引き続き、「SHERLOCK」の振り返りです。
ちょっと体調悪かったりで更新遅れてます。
爆弾付きジャケットを着せられた市民を解放させるため、
制限時間内にモリアーティが仕掛けた犯罪の解決に挑む現代のシャーロック。
第一のテストは、モリアーティが221Bに置いたと思われるスニーカー。
これはシャーロックが初めて手がけた事件の被害者、
カール・パワーズが所有していたものでした。
第二のテストは放置車両。
レストレード警部が確認すると、車両はレンタカーで、
借り主が銀行員のモンクフォード氏であることが分かります。
レンタカーのシートはモンクフォード氏の血で汚されて、本人は行方不明。
そこで、シャーロックとジョンは奥さんに事情を聞こうとするわけですが。
Sherlock
Mrs. Monkford.
奥様ですか?
Mrs. Monkford
Yes. Sorry, but I’ve already spoken with two policemen.
ええ、話なら他のお二人に…
John
We’re not from the police, we’re…
僕らは警察じゃありません。
Sherlock
Sherlock Holmes. Very old friend of your husband’s.
シャーロック・ホームズです。ご主人とは友達で…
We, um…We grew up together.
一緒に…育った仲です。
Mrs. Monkford
I’m sorry. Who? I don’t think he ever mentioned you.
どちらさま? 初めて聞くお名前ですが…
Sherlock
Oh, he must have done. This is…This is horrible.
いや、聞いてるはずです。
I mean, I just can’t believe it. I only saw him the other day.
信じられません。ついこの間もイアンにあったけど、
Same old Ian. Not a care in the world.
相変わらず何の心配事もないって感じで…(涙)
Mrs. Monkford
Sorry…My husband has been depressed for months. Who are you?
まさか。主人はここ数ヶ月鬱だったんですよ? あなた誰?
Sherlock
Really strange that he hired a car.
車を借りるなんておかしいな。
Why would he do that? It’s a bit suspicious, isn’t it?
なんで借りたんだろう、変です。
Mrs. Monkford
No, it isn’t.
いいえ、ちっとも。
He forgot to renew the tax on the car, that’s all.
車の税金を払い忘れたからです。
Sherlock
Ah, well! That was Ian. That was Ian all over.
ああそうか、イアンらしい。イアンはいつもそうだった!
Mrs. Monkford
No, it wasn’t.
そんなことなかった!
Sherlock
Wasn’t it? Interesting.
そうですか。面白い。
Mrs. Monkford
Who was I taking to?
(警官に)あの人誰?
John
Why did you lie to her?
何で嘘を?
Sherlock
People don’t like telling you things.
事実を引き出すには反論させるのがいい。
シャーロック、女優もビックリの嘘泣きをご披露。
第二話「The Blind Banker」でも住民のフリして
階上の人にインターホン越しで「鍵を忘れちゃって…」なんていいながら不法侵入してましたが、
“普通の人”のように振る舞うシャーロックが見られる貴重な場面ですよねw
美しい涙ですが、その後の「そうですか、面白い」の真顔が…(((;゜Д゜)))
シャーロックが本気で泣くことってあるんでしょうか…。
それはさておき。
シャーロック・ホームズは推理力だけでなく、情報を引き出す会話術にも長けてますよね。
「事実を引き出すには反論させるのがいい」
という台詞から、聖典で思い出すのは、
「四つの署名」で、犯人が乗っている蒸気船の行方を探るため、
持ち主モーディカイ・スミスの奥さんに
「なんて名前でしたっけ?」
「オーロラ号です」
「そうだ!古い緑と黄の幅の太い線のある船?」
「いいえ、塗り立てでスマートな黒に赤の二本線ですよ」
と、船の特徴をさも知っているかのように聞き出していたのを思い出します。
手法は異なりますが、「青い紅玉」を飲み込んだガチョウの売り主情報を得るために、
コベントガーデンの商人ブレッキンリッジの店を訪問したホームズが、
彼が持っていた競馬新聞(「ピンク・アン」)を見て、
ガチョウが都会育ちなんて信じられない、田舎育ちである方に1ソブリン賭ける、と持ちかけ、
仕入れ先の帳簿を持ってこさせることに成功したことも。
わざと間違った発言をして不快になった相手に訂正させたり、
興味のある話題を振っていつのまにか積極的に情報を開示させるようにしむけたり、
名探偵は嘘泣きだけでなく、結論を引き出す話術も身につけておかないといけないようです。
この場面でのシャーロックは、妻との会話の中で、モンクフォードを過去の人としてあえて過去形で話し、
遺体がまだ発見されていないにも関わらず、妻もつられて過去形で語っていることから、
妻が嘘をついていることを見抜きます。
そしてレンタカー屋のヤヌス・カーズ(ヤヌス=2つの顔を持つ神様)が
金銭的トラブルを抱えたモンクフォード氏をコロンビアに逃がし、
彼の生命保険を妻とヤヌス・カーズの店長が山分けするだろうという結論に達したのでした。
Sherlock
Now, go and arrest them, Inspector, that’s what you do best.
やつらの逮捕は君に任せる。
We need to let our friendly bomber know that the case is solved.
僕らは爆弾魔に謎を解いたことを知らせないと。
I AM ON FIRE!
燃えてきたぜ!
この台詞! やる気満々の後ろ姿!
聞いているこっちまで燃えてきたのは言うまでもありませんっ!
冒頭の退屈さ加減から一転、
畳み掛けるように難題を突きつけて来る爆弾魔。
2人はつかの間のランチタイムをとりますが、そこにも新たに挑戦状が届きます。
John
To be honest, we’ve hardly stopped for breath since this thing started.
今回の事件は一息つく暇もない。
Has it occurred to you…?
もしかしたら…
Sherlock
Probably.
おそらくな。
John
No, has it occurred to you that the bomber’s playing a game with you?
聞けよ。爆弾魔は君とゲームをしているのかも。
The envelope, breaking into the other flat, the dead kid’s shoes... it’s all meant for you.
封筒も、下宿の地下室も靴も、全部君に向けたものだ。
Sherlock
Yes, I know.
分かってる。
John
Is it him, then? Moriarty?
じゃああいつか、モリアーティか?
Sherlock
Perhaps.
たぶんね。
(New message)
(新しいメッセージを受信する)
That could be any body.
誰だこれは。
John
Well, it could be, yeah.
知らないかぁー。
Lucky for you, I’ve been more than a little unemployed.
僕がしばらく失業しててよかったな。
Sherlock
What do you mean?
どういう意味?
John
Lucky for you, Mrs. Hudson and I watch far too much telly.
ハドソンさんとテレビをよく見ててよかったよ。
第三のテストは、視聴者変身番組の司会者、コニー・プリンス。
日本でもこういう番組ありましたよねー。
同じような人って誰だろう…今現在だと辛うじてドン小西とかそこらへん?
いかにもワイドショーが重宝しそうな人ですね。
それにしてもハドソンさんにつき合って変身番組見てるジョン、かわいいなw
コニーの死は、熱狂的な?視聴者であるハドソンさんにとってもショックな事件だったようです。
Mrs. Hudson
It's a real shame. I liked her.
残念だわ、ファンだったのに。
She taught you how to do your colors.
色のアドバイスがいいのよ。
Lestrade
Colors?
色って?
Mrs. Hudson
You know, what goes best with what.
何色と何色が合うとか。
I should never wear cerise, apparently. Drains me.
私はさくらんぼ色着ちゃダメなの。老けて見える。
Lestrade
Who’s that?
(シャーロックに)誰から?
Sherlock
Home Office.
内務省
Lestrade
Home Office?
内務省?
Sherlock
Well, Home Secretary, actually. Owes me a favour.
ああ、内務大臣だ。貸しがあってね。
Mrs. Hudson
A pretty girl, but she messed about with herself too much.
キレイな人だったけど、整形しすぎよね。
They all do these days. People can hardly move their faces. It’s silly, isn’t it?
最近の人はみんなやるけど、顔が動かせなくなっちゃうなんてバカみたいじゃない?
フフフ…!
この会話、妙に好きなんです。
警部がハドソンさんの世間話につき合ってるのが微笑ましくて。
英国の内務省は「Home Office」って言うんですね。
(ちなみに米国は「the Department of Interior」)
「(He) Owes me a favour」は「貸しがある」。
第一話でもハドソンさんとの出会いをジョンに説明するとき、
シャーロックは「She owes me a favour」と言っています。
内務大臣には一体どんな貸しがあるというのでしょうか…。
さて、モルグで語られるコニーの死因ですが、
Sherlock
According to one of her staff, Raoul de Santos,
スタッフのラウルによれば、
she cut her hand on a rusty nail in the garden.
コニーは庭で錆び付いた釘で手を切った。
Nasty wound. Tetanus bacteria enters the bloodstream, good night, Vienna.
その傷口から破傷風菌が体内に入って、「グッドナイト・ウィーン」
この「グッドナイト・ウィーン」は、リンゴ・スターのアルバムのタイトルで、
リバプールの俗語ではずらかる、という意味があるみたいですね。(wiki情報w)
ここだけ原語のままで吹替ているのが意外です。
ウェストウッドのようにブランド名ではないから、そのまま吹替出来たってだけかもしれませんが。
コニーの傷が新しく、破傷風菌の潜伏期間と一致しないことから、
菌が入ったのは手を切る前の事であったと分かり、
実際はどこから菌が入ったのかを突き止めるため、ジョンがコニーの身辺調査にあたることに。
ジョンはすっかり相棒の役割を率先してこなしてますねー。
薄々モリアーティの影に気付いている2人の一方で、
爆弾魔の正体がまったく掴めないレストレード警部は
苛立ちをシャーロックにぶつけます。
Lestrade
There's something else that we haven't thought of.
他にも分からないことがある。
Sherlock
Is there?
あるか?
Lestrade
Yes. Why is he doing this, the bomber?
あるよ。爆弾魔は何故こんなことを…
If this woman's death was suspicious why point it out?
何故コニーの死が怪しいことを伝えてきた?
Sherlock
Good Samaritan.
いい人だから?
Lestrade
Who press-gangs suicide bombers?
市民に爆弾を巻いてるのは誰だ?
Sherlock
Bad Samaritan.
悪い人かな。
Lestrade
I’m serious, Sherlock.
おい、茶化すなシャーロック!
Listen, I’m cutting you slack here, I’m trusting you,
いいか、私は君を信じてるが、
but out there somewhere some poor bastard’s covered in Semtex and just waiting for you to solve the puzzle.
今もどこかで誰かが、体に爆弾を巻かれて君が謎を解くのを待っているんだ。
So, just tell me. What are we dealing with?
だから教えろ。これはどういう事件だ?
Sherlock
Something new.
…今までにない事件。
「いい人」「悪い人」の部分を、シャーロックは
「good Samaritan」「bad Samaritan」と言っています。
聖書には詳しくないのですが、good Samaritanはイエス・キリストの「善きサマリア人」の説法に基づいているんですね。
キリスト教に馴染みのない者にとってはちょっと難しいです。
エルサレムからエリコという町に向かう途中だった人物が、
追いはぎに遭い、身ぐるみ剥がされ暴行されたまま放置されてしまう。
最初に通りかかった祭司は、その人を見て道の向こう側に歩き去り、
その次に通りかかったレビ人も、同じように歩き去ってしまった。
しかし、あるサマリア人はその人を気の毒に思い、
油と葡萄酒で介抱をした上で自分のロバに乗せて宿屋に連れていって休ませ、
翌日には宿主に銀貨2枚を渡し、言った。
「この人を介抱してあげてください。足りなければ、帰りがけに払います」
エルサレム人とサマリア人は犬猿の仲であったにも関わらず、
このサマリア人は当時では貴重な油と葡萄酒で被害者を癒し、
高価な銀貨2枚まで差し出して救おうとしたわけです。
そして最後にイエス・キリストは質問を投げかけます。
「誰がこの追いはぎに遭ったものの隣人となったか?」
ここから発展する「善きサマリア人の法」、
“窮地の人を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、
たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない”
という内容については、もうちょっと勉強が必要です…。
ようするに、殺人事件とは誰も気付かなかったコニー事件の真相を知らせてきた「良い爆弾魔」と、
それをネタに市民に爆弾を巻き付けている「悪い爆弾魔」。
コニー・プリンス事件の謎を解くヒントを与えているのだから、
誰に爆弾を巻いてシャーロックを急かそうが、罪はない、とでも言いたげな
モリアーティのことを皮肉っているようにも思えます。
そして、探偵と犯罪者という敵対する立場でありながら、
犯罪がなければ退屈してしまうという似た者同士の2人が、
“隣人”であることも暗に示しているような気がします。
一方、ジョンはコニーの弟ケニーの元に雑誌記者と偽って潜入。
コニーの愛猫セクメトに目を付けたジョンは、シャーロックをカメラマンのフリをさせて呼び寄せます。
バタバタな偽取材と撮影の様子を見て、弟ケニーが一言、
Mr. Prince
You’re like Laurel and bloody Hardy, you two! What’s going on?
君らはお笑いコンビか? なんなんだ?
お笑いコンビって!
海外のドラマでお笑いコンビって言われると違和感ありますねw
コメディアンって言い方ではないんだ?
と思ってたら、原語ではローレル&ハーディになってました。
日本ではアボット&コステロは凸凹コンビ、マーティン&ルイスは底抜けコンビ、
ローレル&ハーディは極楽コンビと呼ばれてましたね。(ローレルは英国人。)
チビデブコンビの元祖的な二人。底抜けコンビより好きですw 久々に映画見てみたいな…。
見た目だけならシャーロック&ジョンはデブチビではないですけど。
でも、結構いけるかもしれない、高機能社会不適合者コンビ!
爆笑問題とか見てると、ちょっとシャーロックとジョンのことを思い出すことがあるんですよね…
こう、太田さんが田中さんをボロクソに扱き下ろすけど、実はキレた田中さんが一番怖いところとかw
不動産屋のコントとか、時事ネタ漫才とか、いかがですか?w
関係ない話で不快に思われましたら、申し訳ない…(^_^;
薄味ですが、今日はここまで…無念。
次回は、ヒーローに祭り上げるな!の巻です。
これは好きな場面がたくさんまとめられそう…。
ちょっと体調悪かったりで更新遅れてます。
爆弾付きジャケットを着せられた市民を解放させるため、
制限時間内にモリアーティが仕掛けた犯罪の解決に挑む現代のシャーロック。
第一のテストは、モリアーティが221Bに置いたと思われるスニーカー。
これはシャーロックが初めて手がけた事件の被害者、
カール・パワーズが所有していたものでした。
第二のテストは放置車両。
レストレード警部が確認すると、車両はレンタカーで、
借り主が銀行員のモンクフォード氏であることが分かります。
レンタカーのシートはモンクフォード氏の血で汚されて、本人は行方不明。
そこで、シャーロックとジョンは奥さんに事情を聞こうとするわけですが。
Sherlock
Mrs. Monkford.
奥様ですか?
Mrs. Monkford
Yes. Sorry, but I’ve already spoken with two policemen.
ええ、話なら他のお二人に…
John
We’re not from the police, we’re…
僕らは警察じゃありません。
Sherlock
Sherlock Holmes. Very old friend of your husband’s.
シャーロック・ホームズです。ご主人とは友達で…
We, um…We grew up together.
一緒に…育った仲です。
Mrs. Monkford
I’m sorry. Who? I don’t think he ever mentioned you.
どちらさま? 初めて聞くお名前ですが…
Sherlock
Oh, he must have done. This is…This is horrible.
いや、聞いてるはずです。
I mean, I just can’t believe it. I only saw him the other day.
信じられません。ついこの間もイアンにあったけど、
Same old Ian. Not a care in the world.
相変わらず何の心配事もないって感じで…(涙)
Mrs. Monkford
Sorry…My husband has been depressed for months. Who are you?
まさか。主人はここ数ヶ月鬱だったんですよ? あなた誰?
Sherlock
Really strange that he hired a car.
車を借りるなんておかしいな。
Why would he do that? It’s a bit suspicious, isn’t it?
なんで借りたんだろう、変です。
Mrs. Monkford
No, it isn’t.
いいえ、ちっとも。
He forgot to renew the tax on the car, that’s all.
車の税金を払い忘れたからです。
Sherlock
Ah, well! That was Ian. That was Ian all over.
ああそうか、イアンらしい。イアンはいつもそうだった!
Mrs. Monkford
No, it wasn’t.
そんなことなかった!
Sherlock
Wasn’t it? Interesting.
そうですか。面白い。
Mrs. Monkford
Who was I taking to?
(警官に)あの人誰?
John
Why did you lie to her?
何で嘘を?
Sherlock
People don’t like telling you things.
事実を引き出すには反論させるのがいい。
シャーロック、女優もビックリの嘘泣きをご披露。
第二話「The Blind Banker」でも住民のフリして
階上の人にインターホン越しで「鍵を忘れちゃって…」なんていいながら不法侵入してましたが、
“普通の人”のように振る舞うシャーロックが見られる貴重な場面ですよねw
美しい涙ですが、その後の「そうですか、面白い」の真顔が…(((;゜Д゜)))
シャーロックが本気で泣くことってあるんでしょうか…。
それはさておき。
シャーロック・ホームズは推理力だけでなく、情報を引き出す会話術にも長けてますよね。
「事実を引き出すには反論させるのがいい」
という台詞から、聖典で思い出すのは、
「四つの署名」で、犯人が乗っている蒸気船の行方を探るため、
持ち主モーディカイ・スミスの奥さんに
「なんて名前でしたっけ?」
「オーロラ号です」
「そうだ!古い緑と黄の幅の太い線のある船?」
「いいえ、塗り立てでスマートな黒に赤の二本線ですよ」
と、船の特徴をさも知っているかのように聞き出していたのを思い出します。
手法は異なりますが、「青い紅玉」を飲み込んだガチョウの売り主情報を得るために、
コベントガーデンの商人ブレッキンリッジの店を訪問したホームズが、
彼が持っていた競馬新聞(「ピンク・アン」)を見て、
ガチョウが都会育ちなんて信じられない、田舎育ちである方に1ソブリン賭ける、と持ちかけ、
仕入れ先の帳簿を持ってこさせることに成功したことも。
わざと間違った発言をして不快になった相手に訂正させたり、
興味のある話題を振っていつのまにか積極的に情報を開示させるようにしむけたり、
名探偵は嘘泣きだけでなく、結論を引き出す話術も身につけておかないといけないようです。
この場面でのシャーロックは、妻との会話の中で、モンクフォードを過去の人としてあえて過去形で話し、
遺体がまだ発見されていないにも関わらず、妻もつられて過去形で語っていることから、
妻が嘘をついていることを見抜きます。
そしてレンタカー屋のヤヌス・カーズ(ヤヌス=2つの顔を持つ神様)が
金銭的トラブルを抱えたモンクフォード氏をコロンビアに逃がし、
彼の生命保険を妻とヤヌス・カーズの店長が山分けするだろうという結論に達したのでした。
Sherlock
Now, go and arrest them, Inspector, that’s what you do best.
やつらの逮捕は君に任せる。
We need to let our friendly bomber know that the case is solved.
僕らは爆弾魔に謎を解いたことを知らせないと。
I AM ON FIRE!
燃えてきたぜ!
この台詞! やる気満々の後ろ姿!
聞いているこっちまで燃えてきたのは言うまでもありませんっ!
冒頭の退屈さ加減から一転、
畳み掛けるように難題を突きつけて来る爆弾魔。
2人はつかの間のランチタイムをとりますが、そこにも新たに挑戦状が届きます。
John
To be honest, we’ve hardly stopped for breath since this thing started.
今回の事件は一息つく暇もない。
Has it occurred to you…?
もしかしたら…
Sherlock
Probably.
おそらくな。
John
No, has it occurred to you that the bomber’s playing a game with you?
聞けよ。爆弾魔は君とゲームをしているのかも。
The envelope, breaking into the other flat, the dead kid’s shoes... it’s all meant for you.
封筒も、下宿の地下室も靴も、全部君に向けたものだ。
Sherlock
Yes, I know.
分かってる。
John
Is it him, then? Moriarty?
じゃああいつか、モリアーティか?
Sherlock
Perhaps.
たぶんね。
(New message)
(新しいメッセージを受信する)
That could be any body.
誰だこれは。
John
Well, it could be, yeah.
知らないかぁー。
Lucky for you, I’ve been more than a little unemployed.
僕がしばらく失業しててよかったな。
Sherlock
What do you mean?
どういう意味?
John
Lucky for you, Mrs. Hudson and I watch far too much telly.
ハドソンさんとテレビをよく見ててよかったよ。
第三のテストは、視聴者変身番組の司会者、コニー・プリンス。
日本でもこういう番組ありましたよねー。
同じような人って誰だろう…今現在だと辛うじてドン小西とかそこらへん?
いかにもワイドショーが重宝しそうな人ですね。
それにしてもハドソンさんにつき合って変身番組見てるジョン、かわいいなw
コニーの死は、熱狂的な?視聴者であるハドソンさんにとってもショックな事件だったようです。
Mrs. Hudson
It's a real shame. I liked her.
残念だわ、ファンだったのに。
She taught you how to do your colors.
色のアドバイスがいいのよ。
Lestrade
Colors?
色って?
Mrs. Hudson
You know, what goes best with what.
何色と何色が合うとか。
I should never wear cerise, apparently. Drains me.
私はさくらんぼ色着ちゃダメなの。老けて見える。
Lestrade
Who’s that?
(シャーロックに)誰から?
Sherlock
Home Office.
内務省
Lestrade
Home Office?
内務省?
Sherlock
Well, Home Secretary, actually. Owes me a favour.
ああ、内務大臣だ。貸しがあってね。
Mrs. Hudson
A pretty girl, but she messed about with herself too much.
キレイな人だったけど、整形しすぎよね。
They all do these days. People can hardly move their faces. It’s silly, isn’t it?
最近の人はみんなやるけど、顔が動かせなくなっちゃうなんてバカみたいじゃない?
フフフ…!
この会話、妙に好きなんです。
警部がハドソンさんの世間話につき合ってるのが微笑ましくて。
英国の内務省は「Home Office」って言うんですね。
(ちなみに米国は「the Department of Interior」)
「(He) Owes me a favour」は「貸しがある」。
第一話でもハドソンさんとの出会いをジョンに説明するとき、
シャーロックは「She owes me a favour」と言っています。
内務大臣には一体どんな貸しがあるというのでしょうか…。
さて、モルグで語られるコニーの死因ですが、
Sherlock
According to one of her staff, Raoul de Santos,
スタッフのラウルによれば、
she cut her hand on a rusty nail in the garden.
コニーは庭で錆び付いた釘で手を切った。
Nasty wound. Tetanus bacteria enters the bloodstream, good night, Vienna.
その傷口から破傷風菌が体内に入って、「グッドナイト・ウィーン」
この「グッドナイト・ウィーン」は、リンゴ・スターのアルバムのタイトルで、
リバプールの俗語ではずらかる、という意味があるみたいですね。(wiki情報w)
ここだけ原語のままで吹替ているのが意外です。
ウェストウッドのようにブランド名ではないから、そのまま吹替出来たってだけかもしれませんが。
コニーの傷が新しく、破傷風菌の潜伏期間と一致しないことから、
菌が入ったのは手を切る前の事であったと分かり、
実際はどこから菌が入ったのかを突き止めるため、ジョンがコニーの身辺調査にあたることに。
ジョンはすっかり相棒の役割を率先してこなしてますねー。
薄々モリアーティの影に気付いている2人の一方で、
爆弾魔の正体がまったく掴めないレストレード警部は
苛立ちをシャーロックにぶつけます。
Lestrade
There's something else that we haven't thought of.
他にも分からないことがある。
Sherlock
Is there?
あるか?
Lestrade
Yes. Why is he doing this, the bomber?
あるよ。爆弾魔は何故こんなことを…
If this woman's death was suspicious why point it out?
何故コニーの死が怪しいことを伝えてきた?
Sherlock
Good Samaritan.
いい人だから?
Lestrade
Who press-gangs suicide bombers?
市民に爆弾を巻いてるのは誰だ?
Sherlock
Bad Samaritan.
悪い人かな。
Lestrade
I’m serious, Sherlock.
おい、茶化すなシャーロック!
Listen, I’m cutting you slack here, I’m trusting you,
いいか、私は君を信じてるが、
but out there somewhere some poor bastard’s covered in Semtex and just waiting for you to solve the puzzle.
今もどこかで誰かが、体に爆弾を巻かれて君が謎を解くのを待っているんだ。
So, just tell me. What are we dealing with?
だから教えろ。これはどういう事件だ?
Sherlock
Something new.
…今までにない事件。
「いい人」「悪い人」の部分を、シャーロックは
「good Samaritan」「bad Samaritan」と言っています。
聖書には詳しくないのですが、good Samaritanはイエス・キリストの「善きサマリア人」の説法に基づいているんですね。
キリスト教に馴染みのない者にとってはちょっと難しいです。
エルサレムからエリコという町に向かう途中だった人物が、
追いはぎに遭い、身ぐるみ剥がされ暴行されたまま放置されてしまう。
最初に通りかかった祭司は、その人を見て道の向こう側に歩き去り、
その次に通りかかったレビ人も、同じように歩き去ってしまった。
しかし、あるサマリア人はその人を気の毒に思い、
油と葡萄酒で介抱をした上で自分のロバに乗せて宿屋に連れていって休ませ、
翌日には宿主に銀貨2枚を渡し、言った。
「この人を介抱してあげてください。足りなければ、帰りがけに払います」
エルサレム人とサマリア人は犬猿の仲であったにも関わらず、
このサマリア人は当時では貴重な油と葡萄酒で被害者を癒し、
高価な銀貨2枚まで差し出して救おうとしたわけです。
そして最後にイエス・キリストは質問を投げかけます。
「誰がこの追いはぎに遭ったものの隣人となったか?」
ここから発展する「善きサマリア人の法」、
“窮地の人を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、
たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない”
という内容については、もうちょっと勉強が必要です…。
ようするに、殺人事件とは誰も気付かなかったコニー事件の真相を知らせてきた「良い爆弾魔」と、
それをネタに市民に爆弾を巻き付けている「悪い爆弾魔」。
コニー・プリンス事件の謎を解くヒントを与えているのだから、
誰に爆弾を巻いてシャーロックを急かそうが、罪はない、とでも言いたげな
モリアーティのことを皮肉っているようにも思えます。
そして、探偵と犯罪者という敵対する立場でありながら、
犯罪がなければ退屈してしまうという似た者同士の2人が、
“隣人”であることも暗に示しているような気がします。
一方、ジョンはコニーの弟ケニーの元に雑誌記者と偽って潜入。
コニーの愛猫セクメトに目を付けたジョンは、シャーロックをカメラマンのフリをさせて呼び寄せます。
バタバタな偽取材と撮影の様子を見て、弟ケニーが一言、
Mr. Prince
You’re like Laurel and bloody Hardy, you two! What’s going on?
君らはお笑いコンビか? なんなんだ?
お笑いコンビって!
海外のドラマでお笑いコンビって言われると違和感ありますねw
コメディアンって言い方ではないんだ?
と思ってたら、原語ではローレル&ハーディになってました。
日本ではアボット&コステロは凸凹コンビ、マーティン&ルイスは底抜けコンビ、
ローレル&ハーディは極楽コンビと呼ばれてましたね。(ローレルは英国人。)
チビデブコンビの元祖的な二人。底抜けコンビより好きですw 久々に映画見てみたいな…。
見た目だけならシャーロック&ジョンはデブチビではないですけど。
でも、結構いけるかもしれない、高機能社会不適合者コンビ!
爆笑問題とか見てると、ちょっとシャーロックとジョンのことを思い出すことがあるんですよね…
こう、太田さんが田中さんをボロクソに扱き下ろすけど、実はキレた田中さんが一番怖いところとかw
不動産屋のコントとか、時事ネタ漫才とか、いかがですか?w
関係ない話で不快に思われましたら、申し訳ない…(^_^;
薄味ですが、今日はここまで…無念。
次回は、ヒーローに祭り上げるな!の巻です。
これは好きな場面がたくさんまとめられそう…。