庭の花々は、厳しい北信濃の冬を超えた後に来る春から秋まで、折々の風情を楽しませてくれています。それはそれでもちろん良いのですが、以前から思っていた野菜も、とこの連休に植え込み作業を進めています。
苗は、近くのDIY店で春の植替えに必要な土や資材とともに購入。COVID-19の影響で、当地はスーパーや公園なども大変空いていましたが、DIY店はかなりの人出でした。丁度今頃が農業や家庭菜園作業の真っ盛りなので当然だと思います。 ただもちろん「3密」状態ではなく、レジも前の人と間隔を空けて待つようにしてありました。
買ってきた苗です。ミニトマト3種類、ぼたんこしょう・甘ナンバン、セロリ、ワンカットレタス、モロヘイヤ、そしてオクラ。 後ろの鉢は、植え替えの終わった花たち。
ぼたんこしょう(ぼたごしょ、とも言う)という名前、聞いたことのが無い方も多いと思いますが、北信濃で栽培が盛んな野菜です。 「こしょう」と名が付いていますが、いわゆる「胡椒=ペッパー」ではなく、ナス科トウガラシ属のピーマンに似た野菜です。 当地では昔から、唐辛子を「とうがらし」と言わず、「こしょう」と呼ぶ習慣があり、これがこの野菜の名前の由来にもなっています。 流石に少々紛らわしいからか、最近は「こしょう=胡椒」と「とうがらし=唐辛子」は標準語のとおり使い分ける人が多くなっています。 因みに私が幼少のころ、周りの大人たちは「胡椒」のことを「ヨウコショウ」(西洋のこしょう)と呼んでいました。
野菜を育てるにあたり、花を押しのけることはしたくないので、野生の芝が生えて荒れている家の裏側と西側を切り開いて(開梱)そこを小さな野菜生育場?にしました。痩せていて赤土が混じり硬く、かつ小石が沢山混ざっている場所なので、耕すのも一苦労です。石灰と肥料(家畜の堆肥)を入れて耕してから暫く土を休ませて、昨日植え付けしました。
後ろ側がミニトマト軍団、手前が、ぼたんこしょうなど。 トマトの支柱はかなり丈夫にしてあります。台風シーズンにも耐えられるように。
日陰でも割と平気そうな子たちはこちら。 背景の花は隣家。綺麗ですね。
野菜づくり関係の本には、5月に入れば植え付けok というような記述が目立ちますが、当地北信濃は、5月に入っても夜間は5度位まで下がることがあり、また遅霜も警戒しなければなりません。 そのためのポロエチレンシートによる養生囲いもしました。暑さが予想される朝は捲らなければなりません。 何から何まで手探りですし、何よりも土づくりがいい加減なので育ってくれるかどうかは判りません。 日当たりの好きな子には東側を、日陰でも平気そうな子には、北西をというように場所も一応配慮してみました。 植物は正直です。環境が駄目であれば枯れてしまい、「ここ気に入らない」と無言で人に教えるし、好きなら山ほど花や実を付けます。 今回植えた苗にミニトマトを選んだのは、30年以上前に住んでいた長野市内のアパートで、庭にほぼ自生状態だったものが、毎年たくさんの美味しい実をつけていたのを懐かしく思い出したからで、だからここでも育つ、とは思ってはいませんが、状態を静かに見守りたい。
それと、今まで庭から出るかなりの量の雑草類は捨てていたのですが、これを有機たい肥に転換する試みも始めてみようと思います。雑草も落ち葉も、元はその土地の有機物であり土であり、それをただ捨てていては土地が痩せるのはある意味当たり前で、それを止めたい。 上手くいくかどうかは、数年の検証が必要だと思いますが、庭の中でクローズドサイクルができれば、「小宇宙の完成」 化学肥料を場当たりで使うよりはずっと環境に優しく土地が豊になる、はずです。 あとは、長続きが難しい私しだい、、、
下の写真は、野菜とは関係無いですが、私が通勤に使っている駅の桜です。咲いてはいるのですが、今一つぱっとしません。花と葉がどちらともつかず同時に出てきているためです。ここ2,3週間は寒暖差が激しかったので、桜もどうしていいか困っているのでしょう。