が幕府から身を隠していた時代に住んでいた家屋跡です。周囲の柱は当時のものも残っているそうです。
西郷さんの妻、愛加那さんのお墓も近くにありました。勿論墓地には親族の方しか入れませんので、脇から拝見して合掌。 墓石には「龍 愛子」と刻まれています。
この旅行を申し込んだ3月はまだ北信濃は冬。「亜熱帯の奄美に行きたい」という思いしかありませんでしたが、丁度この旅行中が、「西郷どん」の奄美大島でのクライマックスと重なりました。
旅の終わりに快晴となりました。帰りの便を待つ奄美空港は、眩しい日差しの中です。
今回の旅行で、果たせなかった目的が1つあります。それは南十字座を見、撮影することでした。 北国の者にとって、南天の星は憧れであり、南十字はその象徴とも言えるものです。
奄美大島は緯度約28.4度、南十字は水平線近くに4つの内3つの星が見えるはずです。今回その時間となる午後9時付近は、雨こそ降っていなかったもののベタ曇りで、星が見える状況
ではありませんでした。 いつかまた機会があったら是非に。上の星図は5月20日 21時の奄美大島で真南方向の星空です。