だから、ここに来た!

いらっしゃいませ! 英国旅行記の他、映画や音楽、テレビドラマ、演劇のレビューを中心にお贈りしております!

東京国際映画祭『靴に恋する人魚』『愛していると、もう一度』

2005-10-31 | movie/試写会・映画祭など
曇り、ときどき雨。
土曜日に渋谷Bunkamuraにいってきました。

チケットを会社に忘れたので、一度取りにいき、
引き換えが遅くなってしまいましたが、
そんなに悪い席ではなかったのがラッキーでした。

映画祭の会場の周りでは、グッズの販売や号外みたいな新聞を配っているのですが、
引き換えに行く前に、映画祭のスタッフのお姉さんに
「すみません、その新聞の、月曜日に発行されたものはありますか?」
と訊くと、わざわざ遠くまで取りにいってくれました。
そう、テリーGの表紙なんです。
ファイルを買って中に大切にしまっておきました。
ありがとう、おねえさん。

今回は映画祭でははじめてのティーチ・インを見ることが出来ました。
自分が経験したT・Iの中では盛り上がってたし、活気があって楽しかったな。

以下ネタバレありなので、ご注意を。
(メモを頼りにしていますが、正確とは言い難いので参考程度にお読みください。)

------------------------------------------------------------------------------
一本目は『靴に恋した人魚』。
ビビアン・スー、ダンカン・チョウ主演のファンタジックなラブ・ストーリーです。
台湾の『アメリ』って感じでしょうか。
プラス、アンデルセンなどの童話の数々をモチーフにして、
病的な靴への憧れを捨てられない主人公が
幸せがなんなのか気付いていくまでを描いていきます。

ビビアンの衣裳がすごくかわいい!
それだけでも見る価値ありますが、
映画自体も完成度が高いです。かなり面白い暖かい作品。
ストーリーを聞いただけじゃあつまらないかもしれないですが。

映画が終わって登場したのは、…襟川クロだー!
変なこと訊かないだろうなーとちょっと心配でしたが、
(彼女はいつもどうでもいいようなこと訊くからな。)
彼女ならではのツッコミが今回はかなり面白かった。
紹介されたロビン・リー監督を迎えると、
襟川さんは元々は女優さんをされていたわけではないですか?と訊いてましたが、
「いいえ、女優ではなく、スタッフとして映画の裏方の仕事をしていましたよ」
と答えてましたね。

それでは、お客さんから監督への質問。
■今年はアンデルセンの生誕200年ということですが、
その区切りもあって童話にインスパイヤされたんでしょうか。

「生誕200年は考えに入っていません。脚本はすでに2年前に完成していたんです。
 でも童話をモチーフにすることで、多くの人に気に入ってもらえるだろうと思っていました」


台湾が大好きな男性からは
■エンドロールに“シンチク”と入っていたのでどの場面かと気になったのですが
それぞれの撮影はどこで行われていたんでしょうか。
(会場・男性の真剣な姿勢の質問に笑が起こる)

「シンチクは動物園のシーンで、その他は台北市内で撮影されています。
 動物園はすごく小さいところで、動物の種類も十数種類しかいません。
 でも私はすごく気に入ったんですね。」


何故熱心にシンチクのことをたずねるのか監督が不思議がっていましたが、
男性がさらに、劇中で出てくるポストのある場所がどこか知りたいというと

「ポストは郵便局から借りてきました。だから実際にはないんですよ。
 同じような質問を台湾でも聞かれました。
 台湾の中であまり見ないような風景ですからね。」


そんなに気になるのなら、後で全ての撮影場所を教えて差し上げます、
といってました!

■とても美術や衣装、小道具がかわいらしいですが、
その中で一番のこだわりはなんですか。

「美術は長いこと一緒に仕事している方(名前失念…)が全て担当しています。
 コンセプトは「童話の本」そのものにしたいということだったんです。
 一緒に仕事をしていて、台湾の映画は暗ーい映画が多いから、
 今度撮る作品はピンク色にしようねと言ってたんですよ!

 予算も人手も足りなかったので、美術を作り上げるのは大変でしたが、
 台北金馬影展では大きな作品と一緒にノミネートされました」



■今作でアンディ・ラウさんが製作を
担当されているので楽しみに見に来ました。
パジェットが足りなかったということですが、
アンディはたくさん資金を提供してくれたわけでは
ないんでしょうか。(会場・笑)

「これは新人監督に映画製作のチャンスを与えるFirst Cutという企画の一角で、
 映画全てに資金が提供されるというわけではありません。
 それとスターTVも協力していますね。
 みなさんが想像されるより、パジェットはずっと少なかったですが、
 たくさんもらっても、それだけの作品を作らないといけないという
 プレッシャーが生まれてしまうので、これはこれでよかったと思います。
 これを成功させて次はいっぱいもらうつもりです(笑)」


襟川さんが「予算がないのに貧乏臭くないですよね」とまた失礼なことを言ってました(笑)。
みんな拍手してたりして。

「そうそう、この作品は金馬影展でCGに対してもノミネートされてるんですよ、
 『セブンソード』と一緒に!(会場・オオーとどよめき、拍手)」


■キャスティングはどのように?

「製作会社が決まって、すぐこれはもうビビアンだと決まりました。
 彼女はすごく若いわけではないから、女の子から母親まで演じられると思いました。
 童話に出てくるようなかわいらしい女性なので、主人公のドゥドゥにぴったりです。
 彼女は今まで自分にふさわしい役というのがなかったので、
 この脚本を読んですごく気に入った様子で、是非やらせてくださいといわれました。

 そして、彼女からダンカンを紹介されました。
 彼は同じ製作元の『僕の恋、彼の秘密』にも出ているので起用が決定しました。」


■ナレーションをアンディ・ラウが担当しているとは知りませんでした。
登場人物や猫たちが歳を取らないのは童話をモチーフにしているからだと思うんですが、
そうですよね?

「猫がそのままなのは、予算の問題です!
 パジェットの関係で一気に取ってしまわないといけなかったんです。
 ですが、登場人物が変わらないのは意図的にそのままにしてあります。
 主人公だけ成長しているように見せたかったんです。
 出版社のシーンは2日間で撮ってるんですよ。」


■出てくる靴はタイアップ?

「はじめは靴のブランドに協力してもらって資金をもらおうと考えていたんですが、
 ブランド側は自分のところの靴だけを使ってくれというんですね。
 それは難しいということで、ダメになりました。
 それで実際使った靴は友達から借りたり、
 装飾のないものにスタッフが飾りをつけたりしていました。
 だから現場ではいつもスタッフが靴を作ってましたね!」


最後の質問
■長編の構想もあると思いますが、今後挑戦したい作品や企画している作品は?

「2つあって、ひとつはもっと資金が調ってからの予定ですが、
 「DNAが私の愛を変える」という作品で…
 潔癖症で男の臭さや汚さが嫌いな女性が、
 薬を飲むと嫌なものが一切目に入らなくなって、
 はたしてそんな状況で男と一緒になって幸せかどうかという作品です!」


襟川さんが、それは監督の経験が入ってるんですか?と訊くと

「女友達は差はあれどみんな“夫のこんなところが気に入らない”とかよく言ってますよね」
と答えてました。

------------------------------------------------------------------------------
さて、もう一本は『愛していると、もう一度』。
『靴に…』でも何度も名前が登場したアンディ・ラウ主演。
一人二役に挑戦しています。
監督はダニエル・ユー。
アンディと配給会社FOCUS FILMで出資などに取り組んでいる
元々プロデューサーの方ですね。
おそらく会場のほとんどの観客がさっきと同じ人たち(笑)。

妻を亡くした医師が、妻の臓器を移植した女性を偶然発見し、
生前寂しい思いをさせた妻のかわりに彼女のそばで過ごすことを決心するお話。
心臓移植ネタ。多いですね最近。

アンディはとても素敵な旦那様でした。
微笑ましい夫婦の生活を振り返る場面では客席から笑い声も多かった。
その一方で、やはりなくしたものへの悲しみは涙を誘います。
不覚にも、私も泣いてしまいました。
なんでもない毎日を一年の記念日にしてしまう
(クリスマス、正月に、復活祭、エイプリルフール…)
夫の洒落た思いやりが好きでした。

ストーリーはありきたりですけれども、何故か許せちゃう。
アンディが出てるからでしょうか?
彼の見事な手品も見所。
私も誰かから「約束のリング」が欲しい…。

面白かったのは、オープニングに出てくる
「友情出演:アンソニー・ウォン」に会場が大いにどよめいたところです。
そのどよめきに対して、今度は笑いが起こったりして。
で、本人が出てくるとまだどよめいて。
みんな知らなかったわけです。
カメオっぽい存在なわりに結構登場してました。
蝶ネクタイしてたのが気になりました。

ティーチ・インはダニエル・ユー監督が登場。
『LOVERS』以来の来日らしい。
そうか、あれからもう一年以上経ってるのね。
私はあの日に金城武よりアンディ・ラウ、と確信したんです、たしか(笑)。
監督はアンディからのメッセージを預かってるということで、

「次回作の撮影で日本にいけなくて申し訳ないです。
 もしこの映画を見て涙を流してしまったのであれば、ゴメンナサイ」


とのこと。
ホント、ゴメンナサイですよ。来てくれないし実際泣いてるし、悔しい。

And now。ティーチ・インの模様ですが。

■この映画の撮影のきっかけは?

「私は小さい頃からラブストーリーをよく読んでました。
 恋愛にはいろんな形の愛がありますが、中でもやはり愛する女性を大切にしたいという気持ちを
 この映画で表したかったんです。」


■アンディは一人二役に挑戦していますが、演技指導はあったのでしょうか。

「彼とは昔から知り合いだし、お互いをよく理解しています。
 今回はハードルをあげて、この一人二役をやらせてみたんです。
 そうしたら何の問題もなく、素晴らしい演技をしてくれましたよ。」


香港から日本に来たファンの質問で、
■主人公がオレンジを切るシーンがありますが、何を表現しているのでしょうか。

「実際、登場人物の気持ちを表現するときにプロップ(小道具)を使うことがあります。
 複雑な気持ちをどう表現するかというときに、
 よく悲しい気持ちのことを“すっぱくなる”と言ったりするので、
 主人公にオレンジを切らせて、寂しさや心の葛藤を表そうとしたんです。」

■キスシーンでアンディはキスもうまいなぁと思いました(会場・笑)
 彼が床に溢れた水で転ぶシーンがありましたが、
 あんなに頭を打ち付けなくてもよかったんではないですか?(会場・再び笑)

「私も常に彼の心配はしているので大丈夫ですよ!
 あのシーンははじめワイヤーで体を吊ろうという話だったんですが、
 彼から“それじゃあ説得力に欠ける”と意見があったので、
 実際に転倒することになったんです。
 撮影はワイヤーで6回は撮って、ラストの一回が採用されてます。」


■二役の性格や愛情の温度差が感じられないのですが、
 もともとふたりの間に差をつけるように描いてはいたのでしょうか。

「…難しい質問ですね。
 意図的にふたりに差が出ないように描きました。
 もっと、大げさな差をつけていいんじゃないかと議論も重ねたのですが、
 アンディは結局、お客さんのことを考えてしまうので、ふたりとも優しいご主人になったんです。
 (会場・笑)
 このことで、より商業的な作品になったと思います。
 女性がこれで作品を気に入って、今度は彼をつれて見に来てくれれば嬉しいですからね!」


■アンディが他に意見を出したところは?

「常にふたりで話し合って決めていますね。
 彼は演技をする際オプションとしていくつかの提案を与えてくれて、
 私はその中から選んでいきます。」

ちなみに監督のお気に入りのシーンは、というと

「全てですね! …もしくは、やはりオレンジの場面でしょうか?」

■相手役の女性のキャスティングはどのように決定したのか?

「アンディほどのスターになると、様々な女優さんと競演しているので
 相手役を探すのは難しいんです。
 そこで新鮮さを出したいということで、今まで競演したことのない女優さんを起用しました。
 チャーリー・ヤンは10年程前にMTVで監督をしたときに、
 自分の思い描いた悲劇的なラブ・ストーリーを演じるのにピッタリだと思っていたんです。
 シャーリーン・チョイはアンディに比べると若いですが、
 彼に写真やサインをねだる若いファンは多いですからね。
 アンディは若い女優さんと共演しても様になるんだよ、と分からせたかったんです(笑)
 でも、ふたりとも非常に美しい女優だというのが一番メインの理由ですね。
 彼女たちの演技はとても素晴らしかったです。」


ちなみに撮影時アンディは43歳、シャーリーンは22歳らしい。
いや、見た目全然ありでした。

■今後の作品の予定は?

「アンディとはFOCUS FILMとして話し合いをし、構想を練っています。
 これからも若い俳優や新人の監督を常に起用したいと思っていますし、
 今回の映画祭でもリサーチをしてきましたよ。
 『Aサイド、Bサイド、シーサイド』とか色々ね。

 …実は、来年はマギー・チャンとの共演の予定があるんですよ!
 監督はジョニー・トゥ。僕はプロデューサーです!」


ママママジデー!? ジョニー・トゥ?? マギー・チャン??
最後の最後で興奮しちゃいました! 待ち遠しいよー!

てなわけで、実りの多い一日でしたが、
その日は前日から体調が悪く、胸が痛かったので、
ちょっと移動しながら不安でした。
そのことを友人にメールしていたら電話をくれて、
「あんた、胸が痛いって、アンディに恋してるからじゃないの?」
とからかわれた。
いやいや、真剣に心配なんっすから。
でも、そういうことで、いいや。あながち嘘でもないかもしれんし。
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【今週のウチシネマ】英雄本色

2005-10-26 | movie/【今週のウチシネマ】

abettertommorowなんでおいらは男に生まれなかったのかなぁと、こういうときに思います。
つまり、女子供の出る幕がない、男の熱い世界に触れたとき。
大切な誰かのために命を投げ打つ男たちが私は好きだ。
ホー兄貴ィー!!


なんつって、テリー・ギリアムに会えた興奮に酔い痴れる一方で、
すっかり『男たちの挽歌』の世界にもハマってます。

とは言っても、まだ一作目しか見てないけども。

ジョン・ウーってまったく無駄なことしない娯楽映画監督だなと改めて思いました。
すべての要素を万遍無く入れ込んでもバラバラにならない、
それこそハリウッド的な予想通りのストーリー運びはキレイ過ぎてあまり好みではないですが、
面白くて見てるとあっという間に終わっちゃいます。
これが二時間? 嘘だろ!ってくらいに。



偽造紙幣を持ち込む仕事に行った台湾で、
身内に裏切られ、警察に捕まったギャングの幹部・ホーと、
兄の本当の仕事を知らないまま警官になった弟・キッド、
そしてホーの仇を打つためにひとりで敵の中に乗り込んでいく親友・マーク。

ホーの出所後の彼らの運命を、ドラマチックに描いています。


印象的なのは、やっぱりマークの敵討ち場面だなー。
2丁拳銃はそれほど好きじゃないけど、
オフィスでのあのマークの決意が漲った表情が好きです。


裏切り者のところにいくまでのスローモーション、
オネエチャンといちゃつきながら植木鉢に射す拳銃、
容赦なく打ち込む無数の弾丸。

これぞユンファ様! 熱いです。
しかしながら、あのあと、かっこつけないで
もっと用心していたらあんなことには…とも思えます。

ホー役のティ・ロンは『酔拳2』に出ていた役者で…見たことあったかなぁ。
カンフーのシーンはないですが、
鉄パイプかなにかでヤクザたちを殴り付けるところのキレはさすがです。
やり手幹部としての落ち着いた風情、
弟とマークをを見つめる優しい眼差しがぐっときます。

弟・キッドはレスリー・チャン…
はまりすぎ!
何も知らないときの無邪気さと、兄に反抗する必要以上に意固地な態度が
キッドの若さを象徴してます。
カメラ目線で銃をまっすぐに構えたところが好きです!

そういやぁ【ウチシネマ】をやり始めてから初めてかもしれない、泣いたのは。
どこでかというと、ホーがマークを見つけ、
「こんなになってまでおまえ…」
と言うところまで。
「過ぎゆく時の中で」だって泣かなかったのに。
がっしり抱き合うホーとマーク。
だぁーっ!(←涙)



あと一本は『アンナと王様』を鑑賞。
だから、ユンファ特集だから、ね。
ついてこいみんな!
絢爛豪華な『王様と私』に比べると非常にリアルな描写です。
それに政治的なエピソードが印象に残ったんですが、
昔のにはあんなのあったかな?

アンナのような、はっきり主張を持った女性がちいさい頃から憧れだったなぁ。
危機的状態から王家を救っちゃうっていうのは、
劇的とはいえやりすぎな気もしないでもないけど。

他に一言つけ加えるなら、
王様と王女が一緒の場面が微笑ましくて好きでした。
ユンファと子供のセットに弱い私。
マークと王様。同じ人とは思えない。

テリー・ギリアムの『ジャバーウォッキー』は、また改めて。

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テリー・ギリアム舞台挨拶!東京国際映画祭

2005-10-23 | movie/試写会・映画祭など
東京国際映画祭 テリー・ギリアムが好きなんだーーーっ!!!

この気持ちをご本人に伝えたいところですが、
まずそのまえに英語が出来ないと意味ないかもね。
I LOVE HIS TALENT!
そんなわけで、簡素な舞台挨拶レポートです。



昨日は『ジャバーウォッキー』を見て意識を高めてまいりました。
これを見ると、わりと『ブラザーズ・グリム』の世界観に近い気がする。
試写で見たときには『ブラザーズ…』って「ハリウッド映画だなぁ」と思ってたけど、
ギャグっぽい部分の間だとかは全然変わらない。
だから、あれは間違いなくギリアムの作品なんだな。



さて、始まりから一生ものの後悔。
開場時間になってから六本木に到着したので、アリーナイベントを見られませんでした。
アホです、私。…十分反省しました。
しばらくこの失態を思い出して暗くなることでしょう。

それでも、舞台挨拶は前から3番目! うれしー!!
緊張のため、ジンジャエールを大量に摂取していると、
彼の新作としては7年ぶり、そして来日は10年ぶり(!)
という説明があったところで、ギリアム氏、登場しました。

長袖の黒っぽい地に、たてに筆ですっと線を入れたような色の入ったジャケットと、
中には白いシャツを着ていたように思います。
私のいる下手から陽気に手をあげて入ってきて、
客席側に背を向けながら通訳さんに一礼しました。
ゴツイおじちゃんですが、妙にキュートです。

久々に対面した日本の観客に対して、
「みなさん、素晴らしく美しく成長されましたね」

というようなことを言ってて、
この言い方、彼っぽいなーと早速ニヤケちゃったりして。ふふふ。

「このポスター(東京国際映画祭の)を見て気付いたんだけど、
 イタリア語でMOOO…は牛、VIEは人生って意味なんだよね。
 ということでみなさん、牛の人生にようこそ!」


と、またまた彼らしいコメント。

司会者の方から改めて監督が紹介されると、
ギリアム自らADのように観客の拍手をまくし立ててました(笑)。
グルグルまわりながらガッツポーズしたり。テンション高い!

私、同じ空間に彼がいる興奮と、隠し撮りするのに夢中で、
あんまり発言のひとつひとつをまともに聞けませんでした。
これ、言い訳。(結局隠し撮りもピンボケ失敗したし。)
記憶があんまり正確じゃないかもしれない…勘弁です。

まず、映画に関しての説明を求められると、

「僕は、とことんこだわって映画を撮ってる。
 今回はおとぎ話の世界にのめりこめるような作品だよ」


こだわって撮ってることはここにいるみんな分かってますよ!
本当に頓挫せず、新作が見られてよかったよ…。
出来れば、上映後にこの作品のこだわりの部分を聞きたいところなんですが、
そのへんまでは時間的に話せないんでしょうね。

役者に関しては、

「僕は、一緒にいて楽しめる人としか仕事はしない。
 マットはいつも知的で繊細な役だけど、
 今回は正反対の、ベン・アフレック的な役をやってもらった。(会場・笑)
 ヒースもいつもとは違う神経質でおかしな動きもする役だね。」


元々、ふたりは反対のキャスティングだったんですよね。
ところが、いつもどおりだと面白くない、ということで、
マットとヒースが相談してそれぞれ今の役になったらしい。
…ベン・アフレックというところがツボでした。

「女性にはマットとヒースのイケメン二人、そしたら男性にも、
 ってことで、共演はセクシーなモニカ・ベルッチだ!
 ということになったわけだ。
 彼女は少女から200歳の老婆まで演じられることを楽しんでたよ」


ってなことを言ってました。
そういえばモニカも来るっていう話はどこにいってしまったんだろう…。

また、会場に来るまでに出会った人に、これで映画を見るのは二度目だと言われた話が出て…

「是非何度も見てもらいたいよ。それだけ僕に金が入ってくるからね!」


どうやら、そのへんで普通に出会えてたかも知れないのですね。
出会えた人が羨ましい…。羨ましい…。

そして、この辺でお時間が…と司会の女性がきりだすと、
「いいとも!」ばりに「えーーーーーーーっ???」と、
言いたかったんですが、みんな言わなかったね。さすがに。

最後に一言ということで、監督は、
「ここは素晴らしい劇場だし、映画も本当に面白い、繰り返し観たくなる作品です。
 是非何度も楽しんでください。
 今までこれを観て死んだって人はいませんから(会場・笑)
 申し訳ないけど、みなさんが見てる間、僕は昼ごはんを食べてます!」


とのこと。
退場前に、報道用にカメラの前でポーズ。
手を前であわせて、とてもおとなしい姿。
見た目とは違う、いいひとオーラが出てました。

その間、司会の方が、監督はすでに日本を色々観光して
袈裟を買ったという話をされてました。 袈裟?!


そうして、夢のような時間はあっというまに過ぎ去ったのです。



ギリアムのインタビュー本に、『ジャバーウォッキー』を故郷のミネソタに
持っていってセミナーで上映したときのことが書いてあったけど、
観客があの作品のユーモアをどう受け止めていいのか戸惑っていたところで
「その後、僕が立ち上がって観客を魅了して、みんな僕を」そして作品を好きになった、
そこが気に入らないって書いてあったのを思い出す。
自分ではなくて、作品を正当に評価してもらいたい、と。

でも、それはまた彼の作品自体と密接な関係があるはず。
彼のサービス精神溢れるキャラクターが、作品のおかしさを一層際立たせてる。

真面目くさった人間が『未来世紀ブラジル』を撮っていたとして、
果たして、今ほど愛される作品になっていたかどうか疑問です。
彼が撮ったという事実が、より観客の目を開かせていると私は思う。
世の中の素敵な監督って、映画以上に本人も魅力的なんじゃないかな。




あーあ。それにしても、私は明日から何を糧に生きたらいいんだ?
望みがなさ過ぎて生きていけない…。

mixi情報によると、大田光がサンデージャポンでギリアムにインタビューするらしいので、
それを励みに頑張ろう。うん。

予告でふたりがhugする映像があったらしい。考えただけでも感動。
向田邦子といい、ギリアムといい、私の向かうところ、たいがい大田光がいる。
彼、野田秀樹もドリカムも好きと言ってたし、どうも他人の気がしない。



帰ったら、父が結婚式から戻っていて(披露宴の司会を無事務めたらしいです。)
新婦さんが中国の方なので、中国製のお守りをもらいました。
純金です。キラッキラ。
もう、これに願かけるしかない。

いつか、ギリアムとまっすぐ話せるような立派な人間になるぞ☆☆
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『同じ月を見ている』試写会

2005-10-22 | movie/試写会・映画祭など
久々にティーチイン試写会に参加しました。
『バトルロワイヤル2』の深作健太監督『同じ月を見ている』です。

漫画を映画化した作品で、
心臓病を患う恋人であり幼なじみでもある彼女のために医者になった青年と、
彼らの幼なじみであるヒトの心を読めてしまう青年をめぐるドラマ。

医者である青年を、これが映画復帰作となる窪塚洋介と、
孤児の幼なじみのドンをなんとエディソン・チャンが演じています。

私は原作を読んだことはないんですが、エディソンが出てるっていうのが興味深く、
「日本語どうすんだよ?」というところをチェックしたかったのと、
窪塚くんの復帰作という点はやはり気になりました。

とてもシンプルな感動作で、とても好感持てました。
原作はもうちょっと登場人物がいるそうなんですが、それでも十分楽しめた。

何が一番よかったかというと、窪塚君で。
私は正直、多くの人が言うほど彼って素晴らしい役者なの?と思っていたんです。

ですが。これを見て変わりました。彼、いいなと思えました。

いい意味で、前よりも目の強さがなくなった気がする。
役柄のせいかも分からないですが、すごく寂しさが漂っていて、引き寄せられます。

最後のシーンがすごく印象的で…
惹かれる役者って、見てると画が焼き付いちゃう感じがするけど、本当にそんな瞬間でした。
たぶん、ちゃんと生きていられたわけがあったんじゃないかな。

まぁ、一緒に見ていた同僚達はエディソンに夢中でしたけどね。
あの目がいい!とか、俺もこれからは寡黙になる、とか(笑)。
職場で『インファナル・アフェア』のDVD回したら戻ってこないかも…。
少々たどたどしい日本語が、言葉をうまく選べないドンという役柄を表していて、
全然違和感なかったです。

そして、金子役の山本太郎!
彼の熱さって必要不可欠! 最高!
金子が駆け込む美容整形の先生=松尾スズキも脇でナイスな役どころです。



映画を見ている間、ちょっとホロリときた私ですが、
一番感動で涙が出たのは監督のトークでした。

深作健太監督といえば、深作欣二の息子で、「バトルロワイヤル2」の監督。
そのくらいの知識しかありませんでしたが、
彼の映画に対する熱意、愛情、語り口はあそこにいたみんなが親近感感じていたはず。

初めてのドラマ映画の撮影でたくさんの困難があったんでしょうが、
どんなところが自分の悪いところで、映画を撮るときにここが苦手だということを
はっきりと把握していて正確に語る。

父上に対しては「僕はファザコンなんです」と言い切り、親の七光りも受け入れて、
その肩書きや周りの普通より大きい反応や多くのものを背負いながらも、
それでも映画が好きでこれで食べたいと率直に言う監督は、
七光りどころか、他のどの監督より自らが光っているように見えました。

頭の回転も非常に早い方です。
彼がいうには、自分の中にある(説明できる)映画しか撮っちゃダメだと教えられているということで、
子供のころの映画に対する思いと、この映画の「月」の存在を比較して説明したり、
窪塚くんや俳優さんのどういうところが演技として素晴らしいのかという点や、
登場人物の細かい心情から、特定の場面の持つ意味の説明も明確かつ丁寧で、
劇中で登場する絵について話が触れると、
「ちょっとここで絵についても話していいですか?」と楽しげに語る。

そう、心から楽しそう。

そういう姿と言葉が胸を打ったんだろうな。
この監督には、またいいものをどんどん撮ってもらいたいと素直に思いました。

ティーチインは大反響で、質問も途切れず、
進行のライターさんも「今日は素晴らしいお客さんで…」と言ってました。
盛況なのは窪塚くんの影響もあるけど、監督の人柄もあると思うよ。
「終電までやるよ!」と、監督も「舌」好調でした。
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【今週のウチシネマ】All about Ah-long

2005-10-19 | movie/【今週のウチシネマ】

『ウェイキング・ライフ』の他に観た映画は、
先週に引き続き《チョウ・ユンファ特集》です。

ahlongまず『過ぎゆく時の中で』。
私、この映画は一週間の間に何度も見直してしまいました。
…家族ものに弱いんです。
監督は『PTU』『Needing You』などのジョニー・トゥー。
チョウ・ユンファ、シルビア・チャン主演。
二人は脚本にも関わっています。


元バイクレーサーのアロンは、男手ひとりで一人息子のポーキーを
トラック運転手をしながら育てています。
仲のいいふたりは、お金はなくてもお互いに信頼し合い、毎日楽しく暮らしていました。

子供服のCMを撮影するために自転車がうまい子供を探しているという話を紹介され、
ポーキーをオーディションに出したアロン。
ポーキーはディレクターの目に止まり、見事採用されることになるのですが、
契約の為にアロンがディレクターのオフィスを尋ねると、
そこには見覚えのある女性が…。
実はディレクターの彼女こそ、10年前に姿を消したアロンの恋人であり
ポーキーの母親のシルビアだったのです…


ばっと見、香港版「クレイマー、クレイマー」といった感じですが、
女にだらしがなく、遊びが派手な主人公の元を去った女が、
無事に産んだ事実も知らされないまま残していった息子と再会し、
主人公が彼女のことをあきらめきれずによりを戻そうする点で
また違った趣のある作品です。
(まぁ意識はしていたと思いますが…)

母親と息子の初対面のぎこちなさや、父と息子の絆、愛情の表と裏を垣間見れて、
親子ってこんなところあるよねとうなずいてしまうところもあります。

あと、なんつっても、ウォン・コンコン演じるポーキーがかわいいんだなー!
子供のかわいさと憎たらしさを見事に演じてます。
彼はこの作品で香港アカデミー賞助演賞にノミネートされてますね。

そしてこの時、主演賞を受賞したのがチョウ・ユンファ。
もっと早くにこれを観ていたら、今と同じように彼の作品を追いかけたくなったはずです。
それほど彼の演技はいい! いいです!!
アロンの様々な顔…子供を大切にする父親であったり、女に手をあげるダメ男だったり、
命を賭けて戦うレーサーであったり、
その全てが彼であるという説得力が観客を満足させます。

はじめはすごいボサボサ長髪頭で衝撃的だけどね。
その髪型はないんじゃないの!
でもそのわけも後で分かるわけです。
「だからもっさり頭だったのねー」って感じで。

シルビア・チャンもこの役にぴったり。
ソバージュが似合ってます。
(なんか髪型の感想になってるな…)


この話の中では、アロンの髪型以上にショッキングな出来事があり、
あまりの辛さに私はしばらく呆然としてしまいましたが、
その部分すら、やはり三人の演技ですっかり美しく見えてしまい、
なんだか複雑な心境です。
これから見るという人がいるなら、是非なんにも考えずに見始めて欲しいものです。
エンディングの曲も、アロンの人生を表しているようで絶妙です。

台詞も人物描写もかなりうまく出来た佳作だと思います。
私はこれで、リマスターDVD買う決心がつきました!
12月が楽しみだわ~。


過ぎゆく時の中で デジタル・リマスター版 [DVD]

そしてもう一本は、同じくチョウ・ユンファ主演の「リプレイスメント・キラー」ですが、
これはもうガンガンスキップして観ちゃった。

replaceユンファ先生が、行かなきゃいいのに行っちゃったハリウッドでの初仕事ですが、
かっこいいけどさー、だからなんだろう?という感想になってしまいます。

確かに定番の二丁拳銃もハマってるし、
指令に背いてマフィアに立ち向かう無口な暗殺者っていうのも素敵ではあるし、
スリムで身のこなしも軽やかで申し分ないけど、
話はつまらんよ!

あまりにこじんまりとまとまり過ぎていて、人物の深みがない。
「ウェイキング・ライフ」の中でも言ってたけど、
映画はストーリーで見せるもんじゃないんだってことがよく分かります。
そこにいる人物がどういう本質を持っているかを分からせないでは話は進まない。
寡黙ならかっこいいかっていうのはお門違い。
もっと主人公に背くだけの理由の強さがなければダメだ!

ハリウッドで活躍するユンファ先生を見ても、今まで魅力的とも思わなかったのは、
決して本人のせいではなく、彼の演技を出させない映画の方がいけなかったんだなと、
この二本を見てはっきりと感じました。

12月までの間に、また『過ぎゆく時の中で』借りようかなーと思うくらいだな。


リプレイスメント・キラー [DVD]

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【今週のウチシネマ】Dream is destiny

2005-10-19 | movie/【今週のウチシネマ】
夢ってのは脈絡がない。
妙にリアルだったり、急に全く関係のない風景に出くわしたりする。

私は眠たくもないのに必要以上に睡眠を採っている。
現実に飽き飽きしているからかもしれない。
とにかく、眠らないではいられない。
おかげで近ごろは眠りに落ちる瞬間の、魂が抜ける感じも分かる。

そうすると夢もたくさん見る。
昔は逃げる夢が多かったけれど、最近は外国の夢が多い。
それと母の夢。今ではもう会うこともない友達もよく交替しながら出てくる。
彼らは私の願望なのか、テレパシーなのか、いまだに分からないけれど、
現実とは違うthe other side of my lifeと言ってもいいのかもしれない。
実際、私は夢の方が現実に思えそうなときだってある。


『ウェイキング・ライフ』という映画は、『恋人までの距離〈ディスタンス〉』、
『ビフォア・サンセット』のリチャード・リンクレーター監督作品で、
この2作品に出ているイーサン・ホーク、ジュリー・デルピーが
同じ役で一場面出演している。

たとえば彼らは「意識」について語り合っている。

「私の人生は妙に醒めていて、老女が回想しているようなものに思える」
と彼女が言うと、
彼は死んだ人間の脳は死の直後、5分から数十分は生きている話をする。

「つまり、きみの人生はその数分に老婆が見る夢なわけだ」

そして彼女は彼がいつか話した「魂の輪廻」の話を思い出して、
魂が何度も生まれ変わるには人口の比率が合わないと言う。
じゃあきみは新しい魂が生まれてくるっていうの?と彼が聞くと、
彼女はそうじゃなくて、と返す。

「魂って記憶の集合体なんじゃない?」

新しく生まれてくる命は、人類の種の記憶を持っている、
だから、ヒトは本能の記憶を生まれながら持っているという話をする。

この場面も、主人公が見る夢の一部なわけですが、
私は、監督は霊能力者なんじゃないかしら?と思ってしまいました。
この会話は非常に意味がある気がする。
前にもここで書いたけれど、私は輪廻転生を信じる派で、
でもそれは理論があるわけではなくて「希望」としての信念だったわけです。
でも、この話はすごく理に適ってる。
最近ある本にも同じことが書いてあって目から鱗が落ちる思いだった。

つまり、魂・記憶が素粒子だという考え方。

だとすると、夢の正体も説明出来そうな気がする。
体を離れて記憶が解放されて、昔の思い出や最近の視覚的な刺激、
それに昔の魂の記憶?が混在して形になる。
死もその状態に近いはずだ。

そうすると、この映画に出てくる、
「死は生の外の夢だ」
という台詞に繋がる。

この映画、おそらく実写の上に色を乗せてアニメにしているんだと思うんですが、わざと動きを歪ませてあって、見る前に「バス酔いみたいになるよ」という話を聞いてました。
確かに始めは辛いけど、後半は曖昧さがかえって好感持てました。
夢なんて、あんな感じでしょ(笑)!

私は暑苦しいくらいに様々な概念について語りかけてくるこの作品がかなり好きです。
全部スクリプト起したいくらい。
『恋人たち…』を10回観るとしたら20回は観たいかも。
今更だけどDVD買おうかな。
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『ブラザーズ・グリム』試写会

2005-10-16 | movie/試写会・映画祭など
昨日『ブラザーズ・グリム』を観てきました。
愛するテリー・ギリアム親爺の新作。
今回は会社から近かったので間に合った!

19世紀のドイツ。
ウィルとジェイコブ、怪物や魔女退治と称して村人たちを騙しては報奨金を稼いでいたグリム兄弟は、詐欺罪でとうとうフランス軍に捕まってしまう。
二人は死刑を迫られるが、ある村で起こった子供が失踪する事件を解決すれば詐欺を見逃そうと迫られ、不気味な森に囲まれた村に連れてこられる。

中盤までは兄弟の立場を説明する場面が続き、
後半は村の森に潜む魔力の謎を解こうとするまで。

途中までだれます。なんでだろ…監督特有の映像美は影を潜めて、
最近のファンタジー映画を思わせる演出が目立ちます。
『ハリー・ポッター』『ロードオブザリング』とかね。

その中に、ブラックな残酷ネタやとぼけたギャグがありましたが、
いつもなら笑えるところも、比較的善良な映画の雰囲気から
笑っていいのか分からない中途半端な状態でした。

ときどき見せるカメラワークは確かにギリアムっぽいけど、
映画自体は特に変わったところはない。
だけど、後半、森の中の塔を中心にした場面になってくると、
引力にひっぱられるように時間は忘れます。

入り口の分からない塔の、上からの俯瞰とか、
どこかで観たことのあるモチーフの多様とか、
(パクリとも言えないでもないけど、そこを狙ったのか?)
ワクワクする部分はしっかり押さえてる。

彼にしては軽い。
だけど、映画を見せる姿勢はいつもと変わらないんじゃないか?
そう思うとわりと前向きに観終えることができました。

私がちょっと興奮気味に
「やっぱりギリアムの映画、好きだ」と言いにいったら、
別のところで一緒に観ていた友達は
「ファンタジー観るならやっぱりティム・バートンだなと思った」
という感想でした。

確かに、私もちょっとバランスが悪いと思ったよ。
だいたい駅の看板にでかでかとポスターが張られるタイプの映画をとる監督じゃないだろう。
かといって、いくらなんでもVFXの時代に
いつものハリボテ感を期待するほうが間違ってる。


同じ日に『ティム・バートンのコープスブライド』を見に行った友達に感想を聞いたら、
「分かりやすくて面白かったよ!」とのことでした。

人に勧めるなら『…コープスブライド』薦めるかも。
でも、私はテリー・Gの映画が好きです。
今度は東京国際映画祭に見に行きます。
もう一回観たら考え方変わるかも。
そんなことより、監督に生で会えるぞー! ヤター!!!
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『ベルベット・レイン』を観る

2005-10-14 | movie/劇場公開作品
『エリザベスタウン』の試写があるので定時で仕事を切り上げ、
急いで銀座に向かったのですが…

入れませんでした。

やっぱり早退しなけりゃ無理かー。
仕方ないので、早足で銀パトに向かい、ずっと気になっていた『ベルベット・レイン』を観ました。

アンディ・ラウとジャッキー・チュンってだけで興味そそられますが、
ショーン・ユー&エディソン・チャンの若手ふたりも出ているから余計に楽しみ。
最近の香港映画って、出てる人かぶってますね。

黒社会のボス、ホン(アンディ・ラウ)の暗殺計画が浮上し、
配下の三人のボスたちは誰が黒幕かを探りあう。
弟分で強い信頼関係のあるレフティ(ジャッキー・チュン)は
ホンに、ニュージーランドに発ってこの世界から足を洗うように勧める。
「一家皆殺し」を信条にしているレフティに対して、
ホンは引退を拒否し、家族のいるボスでいると告げる。

一方、ふたりの血気盛んな若者、冷静さの中に残酷な一面のあるイック(ショーン・ユー)と
彼のためならどんなことでも力になろうとするターボ(エディソン・チャン)は
ボスの暗殺計画の暗殺者としての権利を得るが、ナイフ一本しか渡されず、
報酬として渡された金を持って拳銃を買いに行く…

この二組のストーリーが交互に展開されるのですが、
真ん中あたりはどうも眠くて仕方なく、
(朝まで映画見てるからです。映画バカ…)
頭の働かないままラストまで見ていたのですが、
そんな状態だったので、予想出来なかったですね、結末が。
なーるほど。と思ったんですが、
びっくりしたー、まじで?!とまではいかなかった。
そうすると納得いくよね。と、妙に冷静な感想しか出てこない。
でも、なんとなく美しくはあるかな。

アンディとジャッキーの食卓場面はやりにくくないのかなーと思った。
ゆらゆらしていて。
ターボをイックが助けにくるところが印象的だったけど、
娼婦・ヨーヨーとのシーンはあんまり印象に残らなかったな。
オチ以外は薄味な気がする。
…だけど、あとからあとからジワジワきますね。
仲間を守ろうとする男たち、
意外とよかったかも。

それにいまいち結局誰が首謀者だったのかわからないまま。
気になったまま終わった台詞もあったし。
DVDが出て、見返したら分かるかな、
って、私最近こんなこと考えてばっかり!

最後が分かってやっと始めの細部を納得して観られる映画だと思うのです。
だから、一回目ではどうも終わるまで腑に落ちない感じでしたね。

ところで、ホンの奥さん役の人を
「どっかで見た人だなー」と思ってみていたら、
先日観た『フル・ブラッド』のシウチン役、ン・シンリンだった!
あれから大人になったなー。当たり前か。
赤ん坊の母親としての顔と、ボスの妻としての顔が分けられていてよかったです。

あと、チャップマン・トゥーがボスで出てくるのはどうなんだ?
ノリがボスっぽくないよ!
色んな映画が頭の中で混ざっちゃいそう!
今日はもう寝ます。
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【今週のウチシネマ】ベスト盤的ゴッタ煮映画

2005-10-11 | movie/【今週のウチシネマ】

そういえば、チョウ・ユンファって『パイレーツ・オブ・カリビアン3』に出演するんですよね。

映画秘宝などでお馴染みの町山さんのブログに
オーランド・ブルームがユンファ先生と共演出来て感激していたと書いてあった。
オーリーは彼のファンだったらしい。
あれ、もう撮ってるのか。

実はお恥ずかしいミスで言いたくないけど『パイレーツ…』を見逃しているので、
2が始まる前までにちゃんと見ておきたいと思っております。

さてさて、そのユンファ先生の作品から『フル・ブラッド』が今週の家映画。
(花旗少林TREASURE HUNT 1994年 ジェフ・ラウ監督)
かなりネタバレです。

treasurehunt中国に渡り「国宝」を奪ってくるよう指令を受けた
米国工作員のチャン(チョウ・ユンファ)が、
国宝の真相が分からないまま、少林寺に身を隠すことになる。
そこで出会うのが精神病で部屋に拘束されているという
不思議な力を持った少女・シウチン(ン・シンリン)。
チャンは寺で過ごすうちに、彼女や僧侶たちと心を通わすようになる――

この映画、作品ガイドなんかでは「アクション」の枠で紹介されているので、
タイトルから言っても、さぞかし渋いハードボイルドアクションなんだろう、
と思って観始めたら大間違い。

始めは「あれ、コメディ?」と思わされ、そのうち銃撃戦が出てきてほっとすると、
今度はカンフー映画? あれ、ラブストーリー?とどんどん印象が変わってくる。

改めて考えてみると、はじめのアメリカのシーンは必要なかったんじゃないか?
おじさんに相棒のマイケル、駅まで送ってくれた彼女はどうなっちゃったの??
ほったらかしかよ!
強引なストーリー展開で呆気にとられます。
イマイチ国宝の奪い合いの仕組みが説明不足のような気もするし。

ジャンル分けが出来ない映画は、よく出来た映画とは言い難い気がするんだけど、
よく考えてみると、これだけ色んな要素を盛り込めるって、ものすごい技術がいるのかも?
それに場面場面で観てみるとすごく面白く出来ています。

住職とタクシー運転手の功夫シーンとか
(なんで戦う必要があるのかも不明…)、
メガネ小僧のチンランの存在そのもの(かわいいです)、
チェンが寺の慣習に反発するところは「天使にラブソングを…」的な展開だし、
(だからといってゲームボーイあげたりジャンクフードを持ち出すのはどうかと思うけど。)
チャンとシウチンの飛行シーンなんかはファンタジー映画です。感動的。
シウチンの場面は特に色彩が美しい。

トータルで見るとコンセプトがないけど、部分部分はいいとこどり、
映画のベスト盤みたいな感じでしょうか。

私が好きだったのは、チャンの安全と引き換えに売られることに同意したシウチンを
チャンが助けに行く場面。

祝杯をあげる密売の首謀者トンと部下たちがいる食堂の外で、
見張りの男たちが乗っていた車のラジオをつけるチャン。

「月夜の下で 私を見つめて――」

ふたりの過ごした日々を思わせる歌が流れる中、
食堂で、寺の部屋から見えた梅の枝を手に、ひとりうつむくシウチン。

「愛しているかと訊くあなた――」

賑やかに酒をグラスに注ぐ男たちの手元から、
一升瓶にガソリン?を注ぐチャンの手に画面が移る。
ゆっくりとした足取りで一升瓶を道の脇に等間隔でおいていく。

「私の心は決まってるけど
 月を見て黙っていました――」

足に紐を巻きつけた犬が食堂の中に忍び込み、
テーブルの足に紐を絡み付ける。

犬が入ってきたドアから外気が入り、
何かいるのかと外へ出て行く店員たち。
素早くチャンが鍵をかける。

「月夜の下で私を見つめて
 愛しているかと訊くあなた――」

トンがライターで煙草に火を点けると、
マッチ箱の中のマッチ全てに火をつけるチャン。
食堂の向こう側には「給油所」という看板。

「どうかあなた気付いてください
 月が何か語りませんか――」

ラジオから流れる歌が間奏に入った…
と次の瞬間、大爆発が起こる。

急発車した車に結ばれた紐で食堂のテーブルが転倒し、出口が塞がれる。
外に繋がった紐から火が伝い、それを見た男たちが窓ガラスを割り次々と外に出ると、
そこにマシンガンを構えたチャンが!


カカカカッコイ―――!!!

やっぱ男たるもの、女を命がけで守らにゃあきません!
「構わないさ 彼女のためなら死んでもいい」と言えにゃああきません!

…ここだけ説明するとハードボイルド+ラブストーリーなんだけどね。
自分の記憶力のよさに感心しちゃった。
ちなみにこの曲、テレサ・テンの「月亮代表我的心」という曲。
どおりで沁みるわー。
「いつの日かこの愛を」に先に使われていたようです。

そんなわけでこの映画、三回くらい見ると愛着が湧いてきます。
キーワードは「召し上がれ」「上海灘」「風鈴」「卵」、
あと「雪」と「花」ね。

こちらのページに画像が載ってて卒倒しそうでした。
ン・シンリンかわいい!
当時、自分と同じ年とは思えない…

なんだかすでに懐かしささえ感じちゃうわ。
良作じゃないのに愛すべき映画です。

 


フル・ブラッド [DVD]


二本目は『恋人までの距離<ディスタンス>』のふたりが再会する続編、
beforesunset『ビフォア・サンセット』ですが、
もうこれは何もコメントしません。



見なさい!



おすぎ口調であえて言わせていただきたい。
私は『恋人までの距離<ディスタンス>』『ビフォア・サンセット』を枕元において寝るよ。
それほど愛すべき映画。
一言付け加えると、イーサン・ホークが一瞬、
『マシニスト』のクリスチャン・ベールかと思いました。
顔、ガリガリです。
ジュリー・デルピーはほとんど変わってないのに…

1:99それと『1:99 電影行動』というのも観ました。
これはSARSなどで元気を失った香港を、
映画界から活気を復活させようという試みの映像集。

そうか…SARS、あったなぁ。
忘れないというためにもこういう作品は残す意義があるのかもね。

チャウ・シンチー、アンドリュー・ラウ、アラン・マック、ツイ・ハーク、フルーツ・チャン、メイベル・チャン、アレックス・ロウ、アンディ・ラウ、 トニー・レオン、サム・リー、アンソニー・ウォン、ジャッキー・チュン、エディソン・チャン、 カリーナ・ラウ、チャップマン・トー、ショーン・ユー、アーロン・クォック、などなどなどのそうそうたるたるメンバーで制作されています。
分からない人にも、観たことある人ばっかりという、
短いながらも豪華なボランティア映像集です。

 


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1:99 電影行動 [DVD]

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先程『エンジェル・ハート』を

2005-10-05 | book
観おわりました。
仕事であまりにも疲れてうとうと「英語でしゃべらナイト」見ながら頑張って起きてました。体がだるい。

今回は原作の1・2話でしたね。
始まる時間も遅いし、すっかりエネルギーを失い気弱な気分だったので、
「どうせアニメ化なんて期待するとガッカリするだけさ…」
と始まる前から落ち込んでたんですけど、落ち込む必要なかったですね。
非常に原作に忠実なアニメになっていてよかった。

原作よりシャンイン、じゃなかった、
グラス・ハートの存在感が際立ってきそうだし、
覚醒までの盛り上がり方がうまかった。

初めて原作読んだときは、ちょっと退屈な感じもしたけど、
アニメ見て、なるほどけっこう面白いと思えた。
ちゃんと「生きたい!」って心の声が伝わってくる。

だけど、なおさらこれは「シティー・ハンター」じゃないなーとも思える。
香が淑やか過ぎてありえない!(笑)
神谷さんが渋く押さえて声出してるのが新鮮ですよ。
さて次回は「香が帰ってきた」というタイトルから言って一気に3~6話かなーという感じですが、そうすると海坊主が出るか出ないか。
ケスクセXYZのとこですから モッチーは出てきます。ちょっと期待?

ところで「しゃべらナイト」でパックンが
「6が7を恐がっているのは何故?」
というジョークを言ってましたが、
そのあとTBSで「ケータイ刑事銭形零」を見たら
零ちゃんが同じことをいってて驚いた。
よっぽと6は7が恐いんだね☆

「ケータイ刑事…」、けっこう好きですが、
鑑識係(今日は探偵ホームズだったけど。英語で訛ってました。)の金剛地武志は
きっと世間から小劇場出身か何かの変わったタレントという認識のされ方なんでしょうね。
ミュージシャンなのにエアギターで有名になっちゃったり
(今年も世界四位だったということです)
どんどん肩書き不明だよ彼。それがまた楽しい…。

ちなみに。大森南朋が出演している「鍵がない」という映画にちょっと出てるらしく、
舞台挨拶にも来るらしい。
ちょっと行くかどうか悩んでる自分がいます…

以上、今日の就寝前のつぶやきでした。
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