だから、ここに来た!

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SHERLOCK「A Study in Pink」携帯の研究。Part.2【ネタバレ】

2011-12-29 | TV/SHERLOCK S1 "A Study in Pink"
さて、タクシーを拾ったシャーロックとジョン。
ジョンはシャーロックの言動から連続殺人の解決に関係する人物らしいことは理解しつつも、
引っ越し前に同居人から事件現場に誘われるというあまりの急展開に、
彼の正体までは判断する事が出来ずにいるようです。


Sherlock
OK, you’ve got questions…
質問でもあるのか?



John
Yeah, where are we going?
どこへ行くんだ?
Sherlock
Crime scene. Next?
事件の現場だ。次。
John
Who are you, what do you do?
君の仕事は何?
Sherlock
What do you think?
何だと思う?
John
I’d say…private detective.
はじめは私立探偵かと…
Sherlock
But?
でも?
John
The police don’t go to private detectives.
警察は探偵に頼らない。
Sherlock
I’m a consulting detective. Only one in the World. I invented the job.
僕はコンサルタント探偵だ。世界でただ一人のね。
John
What does that mean?
どういう意味?
Sherlock
Means when the police are out of their depth, which is aways, they consult me.
警察が手に負えない事件にぶつかると、僕が相談に乗るわけ。
John
The police don’t consult amateurs.
警察が素人に相談?
Sherlock
When I met you for the first time yesterday, I said Afghanistan or Iraq. You looked surprised.
初めて会った時、アフガニスタンかイラクかって訊いたら、驚いたな。
John
Yes, how did you know that?
なんで知ってた?
Sherlock
I didn’t know, I saw.
見れば分かる。



Your haircut, the way you hold yourself says military. But your conversation…
髪型や姿勢が軍人らしいし、部屋に入ってきてこう言った。



‘Bit different from my day.’
「昔とは変わった。」

Sherlock
Said trained at Barts - so army doctor, obvious.
ということは、君はあそこで研修を受けた軍医だ。
Your face is tanned…but no tan above the wrists.
顔は焼けているが、手首より上は白い。



You’ve been abroad, but not sunbathing.
日光浴で焼いたんじゃない。
Your limp’s really bad when you walk,
歩く時は足を引きずるが、



but you don’t ask for a chair when you stand like you’ve forgot it, so it’s at least partly psychosomatic.
椅子を頼まずにいる所を見ると、症状は心の傷に由るものだ。



That says the original circumstances of the injury were traumatic wounded in action though.
それほどのトラウマを生む怪我なら、戦場で負ったものだろう。
Wounded in action, suntan-Afghanistan or Iraq.
戦場で負傷、日焼けとくれば、アフガニスタンかイラク。
John
You said I had a therapist.
セラピストのことは?
Sherlock
You’ve got a psychosomatic limp, of course you’ve got a therapist.
トラウマの治療を受けているって考えるのが自然だ。
Then there’s your brother. Your phone. It’s expensive, Email enabled, mp3 player.
兄については、君の携帯は高価だ。



And you’re looking for a flatshare.
家賃にも困っている君が買うはずがない。
You wouldn’t buy this, it’s a gift. Scratches.
なら贈り物ということ。しかし、傷だらけ。



Not one, many over time- it’s been in the same pocket as keys and coins.
鍵やコインとポケットに入れていた証拠だ。
You wouldn’t treat your one luxury item this, so it’s had a previous owner.
だが君なら高価なものをそうは扱わないだろう。
Next bit’s easy. You know it already.
ならば誰かのお下がりだが、それは簡単だ。



John
The engraving.
刻印か。
Sherlock
Harry Watson. Clearly a family member who’s given you his old phone.
ハリー・ワトソンが前の持ち主だが父親ではない。
Not your father, this is a young man’s gadget.
これは若者向きの機種だ。
Could be a cousin, but you’re a war hero who can’t find a place to live-
君は戦争の英雄なのに済む場所に困っている。
unlikely you’ve got an extended family, not one you’re close to.
親しい親戚がいない証拠だ。
So brother it is.
なら従兄弟ではなく兄弟だ。
Now, Clara, who’s Clara?
で、クララ。クララは誰だ。



Three kisses says it’s a romantic attachment.
キスマークが刻まれた高価な携帯。
The expense of the phone says wife, not girlfriend.
恋人ではなく妻だろう。
Must have given it to him recently, it’s only six months old.
このモデルは発売されてまだ半年。
Marriage in trouble then- six months on he’s given it away.
たった半年で妻から送られた携帯を手放したのは、彼が妻を捨てたからだ。
If she’d left him, he would have kept it. Sentiment. No, he wanted to rid of it. He left her.
捨てられたのなら思い出に取っておくだろう。
He gave the phone to you, so he wants you to stay in touch.
そこで彼は弟の君にこれを譲った。
You’re looking for cheap accommodation, but you’re not going to your brother for help-
だが君は家賃にも困っているのに助けを求めない。
that says you’ve got problems with him.
仲が悪いんだ。
Maybe you liked his wife, or don’t like his drinking.
兄嫁が好きだったのか、兄の酒癖が嫌なのか。
John
How can you possibly know about the drinking?
君は何故、酒癖のことまで分かるんだ?
Sherlock
Shot in the dark. Good one, though.
一応根拠はある。



Power connection tiny little scuff marks round it. Every night he plugs it in to charge but his hands are shaking.
充電するところに小さな傷がたくさん付いているのは手が震えるからだ。
You never see those marks on a sober man’s phone, never see a drunk’s without them.
こういう傷は、酒を飲まない人間の携帯には絶対付かない。
There you go, you were right. I was right?
これでよく分かっただろう?
John
Right about what?
分かったって、一体何が。
Sherlock
The police don’t consult amateurs.
警察が僕に相談する理由が。
John
That…was amazing.
…ああ、見事な推理だ。



Sherlock
You really think so?
…ホントか。
John
Of course it was. It was extraordinary, it was quite extraordinary.
もちろんホントだ、見事なものだ。素晴らしい。
Sherlock
That’s not what people normally say.
稀な意見だ。
John
What do people normally say?
他の人は何て?
Sherlock
Piss off.
「うるせえ!」って。




「四つの署名」で、ワトスンが兄の持ち物であった懐中時計を渡し、
ホームズに推理をさせる場面がありますが、
懐中時計が携帯電話に変わっているのは当然といっちゃ当然ですね。
もちろん、対象が携帯に置き換えられてはいるものの、携帯に刻印がされており、小銭と一緒に持ち歩いた傷が付いていて、
手元がおぼつかないために鍵穴(ここでは充電の差し込み口)付近に傷がついている、という、
基本的な推理は原作に沿っています。

ワトスンがホームズに渡した懐中時計は、亡くなった兄の形見でした。
このお兄さんは「四つの署名」の時点で「最近亡くなった」と書かれているので、
ホームズと一緒に住むことになった「緋色の研究」ではまだ生きていたことになるのですが、
当時のワトスンは「親戚も友人もいない」と書いています。
そうすると当然、「ワトスンはロンドンに戻った時に何故兄を頼らなかったのか?」という疑問が出てきますが、
現代版では「兄弟の不仲」という解釈が加えられています。
ブログでのハリーのコメントを見ていても、ジョンが全然連絡を入れてないことがよく分かりますもんね。
でも、ハリーの方は、自分の元妻の携帯を渡したりブログにコメントを入れたり、
シャーロックが "- he wants you to stay in touch." と言っているように、
割と気を掛けているようにも見えます。

そして、タクシーを降りたジョンの口から、"ジョンの兄"に対する新しい解釈が明かされます。

Sherlock
Did I get anything wrong?
どこか違ってたか?
John
Harry and me don’t get on, never have,
ハリーと僕の不仲は昔からだ。
Clara and Harry split up three months ago and they’re getting a divorce,
クララとハリーは別居してる。三ヶ月前からね。
and Harry is a drinker.
ハリーは、酒飲みだ。
Sherlock
Spot on, then. I don’t expect to be right about everything.
全部当たるとはさすがの僕も意外。
John
Harry’s short for Harriet.
ハリーはハリエットの略だ。
Sherlock
Harry’s your sister.
…ってことは姉?
John
Look, what exactly am I supposed to be doing here?
ところで僕は何をすればいい?
Sherlock
Sister!
姉か!!
John
No, seriously, what am I doing here?
それより僕は何をすればいい?
Sherlock
There’s always something.
何かあるさ。




今回はここまで。
今年のうちにもう少し先まで触れたかったのですが、無念。
次にUPする時には、もうSeason 1が放送されていることでしょう… I can hardly wait...






今年は、私たち日本人にとってたくさんの辛い出来事がありました。
私自身、SHERLOCKの事を考えているうちは楽しく過ごせますが、
現実では決して明るいことばかりではありません。
来年は、今年の出来事から目を伏せるばかりでなく、
少しでも前向きに過ごせるように、生活や考え方を改めなければ行けないなと思っています。

ここに来ていただいたみなさんが、幸せな新年を迎えられるように、
そして映画や音楽やドラマを心の底から楽しむための、豊かな心を持てる生活が送れるように、
心から祈っています。
そして、来年もここで喜びを分かち合えますように。


"Fantastic!"
"Meretricious."
"And a happy new year!"
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SHERLOCK「A Study in Pink」携帯の研究。Part.1【ネタバレ】

2011-12-29 | TV/SHERLOCK S1 "A Study in Pink"
とうとう「SHERLOCK」Season 2の放送まであと3日!(本国では。)
迫ってまいりましたね! ( *´艸`)
前回の更新から、「A Scandal in Belgravia」の刺激的なwトレーラー(確か3本くらい)、
"SHERLOCK RETURNS"のアナグラムになる単語3つをモチーフにしたトレーラー4種類、
アイリーン・アドラーやモリアーティを含む、主要登場人物の宣材写真や場面写真が公開されています。



企画・脚本のSteven Moffat氏が出演したBBC Breakfastの映像もチェックしましたが、
そこで紹介されていたVTRも"いろんな意味で"興奮されられるものでした。
マイクロフトお兄様やジムの写真見ながらデレデレしたり、
シャーロックやアイリーンのあんな映像を見てニタニタしたりしていて、
更新が遅くなっていたのは、ちょっと興奮しすぎていたせいでもあります。すびばせん…。


彼らの一歩…とは言わず何十歩も大胆に進んでいるらしい歩みも、
「A Study of Pink」から始まっているわけです。
時は2009年(?)1月30日に遡ります。




Sherlock
Hello.
やあ。
John
Ah, Mr. Holmes.
ああ、ホームズさん。
Sherlock
Sherlock please.
シャーロックでいい。



John
Well, this is a prime spot. Must be expensive.
こんな一等地なら、高いだろう?
Sherlock
Mrs. Hudson, the landlady, she’s given me a special deal. She owes me a favour.
大家のハドソンさんが、特別に安くしてくれた。
A few years back, her husband got himself sentenced to death in Florida. I was able to help her.
数年前、ご亭主がフロリダで死刑判決を受けた時、僕が助けた。
John
Sorry, you stopped her husband being executed?
死刑執行を止めてやったわけか…。
Sherlock
Oh no, I ensured it.
いや、確実にした。



現代版の何に感動するかって、ホームズとワトスンが名前で呼び合う、ってところですよね。
19世紀末では家族でもなければ名前で呼ぶことはなかったということですから、
「シャーロックでいい」なんてことはありえなかったわけです。

グラナダテレビ版の「悪魔の足」では、ホームズが殺人現場で手に入れた薬物の効果を試そうとして幻覚を見て、
やっと意識を取り戻した際に、ワトスンに向かって「John!!」と叫ぶ場面がありますが、
これはホームズを演じるジェレミー・ブレット氏の提案だったそうです。
(ちなみに吹替版では「ああ!」としか言っていません。)
名前で呼び合う彼らを見て、自分たちと同じ世界で生きているんだと嬉しさがこみ上げます。

それにしても、ハドソンさんの夫は何をしでかしたのでしょうか。
助けた=死刑を確実にした、ということはダメ夫だったのか…。
やはりあのシャーロックを受け入れる大家だけあって、
ハドソンさんもただ者ではない経歴の持ち主なのかもしれない…。

そして、2人は共同生活を送ることになる221Bの部屋へ。

この部屋を見た瞬間に、グラナダ版ファンの自分はしびれてしまいました。
(すみません、原作のファンというよりは、グラナダ版のファンな私です…)
階段と扉の位置、暖炉の位置、窓の向き、机や本棚の位置、キッチンの場所、椅子の置き方、
まるでグラナダの間取りのままではないか!



現代版に置き換える際にどんな間取りであっても問題はなかったと思うのですが、
製作陣が「これは“原作の現代版”ではなく、今まで作られたシャーロック・ホームズ作品の現代版なんだ」
という方針のおかげで、カラーテレビドラマのホームズとして最も有名なグラナダ版の間取りが採用されたのかもしれません。
このおかげで私は「これは本当に現代のホームズの話なんだ」と強く実感することが出来ました。


John
Well, this could be very nice. Very nice indeed.
よさそうな部屋だね。住みやすそうだ。
Sherlock
Yes, yes I think so, my thoughts precisely.
ああ。僕もそう思って。
So I went straight ahead and moved in.
だからすぐ引っ越してきた…



John
Soon as we get all this rubbish cleaned out…
このがらくたを捨てれば。
So this is all…
…君の荷物か。
Sherlock

Well, obviously I can erm…straighten things up a bit.
ちょっと片付ければ、大丈夫だ。ほら。



John
That’s a skull.
骸骨?
Sherlock

Friend of mine. While I say friend…
友達だ。僕にとっては。
Mrs. Hudson
What do you think, then, Dr Watson?
ワトソンさん、どうなさいます?
There’s another bedroom upstairs, if you’ll be needing two bedrooms
2階にはもう一つ寝室があるんです。もし別々がよろしければ…
John
Of course we’ll be needing two.
もちろん寝室は別で。
Mrs. Hudson
Oh, don’t worry, there’s all sorts round here.
いいのよ、近頃は多いもの。
Mrs Turner next door’s got married ones.
お隣には結婚してるカップルもいるの。



Oh…Sherlock, the mess you’ve made.
もう…シャーロック、散らかしすぎよ。
John
I looked you up on the internet last night.
ネットで君を調べた。
Sherlock
Anything interesting?
成果はあったか?
John
Found your website. The Science of Deduction.
サイトを見つけた。「推理の科学」。
Sherlock
What did you think?
ご感想は?



John
You said you could identify a software designer by his tie and an airline pilot by his left thumb?
ソフトウェアデザイナーはネクタイを、パイロットは左手の親指を見れば分かるって?
Sherlock
Yes.
そうだ。
And I can read your military career in your face and your leg,
君が軍人なのは顔と足を、
and your brother’s drinking habits on your mobile phone.
お兄さんの酒癖は携帯を見て分かった。
John
How?
何故だ?
Mrs. Hudson
What about these suicides them, Sherlock?
じゃあ、この連続自殺はどう思う?
I thought that’d be right up your street.
あなたなら解決出来るんじゃない?
Three exactly the same.
3人同じ死に方なんて…
Sherlock
Four.
4人だ。
There’s been a fourth. And there’s something different this time.
でも4人目は、違う死に方をしたようだ。



Mrs. Hudson
A fourth?
4人目…?
Sherlock
Where?
どこだ?



Lestrade
Brixton, Lauriston Gardens.
ブリクストンのロリストン・ガーデンズ。
Sherlock
What’s new about this one? You wouldn’t have come to me if there wasn’t something different.
僕を呼びにきたということは、違う死に方らしい。
Lestrade
You know how they never leave notes?
今回初めて…
Sherlock
Yeah.
何。
Lestrade
This one did. Will you come?
遺書があった。来てくれ。
Sherlock
Who’s one forensics?
鑑識は誰だ?
Lestrade
Anderson.
アンダーソン。
Sherlock
Anderson won’t work well with me.
僕とは相性が悪い。
Lestrade
Well, he won’t be your assistant.
君の助手じゃない!
Sherlock
I need an assistant.
でも助手がいないと困る。
Lestrade
Will you come?
来ないのか?
Sherlock

Not in a police car, I’ll be right behind.
パトカーではね。でも行く。
Lestrade
Thank you.
ありがとう。



Sherlock
Brilliant! Yes!
素晴らしいっ! やった!




Four serial suicides, and now a note. Oh, it’s Christmas.
あぁ、自殺4連続に今度は遺書! あぁお祭りだ!
Mrs. Hudson, I’ll be late. Might need some food.
ハドソンさん、遅くなるので夜食をよろしく!
Mrs. Hudson

I’m your landlady, dear, not your housekeeper.
私は大家であって、使用人じゃないわよ。
Sherlock
Something cold will do.
冷めたものでかまいません。
John, have a cup of tea, make yourself at home. Don’t wait up.
ジョン、お茶でも飲んで寛いでいてくれ。先に寝てろ!



Mrs. Hudson
Look at him, dashing about…My husband was just the same.
見た? あのはしゃぎっぷり。私の亭主もああだったわ。
But you’re more the sitting-down type, I can tell.
でも、ああたは静かに座っているタイプみたいね。
I’ll make you that cuppa, you rest your leg.
お茶を入れるわ。足を休めて。
John
Damn my leg!
もーう、うんざりだっ!!
Sorry, I’m so sorry. It’s just sometimes this bloody thing…
ああ、失礼。すみません、時々どうしても、苛ついて。



Mrs. Hudson
I understand, dear, I’ve got a hip.
分かるわ、私も腰がね…
John
Cup of tea’d be lovely. Thank you.
お茶、ありがたいです。
Mrs. Hudson
Just this once, dear, I’m not your housekeeper.
今回だけよ。私は使用人じゃないの。
John
Couple of biscuits too, if you’ve got them.
ビスケットもお願いします。
Mrs. Hudson
Not your housekeeper.
使用人じゃ、ありません!



Sherlock
You’re a doctor. In fact you’re an army doctor.
君は医者だろ? …陸軍の軍医だ。
John
Yes.
…ああ。
Sherlock
Any good?
腕はいい?



John
Very good.
とてもね。
Sherlock
Seen a lot of injuries, then. Violent deaths.
けが人や死体は、山ほど見た?
John
Well, yes.
ああ。
Sherlock
Bit of trouble too, I bet.
トラウマになってる?
John
Of course. Yes. Enough for a lifetime, far too much.
ああ、そうかも。もう、イヤという程見てきたよ。
Sherlock
Want to see some more?
もっと見たい?



John
No, God, yes.
もちろんだ。

Sorry Mrs. Hudson, I’ll skip the tea. Off out.
お茶は結構です、出かけてきますんで。
Mrs. Hudson
Both of you?
2人とも?
Sherlock
Impossible suicides? Four of them?
4人とも自殺なんてありえない。
No point sitting at home when there’s finally something fun going on!
やっと楽しくなってきたのに家になんかいられるか!



Mrs. Hudson
Look at you, all happy. It’s not decent.
楽しそうねぇ。不謹慎だこと。
Sherlock
Who cares about decent?
不謹慎だからなんだっていうんだ。
The game, Mrs. Hudson, is on!
ゲームが始まったのに!


「The Great Game」の冒頭でも書きましたが、
「マントルピースの上に返信していない手紙をジャックナイフで突き刺して」という描写は
「マスグレーヴの儀式書」から。
頭骸骨が友達、という記述は出てこなかったと思うのですが、
ファンのつぶやきで「この頭骸骨ってまさかハドソンさんの夫のだったりして…」
というのを見かけて笑っちゃいました。
後でこの頭骸骨はハドソンさんに取り上げられちゃいますが、
夫の頭だから取り上げられたのか?w


ハドソンさんが「お隣には結婚してるカップルが…」と言っていますが、
オリジナルでは隣人のことを"Mrs. Tarner"と呼んでいます。
「ボヘミアの醜聞」でホームズが「ターナー夫人が食事を持って来る」と言う場面があり、
「ターナー夫人って誰? 大家はハドスン夫人じゃないの?」とかねてから議論されている謎の人物ですが、
ここでお隣さん、しかも同性結婚しているという設定にして解決。
隣人なら2人に食事をお裾分け、ということも、なくはないかもしれません。
そして何度も登場するシャーロックとジョンの"ゲイ疑惑"もここで初めて触れられています。
まだ会ったばっかりなのにw

ゲイと言えば、「モーリス」でゲイの青年を演じ、
英国映画界の貴公子のひとりとして注目を集めていたRupert Gravesがレストレード警部に扮していますね。
イタチのような男、というイメージとは異なりますが、
20世紀初頭の美青年が、21世紀初頭に素敵なおじさまとなって登場とは、
まさしく現代版ホームズにふさわしいキャスティングですね。

原作ではホームズたちはコミッショネアが持ってきたグレグスン警部からの電報で事件のことを知りますが、
シャーロックはパトカーでレストレードがやってきただけで、連続殺人だが違う殺し方であることを見通しています。
彼が何者であるか分からないままのジョンも、
彼の顔が新聞記事に載っているのを見て、スコットランド・ヤードの刑事であると気付きます。


シャーロックの"The game, Mrs. Hudson, is on!"「アベ農園(The Abbey Grange)」
"Come, Watson, Come!" "The Game is Afoot."
または、「ウィステリア荘」
"- his brightened eyes and brisker manner which assured me that the game was afoot."
を元にしているようです。

元々、この台詞自体がシェークスピア作品からの引用という説がありますが、
それが「ヘンリー四世」の "Before the game is afoot, thou still let'st slip." なのか
「ヘンリー五世」の "The game's afoot; Follow your spirit" なのかは分かっていないようです。
そのまま、「ゲームが始まった」という意味と、
「狩猟の為の獲物(=ホームズにとっての事件や犯人?)が放たれた」という意味の
ダブル・ミーニングなんですね。

the game is afoot! という言い回しはロバート・ダウニーJr.の映画版でも使われていますが、
「三銃士 王妃の首飾りとダヴィンチの飛行船」の中で
オーランド・ブルーム演じるバッキンガム公が使っていたりと、
ホームズに限らず、定番の決め台詞になっているようです。
定番になっているということで、現代版ではあえてthe game is onという言い回しを使ったのかもしれませんね。


つづく…。
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