だから、ここに来た!

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「コリオレイナス」出待ちの失敗談

2014-04-09 | 2013年、独逸&英国の旅
出待ちのことを、玄人は「SD」と呼ぶ事も知らなかった私が、
3度目の"SD"に挑んだ日についてです。

「コリオレイナス」観劇後、ひとまず1階に降りた私。
"The Recruiting Officer"の時と同じように、階段下でひとまず待機しました。
その前に下見しておいたので、この後外で待つように言われることは分かっていましたが、
何しろ外は寒いので、少しでも屋内にいたかったんですよね。
そして、予定通りセキュリティの男性に外に出るように言われ、
他のファンたちも皆外へ移動。
誰を待っているのか?とセキュリティに聞かれて、
皆それぞれに'Toooooooommm!'とか'Maaaaaaark!'とか声を挙げると、
トムを待つ人はドアの向かって左、
その他の人は道の向こうの歩道で待つように説明を受けました。

「ゲイティスさんはここから出てきますか?!」

念押しのためにセキュリティに確認しましたが、
後でここから出てくるから待っててくれと、返されたのでした。

ここまでは想定の範囲内です。
大人しく向かいの歩道で待機しました。



この日も相変わらず雨模様。
凍える手にはプログラムを抱え、出てきた時のための挨拶を何度も何度も口の中で呟いて練習していました。
噂では、裏口があるらしい、とも聞いていたのですが、
前に一度姿を見ていただけに、下手に動いて好機を逃す失敗はしたくありません。
寒さを堪えて足踏みをしながら待っていると、
この日はトムヒが出てくるところを見る事が出来ました!



愛想のよいトムヒは、列にならんだ子達に順番にファン・サービスをします。
サインだけでなく、写真にハグもねだられて、それにイヤな顔ひとつせず応えます。皆積極的ですねー。
ほんの最初の数人くらいにしか受け答えしないのかと思ったら、
少なくとも数十人と会話を交わしていたようでした。
適当にやり過ごすのではなく、ちゃんと一人一人と話している模様。優しいなー。

夜間の異常な人だかりに、道を通る人は興味津々で、
「あれ誰?」と質問されましたが、
「トム・ヒドルストン…"Thor"とかに出てる…」と説明しても、
大体通行人は「へぇー、知らないわ」と言いますね(笑)。
そもそも知ってたら聞くまでもないだろうし。

そしてその数十人とのやりとりが終わると、トムヒは手を振りながら劇場の中へと再び戻って行ったのでした。

なんかイヤな予感がするなーと思っていたのです。
トムヒが去って解散な雰囲気漂う中、劇場の玄関を見ると、
徐々に電気が消えて、女性スタッフが扉を閉め始めたじゃないですか。
慌ててその女性に扉越しで「マーク・ゲイティスさんは?」と聞くと
一言言われたのが、'He's gone.'

もう、ヒズゴーーーーーーーーーンって感じで絶望しました。
劇場の扉に鼻を押し付けて、ゴーーーーーーーーーーーンって感じで(笑)。

今はこうやって明るく語れますが、
この直後は相当凹んでしまい、傘も差さずに泣きながらトッテナム・コート・ロード駅まで歩いて、
そのままシャワーも浴びず、着替えもせずに寝てしまったことしか覚えていません。
精神的なショックもありましたが、寒空の下、2時間近く待つのは体力的にも消耗しますからね…。



帰国後も、しばらくはこの日のショックを拭いさることが出来ませんでした。
翌日の帰りの写真なんて全く撮っていないですからね。
結局、他の役者は裏口から出ていたということを後から知りました。
SHERLOCKのS3の放送が近づいていたことでいくらか気を紛らわすことができましたが、
思い出しては泣きたくなるような状態で、
出待ちをすることに対しての後ろめたさのようなものも感じるようになりました。
芝居自体は見られて、それだけでもとても幸せなことだったのですが、
こんなことくらいで絶望してしまう自分が酷く情けない人間に思えて仕方なかったです。

こんなことは、単なる自己満足で、役者には迷惑を掛けるだけじゃないか。
例えば、どこかで捕まえてそれで私は満足するのか、と。
結局、結論は出ないままですが、
やはり、いつ届くのか分からないエアメールではなく、
自分から直接彼の作品への感謝と思いを伝えたいという気持ちは変わりませんでした。
彼のメニーニアスはとても素晴らしかっただけに、その気持ちはより強くなってしまいました。

幸い、次の月にももう一度英国に渡って劇場で見る予定になっていたので、
またチャレンジする機会はありましたが、この日の事は勉強になりました。
思い通りにいかないことがあることは、物事を受け入れる練習になります。
とはいえ…やはり今でも思い出すと、ちょっと悲しくなりますね。

12月の旅日記は終わり。次は2014年1月の旅に続きます。
ご安心ください。一応、この話には続きがあるのです。(^ ^;


追伸。
機内にソニック・スクリュー・ドライバーを持ち込むと、
荷物チェックに引っ掛かるのでWhovianは注意しましょう。
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初めての「コリオレイナス」観劇

2014-04-09 | 2013年、独逸&英国の旅
■12月16日 続き。

いよいよ「コリオレイナス」の上演時間が近づいて来ました。
と言ってもハイド・パークを離れた時点ではまだ昼過ぎでしたが。

まず、チケットをピックアップしにDonmar Warehouseへ。
郵送も出来たみたいなのですが、なくすと怖いので、私はBox Officeに取りにいくことにしています。



1年と8ヶ月ぶりくらいのドンマーでの観劇です。
初めてドンマーで見た"The Recruiting Officer"も、同じ芸術監督のJosie Rourkeによる演出。
前回はStallでしたが、今回は人気公演ということもありCircle。取れただけ奇跡ですね。

このブログを書いている2014年4月時点で、これから日本でのNT Live上映があるところなので、
戯曲を読まれてこの記事を見て頂いている方もいると思いますが、
ご存知の通り、「コリオレイナス」はシェイクスピアの書いた最後の悲劇です。
隣国ヴォルサイとの戦いに勝利したローマの将軍ケーアス・マーシャス(後にコリオレイナス)が
帰国後、英雄として称えられ執政官に推挙されるものの、
その傲慢さ故、彼を疎む市民を利用した護民官の策略によって、
反逆者としてローマから追放され、ヴォルサイに潜伏し祖国への復讐を誓うという筋書きになっています。

映像作品としてはレイフ・ファインズ主演の現代版コリオレイナス=「英雄の証明」が一番手に入りやすいので、
予習の一つとして鑑賞するのもいいかと思います。

この公演が初めてアナウンスされた時、
コリオレイナストム・ヒドルストン、その友人のメニーニアスマーク・ゲイティスが演じる、
というところまで発表されたわけですが、随分若い配役だな、と思ったものでした。
特にメニーニアスなどはほとんど老人から壮年に近い役者が演じる役のように思えていたのです。
ですが、見終わった後は、そんな違和感はいつのまにか消えてしまっていました。
むしろ、イメージよりも年下の役者にしたことで、プラスの効果があったように思えます。



ーーーーーこれ以降はストーリー・演出の内容も含みます。戯曲未読の方はご注意下さい。ーーーーーーーーーー


客席に入り、舞台を見ると、セットは中央に黒い梯子、
背景に赤いコンクリートの壁、装置は複数の木の椅子のみとシンプル。
日本で野田地図を見慣れていた私は、椅子を塹壕や足場に見立てるという表現に慣れ親しんでいるので、
この装置演出自体はスッと受け入れられるものでした。

序盤の戦場の場面では火花や黒い煤が天井から飛び散り、
プロジェクションマッピングも使用されています。
火花は小さいですが、落ちた瞬間は暗い劇場の中がパッと明るくなるので、
その瞬間の様子はフラッシュのように鮮明に頭に焼き付きました。
"The Recruiting Officer"の演出が非常に真っ当というか、奇抜なものではなかったので、
この作品は演出家として挑戦的に試行錯誤したものだったのではないかと思います。

物語の始まりは、マーシャスの息子が、
赤いペンキで、舞台上に四角い枠を描くところから始まります。
(この枠が後の場面で部屋の壁を表したりするのです。)
その後、演者が四方から登場し、正面を向いて一列に並ぶと、一斉に舞台後方へ振り返り
観客から見えるところで椅子に着席。
その後は、他の人物の台詞から名前が出ると、
その役者が立ち上がり、前に歩み出て役に入り込みます。

■■

ワタクシはマーク・ゲイティスが目当てで見にきていましたので、
久々に見た舞台の彼の印象から申し上げますと、…頭が小さい!
卵が首にちょこんと乗っかっているみたいにちっこい!
茶色いコートを翻し、クリックリの頭が右へ左へ…なんて可愛い…(*´ω`*)

…可愛いはともかく、特に今回楽しみだったのは、メニーニアスが市民の反乱を胃袋とその他の臓器に例える小咄の部分です。
きっと面白可笑しくしゃべってくれるだろうと思っていましたが
お腹をポンポコ叩いたり、ウエストコートの裾をペロっと捲らせたりしながら、
身振り手振りを使って楽しく聞かせてくれました。

そして、その後登場したトムヒ演じるコリオレイナスは美しく、茶目っ気があり、
まさしく彼らしいスター性を感じさせます。
戯曲を読む分には、コリオレイナスは自己中心的で傲慢な軍人という印象がありますが、
彼の演じるコリオレイナスは若いということもあって、
その若さゆえの向こう見ずさという一面も加わっているようです。

茶目っ気という点では、武功をあげて帰ってきたコリオレイナスが、
周りに推されていやいやながら市民から執政官となるための推薦状をもぎ取る場面が特に見所です。
この作品は悲劇ではありますが、コミカルに演じられて少し息抜きになる部分でもあります。
またコリオレイナスが独白をするたびに、周りに語りかけるように天井を見上げて喋るので、
こっちを向くと「トムヒが自分に向かって喋っている!」と錯覚してしまいます。
いや、錯覚ではなく、きっと私の方を向いて喋っていたのです!間違いない!(笑)

また、批評で"2人の描き方がゲイっぽすぎる"と方々で見かけた、
コリオレイナスとハドリー・フレイザー演じる宿敵オーフィディアスの関係。
ヴォルサイに潜伏するコリオレイナスと再会した時のオーフィディアスの歓迎ぶりが、
殺すのかと思いきや、ナイフを構えたままキスの嵐を浴びせかける様子が余りにも愛に溢れ過ぎて(笑)
「ここか例の部分は…」と理解しました。
戯曲でも仇敵という関係を超えた友情の態度を見せ合う2人ですが、
この過剰なまでの愛情表現は客席へのサービスとしか思えませんです。

ハドリーさんはミュージカルのスキルの高い方とは聞き及んでいますが、
ストレート・プレイもなんの違和感もない演技力を持っているようにお見受けしました。
オーフィディアスにしておくには勿体ないですね。
後ろで座ってる時間が長いし…。勿体ない。

観客へのサービスといえば、戦いから戻ったコリオレイナスのシャワーシーン
見る前から既に話題になっていたので、そういう場面があることは知っていたのですが、
実際見たらちょっと照れくさくて笑ってしまいました。劇場の中でも若干クスクス笑い声が…(笑)。
シャワーというか、打たせ湯って感じ。
しかし、傷の痛みを堪えながら血まみれの体を洗い落とすトムヒの演技は素晴らしかったですよ。

■■■

メインの役者だけでなく、脇役の演技も触れないわけにはいかないでしょう。
コリオレイナスを尊大に育てあげた母、ヴォラムニアは、
映画「英雄の証明」のヴァネッサ・レッドグレイヴの演技が強烈に印象に残っていたのですが、
Deborah Findlayも、非常に力強い母親像を演じていました。
ヴァネッサは、コリオレイナスが追放された後も相変わらず強気な母親であった一方で、
デボラの演じた母は、まとめていた髪を下ろし、物腰も少し柔らかくなって疲弊した様子が窺えました。
もちろん息子を正しい道に導こうとする強固な姿勢は変わりませんが、
彼女の様子から、その後の一家のローマでの扱われ方がなんとなく想像出来るのです。
(私の中でデボラは今でもグラナダ版ホームズ「ボール箱」のムカつく次女というイメージですが・笑)

妻のヴァージリアはデンマーク出身のBirgitte Hjort Sørensenが演じています。
母よりむしろこの妻の方が暴れ馬状態というか、切れ具合が痛快でしたね。
戯曲のイメージだと、ひたすら打ち拉がれているような雰囲気なのかと思いきや、
夫のコリオレイナスを追放した護民官に食って掛かるところなんか、
暴走列車のようで面白かったです。

護民官については、ドンマー版の興味深い部分として、
護民官のシシニアスが男性ではなく、女性のシシニアとして描かれている点が気になりました。
どういった解釈で"彼"が"彼女"になったのかは分かりませんが、
(どこかに書いてあったかな…)
男性のままのブルータスとの恋愛関係もはっきり描かれていました。
カップルにすることによってブルータス&シシニアの強固な関係を示したかったのかもしれません。
この二人は、この舞台の中でもとてもユーモラスな存在で、メニーニアスとのやり取りも軽妙でした。
ヴォラムニアから散々罵られた後、ブルータスの言う
「なるほど…じゃあ(行く方向を指差して)行きます」の台詞なんかは笑ってしまいます。

■■■■

後から気付いたのですが、コミニアスを演じていたPeter De Jerseyって、
映画「バンク・ジョブ」やドクター・フーの"The Day of the Doctor"にも出ていたんですよね。
見覚えがある人なのに初めてみたような気分で見てしまっていた…。
コミニアスはこの作品の中で一番気分にムラのない、まともな?キャラクターに思えます。
国に対して忠実ですし、コリオレイナスに対しても常に敬意を持って接します。
議事堂内ではメニーニアスとコショコショ内緒話をする姿が目立ちました(笑)。
2人で何を喋っているのか気になる…。

コミニアスは、ヴォルサイの将軍となったコリオレイナスにローマへの進軍を止めさせようと説得を試みますが、
故国に捨てられたコリオレイナスは断固として進軍を止めようとはしません。

私が最も感動したのは、コミニアスの帰還後、護民官に説得されてメニーニアスがコリオレイナスに会いに行く場面です。
コミニアスが追い払われたことで自分も追い返されるかもしれないと、渋るメニーニアス。
「でも、食事前の機嫌の悪い時に会ったのかもしれないしな」と複雑な表情を浮かべながらもなんとか重い腰をあげます。

正直、戯曲を読んだ後、この場面は「コメディみたいにならないのだろうか?」と思っていました。
時に厳しく、友人として、父代わりとしてコリオレイナスを諭して来たメニーニアスは、
"愛する息子"が自分を歓迎しないはずがないと断言するのですが、
信じようとしないヴォルサイの衛兵たちに追い払われようとされているところで、コリオレイナスが現れます。
メニーニアス「おまえたち、今に見てろ!」と親が迎えに来たいじめられっこのような台詞を吐くのですが(笑)
コリオレイナスは彼に「失せろ」と言い放つのです。

文字でこの部分を読むと、勘違いしてたメニーニアスがひどく滑稽に見えてくるのですが、
私たちが目にしたのは、愛するものを失ったことに深く傷つき、絶望的なまでに悲しむメニーニアスの姿でした。
跪いてコリオレイナスの手を取り、涙を拭いながら祖国を救うよう懇願したにも関わらず拒絶されたメニーニアス。
彼の顔からは色が失せ、肩をがっくりと落とし、立ち去りながらコリオレイナスから受け取った手紙をハラリと落とします。

マークの生の芝居を見たいがためにまたドンマーにやってきた私は、
こんなにも胸を打つ芝居をする人なんだと心をさらに鷲掴みされました。
彼はコメディアンとして舞台経験は何度も踏んでいるはずですが、
コメディ以外でも経験を積む程に舞台役者として成熟していっているように思えます。
彼は単なるキャラクター俳優ではないのですよ!

■■■■■

本来の戯曲通りであれば、この後にヴォラムニアが義娘と孫を連れて息子に会いに行き、
ついにコリオレイナスがローマとの和睦を約束した後、
メニーニアスとシシニアスが母上の説得を待っている場面が入ります。
しかし、ドンマー版では母上がコリオレイナスの説得に成功し、
ローマへと帰った後にすぐオーフィディアスたちに裏切り者として捕らえられます。
そしてそのままエンディングへ。

ドンマー版の脚本は、端役の会話等をあちこち大胆に削っているのですが、
どれも確かに無駄に感じられる部分なので、
この改訂も、メニーニアスの出番が減ってしまったものの、納得の行くものだったと思います。

エンディングはとてもショッキングですが、実はこの前に見た"Mojo"でも同じような光景を目にしたので、
「最近は○○されるのが流行ってるのか?」と思ってしまいました(笑)。

■■■■■■

見終わってしばらく経ってから振り返ってみると、
このドンマー版は、シェイクスピア作品の古典としての芸術性よりは
エンタテインメントに徹して作られているように感じました。
もちろん、民主主義と独裁主義の対立、またそのどちらも実は残酷な政治体系であるということが根本に描かれていますが、
先に書いたように、数々のサービスシーンや、狭い空間の中で使われた演出上の試みは、
見る者をまず刺激しようとする意識が汲み取れます。

観客は年配の方も少なくなかったですが、
やはりトムヒを目当てに見にきた若い世代にも、(私のような異国から来たものに対しても?)
敷居を低くする意図があったかもしれません。
実際、見終わった後、想像よりも受け入れやすい作品だと感じられましたから。

とにかく「コリオレイナスの自分勝手な行動、理解不能」
「それをいつまでも支持する友人たちもどういうつもりなんだろうか」
「オーフィディアスもなんで宿敵を受け入れちゃうかな…」
と思いながら読んでいた戯曲を、
「どうしても我慢出来ない子なんだね、コリオレイナスは…」
「そんなコリオレイナスを愛するしかないんだね、メニーニアスも…」
「オーフィディアスは実は妻よりもコリオレイナスを愛してたんだね…仕方ない」
と、大きな愛という理由ひとくくりで納得することが出来ました(笑)。なんつって。


出待ちについては、続く…
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ウィンター・ワンダーランド at ハイド・パーク

2014-04-06 | 2013年、独逸&英国の旅
■12月16日■
次の日は帰国の日だったので、実質的に最後の滞在日。
ついにこの日は「コリオレイナス」を見に行く予定になっていましたが、
夜公演だったので、日中はハイド・パークに行く事にしました。
地下鉄のハイド・パーク・コーナー駅で下車。



夜中にバスで移動した時に、観覧車や乗り物の灯りが見えて、
ディズニーランドで売っているような、ライトや光る腕輪をしている人たちや、
スタッフらしきウィンドブレーカーを着た人がバスに乗りこんできたこともあったので、
ハイド・パークでマーケットや催し物があることは分かっていたのです。



まだ明るいので公園自体は一見いつも通りでしたが、
駅を降りてから既に遠くに観覧車やコースターが見えていました。



もしかして、入場するのにお金がいるのかな…と心配になってきましたが、
入場料は取られませんでした。
ただし、乗り物に乗る時は、トークンというイベント用の引き換え通貨が必要。
1トークン=1ポンドだったはず。
入口の横にトークンの買える小屋が立っていました。
さすがに一人で遊園地の乗り物に乗る勇気はなかったです(^ ^;

中に入って見ると、派手なアトラクションがいっぱい!
目がチカチカするほど華やかです。



この"ホテル"は迷路みたいになっているのかなぁ。
右を見ても左を見ても乗り物だらけ!




ダブルデッカーの形なんかは英国ならではですね。
スケートリンクもありましたし、縁日のような射的や、
ボールを投げてバスケットにどれだけ入ったかを来そうゲームもあったりします。



景品のぬいぐるみがぎっしり並べてあるのに圧倒される… 小屋自体も大きいのです。
もちろん、今まで見てきたようなマーケットもずらりと立っています。




サウスバンクとは比べようもないほど、方々に伸びた道の両端に小屋が並んでて、
お菓子も小物類も所狭しと並んでいます。
店の種類はあまり変わりないですが、川岸の狭い道では人の波に流されるままだったのが、
公園の中なので、人に流されることなく比較的ゆったり見て回れるのがいいですね。

一方で、池の傍ではいつも通りの公園の景色も楽しめて…



鳥たちはお祭り騒ぎも我関せずといった様子。



ここでは食べ物や飲み物も充実しています。
ホットワイン(Mulled Wine)は定番ですが、ホットサイダーなんてのもありました。
注文しませんでしたが、ちょっと飲んでみたかったな。
屋内のフードコートのようなところもあって、まだ昼過ぎだったので人は少なかったです。
多分夜になると席は人で埋まってしまうんでしょうね。

もちろん外の小屋でも食べ物は売っています。
日本のお祭りの屋台と同じく、ステーキやソーセージなんかの鉄板焼きものの小屋が多いけど、
フィッシュ&チップスもあるのはやはり特別かな。



私も小腹が減ったので、ドイツでも食べたカリーヴルストを頼むことにしました。
この量で5ポンド也。なんか見た目にしては高いぞ。
ソースもとろみがなくて水っぽい。
やっぱりドイツのカリーヴルストが恋しいよう!(パンもついてるし。)



結局見て満足してしまい、ろくに買い物はしませんでしたが、
雰囲気を楽しむだけでもお腹いっぱいな場所でした。
子供たちは遊園地で楽しんで、カップルや大人たちはマーケット巡りや食事を楽しむ、と
老若男女がたっぷり時間を過ごせるのがいいですね。



二時間ほど公園の中を歩き回った後、「コリオレイナス」を見に行くために
コヴェント・ガーデンへ向かいます。

続く…
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セント・マーティン教会でクリスマス・キャロルを歌う

2014-04-05 | 2013年、独逸&英国の旅
(体調不良が続いていたので中断していましたが、再開します。)

BFIの様子を見た後は、何となく人の流れに身を任せてサウスバンクあたりを散歩しました。
ロイヤル・フェスティバル・ホールの入っているサウスバンクセンターの裏手には川沿いとはまた別にテントが立っていました。
売っているのはチョコレートやパンなど食べ物系。



このテントのチョコレートはタイルのように表面にテキスタイルデザインのような柄がプリントされてます。
ひとつひとつがそれこそ壁に貼付けたいくらいお洒落。
その中の丸い形のチョコレートを友達に買って帰りました。

建物の横にはネルソン・マンデラの胸像が立っています。
12月5日に亡くなったばかりだったので、花束が添えられているのです。

サウスバンクセンターの中に入ると、中のイベントスペースで社交ダンスを踊る紳士淑女が。わりと年配の方が多い。
周りと競い合う感じではなく、ここで過ごす時間を楽しんでいる雰囲気で踊っていて楽しそうです。



ハンガーフォード橋の上からクリスマスマーケットを眺めると、小屋の屋根の上がイルミネーションで飾られていました。
昼も夜も人の流れが絶えません。



空気は冷たいけど、乾いている分、光が澄んで見える。



チャリング・クロス駅そばのWaterstonesのショーウィンドウを眺めながら、トラファルガー広場へ。
ここには細めのツリーが立っています。噴水がライトアップされてるのはいつものことだったっけ??



広場には透明な四角いスペースが出来ていたので、近づいてみると、
キリスト降誕を再現した人形が置かれていました。



マーケットでもよく実物大くらいの聖母マリアやロバなんかの人形が置かれていたりしますが、
これは着せ替え人形くらいの大きさですね。

ナショナル・ギャラリーに近づくと、近くから鐘の音が聞こえてきました。
すぐ傍にあるセント・マーティン教会の前まで行くと、
これでもかというほど鐘が響き渡って止まる気配がありません(笑)。

St Martin-in-the-Fields 15/12/2013


これまで見てきた教会みたいに、何かクリスマスのイベントでもあるのかもしれない。
入口の階段を上って看板を見ると、"A Festival Of Nine Lessons and Carols"というポスターが貼られており、
フリーで参加出来ると書いてありました。
中に入って覗いてみると、教会の中はすでに人でいっぱいです。



空いている席は柱の陰の席しかなかったので、座ってみたものの、正面がちょっと見えにくい…。
開始は18:30からでしたが、座って少し経った15分前くらいに指揮者?司祭者?の方が登場して、
まず歌の練習が始まりました。



"A Festival Of Nine Lessons and Carols"というのは、英国の伝統的な礼拝で、
楽園追放からキリストの降誕まで聖書から9つのストーリーを朗読し、
その間にクリスマス・キャロルを歌うという行事です。

当然、英国人は皆、聖歌をよく知っていますから、練習なんて必要ないような気がするのですが、
歌が旨い人ばかりというわけではないのでw、輪唱の部分や強弱が必要な部分をあらかじめ指導されました。
日本人の私にとって、全く初めての経験なので何もかもものすごく新鮮。
歌う前に誰も何も言わなくてもその場に居る全員が起立するのにはびっくりしましたが、
現地の人にとっては当然のことですね。
そして、私は横目でそれを盗み見しながら真似ていったわけです。
これでも元コーラス部ですから、歌で負ける気がしないw



練習を終えて18:30を過ぎると、司祭者と聖歌隊が入場し、参加者は全員起立。
「ダビデの村に"Once in Royal David's City"」は聖歌隊のソロから始まり、
最後には教会にいる全員の合唱となります。
9つの朗読は、読み終わる度に、朗読者が
'Thanks be to God.'
と言って締めくくります。

礼拝の途中、寄付を募る赤い袋が廻ってきました。
私も小銭入れから少しだけ放りこんで、隣に回そうと…したけど端っこの席だった。
終わるまでずっと袋持って歌っていました。
教会の女性に渡したら優しい笑顔でお礼を言われました。


↑2階にいた方の動画。こんな雰囲気です。撮ってよかったのかしらね。

アジア人丸出しの人は周りを見渡しても私くらいしかおらず、
今思うと、本当に入り込んでよかったのか謎ですが、
近くにいた、キャリーバック持ち込んで参加していた若い女の子たちも
本当に旅の途中といった雰囲気だったので、多分、旅人としては大丈夫だったはずだ。多分…。



礼拝が終わって席から見えなかったセント・マーティン教会の内部を見回すと、
白い天井にシャンデリア、そして正面のガラス窓の細工がとても美しかったです。
こんなロンドンのど真ん中の美しい教会で、英国の伝統行事の中に参加出来て本当にいい経験でした。
今クリスマス・キャロルを聞いてもこのときのことを思い出しますし、
いくつか練習した後に通して1度歌っただけなのに、メロディーもちゃんと覚えています。



後で別の場所でも思ったことなのですが、歌を歌って神や霊に捧げるという文化や信仰が羨ましいですね。
日本はお経とか祝詞とか、音の響きや旋律ではなく、言葉を捧げるイメージがあります。
こういう美しい歌を歌ったら、それは神も喜ばれると思うのです。



帰りは例によってオックスフォードストリートまで出て夜散歩は終了。
2013年のイルミネーションはこれでもちょっと控えめ。
でも、丸い飾りもこう見ると雪のようで奇麗ですね。
ついに明日は「コリオレイナス」観劇の日です。
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"The Empty Hearse" BFI Screeningをひやかしに行く。

2014-03-01 | 2013年、独逸&英国の旅
■12月14日■

日曜日。この日は観劇はせず、
昨日偵察したBFIで行われる「シャーロック」の第3シーズン第一話
"The Empty Hearse"のプレビューの様子を探りに行きました。
もちろんチケットは持っていません(^ ^;
でも私と同じようなファンがキャストを待っているだろうと思い、
そのお祭り状態を少しでも見に行きたかったのです。
(結果にはあまり期待せずにお読みください・汗)



ウォータールー駅で下車。
改札の向かいに象がいることに初めて気付いた!(笑)



前日にチェックしておいたマップ。
メイン・エントランスはNational Theatreの真横から入る入口。
右側のレストラン"The Riverfront"側の入口は、テムズ川のウォータールー橋の真下にあります。

第一話が上映されるのは、赤マルを付けた一番大きい劇場の「NFT2」。
第2シリーズ第一話"A Scandal in Belgravia"のプレビューもここで行われたはず。

私は上映が始まってからBFIに行ったので、(前日にはしゃぎ疲れた)
キャストの入りを見る事は出来ませんでした。
アンドリュー・スコットやルイーズ・ブリーリーも来ていたし、
ベネ&マーティンが2階に登場して手を振ってたらしいのですが、完全に見逃す失態。


<script async src="//platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>




上映の終了までは時間がありそうだったので、
メイン・エントランスからNFT2の前を通って、
テムズ側のNFT1前に待っているファンがいるか見に行こうとしたところ、
裏口あたりでセキュリティの男性に
「ちょっと待って」と引き止められました。

(え、向こう側に行くだけなんですが…)と様子を伺っていると、
サッと裏口から男性が入って来て、その直後、私も「どうぞ」と通ることを許されました。
よくよく見てみると、その入って来た小柄な男性のまんまるい後頭部に見覚えが…
(マーティンだ!)
焦げ茶のジャケットを来た、アッシュな髪色のマーティン・フリーマンが、
付き添いの方と話をしながら、私の目の前を歩いていたのでした。


↑これは前日立ち寄った時の「NFT2」前ですが、
マーティンはここの扉の中(マップの中のGreen Room)にササッと入っていきました。
後頭部だけでは確信70%くらいでしたが、入って行く途中に顔も正面から見えたので、
100%マーティンと確信。

生マーティンを肉眼で見るのはこれで2回目!
相変わらずお洒落番長らしい洗練された恰好と、
初めてまじまじとみる後頭部の美しさに(笑)、昼から動き出した私の眠気が一気に覚めました。

「ベネさんとはなかなか遭遇することはないな~」と贅沢な悩みにため息を付きながら、
NFT1前にも座り込んでいるファンがいることを確認し、
外を散歩しながらナショナル・シアターにホビットが表紙のTime Outをお土産用に数冊確保した後、
再びBFIに戻ってくると、さらに待機するファンの数は増えているようでした。

改めてNFT2前まで戻ろうと、階段を下りていると、
今度はSPに囲まれたスーツ姿の男性が向こうからやってくるではないですか。
ジャケットを手にもって、白いパリっとしたシャツを着た男性。
その人こそ、ベネディクト・カンバーバッチだったのでした! 生バッチ!

マーティンと遭遇した時よりも短い、ほんの数秒の遭遇でしたが、
今でもその姿を鮮明に思い出せます。
正面から見下ろすように見えたその顔は確かに長かったですが(笑)、
白い肌がつるつるに輝いてて、想像以上のスター・オーラに圧倒されました。
姿勢良く楽屋口?に入って行くその歩き姿の佇まいも凛としていて、
とにかく、とても色気があり、美しかったのです。
覚めたと思った私の目は、今度は♡になってしまいました。
シャーロックに魅了されてしまう私たちは何も間違っていないのです!



BFT2の前にもファンが多く集まってきました。
(上映後の休憩時間にはメンタリストのダレン・ブラウンも見かけました。)
チケットカウンターのある正面口にも女の子が何人も座り込んでいて、騒然とし始めると、
セキュリティの方がロビーに現れて、ここでは待てないという主旨の説明がされて、
そこにいた私たちは解散を余儀なくされたのでした。

とはいえ、ここまま大人しく帰るのも残念なので、
どこかでお見送り出来る場所はないものか、と考えた結果、
「さっきマーティンが入って来た場所が出入口なのでは?」という結論に行き着き、
つい先ほどマーティンが休憩していたであろう?裏口に出てみたのでした。



↑同じ考えの人多数。
しかも裏口の横に柵が並んでいて、
「ファンはこの中で待ってください」と言わんばかりではないですか。
とりあえず、ここで待機してみることにしました。
ファンは皆、仲間同士であちこち散らばって、包囲網を貼っているようでした(笑)。

途中、マーティンのボディーガードの男性が煙草を吸いに出て来て、
「ここにくるか分からないけど、幸運を祈ってるよ」
とファンに話して中に戻って行きました。

この右側のガラス張りのスペースがマップでいう赤マルを付けたATRIUMというスペースで、
前日訪れた時には"The Innocent"の衣装が飾ってあった場所ですが、
この日は撤去されていて、上映後のメディア用の取材スペースになっています。



Sherlock: Mark Gatiss and Amanda Abbington on Holmes' return from the dead


↑これがその中の取材時の様子。



上映終了後、「マーティン見えた!」「ベネディクト!」というような歓声が上がって、
外もちょっとした騒ぎになっていましたが、(私のいるところからは全く見えず。)
しばらく経つと取材も終わったらしく、誰も出て来る様子がないので、
待っているファンの中でも望み薄いかもしれないと帰っていく子や場所を移動する子が見られました。

私は急いでいなかったので、そのままのんびりと待っていると、
駐車場に妖しい黒塗りのベンツが入って来たのでした。



これは誰か出て来るぞ。
期待高まる中、5分程経った頃、裏口からマーティンが出て来たのでした!



マーティンは 'Sorry, Sorry.' と言いながら、
サインペンを握りしめるファンの前を通り過ぎ、足早に黒塗りの車に乗り込んで行きました。
手前にはいつもと雰囲気違うアマンダさんが。



車に乗り込んで行くマーティンの目、猫みたいになっとる(笑)。
随分急いでる様子でしたが、どうやら2人はこのあとに予定があったようです。


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マーティンが何度も誤っていたのは、
サインしたいのは山々なんだけど…という気持ちがあってのことかもしれませんね。

その場にいたファンたちは、他の場所で待機していた仲間と連絡を取りながら、
今後の行動を検討していましたが、どうやら、ベネディクトは既に他の出口から出てしまったようで、
セキュリティの方ももう皆さん帰りましたという説明があり、私も他の子達同様BFIを後にしました。
出待ちを連続ですると体力を消耗しますね。
マークには会えなかったけど、マーティンもベネディクトもちょっとずつ見られたし、十分幸運だな…。

Sherlock panel discussion excerpt


まだ17時過ぎだったので、サウスバンクを歩いて、
トラファルガー広場の方まで散歩することにしました。



続く。
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"Mojo"観劇&「コリオレイナス」出待ちを下見

2014-02-27 | 2013年、独逸&英国の旅
前回からの続き。

夕方になったので、"Mojo"の劇場=ハロルド・ピンター劇場へじりじりと近づきながら散歩することにしました。
その前にまずはシャフツベリー・アベニューにある"Forbidden Planet"でドクター・フー グッズを忘れないうちに購入。



前回カーディフで買い逃した11代目のソニックスクリュードライバーに、
50周年記念の"The Name of Doctor"と"An Adventure in Space and Time"のDVD、
ドクター・フー・マガジンも購入。
これだけは最低限買って帰る予定だったので、これで安心~。

そして南へ向かい、前日も見たレスター・スクエアを横切ります。



クリスマス・マーケットというより完全に遊園地ですね。
そして、レスター・スクエアの南西側にあるハロルド・ピンター劇場(Harold Pinter Theatre)に到着。



開演までまだ2時間以上ありましたが、人が集まって来ています。
私にとってここは初めてロンドンに来た時にも訪れた場所で
Reece Shearsmithの出ていたエイクボーンの"Absent Friend"が上演された劇場です。
前回はStall(1階)の真ん中の席でしたが、今回の席はケチって一番後ろ。



Box Officeで無事チケットを受け取った後、
軽く夕食をしようと、前にも行ったことのあるカフェに入ろうとしたのですが、
いつのまにか潰れてた!ので、レスター・スクエアにある中華のファスト・フード店に入りました。
ボックスを買って、好きな2種類の具を入れてもらうような店。



↑食べかけで汚いので表示は小さくしました(^ ^;
開場までの間、戯曲を読んで予習…と思ったのですが、店内がうるさくてあまり捗らず。
本当は渡英前に映画も見ておこうと思ったのですが、その余裕がなかったので、
この芝居については完全に勉強不足で観劇しました。



舞台は1950年代のロンドンはSOHO。
開放感を求める若者たちがロックンロールに魅了されていく時代の幕開けに、
今で言うライブ・ハウスのアトランティック・クラブでも、
金髪のロックン・ローラー、シルヴァー・ジョニーがライヴを始めていました。
一方で、クラブの事務所ではアトランティックのオーナーとギャングが
ジョニーの今後について密談中。
部屋の様子を、外にいる雑用係のポッツとスウィートが探っています。
ポッツは内部の様子をスタンダード・ナンバー「サマータイム」の歌詞に例えます。
"The fish are jumping and the cotton is high"
つまり、金になる話というわけです。

ポッツは「バンク・ジョブ」等のダニエル・メイズ、
スウィートは「ハリー・ポッター」でおなじみのルパート・グリント。
ポッツはとにかくよー喋ります。
噂好きの女子みたいにベラベラ口が動いて、挙動不審なスウィートに対して
「おまえ、リラックスしろ!」と言ったりするのですが、
「おまえもな!」と当然言いたくなる(笑)。

ルパートはこれが初舞台ですが、初舞台とは思えないほどの自然な演技でした!
間合いもいいし、映像の俳優にありがちな無理に声を出している感じもなく好感が持てた!
これからはハリポタのロンと言われるだけじゃなくて、舞台にもたくさん出て欲しいです!

ポッツ&スウィートの同僚、スキニーに扮するのは「マーリン」のコリン・モーガン。
スキニーはマネージャーのミッキー(ブレンダン・コイル)に気に入られているせいで(?)、
オーナーの放蕩息子ベイビーに嫌われています。
ベイビーに扮するのが、ご存知、ベン・ウィショー。
(すっかり007のQでおなじみですが個人的には「パフューム」から好きになりました)

このベイビーがブチぎれたキャラクターで、この芝居の台風の目のような存在です。
スキニーに対するいじめもキツくて「やめてあげて~」と思ってしまいます。
突然刀(剣だっけ?)を取り出したりジュークボックスで踊りだしたり、
何をしでかすか分からないような危ない子です。
そして、コリン・モーガンはそのベイビーにいじめられながらも
間抜けな発言をして笑わせてくれる絶妙な匙加減でスキニーを演じていました。


↑幕間に飲んだサイダー。

見るまではウィショーのキレっぷりを楽しみにしていたのですが、
意外にも、そちらよりポッツ&スウィートの会話のやり取りなんかの方が面白く見られました。
同じ言い回しが何度か出て来たりするところが楽しいんですよね。

もっと予習すれば見た時の印象も場面と結び付けて覚えていられたと思うのですが、
如何せん勉強不足だったのと、聞き取りが難しい(コックニーだから?)のもあり、
色んな意味で苦戦しました…。
あまりタメにならんレポートで申し訳ないです。

あと、私の両脇の席が女子のグループで友達同士らしくて。
私を挟んで、芝居の最中に携帯を渡し合ったり会話をしたりするので、
全然集中出来ませんでした。端の席取れば良かった…(涙)



観劇した後は、
これだけのスターが揃っている舞台の楽屋口はさぞかし賑わっているだろう、
という好奇心を満たすべく(?)出待ちの様子をひやかしに行きました。



おおおー、さすがに賑わっているっ!
扉には「プログラム以外のサインは受付ません」というような貼り紙がされています。
リースが芝居やったときも、ここで待っていればよかったのかー。
勇気を出して待機しとけばよかった…と思いながら、
しばらく待っているとルパート・グリント君が出てきました。



人の山でほとんどサインする様子なんかは見られませんでしたが、
一人一人に丁寧に対応していたみたいです。
写真に取られる顔もいい表情してますね(笑)。
そして少しするとダニエル・メイズも出てきました。



わざわざ中にサインペンを取りに戻って、
ズラーっと並ぶファンに、次々と手早くサインしてました。
映画やドラマでの彼も好きでしたが、この舞台での喋りっぷりがとても好きだったので、
ワタクシも、どさくさに紛れてプログラムを差し出し、サインをもらってしまいました。



実は、この出演者の中でも一番見たかったキャストなので、
目も合わせず、一瞬の出来事でしたが嬉しかったです。

スタッフの方が出て来て、ウィショーやコリンは楽屋口から出て来ないことが告げられ、群衆は解散。
私も、元来た道を戻りました。

このまま帰る… と思わせて。
観劇するのは2日後でしたが、
「コリオレイナス」の終演後の様子も観察するため、
そのままコヴェント・ガーデンのドンマー・ウェアハウス(Donmar Warehouse)にも向かいました。

あちらが"Q"に"マーリン"に"ロン"なら、
こちらは"ロキ(トム・ヒドルストン)"と"マイクロフト(マーク・ゲイティス)"。
終演後の様子はあちこちから聞いていましたが、
いざ見に行った時にもし出待ちをすることがあるなら、
どんな態度で居るべきか、前もって見ておこうと思ったのです。



想像通り、こちらも行列が入口横にずらーーーっ伸びています。
50人以上はいただろうか…。隣の店の端まで並んでいます。
時間は22時半。雨が激しくなる中で、足踏みしながら(おそらく主にトムヒを)待つファン達。
私はその日に観劇した人間ではないので、道の反対側から様子を眺めていました。

30分程経った頃、パラパラとキャストが入口から出てくるようになりました。
Alfred Enoch他の若手アンサンブルがパラパラと帰路に付く中、
コリオレイナスの宿敵、オーフィディアス役のハドリー・フレイザー(Hadley Fraser)も外に出てきました。



ミュージカルで活躍する実力派のハドリーさんは、
Twitterのフォロワーさんにもファンが多く、
今回ストレートプレイに挑戦することで特に注目を集めていました。
私の居る歩道側で、熱心なファンに囲まれながら談笑するハドリーさん。
お土産代わりにファンと交流する彼も激写…写り悪いけど。

同じ頃にコリオレイナスの妻役のBirgitte Hjort Sørensenも出てきました。
私のすぐ横に女性のファンが待ってて、お互い手を振りながら挨拶してました。
その様子に暖かい気分にさせられました。

そして20分程経った頃、私の待ち焦がれた人が…。



マーク(ゲ兄)出て来たー!・゜・(ΦдΦ)・゜・。(この写真じゃ分かりにくいけど・笑)

正面口のドアを開いて、気付いたファンから ♪ヒュー!と歓声が上がると、
ビクッと驚いた反応をして、中に戻ろうとするゲ兄(笑)。
冗談冗談~という様な雰囲気で再びゆったり出てくると、
行列の先頭から順番にひとりひとりに挨拶して行きます。
さながら次々とやって来る敵をなぎ倒す騎士のように(笑)、
サクサクとサイン&写真に応えていました。

1年1ヶ月ぶりに見る本物のゲ兄に、道の向かい側にいる私は、息も絶え絶え。
停まっている車のボンネットに両手を付いて、体を支えながら必死に深呼吸をしました(笑)。

ゲ兄だ… 本物のゲ兄が今、そこに居る…。(死)

今まで何回か生の姿を見ているのに、こればかりは慣れというものがないのです…。

呼吸を整えると、すっかり慎みというものを忘れた私は、
道の向こう側からファンサービスをこなすマーク・ゲイティスをコソコソ撮影したのでした。
以下がその中の、わりとまともに写ってる方の写真です(汗)。





可愛え…。頭くりくり~(*´ω`*)。
そしていつもと同じマフラーにジャケットにセーター。これもまた微笑ましい…。

数十人のファンと会話を交わしたゲ兄は、
最後の一人にサインし、ハグをねだられ応えると、
おやすみー、と自分の手にキス→ヒラヒラ~と手を振って
シャフツベリー・アベニューの方へ颯爽と去って行きました。
その時点で0時前。

トムヒが出てくるのはまだ先のようだったので、
すっかり興奮して疲れ切った私は、名残り惜しくはありましたが宿に戻りました。
あとから調べたら、トムもその後に出て来たようでした。
ファン・サービスに応えられたのは行列の先頭だけだったようですが。
(トムヒについてはまた後日…)


贔屓の役者に会えるかもしれない貴重な機会だけあって、
ファンは忍耐強く、終演後に役者を待ちますが、
それに応える役者も忍耐が必要ですね。
私たちはそれを踏まえつつ、礼儀をわきまえた行動を取らなければいけない。
でも、興奮した状態で冷静に対処を考えるというのは、難しいことです。

この日の下見で、とりあえず、マークは出て来てファンと交流はしてくれるんだと分かり安心した私でしたが、
後々、この安心が失意に変わってしまいます。
それは追々綴るとして。
次回は、BFIの「シャーロック」第3シリーズ"The Empty Hearse"のプレビュー上映の様子を探りに行きます。
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サウスバンクのクリスマス・マーケット

2014-02-23 | 2013年、独逸&英国の旅
■12月14日■
この日は芝居を見る前にサウスバンクのクリスマス・マーケットを見る事にしました。
前回ロンドンに来た時は11月だったので、
小屋は出来始めていたのですが、 実際にマーケットが開いているところを見た事はなかったのです。

まずはウェストミンスター駅から出発。



近代的な駅を出ると、いつものようにビッグベンが見えてきます。



右はウェストミンスター橋横にあるブーディカ像



ウェストミンスターから降りたのは、乗換の必要がなかったという点もありますが、
皆様よくご存知のとおり?私が敬愛するマーク・ゲイティスが書いた、
ドクター・フーのドキュ・ドラマ"An Adventure in Space and Time"の撮影場所であるからなのです。

Dalek Invasion! Mark Gatiss Reports from London - An Adventure in Space and Time - Doctor Who


"AAiSaT"の撮影場所、というよりは、ドクター・フーの初期エピソード"The Dalek Invasion of Earth"の撮影場所です。
その再現のためにウェストミンスター橋で撮影したというわけです。



ここへは何度も来ていますが、ドラマを見た後に来たのは初めてだったので、
ダーレクがぞろぞろ並んで橋を渡っている様子を思い浮かべてニヤニヤしたのでした。



橋を降りて東側に向かうと、さっそく小屋がずらりと立ち並んでいます。サンタも登場。



ドイツのマーケットを廻った時は、落ち着いていてシンプルな暖かみのある雰囲気の小屋が立ち並んでましたが、
こちらは華美で色もドギツイですね。ゴチャっとした感じ。
それはそれで、土地の個性があって楽しいです。



土曜日ということもあって人出も多く、流されるままに進んで行くような状態。
去年見た飾りのある小屋もみつけました。



人種のルツボだけあって、クリスマスの飾りだけでなく、
アジアっぽい装飾品もよく見かけました。
仏像を置いてある店を多く見かけたのが意外でしたね。
キリスト教が盛り上がるなら仏教徒も!みたいな発想なんでしょうか。



ドイツでは全く見かけなかったけど、チョコフォンデュのファウンテンもよく見かけました。
ロンドンでは見た目のゴージャスさが大切みたいですね。

流されるまま東へ進んで行き、
次の日にSherlockの"The Empty Hearse"のプレミア上映があるので、
(もちろんチケットは持っていないですが)その下見も兼ねて、ウォータールー橋の下にあるBFIに入りました。



ちょうどBFIでは"Gothic"というゴシックホラーの特集が組まれていて、
ジャック・クレイトン監督の"The Innocents"でデボラ・カーが着用した衣装が展示されていました。



編み上げの靴がかっこいい。

"The Innocents"の他に、この特集の目玉の一つとして、
「ウィッカーマン」のノーカット版が上映されていたのですが、
結局この旅の間に見る事は出来ませんでした。



最終回の上映だと帰りも遅くなるし…と迷いが生じてしまい、もっと私の気合いがあればいけたのかもしれませんが…。
ですが、正面カウンターの上の階段を上ったところで名作ホラーのポスター等を見る事ができました。



"Theatre of Blood"はハマーホラーじゃないですけどね。
最近The League of Gentlemenがこの作品のコメンタリーを録っていて、
Reece ShearsmithがBFIの上映前のトークにも出演してたはずです。



左の書類は"The Curse of Frankenstein"の契約書。
右は「ドラキュラ」の衣装。ちょっと記憶に自信がないですが、1958年のもので間違いないかと。



BFIには視聴覚室があり、アーカイブを見る事が出来ます。
部屋に入って受付の人に何時間使うか伝えると、
IDと何番のPCを使うのかを教えてもらい、席で好きな作品を鑑賞できます。
今回は、試しに1時間だけもらったので、
"THE PIT AND THE PENDULUM"(1964・Alexandre Astruc監督)と、
"The Sandman"(1991年)というストップモーションアニメを見ました。
どちらも我ながらGothec的な選択でした。
ホラーじゃなくても、コメディ番組やドラマも見られますよ。

劇場の場所や入口等を一通り確認した後は、
ショップでお土産を買い、すぐとなりのNational Theatreを覗きました。



赤い建物は特設劇場のThe Shedです。
建物の全体像が見えないのはやや残念。
当時何を上演していたのか失念してしまったのですが、
ちょうど訪れた時に休憩時間の公演があったようでした。
「コリオレイナス」の中継のポスターもありました。
ここでホビットが表紙のTime Outも入手しました。





National Theatreを後にし、ウォータールー橋を渡ってストランドへ。
コヴェント・ガーデン方面へ向かうと、交通博物館の裏手にディケンズのブループラークがありました。



自らが編集していた"All the Year Round"の編集部と彼の自宅があったそうです。
何度か通ったことがあるはずだけど、初めて気付きました。

コヴェント・ガーデンに寄ると、こちらもクリスマス仕様。
去年も見た巨大なトナカイがいました。



と、思ったら、本物のトナカイもいた!
でも柵の中に入れられて皆に覗き込まれてフン垂れ流し状態で、ちょっと可哀想でしたね…。



パフォーマーもいつものように観客を楽しませています。
動画はこちら。


クリスマスの装飾は毎年変わりないようですね。
ツリーも去年と同じ鮮やかな赤。



去年見なかったものとしては、入口の横に、レゴで出来たロンドンの街が飾ってありました。



さすがに位置関係まではバラバラですが、
ビッグベンにロンドンアイ、セントポール大聖堂にグローブ座、ガーキンにシャードと、
ロンドンの名所・建造物を再現しています。



↑左の写真は後日、空いている時間に撮った写真。
ここは親子連れに人気で混雑していたので、写真を撮るにも一苦労でした。

一通り撮影して満足した後は、今まで見た事のなかった、
コヴェント・ガーデンにあるSt Paul's Churchの中をのぞきました。
ちょうど入口が開放されていたのです。



中に入ると、入口傍にはチャリティのクリスマス・カードが販売されていて、
さらに教会の中に進むと、女性がアヴェ・マリアを練習で歌っていました。
どうやら今夜はコンサートがある様子。
今日観劇の予定がなければこのまま見て行きたかったんですけどねー。



マーケット側の賑やかさとは打って変わって、教会の前はとても静かです。
さっきまでの人ごみはすぐ裏手なんですけどね。
ふとベンチを見ると花束が飾ってありました。
亡くなった方に捧げたベンチなんでしょうね。



さて、次第に暗くなってきたので、ちょっとずつ劇場へと向かわねば。
ウィンドウの美味しそうなものたちを横目に、
昨日も歩いたレスタースクエア周辺へ向かいます。

続く。
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再びロンドンへ!&大英博物館の「春画展」

2014-02-23 | 2013年、独逸&英国の旅
■12月13日■

ベルリン最終日。友達ともこれでしばらくお別れです。
この定番の朝食ともお別れだあ。



右の写真、素敵でしょ。ベルリンっぽい。自画自賛。
荷物をまとめて、行きと同じように、友達に空港まで送ってもらいました。

さっそく、乗り馴れたUバーンの駅に降りようと、
車道の真ん中にあるエレベーターのボタンを押してもうんともすんとも言わない。
ベビーカーを押す女性に、今日は使えないみたい、と教えていただきました。
「これがドイツ・クオリティ」
友達からこの数日の間に何度この台詞と聞いただろうか(苦笑)。
とにかく日本のノリで何もかも予定通りに動くと思ったらいけないということを、
欧州圏に来ると実感します。



仕方なく階段を使って、途中からは動いているエレベーターを使ってホームへ。
地下鉄に乗ってZoologischer Garten駅へ向かいます。



テーゲル空港までは行きと同じようにバスで向かいますが、
バスに乗る前に駅のパン屋でプレッツェルを買っていきました。
ずっと食べたかったんです、プレッツェルが。(ロンドンでもよく食べてるけど。)



滞在中は気温はそれほど低くなく、(10℃弱)
天気は霧がかっていたり曇っていたりしましたが、
この日は晴れて、車内にも太陽の陽射しが差し込んでくるほど。
よっぽど珍しいらしく、友達は「陽の光だぁ~!」としきりに空の写真を撮っていました(笑)



空港についてチェックインしてからは時間があったので、空港内のカフェで一服。
これからお互いどうしようかねーという話をしながら結局、
「今日はキムチを買って帰る」みたいな話に落ち着いた気がする(笑)。



そして、とうとう友達と別れ、ロンドンへ向かうルフトハンザ航空の飛行機に搭乗。



軽食のデザインは相変わらずお洒落。
一度ルフトハンザのしっかりした機内食を食べてみたいものです。
機内でドラクエの無料アプリをやっているうちに、
行きと同じように、あっという間にロンドンに着いてしまいました。
近すぎてまるで"国内旅行"のような感覚です。



成田→ヒースローの時は、入国審査にあまり時間は掛からなかったので、
今回も余裕ぶっこいていたのですが、
いざ入国審査の列を見てみると、予想以上に人が多く並んでいました。

ここで気になったのが、17時から予約を入れていた大英博物館の春画展です。
なるべく無駄のない行動をしたかったので、
14時半にヒースローに着いたとして、宿泊先まで1時間、そこから大英博物館まで1時間は掛からないはず。
1時間くらいの余裕があればちょうどいい時間に行ける!と踏んで前日にWebから予約を入れていました。

ところが、入国審査の列で1時間以上掛かってしまったのです。
列に並びながら「これはヤバいなー」とソワソワしました。
やっと自分の番が来たと思ったら、
これまた予想以上に質問を浴びせかけられ、時間を食ってしまいました。勤務先の会社名まで言わされたー。

実際に空港を出られたのは16時半頃。しかも外は本格的に雨。
どう考えても間に合わないけど、この日は金曜日だったので、
博物館自体は20時過ぎまで開いているはず。
とりあえず向かってみる事にしました。



馴染みのある宿泊先に着いた時にはとりあえず安堵感。
(時計見ると、この時点で18時前ですね)
そして、荷物を置いたらすぐTubeでホルボーン駅へ向かいました。
たぶんボンドストリートで乗換。この時点で18時過ぎ(苦笑)。



結局、大英博物館についたのは18時半過ぎ。
インフォメーションのお姉さんに、
「春画展予約してたんですけど時間すぎちゃったんです、入れますかね?」と質問して、
「大丈夫、○×○×○×…」
と答えてもらったんですが、焦ってて聞き取りが全然出来てない。
今回の旅ではいつも以上に英語の感覚が麻痺してました。
ベルリンでのこともあったので、心も閉じちゃってたのかもしれませんが、
とにかく何度か聞き直して問題ないということだけは分かったので、特別展の入口に向かうことにしました。

最上階にある入口で、名前がリストアップされたボードを持った係の女性に名前を言うと、
心配して損したくらいに簡単に中に入れてもらえました。

Shunga exhibition at the British Museum


ロートレックやロダン、ピカソにも影響を与えたという春画を紹介するというこの特別展。
実際に見た春画は、たしかにヤッてることは"そのもの"なのですが、
絵だけ見る分にはそれほど興奮はしなかったです(笑)。

ですが、解説を読むと、なんて書いてあるのかが分かってきて、
(日本人なのに実物に書いてある文字が読めないなんて情けない・笑)
「ええか~ええのんか~」的なことが書いてあり、結構ドキッとしますね。
「そんな汚いところ…」「でもここからみんな出てくるんだぜ~」的なこととか///
横で見てた現地の方は"Oh my goodness..."と呟いてましたし。
春画の役割に"Personal simulation"ってまじめに書いてあったのにも衝撃でした。

印象的だったのは、2人の絡みだけではなく、それを覗く第三者がいる画が多い点です。
子供とか侍女とか覗きの坊さんとか、浮気を疑う奥さんとか。
当の2人だけだと官能的な瞬間を切り取ったように見えますが、
他の視線があることで、ストーリー性が増して、一気にコミカルな雰囲気になる。
その後の修羅場なんかも想像させます。エロの中にもユーモアがあるんですよね。
2人といっても、タコと女とか、組み合せも色々…
これは現代の感覚と同じですかね???

Shunga exhibition at the British Museum - curator's introduction


解説に出て来る、"floating world"や"hand scroll"という言葉が、今までどういう意味か理解していなかったのですが、
「あ、浮世か…」「scrollって巻物か…」と知るキッカケになりました。
ただところどころ解説が間違っていたりもします。
登場人物の真似衛門って名前が"bean man"って書いてあったりして。豆衛門じゃありませんよー。

展示の中には巻物の絵柄が織り込まれた小袖も飾ってありました。
最後の方には、19世紀頃のポルノ写真も何点かあって、
営みというものは時代が移ろっても変わらぬものだなあとしみじみ思いました。

日本に居る人にも図録が見せられたらと思ったのですが、£40でとんでもなく重かったので買えませんでした。
代わりに歌麿の春画が印刷された薄手のバッグを購入。
このバッグは次のロンドン旅で活躍してもらいました。



春画展を見終えた後は、
「そういえば日本の展示って何があるんだろう…」と思い、
初めて日本の展示部屋に行ってみることに。
入ってすぐに百済観音(写真右)がいらっしゃいます。




弥生時代の銅鐸と、戦国時代の鎧と、江戸時代の櫓時計あたり魅力を感じましたけど、
でもその他はイマイチな気が…
日本人が見ると現地の方とは感覚が違うでしょうが。
小さい茶室もありました。
あと私がいつもチェックするのは可愛い根付けです。



なかなか愛らしいではないですか。


日本の部屋から降りて来るとアフリカの部屋に辿りつくのですが、
ここに、以前来た時にはなかった展示がありました。



網のような生地の中に、無数の薬が織り込まれていて、その長さは10m以上あります。
これは"Cradle to Grave"という作品で、そこに織り込まれている薬は英国民一人が摂取する一生分の薬、約14,000個が織り込まれているそうです。
(そこには薬局で自ら買う薬は含まれない、つまり、本当はこれより飲んでいるということ。)
見た時はなんの説明も読まなかったので訳が分かりませんでしたが、これだけの薬を飲んでるなんて信じられませんね。



残りの時間は見た事のある部屋を適当にうろつきました。
モアイ像とラムセス2世を眺めたり、



ロゼッタストーンを見たり。
閉館直前なので人がいない!
ロゼッタストーンの前に誰もいない光景なんて初めて見た! 観察し放題!




もちろんパルテノン神殿の部屋も警備員以外だれもいない!
古代ギリシア独り占め! なんて贅沢な気分!
さすがに20時過ぎるといつものように「はいはい、帰った帰ったー」という感じで追い出されましたが、
金曜の夜の大英博物館、ゆったり見るにはオススメですよ。



ドタバタとやってきた割にはじっくりと見る事が出来て満足。
同時に、予定がずれこまなくてよかったーとホッとしました。



外を出る頃には雨も止んで、いつものように石畳は銀色に。
帰りは少し散歩してから戻ることにしました。



イルミネーション輝くお馴染みのSeven Dialsを通って、レスタースクエアへ。



レスタースクエアにも、マーケットが出来ていました。
いつもはほんの小さい広場なのに、ちゃんとした遊園地になってます。
観覧車やゴーカート以外の乗り物もあちこちに。照明がまぶしい!
どこからか雪の粉やシャボン玉も吹き出してきます。(乗り物に仕込まれてるみたい。)



シェークスピアの周りにも電飾が。
向かいの映画館ODEONでは前日に見たホビットが上映されています。



目立つところに、ファッジの量り売りの小屋がありました。
種類が豊富でついつい惹かれてしまい、5ポンド分購入。
甘いんだーこれが。



そして久しぶりのピカデリー・サーカス。
リージェントストリートのイルミネーションの形は去年と変わらないみたいです。



変わっていたことと言えば、
エロス像が球体の中に入っていて、さながらスノードームのようになっていたことです。
一瞬工事でもやってるのかと思ったのですが、クリスマス用で球体の中に雪も入っています。
凝った事しますねえ。

ところが、このスノードームは私が帰国した後、
クリスマスを前にして暴風のため破裂してしまいました。
せっかくのクリスマスの装飾だったのに、残念でしたね。
でも、現地のツイート等見てたら「使い終わったコン○ームみたい」なんて言ってる人もいて…
春画展のことに触れたせいかどうも思考がそっち方面に向いてしまう…(?)



宿泊先に帰った後は、買っておいたプレッツェルと、買ったばかりのファッジで夕食。
お腹に溜まらなそうな食事ですが…全部食べられませんでした。
ファッジに至っては1/2個しか食べられなかった。甘すぎる。

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【ベルリン編】「ホビット 竜に奪われた王国」を初日で見る

2014-02-16 | 2013年、独逸&英国の旅
続き。

さて、ブランデンブルク門を後にし、
「ホビット 竜に奪われた王国」(The Hobbit: the Desolation of Smaug)を見るため、再びポツダムプラッツへ。
ポツダムプラッツ駅前にはベルリンの壁が一部残されています。



実は私、子供の頃にもらったベルリンの壁のかけらは持っているのですが、
実際に見る壁は、ガムが無数に貼付けられたきったない壁でした(笑)。
遠目で見ると、カラフルな落書きで奇麗に見えますが、近づくとちょっとガッカリしますね。
元々国を分けていた壁ですから、奇麗であるわけがないのですが。

壁を見た後、やっと映画館に入りました。



平日のせいか初日なのに人があんまりいない。こんなにリッチな内装の映画館なのに。
ホビットの劇場内は2人連れやグループの学生っぽい若い人が多かった気がします。
全部で10人いるかどうかくらいの人数。

作品の感想ですが…
公開までもう少し時間があるので詳細は避けますが、
始めは冒険に発つことを渋っていたビルボがこの旅を通してすいぶん成長していることが感じられて嬉しかったです。
時にはドワーフたちを助け、自分から進んで危険を冒そうとする。
それに、簡単に諦めない姿が頼もしかったです。
同時に、指輪を持つ物の業のようなものもさらに感じましたが…。

ガンダルフが見たかった友達は物足りなかったようす。
前回ほどは活躍しないんですよね…。

ついにこの作品で登場したスマウグは、中の人同様によく喋るので笑ってしまいましたw
ベネディクトの人となりが分かる人と知らない人では見方も少し変わるのかも?
そして、ただでさえ低音ボイスが魅力なベネさんの、さらに低い声は体に振動するように響くのでした。

金貨の山の中でスマウグから逃げ回るビルボのシーンは手に汗握りますが、
またそれ以上に、シャーロックとジョンが、まったく違う世界で共演していることに感動も覚えますね。
シャーロックを見始めた時にはこんな大作映画で2人の共演が見られるとは思ってもみませんでした。

私が一番好きなのは、公開前から話題になっていた"この"シーンです。
ネタバレですので見終えてからどうぞ。



ボンブールかわゆ。最高に楽しいアクションシーンです。
このシーンの始まりのビルボのリアクションもさすがでした。マーティンは本当に達者。
マーティンのリアクション芸は間違いなく見所の一つですよね。

あとは"この"シーン。



やはりアクションは見応えがあります。
アクションといえば、再登場したレゴラスの活躍も忘れられません。
レゴラス強すぎ。半端ないです。
(あとキリの設定は…いるのん?)

エンディングのスマウグもかっこよかったです。
これからご覧になる方は是非お楽しみに。

今回、もちろん3D上映で見ましたが、CineStar IMAXで見るホビットはとても滑らかな映像で、
映画とは思えないほど鮮明で美しかったです。
地元で見た時もこんなに美しかったかな…ハイフレームレートだったと思うのですが。

CineStar IMAXの上映で驚いたのは、
港町の頭領役のスティーブン・フライがそろそろ出てくるんじゃないかな~と思っていたあたりで
唐突に幕が閉じてブツリと上映が中断され、休憩に入ったことです(笑)。アナウンスも何もなく。
何分休憩があるのかも分からず。
そして、またアナウンスもなく15分程経ってから幕が開き、同じシーンから上映再開しました。
日本であれば休憩がなくても場内アナウンスがあるものですが、
なにもなく中断されると、映写機故障か何かかとビビっちゃうじゃないか…。



広場に出ると、昼とはガラリと変わった夜の風景になっていました。
吹き抜けの真ん中にはツリーのような形のイルミネーション、その下には目を光らせたスマウグ。
ミラーボールもあるのでそこらじゅうキラッキラです。



昼は傍まで近付けなかったので、近くまで寄って見ると、
金貨のひとつひとつの表面に"HOBBIT"と文字が浮き出ています。
くっついているので剥がすことは出来ないのですが、
(左の写真のように)棒でつっついてバラバラに剥がそうとしている人も見受けられました。
いいんかいね。



スマウグの横にはレゴで出来たサンタもいました。



映画館のあるSony Centreを出ると、
駅前からポツダム通り(Potsdamer Straße)にかけて、マーケットが並んでいたので、こちらも見る事にしました。



小屋の上に電車が走っている!



お菓子の小屋は美味しそうだし、色とりどりで見てるだけでも楽しいですよね。
メッセージ入りのハートのプレートはジンジャーブレッドなのかな…。
何か買っておくべきだったと後悔してます。



ポツダム通りから左のトゥンネル・ティアーガルテンという通りに出ても、
まだマーケットが続いています。これはアーケード入口前の小屋。



Theater Am Potsdamer Platzという劇場前のマレーネ・デートリッヒ プラッツ(Marlene Dietrich Platz)の小屋で
暖を取る為にホットワインを注文。ここにあるツリーは赤青緑でかなり派手。
マグにはポツダムプラッツ駅やSony Centreのビルが描かれていますね。

お腹が空いたので、立ち飲みしていた横にあるソーセージの小屋の誘惑に負けそうになったり…。



ダメだ、今食べたら帰ってから食べ過ぎてしまうということでここは我慢。
ワインで暖まった後は、「そういえばCDが見たかったんだ…」と思い出し、
再び電気屋のあるアレクサンダープラッツへ向かいました。



ロンドンでもこんなに霧がかった夜を歩いたことはなかったなー。
マーケットの灯りが、霧の中で滲んで幻想的に見えます。



前日に来たときはまだ明るい時間だったので、
夜のアレクサンダープラッツは全く違って見えました。
やっぱりクリスマスマーケットは夜見た方が気分が高まりますね。



寒くなった私は、ここでもホットチョコレートを注文。クリームたっぷり。
アレクサンダープラッツのマグにはテレビ塔が描かれてるのが分かるでしょ。
ここの立ち飲みの場所は混んでて、BGMもガンガンに流れててまさにお祭り状態でした。

結局、電子音楽系のCDを物色したのですが、あまり成果はなく。
続けて2日マーケットを廻れたことで満足して帰りました。



駅のネオンは美しいし、フラット近くの道はとても静かで落ち着く。
この日がベルリン最後の夜。
次の日はひとりロンドンへ戻ります。
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【ベルリン編】ブランデンブルク門+「ホビット 竜に奪われた王国」劇場へ

2014-02-16 | 2013年、独逸&英国の旅
■2013年12月12日■

ベルリン3日目。



この日の朝食。
ベーコンに卵にパン。シンプルが一番美味しい。

この日は公開初日の「ホビット 竜に奪われた王国」を見に行きました。
友達は一作目を見ていなかったので、前の晩、私が入浴中に持って来たDVDを見て予習。
時間はありましたが、まずはチケットを買いに午前中から映画館に向かいました。

その前に、近所のホテルの建物内でお土産用の買い物をしました。
まずお腹の調子が良くないという私に、
「ドラッグストアに薬用のハーブティーがあるよ!」
という友達の薦めもあり、お腹に効きそうなハーブティーを購入。

 ←こんなの。
 ドイツはハーブティーが豊富。飴もハーブ配合のものをよく見かけました。
 飛行機で配られた飴もハーブ配合でしたし、
 私が日本でよく嘗めているRicolaも、
 コーヒー豆の缶のような大きさの入れ物で売ってました。
 友達曰く、ドイツの人たちは風邪を引いても薬は飲まず、
 ビタミンやハーブティーを飲んで治すのだそうで。

 あとは初日にも行ったスーパーで
 職場の同僚に配るチョコと、日本の友達に渡すグミを購入。
 グミは名物ハリボーと同じクマ型のものです。




買い物の後は窓辺の猫を眺めながら↓一度帰宅。



ベルリン・ツォーロギッシャーガルテン(Berlin Zoologischer Garten)駅で乗りかえて、
映画館のあるポツダムプラッツ(Potsdamer Platz)を目指します。



ポツダムプラッツ駅の入口は近代的な雰囲気。
ここにも小規模ですがクリスマス・マーケットが出来てました。雪遊びも出来るみたいです。

左の写真に写っている背の高い建物の脇を通って行くと、
その奥にSony Centerという複合施設があり、その中にCineStar IMAXがあります。
どこの映画館で見るのかは友達におまかせしていたので、
どんなところなのかまったく分かっていなかったのですが、現地に着いてみてビックリ。



ここは、見覚えがある!
つい数日前の12月9日に、ここで「ホビット 竜に奪われた王国」のベルリン・プレミアが行われ、
レッドカーペットを出演者が歩く姿を見ていたからなのです!

↓これはスマウグを演じたベネディクト・カンバーバッチがインタビューを受けている、その時の動画。

【Benedict Cumberbatch at Hobbit premiere: Actor talks taking on the dragon】


そしてこれ↓が現地の画像。



うわー! 巨大スマウグ! 動画で見たのとおんなじ、本物だーっ!!
プレミア上映した劇場で見るのかー!嬉しい!
ただ、この時間帯は周りに柵が出来ていて、あまり近づいて撮影することが出来ませんでした。
とりあえず、スマウグの前でポーズして何枚か記念撮影。
旅行中らしい英語を話すご婦人グループからも記念撮影を頼まれました。
撮りたくなっちゃいますよねー。



↑そして、これがチケット。

金貨に埋もれるスマウグを前に、興奮が収まりませんでしたが、
友達から「また後で来るからね」とやんわり嗜められw
上演までの時間を使って、すぐ北にあるブランデンブルク門を見に行きました。

ポツダムプラッツから、ブランデンブルク・トール(Brandenburger Tor)駅へ。
トールは「門」という意味なんですね。



駅から出ると、すぐにブランデンブルク門が見えてきました。



おお、ブランデンブルク門だ。本物。
でも正直、先日見た博物館島の建築物に比べると、それほど迫力は感じなかった…(苦笑)。



クリスマス前なので、正面にはツリーが飾られていました。
ベルリンの壁のある時代には無人状態だったこの辺りは、
一番の観光スポットということもあって、修学旅行らしい学生が多かったです。



門とプロイセン王宮を繋ぐ大通り、ウンター・デン・リンデン(Unter den Linden)は地下鉄の工事中で
通りの中心が柵で仕切られていて、あまり見渡しがいいとは言えませんでした。
外は霧がかっていて寒かったのですが、昼食として、
通りにある外の売店で「ベルリンと言えばこれ!」というCurrywurstを買いました。



細かく切られた太めのソーセージの上に、カレー味のソースが掛かっていて、横にパンも添えられてます。
これが旨かったー!! 辛いのが苦手な私でもソースが甘めなので、ぺろりとたいらげました。
寒さで早く冷めてしまったのが残念でしたが、
ソーセージを食べ終わった後に残りのパンにソースを付けて食べる。これもまた旨い。
そんなに量が多いように見えませんでしたが、お腹いっぱいになりました。

お昼を食べ終わって、のんびり駅に戻ろうとすると、門に向かって左側にホテルがありました。



こんなところにホテルがあるんだねーと言っていると、
「そうだ、ここにマイケル・ジャクソンが泊まってたんだよ」と友達。
はっ、もしかしてここは、あのまだ赤ちゃんだった子供をベランダから落としそうになった事件の現場じゃ…!

Michael Jackson dangles his baby over a hotel balcony


やっぱりそうだ! どこかで見た事がある建物だと思った…!
こんなところでマイコー関連の場所を見られるとは思いませんでした。
なんだか懐かしいですね…。マイコー。



続く…
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