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「小山田圭吾いじめ問題」で考えたこと

2021-07-18 | music

東京は梅雨も明け、ついに夏本場。
しかし16日(金)の東京都COVID-19新規感染者数は1,271人。
そしてオリンピックは一週間後に迫っているというカオスっぷり。
この夏も、家に引きこもることになりそうです。

コロナ禍で、五輪を開催するのか?しないのか?と1年以上振り回されることになり、
結局、負担や危険を強いられるのは我々日本人や東京都民。
もう、なるべくなら存在自体を知ることなく終わって欲しい…。

そんな中、オリパラの開会&閉会式のクリエイティブチームが発表されました。

先日東京都現代美術館に、リオ五輪閉会式の演出を担当したライゾマティクスの展覧会を見に行って、
(この技術が開会式に使われてたかもしれないんだな…)と思っていたところでしたが、
今回発表されたメンツを知って「四半世紀くらい時間が戻ったみたいだけど、大丈夫か…」と若干心配になりました。
ファンタスティック・プラスチック・マシーンとか、
90年代にはよく聞いた名前だけど、今の若い子は知ってるのだろうか…。

しかしそんなことより、記事に集まるコメントを見て気づいた問題が。

それは「コーネリアスこと小山田圭吾は障害者をいじめていた当事者としてオリパラにはふさわしくない」問題

 

 

90年代中頃から「渋谷系」と呼ばれる、渋谷のレコード店がレコメンドする音楽が一部で流行し、
私もクラスメイトにすでに解散していたフリッパーズ・ギターのCDを貸してもらったり、
わざわざHMVまで出向いてCDを物色したりと、「渋谷系」にハマっていました。

そのフリッパーズ・ギターのメンバーだったのがコーネリアスこと小山田圭吾なわけですが、
私がその「小山田圭吾はクラスメイトをいじめていた」という話を目にしたのは、
そこからしばらく経って、ネットを使い始めた2000年代以降でした。

例えばYouTubeでコーネリアス関連の動画を見ると、
コメント欄の一番目にそのことが頻繁に書き込まれていたり。

しかし、コメント欄の一番目と言ったら、根拠のない中傷である可能性もあるので、
(このコメントやたら見るけど、ソースはあるのかな…)と思いつつ、
特に掘り下げることはなく、目に留めているだけでした。

そして今回、オリパラの作曲メンバーが発表され、その噂だと思っていた話が明るみになったことによって、
1994年1月号の「ロッキン・オン・ジャパンと、
1995年3月号の「QUICK JAPAN」に掲載されていた内容だと初めて知ったわけです。

OGPイメージ

Tokyo Olympics opening ceremony music leader under fire for past bullying - The Mainichi

TOKYO -- Musician Keigo Oyamada, who is in charge of music at the Toky...

The Mainichi

 

週刊誌で取り上げられるような噂話ではなく、
本人自らがインタビューで語っている記事で、
しかも太田出版のQJはまだ予想出来ますが、ロキノンが発端だったとは驚きでした…。

当時は、雑誌で逐一チェックするほど追いかけてはいなかったし、
私が「渋谷系」の音楽を聴くようになる少しだけ前の記事なので、
記事の出処を知らないまま遡って読む機会もなかったのかもしれません。

 

当時のことを調べるにはいい機会だと思い、それぞれの記事を紹介しているブログや、
関わったライターの別の関連記事などを探して読みに行きましたが、
もちろん、全く気分のいいものではなく、
何度も中断しながら、頭を抱えて読み進めていました。

当時、若いとは言っても25歳を過ぎた小山田君が、
思い出話のように悪びれず、後悔も感じさせずいじめの詳細を話していると考えると、
そのまま大人になってしまったのか…、気の毒な青年だなと、無自覚さが痛ましくさえ思えてきます。

そして、「いじめはエンターテインメント」などと面白がって、
小山田君当人が会おうと望んでたわけでもない被害者の家族に
しつこくコンタクトを取ったライターや編集者たちの邪悪さに、本気で吐き気がしてきました。
本当に、本当に、酷い奴らです。

でも、変な言い方ですが、
言動が問題になったミュージシャンに対しての「失望しました!」というような、
ショックを受けることはなかったです。

小山田君の人間性に正直そこまで期待していなかったというか、
フリッパーズの元相方であるオザケンもそうですが、
彼らには強い自負心ゆえの独特の無神経さが感じられて、
音楽が好きだからと身を委ねすぎると、突然突き放されそうな怖さが私にはありました。
そして、今思えば、90年代はテレビや雑誌も
そんな存在を面白がっているところがあった気がしています。

 

2000年代、コーネリアスがYMOのサポートをするようになり、
国内だけではなく海外にも広がったその活躍を改めて注目するようになると、
「渋谷系」の時代よりも集中して彼の作品を聴くようになりました。

2001年のPointは今でも最高の名盤だと思ってますし、
リミックスやラジオ番組もとても新鮮で刺激をもらいました。
周囲との信頼関係が出来ているからこそ、幅広く活躍出来ているのだろうなと、
そこに人間的な成長を勝手に思い描いて、安心したりしてました。

CORNELIUS - Point Of View Point


そんな
「日本でも海外でもそこそこ名前が通って、
 作家性が強く、且つ鮮烈な音楽を提供出来そうなミュージシャン」としては、
コーネリアスは国際的なイベントにピッタリな存在ではあります。

しかし、大人になってもいじめを思い出ばなしのように平然と語れた人が、
オリンピック、ましてやパラリンピックに関わるのは、
参加者にとっても視聴者にとっても恐怖でしかないですよね。

いじめの件については起用を考えた誰かしらがどこかで目にしているはずで、
彼がオリパラに関わることが発表されれば、今回のように批判が出ることは分かりきっていたはず。
それなのに、何故わかっていて起用したのか… 
それとも一度もググろうともしなかったのか…

開催するのかしないのか分からないような巨大イベントに関わろうとするアーティスト自体、
他になかなかいなかっただろうと察しはつきますが、
誰が考えてもふさわしい役割ではないことは明らかです。

彼にいじめられていた被害者だけでなく、
いじめ経験のある人たちは、今回のことで不安な気持ちになったんじゃないでしょうか。
私にも少なからず嫌がらせのようないじめの経験はあるので、自分が被害者なら…と考えてしまいます。

いじめの経験者やその家族にとっての望みは、
まず「自分の前に現れて欲しくない」ことじゃないでしょうか。
記憶から消したい… 思い出すきっかけを与えて欲しくない…

 

ただ、この件がオリンピックのような世界的イベントで明るみに出て、
小山田圭吾本人や我々リスナーも真剣に事実に向き合うことになったことは、
必ずしも悪いことではないと思います。

 

発表された謝罪文は、体裁を取り繕っただけかもしれないけど、
少なくとも、本人の公表したい内容を正式に受け取ることができて、
(これで済んだという意味ではなく)ちょっとホッとしていたりもするのです。
これだけの長い文章を公式で出していることが、新鮮すぎてビックリもしました。

 

私がネットで頻繁にいじめに関するコメントを見かけていたということは、
本人の目に触れる機会だってあったと思います。
自分の黒歴史を度々突きつけられるのは、どんな気分だったでしょうね。
そして今回の件でYouTubeや某掲示板どころか、世界中にまで過去が知られるところになった。

OGPイメージ

Tokyo 2020 composer apologises for historical bullying of disabled classmates

Keigo Oyamada said he was ‘very sorry’ after embarrassing details of h...

the Guardian

 

小山田君はこれからもずっと、虐待者である自分と向き合い続けて生きていくことになるでしょう。
作品をリリースする度に、イベントに参加する度に、毎回毎回虐待者だと言われ続ける。今まで以上に。
心底悔い改めていようが、最高の音楽を作ろうが、一生その事実に付きまとわれることでしょう。

もう50歳を過ぎた大きい息子もいるミュージシャンが、
学生時代の虐待のことで公然と非難され続けるというのは、
自負心の高い人間でもなかなか堪えるはず。

彼がしたことは、それだけの重責を伴うことです。
謝罪はその始まりにすぎません。

 

 

今回の問題を知って、「もうコーネリアスの曲なんか聞きません!」という人もいれば、
「そうは言っても、もうやめられないよ…」という人もいると思います。
彼の音楽を好きでいる自分や、記事の存在を知っていたのに今でも聴き続けている自分に対して
責めたり恥じたり戸惑っているかもしれません。

私も「もうやめられない」立場です。
この記事を書いている間にもフリッパーズの曲を無意識に歌ってしまっていたし、
曲を聴き直せば、書いていることも一瞬忘れて、いい気分に浸ってしまいます。
昔から聴き続けた音楽は、そう簡単に頭から消し去ることは出来ません。

それに…
もしコーネリアスフリッパーズ・ギターがいなかったら、
CDを貸してくれたクラスメイトと仲良くなることもなかったんじゃないかと思うんですね。
私はその子のおかげで彼女の薦めてくれるたくさんの音楽に親しむことができて、
もっと大人になってから、そのおかげで親しくなれた人たちもいる。

その縁は、いじめとは全く逆の、ポジティブな関係性で成り立っています

小山田君は卑劣な虐待者でありながら、人をつなぐきっかけを与えてくれた人でもあったりするんです。

オリパラには全くふさわしい人ではないですが、
ミュージシャンとしては、私の人生の中で欠かせない一人だなと改めて思います。

だから、もし今回のことで音楽が好きな自分を責めている人がいるなら、
その音楽から得た大切な記憶を、思い出してみてほしい。

そのワクワクするような楽しい思い出は、あくまでリスナー同士のためにあるもので、
作者個人の言動によって侵害されるものではないはずです。

FRIENDS AGAIN - フレンズ・アゲイン - / FLIPPER'S GUITAR【Official Music Video】

(これはオザケンの作曲だけど。)

 

それにしても、はー、五輪キャンセルになんないかなー。

 

 

(2021年7月20日追記)

その後、小山田圭吾がクリエイターチームから辞任することが発表されました。

縦長っ!A4用紙かっ!(でも媒体に送るわけでもないっていう。)

もう既に、小山田君個人だけが問題じゃないことがどんどんわかってきて、辞めたところで全然すっきりはしない。

1991年の「月刊カドカワ」にもいじめに関する発言が載っていたこともわかり、

ここまで来ると、さすがに出版社やライターだけの問題では片付けられないですね…。

個人的に一番ショックだったのは、METAFIVEのメンバーであるゴンドウさんの削除済みツイート。
小山田君をフォローする内容だけならいいのに、
記事を読んでショックを受けた人たちにさらにショックを与えるような内容で…。
過去の発言が騒がれてはいても、周りの仲間たちのサポートもあるはずだし、
現在は心を入れ替えているかもしれない!という期待が打ち砕かれました。

「学生時代の虐待のことで公然と非難され続けるというのは、
 自負心の高い人間でもなかなか堪えるはず」

と書きましたが、過去の掲示板についての内容も読むと、
今回のこれだけ大きな騒ぎであっても、もしかしたら本人は

「今まで何も知らなかったくせに今更何だよ」
「誰もいないから引き受けてやったのに何様なんだ」

くらいに思っていそう。
どこまでも残念な騒動として記憶に残ることになりましたね。

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英国のむちゃぶり?パーティーゲーム番組 "Taskmaster"!

2021-07-10 | TV/その他

ジョー・ライセットと彼の番組"Joe Lycett's Got Your Back"の話題に引き続き、
最近よく見ていた英国のバラエティ番組について。

 

ロンドンにいる間、バラエティ番組も好きでよく見ていたのですが、
よく流しっぱなしにしていたのが、Daveチャンネル
一日中コメディばかり放送している最高のチャンネルです。

そこで「宇宙船レッド・ドワーフ号」「トップ・ギア」
"Would I lie to you?""QI"などの再放送をよく見ていましたが、
なんとなく存在は知っていたものの、真剣には見てなかった番組が"Taskmaster"
2019年まではDaveで放送され、2020年以降はチャンネル4で放送されています。

どんな番組かというと、
毎シリーズ、5人のコメディアン(もしくは著名人)が参加し、
審判役で番組の企画者であるアレックス・ホーンが用意した、一風変わったミッション(タスク)に挑戦。
司会のグレッグ・デイヴィスが独断で判定して順位を決定します。

今回私が最後まで見た第4期(2017年)の出演者は、

What's happening in Series 4? | Taskmaster | Dave Channel

More fiendish assignments are in store for five new contestants

 

 

左から
ブリティッシュ・ベイクオフ」の元司会者メル・ギェドロイツ
フリーバッグ
ヒュー・デニス
ゴースト ボタン・ハウスの幽霊たち」のロリー・アデフォペ
ソーイング・ビーの司会者ジョー・ライセット
マイティ・ブーシュノエル・フィールディング

このシーズンは全員知っている出場者だったので、ワクワクしながら毎晩鑑賞しました!

 

総合優勝者はグレッグの頭をかたどったトロフィーが獲得できますが、
毎エピソードの賞品は参加者が第一問のお題に従って提出することになっていて、
これもまた、採点対象の一つになっています。

例えば、第一話の賞品課題は「興味を引く野菜に書かれた、興味を引くサイン」

アメリカ市民権に興味のあるヒューは、人参に書かれたマルコムXのサイン
(ヒュー自身が書いた、ただのx)
ジョーは、黄色いズッキーニに書かれた司会のグレッグのサイン
(内緒でコメディアンのサラ・パスコーにサインをもらうようお願いしていたジョーですが、
 彼女はチャリティのためのサインだと嘘をついてたらしい)
ロリーささげ(Black Eyed Peas)の上に乗った、Black Eyed PeasのサインつきBlack Eyed PeasのCD
メルはホースラディッシュにハワード・ドナルド、冬かぼちゃにギャリー・バーロウマーク・オーウェン
 さつまいもにロビー・ウィリアムズのサイン。
ノエルソラマメに書かれたデヴィッド・スーシェのサイン。

このお題はノエルが1位を獲得し、5ポイントゲット。
そしてこの回答に使われた全ての野菜が、この回の勝者の賞品になるわけです。

 

メインの問題のほとんどは、チズウィックにあるトレーラーハウス付き一軒家
一人づつ別々に前もって撮影されています。

家や庭に用意されているものを使ったり、
現場にいるアレックスや近くにいる人の協力を得てもOKなので、
コメディアンたちの独特な、思いもよらない回答が出てくるのです。

例えば、「自分をカモフラージュする」問題。

Camouflage Yourself - FULL TASK

ヒューロリーのように忍者的偽装をする人もいれば、
ジョーのように人の手を借りたり、
メルのように部屋から出ちゃいけないと思ってる場合もあれば、
ノエルのようなそれってアリなんだ!?というカモフラージュが出来たりもする。

答えの幅も参加者の想像力次第なんですよね!
だからどのチャレンジも個性が出るのがこの番組の面白いところ。

 

なので「より遠くまで滑る」問題のように、
「滑る」という言葉一つでもそれぞれ捉え方が違ってきます。

Slide the Furthest | Full Task | Taskmaster

 

他には、「ケーキを出来るだけ美しく破壊する」
日本だったら怒られそうな問題(苦笑)。
ジョーの解答が文字通りで見応えあり。でもノエルメルの答えもクレイジー。

Destroy A Cake As Beautifully As Possible - FULL TASK

 

「3匹の犬を赤いマットの中に立たせる」お題も。
早く犬を揃えた人が勝ちで、足が12本乗っていてもOKらしい。
本来は他の動物でお題を出すつもりだったそうですが、事情で使えなくなってしまったので、
ロリーだけがその元々の動物を使ったお題でチャレンジしています。

Persuade Three Dogs to Stand on the Mat | Full Task | Taskmaster

 

「赤いマットに入らずにグレッグの肖像画を描く」課題。
ジョーだけさらに「30秒ごとにカメラに向かって笑顔を見せる」タスクがプラスされています。
だんだん大げさになっていく笑顔に誘われて笑っちゃう!

動画後半の「ランニングマシーンに乗ったボールを触らずに落とさないようにする」課題は、
ヒューの完璧な解答がみられます。

Joe Lycett’s Strange SMILING Task | Taskmaster

 

シンプルに敷地の中でかくれんぼするお題も。

Play Hide And Seek With Little Alex Horne | Full Task | Taskmaster

 

「片足だけで立ち、トレイに乗ったミルクとサンドイッチをアレックスに届ける」タスク。
あげている方の足を下ろしたら、サンドイッチを一切れ食べないといけない。
障害物を避けながらより早くアレックスに届けた人が勝ち。
(サンドイッチを食べた場合は5秒のペナルティ)

Bring Alex His Dinner | Full Task | Taskmaster

 

お題はチームで協力して解く場合もあります。

これは「20分で小麦粉をより多く野外ステージから目標地点に着地させる」チームタスク。
粉の状態の小麦粉を風船に入れたり固めて投げたり。
当初はケンブリッジ大卒組メルヒューが劣勢でしたが、
ジョーロリーノエルの若手グループにある不正が発覚し…

Get as Much Flour on the Target as Possible | Full Task

 

チームタスクなのに、それぞれの参加者に別々のタスクが伝えられる場合も!

庭に置かれたバスタブを使って、
メルは、ラップで出来るだけバスタブを包むタスク。
ヒューは、バスタブに出来るだけ大きいものを入れるタスク。
相容れない2つの課題ですが、メルヒューはお互いに協力しあっています。

一方、若手の方は仲間割れ状態。

 

私が一番好きだったチームタスクは、
一人がゴミ捨てカートに入り進み方を指示し、残りのメンバーが目隠しをしてゴールまで運ぶもの。
ただし、指示は英語以外の言語で!

Navigate this Obstacle Course Blindfolded & In a Wheelie Bin | Full Task | Taskmaster

運ばれてる見た目も、不慣れな意思伝達もなんだか微笑ましい。

 

そして、番組最後のタスクは、VTRではなく収録スタジオで行われます。
例えば、「一番長い騒音を立てる」。(Ep.5)
道具は何も用意されてないので、自分の口を使うか、身につけているものを使うしかありません。

他には、
テーブルの上に置かれたバラバラなものを使って「次のタスクのための準備する」との指示の後、

続くタスクに「すべてを片手に持って、もう一つの手を一番早く頭に乗せたものが勝ち」と書かれてあったり。(Ep6)
先に教えてくれてたらもっとコンパクトに出来るのに!

これらの最後のタスクの結果が気になる方は是非本編でチェックしてみてください!

え?どこで見ればいいのかって?
なんと!公式アカウントで全エピソードがアップされているのです!ありがたい!

Taskmaster - Series 4, Episode 1 'A Fat Bald White Man'

 

見る前までは、ノエルが一番エキセントリックな解答を出してくるだろうなーと思ってたけど、
意外にもヒューがひねくれた発想ばかり繰り出してくるので、
私の中ですっかりヤバいおじさんのイメージになってしまいました。(笑)

ジョーはフィジカルなゲームより、得意のメールネタのような言葉遊び系の方が得意なのかも。
Ep3の最終問題での冷静さは素晴らしかったです。
メルロリーの女子組は、意外と天然で素直な一面が見られて可愛かったな。

 

今(2021年7月)は、なかなか人が集まって遊ぶことが難しい世の中ですが、
見ていると、シンプルでわかりやすい番組だけに、
こんなゲームを皆で集まって出来たら楽しそうだなー!と思います。

個人的には挑戦するのが難しそうなお題も多いので、
そのあたりは頭の中で「自分ならどんな答えを出すかなー?」と想像するだけでも面白いし、
参加者が想像を超える解答を繰り出してきた時はさすが!と感心します。

賞品は本気で狙うような高価なものじゃないから(笑)、
ウケを狙うことに専念してもいいし、
プロにとっては発想力を試される場でもありますね。

紹介した動画の通り、トーク番組と違ってフィジカルな笑いなので、
英語はちょっと苦手という人でも楽しめると思いますよ。

1シーズン通してみると、出演者への親近感もさらに増してくるので、
他のエピソードもまたちょっとずつ見てみようと思っています。

 

OGPイメージ

Taskmaster Series 4, Episode 1 - A Fat Bald White Man - British Comedy Guide

A guide to A Fat Bald White Man, Episode 1 from Series 4 of Taskmaster...

British Comedy Guide

 

 

ちなみに、S4の後、出場者(ノエル以外)が同窓会的に集まったらしい。

 

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2018年、英国留学日記

2021-07-04 | 英国の旅【目次】

これでも何度か触れていましたが、
2018年9月から2019年7月までロンドンで語学留学をしていました。
(その前後にブログの更新がなくなっていたのはその準備に忙しくなっていたためであります。)

撮影した写真の整理も兼ねて、留学記録用の"はてなブログ"に1日1日を振り返った記録を記していますが、
こちらのブログで詳しく書きたかった内容も、便宜上、一旦留学記録用のブログに綴っています。

ただ、私は海外旅行好きの留学生というよりは、英国テレビっ子留学生なので、
留学日記目当てで見に来た人がいても、テレビや好きな役者の話ばかりしててちょっと恥ずかしい…

なので、本来の住処である(笑)このブログに、
とりあえず書き終わっている2018年の日記のリンクをまとめてみました。
(まだ2019年分が、倍近く残っているのです…トホホ。)
元々、英国旅行の度にこうやって、日にちごとの目次を付けてましたもんね。懐かしい。

留学生としての日々の生活は"はてな"の方に残しつつ、
好きなテレビや芝居などの詳しい記事はこちらに独立させるといった
書き分けをしていきたいと思います。

留学生活についての質問があれば、どちらのブログでも構いませんので、
お気軽にコメントでお寄せくださいませ。

ちなみに、
映画・演劇鑑賞はオレンジ
イギリス国内旅行はグリーン
著名人(というかマーク・ゲイティス)に会いにor見に行った関連はレッド
で色分けしています。

 

2018年9月

15日 海辺をサイクリング【ブライトン旅行】
 

2018年10月

 2日 〃
 4日 〃
 6日 〃
11日 〃
14日 〃
17日 過去完了形!
28日 〃
30日 〃
 
 4日 〃
 9日 〃
12日 ノッティンガムへ!【ノッティンガム旅行】
13日 ウォラトン・ホールへ/舞台「英国万歳!」観劇【ノッティンガム旅行】
14日 旧友との再会/「英国万歳!」鑑賞2回目【ノッティンガム旅行】
16日 ジュエリー・クオーター博物館とペン・ミュージアム【バーミンガム旅行】
     &バーミンガム美術館【バーミンガム旅行】
17日 ロンドンに帰る日【バーミンガム旅行】
19日 久々の登校
25日 〃
28日 〃
30日 〃
 

2018年12月

 2日 〃
 4日 〃
 8日 〃
11日 〃
14日 〃
15日 〃
16日 〃
20日 〃
24日 〃
26日 〃
29日 〃
 
 
 
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【祝!S2決定】「グッド・オーメンズ」ワールド・プレミアの思い出【2019年5月28日】

2021-07-04 | TV/その他

2021年6月30日にドラマ「グッド・オーメンズ」第2シリーズの製作が発表されました!

以前から新作の噂はあったけど、本当に続編ができるのか! 
これは待ちきれない!

地球の生活に馴染みまくってしまった天使のアジラフェル悪魔のクロウリーが手を組み、
ハルマゲドンによる世界の破滅を阻止しようと奮闘する「グッド・オーメンズ」

元々、ニール・ゲイマンテリー・プラチェット作の原作が気になっていましたし、
主役のデヴィッド・テナントマイケル・シーンはもちろん、
英国テレビ好き垂涎のキャスティングにS1を見る前からワクワクしていました。
個人的には久しぶりにリーグ・オブ・ジェントルマンの3人が揃って出演することも興奮材料の一つでした。

そして幸運にも、その配信開始の時期にロンドンに滞在していたために、
ワールド・プレミアのレッドカーペットや、ニール・ゲイマンのトーク・イベントを見に行くことが出来たのです。

いずれ留学日記ブログに「グッド・オーメンズ」関連の記事を書くつもりだったのですが、
1日1日画像などを整理するのに時間がかかってなかなか進まないので、
S2の製作が進んで公開してしまう前に、こちらのブログに書いておくことにしました。

今回はワールド・プレミアの様子を紹介します。
ずいぶん時間が経ってしまいましたけどね…。

 

 

遡って、2019年5月28日。

 

語学学校の授業が終わった後は、用事がなければレスタースクエアに行くのが習慣になっていました。
TKTSでウエストエンドの舞台の当日券を確認して買うことが出来るからですが、
イベントがあることに当日気づいて見に行くこともよくありました。

そんな調子で、その日もレスタースクエアで
「グッド・オーメンズ」のワールドプレミアが開催されることを昼頃気づいたわけです。

レッドカーペットへの参加は、この頃にはかなり慣れてきていました。

だいたい昼過ぎくらいにカーペット沿いに入場するためのリストバンドが配られるので、
周辺にいる関係者に確認してリストバンドを確保し、指定の時間に並びます。
作品によってはあらかじめレッドカーペット参加者をネットなどで抽選する場合もあるみたいです。

「グッド・オーメンズ」の場合は緑のカーペットで「グリーン・カーペット」と呼んでいましたけどね。
スタッフの人のこだわりがあったみたい。

上のツイートにあるように、学校が終わった後にプレミアがあることに気づいたので、
ちゃんとしたデジカメも充電アダプタも家に置きっぱなしで、スマホに頼らざるを得ませんでした。
やたら動画を撮りまくって充電を無駄には出来ません。
なるべく充電を温存しなければ。難しい…。

ひとまず自然食ファストフードチェーンLEONのコンセントを使って
30分ほどスマホを充電し、再びレスタースクエアまで向かいました。

 

 

レッドカーペット付近の柵内に入場出来たのは、16:15頃。
私の待機位置はTGI Fridays前の、大きな看板のちょうど真ん前。

この後ろに出演者の写真撮影が行われる楽園のセットがあります。

劇場の掲示もワールド・プレミア仕様。

レスタースクエアの公園が一般客の入口になっていて、
出入口からカーペットに向かう通路の両側に私たち見物客が振り分けられています。
私は通路の右側。左側にカーペットが続いていて、劇場につながっています。
つまり、私がいるのはカーペットの端っこ。

出演者や車で駆けつけた著名人は右側奥の、
ギャリック劇場に続くアービングストリートから車ごとカーペットに入ってきます。

クロウリーのベントレーも奥から入ってきました。
(もっとも、この時は原作も映像も未見だったので、
 「クロウリーのベントレー」だと分かってなかったのですが。)

一緒にいるキュートなワンちゃんは、アダムの「ドッグ」かと思っていましたが、
体の柄がちょっと違うみたい。

ベントレーは貴重なクラシックカーなので、オーナーが常に寄り添うようにそばにいて、
現場のスタッフも丁重に扱っていました。
看板の前に移動する時も、そーっと運転。

 

18:15頃

まず最初に到着した関係者は、演出のダグラス・マッキノン

「SHERLOCK」「ドクター・フー」「ジキル」の演出でおなじみですね。

18:20

続いて私のお目当ての一人、スティーヴ・ペンバートンが娘さんと一緒に現れました!! 
スティーヴーーー!!1!

彼は謎の本屋グロジアー役(第3話)で出演しています。
残念ながら私がいる場所にはサインしに来ませんでした
(でもセルフィーもサインも、もう持ってるからいいのさ!)
娘さんを連れているのは珍しい。誰かお目当ての出演者がいるんだろうな。

その後すぐ、ガブリエル役のジョン・ハムが到着!

サインは早々に切り上げて、「行かないといけないから」と身振りをしながら移動し、
看板前でインタビューに応じていました。
すぐそこで話しているのに、内容が聞こえにくかったのが残念。

そしてそして!!

天使(マイケル・シーン)と悪魔(デヴィッド・テナント)のご到着!!

本物だ!! 本物のマイケルとデヴィッドだ!!

2人はかなり丁寧にサインや写真に答えてくれていました。

主役たちの登場にファン全員大騒ぎ! 
文字通りパニック!

興奮したファンに囲まれて、私は位置的にもサインを自重してしまいました。
もう近くで見られただけで胸いっぱいで写真だけで大満足。
でも家に置いてある「グッド・オーメンズ」の原作本が手元にあったら
絶対かき分けてお願いしてた。
プレミアの当日に気づいたことに改めて後悔…
でも本当に、近くに存在できただけで幸せ…。

そういえば、デヴィッドが出演していた"Nativity!2"のレッドカーペット
このレスタースクエアで見たなーと思い出したり。

 

18:30

車から年配の男性が降りてきたと思ったら、テリー・ギリアムが来場!!

東京国際映画祭以来の、本物のテリー・ギリアムだ!!
もともと「グッド・オーメンズ」は彼が映画化する予定だったんですよね。
ジョニー・デップロビン・ウィリアムズが出演するはずだったけれど、
しかし9.11が起こり、暗礁に乗り上げてしまったとか…。
(正直言うと、キャスティング的には今回のドラマで結果的によかった気がする。)

それにしても、著名な映画監督(しかもパイソンズの一員)にも関わらず、
周りのスタッフに気づかれてなくて、ちょっと気の毒だった。
しばらく、カメラマンの後ろからインタビューの様子を眺めてるギリアムでした。

高校の頃の頭の中モンティ・パイソンでいっぱいだった私なら神降臨!でガクブルしたはず。
大人の私もそこそこガクブルなので、遠くから「テリー!!」などとは呼べませんでした。
正真正銘のビビリなんです。マジで。よく留学なんて出来たよな…。

 

18:35

原作・脚本のニール・ゲイマンと妻のアマンダ・パーマーが到着!

ある意味、今回の本当の主役の登場です。

もう一人の原作者、テリー・プラチェットは作品の映像化を見ずに亡くなり、
ニールは彼なしで映像化することはないと思っていたそうですが、
追悼イベントでテリーが残した手紙には、ニールへ映像化の脚色を託す内容が書かれていて、
再び映像化にやる気が出たそうです。

このプロジェクトは、(本当は本だけ書いていたかった)ニール・ゲイマンが、
亡きテリー・プラチェットの遺志を継いで実現させたという意味でも、
大切な作品なんですよね。

OGPイメージ

Gaiman will adapt his and Pratchett's Good Omens for TV

Co-author gave his blessing in a posthumous letter.

Digital Spy

 

 

18:40

スティーヴ・ペンバートンが来たなら、マーク(・ゲイティス)も来ていいはず…
と期待していたら!
なんと、「SHERLOCK」の製作陣一同がやってきました!

別の神々の降臨!! 

デヴィッドは言わずもがな10代目ドクターだし、
ニール・ゲイマンとマイケル・シーンも"Doctor's Wife"で「ドクター・フー」に関わっているし、
スティーヴンが来場するのも当然と言っちゃ当然ですよね。

マークはスティーヴ・ペンバートンと同じ、謎の本屋ハーモニーを演じています。
到着して早々、マークは他のゲストと談笑したり看板の裏側の写真撮影に向かってしまったので、
私たちのエリアには来なかったのですが、
スティーヴン・モファットはこちらまでやって来てくれました。

マークはこれまでに何度もサインをもらっていて
スー・ヴァーチューにもシャーロック・コンベンションでお話しさせてもらったことがあるのですが、
実はスティーヴンとはなかなか遭遇する機会がありませんでした。

なので、さっきまでは「サインは自重します」とか言ってたのですが、
こうなると話は別で(苦笑)、語学学校の授業用のノートの見返しの部分にサインをいただきました。
ああー、ホームズかドクター・フー関連の何かを持ってきていればな…。

「大ファンなので、お会いできて嬉しいです」とかなんとか言ったかもしれませんが、
今となっては超絶恥ずかしいので思い出したくない(笑)。
私の「SHERLOCK」やスティーヴン作の「ドクター・フー」エピソードへの愛情は、
そんな一言じゃ表しきれるはずがないのに…(泣)
やっぱりレッドカーペットってかなりドタバタだから、
いつも以上に言いたいことも言えないよなー。

 

18:55

最後に登場したのは、マダム・トレイシー役のミランダ・リチャードソン

「ハリー・ポッター」シリーズのリータ・スキーター役、
英国人にとっては「ブラック・アダー」のエリザベス一世のイメージかも。
BBC版"Mapp and Lucia"にも出演していました。

 

19:00

そろそろ招待客の入場も終わり、スタッフが片付けを始める雰囲気になってきた頃、
私を含めた5人の見物客が名残惜しく柵の中で待っていたら、
警備員のおじさんが近づいてきました。

唐突に「見たい?」と訊くので、皆でハイと手を挙げると、
「ちょっと待ってて」と警備員は劇場の方に戻って行きました。
人が減ってきたから劇場入口近くの柵に入りたいか?という意味なのかと思っていましたが、
なんと、戻ってきた警備員が手にしていたのは、ワールド・プレミアのチケット!
「見たい?」というのは、本編のことだったのです!!

えええー!!! いいのー!!?!??

チケットを受け取ると、その警備員が柵を開けてくれて、
招待客の一人としてカーペットを歩きました。

信じられない!!!

今まで何度かレッドカーペットを見に来たことはあったけど、
プレミア上映を見せてもらおうなんて期待したこともなかった!!!
しぶとく残っててよかったー!!!(涙)

改装されたてで初めて入るレスタースクエアのODEONは快適な劇場で、
ラグジュアリーな椅子に座ると、美味しいポップコーンが用意されていました。

私のところからは見えませんでしたが、
前列にはテリー・プラチェット専用の椅子が用意してあって、
ニール・ゲイマンが譲り受けた彼の帽子と、スカーフと、ポップコーンが置いてあったそうです。

舞台挨拶では、ニール・ゲイマンが先ほど触れた、
テリー・プラチェットの手紙のことを振り返り、製作の経緯を話してくれました。

出演者も一言づつ挨拶をしてくれましたが、印象に残っているのは、
マイケル・シーンは悪魔がやりたかったけれど、演じられると思えなくて天使役でホッとしたという話。
このあたりの詳しい話はまた後日書くつもりの、
ニール・ゲイマンのトーク・イベントでも触れていました。

この日見たのは第1話「天使と悪魔」第2話「予言書」の2本で、
私が特に楽しみにしていたリーグ・オブ・ジェントルマンが出てくる第3話はお預けでしたが、
アジ&クロの友情が大好きだったし、お気に入りの人たちばかりが出てくるので、
早く続きが見たくてたまりませんでした。
(Amazonでの配信は5月31日からでした。)

クローリーが車でQUEENを聴くシーンが出てきますが、
留学中に「ボヘミアン・ラプソディー」が公開されて、
語学学校の先生も生徒も見ていない人はいないくらいの時期だったので、
不思議なリンクであの頃の思い出が繋がっているような感じがします。
日本にいる時よりロンドンにいる時の方がお寿司も食べてたし(笑)。

終わった後は、ロビーでマークを見かけて、話しかけようか迷ってるうちに彼が帰ってしまい、
せっかくのチャンスを失ったことにがっかりしたなんてことがあったのですが、
今思うと、何もしなくてよかったなと思います。
監督たちと楽しく話しているところを邪魔したくないもんね。

映画館を出たら、チケットをくれた警備のおじさんが覚えていてくれて、
「どうだった?楽しんだ?」と聞かれたので、楽しみました!とお礼を言いました。
朝にはイベントのことも気づいていなかった私にチケットをくれたおじさんに感謝感謝です。

次回はロイヤル・フェスティバル・ホールで行われたトーク・イベントについて書く予定。
今回よりもキャストと作品の内容に関することに触れられると思います。
書く前に当時のトークの内容を復習しておかなきゃ…。

気長に待っていただければと存じます…。

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ジョー・ライセット、生放送のトーク番組で突然出演拒否!?

2021-07-03 | TV/その他

先日、「ソーイング・ビー」の新司会者ジョー・ライセットについて記事を書きました。

OGPイメージ

ジョー・ライセットにおまかせ!〜消費者のための痛快コメディ "Joe Lycett's Got Your Back" - だから、ここに来た!

教育テレビで放送しているアマチュア裁縫コンテスト番組「ソーイング・ビー」"TheGreatBritishSewingBee&quo...

ジョー・ライセットにおまかせ!〜消費者のための痛快コメディ "Joe Lycett's Got Your Back" - だから、ここに来た!

 

大企業だろうが詐欺師だろうが、ド派手な毛皮を着てズンズン乗り込み
消費者の抱える問題を解決する
バーミンガム出身の怖いもの知らずなコメディアンのジョー。

私は記事を書いた後も、彼のスタンダップ・コメディや出演番組の動画を毎日のように見ていました。
(気に入った番組についてはまた後日書くつもりです。)

 

そんな7月1日(木)の夜。
週に一度のお楽しみであるETV「ソーイング・ビー」の時間が近づいた頃に、
ジョーが英国チャンネル4のお昼の帯番組"Steph's Packed Lunch"にゲスト生出演するとのツイートが。

(英国が12:30だと、日本は20:30)

なかなかテレビのチャンネル権が得られず
「ソーイング・ビー」がリアルタイムで見られそうになかった私は、
せっかくなので、テレビが空くまでの間、
この"Steph's Packed Lunch"の方をPCで見ることにしました。

 

いつものようにカラフルな出で立ちで登場したジョー。
すると、司会のステフから「日本に沢山ファンがいるのよね」と振られて
「そうなんだ!!!! 『ソーイング・ビー』が日本でも放送されていて…」と話していてビックリ!!

「日本に僕が知らなかった沢山のソーイング・ファンがいるんだ
 向こうで何があったのか知らなかったから、ツイッターを見たら日本の人たちが
 いつも僕や番組をどれだけ好きか語っていて「何が起こったんだ!?」って。
 嬉しい驚きだよ」

番組が日本で人気だって知ってるんだ!!

興奮してツイートしてる間、その他の会話が耳に入ってきませんでした(笑)
(見直してみたら、お気に入りの公共のゴミ箱について語り合っていた・笑)

その後、別のコーナーになったので離脱し、
空いたテレビで録画しておいたETVの「ソーイング・ビー」を鑑賞。

偶然にも日本の折り紙をテーマにしたオリジナル作品を作る回で、
ジョーも「コンニチハー」「ドウシテルー?」と日本語で参加者に話しかけていました。

OGPイメージ

ソーイング・ビー3

英BBCで放送された、裁縫バトル番組「ソーイング・ビー」日本語版のシーズン3。アマチュア裁縫名人の座をかけ、新たなメンバーが次々と課せられる...

ソーイング・ビー3 - NHK

 

 

そしてブログを書いた後、再度ツイッターを開いたら、
「ジョー・ライセット、生放送中に立ち去る」
という記事の投稿が目に飛び込んできたではないですか!!

ええっ!? 私が目を離してたすきに何が起きたん???

Steph’s Packed Lunch viewers baffled as Joe Lycett walks off show following water bottle comment

Comedian was shown removing his microphone and walking out off studio

The Independent

 

どういう経緯だったのかというと…

"Steph's Packed Lunch"のインタビューの中で
環境保護のために白いペットボトルを使うのをやめたと話していたジョー。

その後の「(デートゲーム番組の)"Love Island"風に家を変身させる」というコーナーで
ジョーの庭の写真が紹介された際に、
司会のステフが椅子の横にあるペットボトルを見つけ、
「そこに写ってるのは、あなたがやめると言っていたペットボトルじゃない?」
と指摘。

ジョーはしばらく沈黙した後、
「Newsnight(ニュース番組)に出てるとは思わなかったよ…」と言い残し、
残りの出演コーナーがまだあるにも関わらず、
自分で取り外したマイクをテーブルに置いて、スタジオを去ってしまったのです。

Joe Lycett walks off Steph's Packed Lunch after awkward plastic bottle comment

'He's had to leave.'

Metro

 

⬆️⬆️リンク先で動画も見られます⬆️⬆️

私が最初にこの動画を見た時の印象は、特に攻撃的な会話のやり取りはなく、
スタジオにも笑いが起こって和やかな雰囲気だったので、
カメラの前で急いでマイクを外しながら去っていくジョーを見て、
「なんだなんだ??」と、すぐには状況が理解出来ませんでした。

テレビで見ていた視聴者もすぐには事態を飲み込めていなかったらしく、
「ジョーはステフにペットボトルの件をつっこまれたことが気に入らなかったらしい」とわかると、
ジョーの身勝手な振る舞いに対して、ツイッターでは
「駄々っ子の赤ん坊かよ!」とか「注目を浴びたい女王様気取りか!」という批判や、
「いつもの彼らしくない」「何があったの? 大丈夫?」と心配する声が飛び交い、
オンライン紙もこの件を次々に取り上げていました。

私は彼の番組を追いかけて間もないので、その時点では真意を計り兼ねましたが、
もし不意打ちで司会者にペットボトルのことをつっこまれたのだとしても、
コメディアンなら「前に撮っておいた写真に決まってるじゃん!」くらい言い返せるはず。
彼の番組"Got Your Back"は同じ局=チャンネル4だし、
後でこのフッテージを何かリサイクル関連のテーマで使う予定なのかも…。

と、色々想像を働かせてたりして、
次に彼がどう出るのか、ずっと気になっていました。

 

翌日。

新たな動きが!

ツイッターでティム・ホプキンスというユーザーが、
コメディアンのグレッグ・ジェームズ宛に路上でペットボトルを飲んでいるジョーの画像を投稿。

二週間前の画像と書かれていますが、
よく見ると、昨日の画像と同じ白いペットボトルを飲んでいるのがわかります。

この飲料の銘柄、Yopという「飲むヨーグルト」らしい。
私の留学中はあまり見かけなかった気がします。記憶にないだけかな…。

それにしても…

(30代のコメディアンが「飲むヨーグルト」なんて路上で飲むかね?)

しかも家の庭に置いてあるのと同じ銘柄なんて。
隠し撮りの割に妙にはっきり写った画像だし…
やっぱりなんか怪しいよな…。

 

そう思っていたら、ついにジョーのツイートが来たーっ!!

 

昨日の"Steph's Packed Lunch"で僕が「癇癪」を起こして
番組から出て行ったと見たり読んだりした人がいるかもしれません。
これは完全に事実です。
知られてないだろうことは、「すべて僕が仕組んだ」ということ。

透明なペットボトルは広くリサイクルされ、循環型経済に貢献しています。
透明なものをリサイクルすれば、新しいペットボトルになります。
色つきの、特に白いペットボトルはというと、リサイクルが難しい。

僕は木曜の番組でこれを説明しましたが、
その後、(白いプラスチック製の)ボトルと一緒に写った写真が写し出されました。
ステフは明白な偽善を指摘し、僕はキックオフしたんです。
(このキックオフとは「マイクを外してスタジオを出た」の意味。)
すべては計画済みで、リハーサル済み。
今日はグレッグ・ジェームズがリツイートしてくれることになったので、
ペットボトルを飲んでいる自分の写真をネタに蒔きました。

タブロイド紙はすごく気に入ってくれて…
ママはニュースに出まくりだよ!

で、問題のボトルは? Yop
僕は出来る限りうるさくこれを言うために、
陽気で気さくでトーク番組で話しやすいゲストとしての評判をリスクにさらしたんだから。

Yop、白いペットボトルを使うのはもうやめよう。

どうだい、Yop?

 

やっぱり自作自演だった!!!😆

改めて見てみるとこの画像を報告するために立ち上げたという
ティム・ホプキンスのアカウントはどう考えてもジョーのだし、
(アイコンの画像もジョーの飼い猫らしい!)
路上で飲んでる姿の画像も、歩いているのに飲む体勢が同じで不自然ですよね。

そんなわけで、ジョーは事情を説明するために、
次の日も番組にリモートで出演しました。

 

 

「自分をけなすように人を誘導したのは初めて」と語るジョー。
どうやら一部のスタッフのみ真相を知っていたみたいです。

司会者ステフのお父さんも心配して彼女にメッセージを送ってきたけれど、
秘密を守るために今回の真相は話さなかったそうで、それを聞いたジョーは、

「ステフのお父さん!僕はひどい人間じゃないよ!!」

と慌てて釈明。

ジョーはなるべく多くの人にペットボトルのリサイクルについて知ってもらおうと考えた結果、
メーガン妃批判で番組をその場で降板したピアース・モーガンのように、
トーク番組で突然立ち去ってしまおう!と決めたそうな。
たくさんの批判を受けたジョーは番組が終わった後、ステフに

「自分の葬式を見てるみたいだ」

とメールを送ったらしい。(笑)
キャンセル・カルチャーが話題になる昨今だけど、
自分で自分をキャンセルしたのはジョーくらいではないでしょうか。

「みんなも一生に一度はトーク番組を立ち去った方がいい」

そして、最後はお詫びで締めくくりました。

「もし騙されたと感じた人がいたならごめんなさい。
 僕らが怒るべきことは、PET樹脂が正しい方法で使われているかどうかということなんです」

 

 

いやぁ、何かしら企んでいるんだろうと思いましたが、
ヒューゴ・ボスの一件といい、メディアと視聴者を煽るのがうまいですねー。
ピアース・モーガンのパロディとも言えるし、
視聴者の反応をひっくるめてキャンセル・カルチャーを体現して見せたとも言えます。

非難されることを知りながらも、問題啓発のために一芝居打ったジョー。
やだなーもう。余計に好きになっちゃうじゃん!
一緒に考えて実行してる"Got Your Back"のスタッフもすごく有能なんだろうなー。

もちろん「楽しいトーク番組の雰囲気を台無しにした」という意見もありますが、
ステフも協力して番組自体は平常通りに放送されたわけですし、
ただのいたずらではなく、意味のある目的があっての計画なので、
前向きにとらえたいしとらえてほしいところです。

Joe Lycett says he "planned the whole thing" after

The comedian staged the chat show walk-out to raise awareness of envir...

Radio Times

 

 

OGPイメージ

Comedian Joe Lycett says he staged TV walkout as a plastics protest

The comedian appeared to storm off Steph's Packed Lunch on Channe...

BBC News

 

 

英国コメディのこういう大胆で鋭い遊びごころというか、からかい精神が豊かなところがたまらない。
例えば、「9から始まる奇妙な物語」の生放送で、
前日に放送されたトーク番組のフッテージが素材として使われた時も、
生放送用の質問があらかじめ仕込まれていたのが後でわかって、

「うわー、やられた!」
「(どっちもリアルタイムで観てただけに)すげー怖い!!」

と思いましたが、
主観的じゃなく、俯瞰的に自分たちとメディアを取り巻く全体像を眺めているような作り方をしていて、
これだからやめられないんだよなぁ!と思ってしまいます。

とにかく、Well played, Joe!!
おそらくこのペットボトルの件が取り上げられるであろう、
"Joe Lycett's Got Your Back"の新作が、今から待ちきれないぞー!!

⬇︎⬇︎⬇︎"Got Your Back"の過去作はこちらからどうぞ!⬇︎⬇︎⬇︎

OGPイメージ

Joe Lycett's Got Your Back

 

YouTube

 

リサイクルについては私も少し勉強してみたいと思います。

PETボトルリサイクル推進協議会

 

⬇️⬇️⬇️ゲスト出演した他の番組についても書きました!⬇️⬇️⬇️

OGPイメージ

英国のむちゃぶり?パーティーゲーム番組 "Taskmaster"! - だから、ここに来た!

ジョー・ライセットと彼の番組"JoeLycett'sGotYourBack"の話題に引き続き、最近よく見ていた...

英国のむちゃぶり?パーティーゲーム番組 "Taskmaster"! - だから、ここに来た!

 

 

(2021年7月10日追記)

その後、ジョーはツアーの告知の為、7月9日にITVのトーク番組"Lorraine"に出演。
やっと怒って出て行くことなくトークショーを乗り切ったと報告。
実は1万席のキャパがあるニューカッスルの会場のチケットが150枚しか売れてないことが明らかに(笑)。
ということは、北部なら余裕を持ってチケットが確保出来そうですね!

そして「ジョークを言う時に誰かを傷つけないか怖くなることはない?」という質問に対する、
ジョーの、彼らしい達観した返答が印象に残りました。

「いつも自己検閲はしてるけど、テロリストが僕らに全滅してほしいと思ってるように、
 人は存在するだけで怒りを買うってことを受け入れないといけない。
 面白くて正当化出来るものなら何でも言っていいと思う。
 良いことだと信じているなら冗談を言う事を恐れたりはしない」

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愛する人は、また星になる〜映画「スーパーノヴァ」

2021-07-02 | movie/劇場公開作品

■■■2021年7月1日■■■

映画サービスデーなので、更新したパスポートを取りに行くついでに映画館に行ってきました。

「スーパーノヴァ」は、日本公開が決定する前から楽しみにしていて、
7月に見に行くならこれだ!と思っていました。
ツイートの通り、見に行く方は予告を見ない方がいいと思いますが、一応貼り付けておきます。

SUPERNOVA - Official Trailer - Starring Colin Firth and Stanley Tucci

コリンとスタンリーが演じるのは、休暇を取ってトレーラーで英国を旅しているゲイのカップル、サムとタスカー

映画を見ているうちに、2人の職業は何なのか、
どうして旅をしているのか、誰に会いに行くのか、といった情報がだんだんとわかってきます。
(このだんだんとわかっていく過程を体験するために、前情報はいらないと私は思ったのです。)

OGPイメージ

映画『スーパーノヴァ』公式サイト

コリン・ファース × スタンリー・トゥッチ 映画界が誇る演技派2人が放つ〈圧巻の愛〉 7月1日(木)TOHOシネマズ シャンテ他にて全国順次...

映画『スーパーノヴァ』公式サイト

 

 

 

 

↓↓↓ここからは結末に触れています↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

タスカーが病を抱えている、ということは私も見る前に知っていたのですが、
見ていくうちにそれが認知症とわかって、
ちょうど1ヶ月前に見た「ファーザー」のことをつい思い出してしまいました。

OGPイメージ

【ネタバレ注意】映画「ファーザー」【実はサスペンススリラー】 - だから、ここに来た!

●6月1日●ついに映画「ファーザー」を劇場で見てきました。日本公開は5月14日ですが、新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言の影響で、...

【ネタバレ注意】映画「ファーザー」【実はサスペンススリラー】 - だから、ここに来た!

 

「ファーザー」は主人公の周りにいる人たちの戸惑いや悲しみの表情はあくまで客観的に映し出し、
登場人物に自分の気持ちを重ねるというよりは、
鑑賞者に認知症を患う父親と同じ感覚を体験させるようなスリリングな演出が巧みな作品でしたが、
「スーパーノヴァ」は、ゆっくりと流れる時間の中で、
サムとタスカー、それぞれの立場に心を重ねて感じ入るような作品です。

張り裂けそうな彼らの小さな心に、
美しい湖水地方(スコットランドにも見える)の大自然が、
静かに寄り添っているように感じられます。

 

しかし、です。
俳優の演技や、その心の動きに気持ちを重ねられるかどうかはさておいて、
正直この映画の筋書きは、先を読もうと思わなくてもどこにたどり着くのかは想像できてしまいます。
あまりにも、あまりにもクリシェすぎる…。

(「余命少ない主人公」「親しい人との旅」「ロードムービー」「星」という点で、
 ベネディクト・カンバーバッチが友達とウェールズへ旅に出る末期ガンの若者を演じた、
 僕が星になる前にも思い出してしまいました。重なりすぎる…)

 

「こうなることはわかってたのに、見てしまった…」
見終わってすぐ思いました。
でもコリンとスタンリーの共演という誘惑を拒むことができなかった私…

この物語を、2人の円熟した俳優を招いてあえて描く意味は何なのだ?と考えてしまいます。

現代はもうゲイのカップルが出てくるというだけで映画が新しく見える時代ではないし、
そこに新しい気づきがないと、どんなことを伝えたい映画なのか見えてきません。

 

そりゃ、その結末が一番映画としては美しいかもしれない。
でもその結末で"今"私たちに伝えたいことって何なんだ?
作品のトーンのために、身近な人の死を、安直に描きすぎてはいないか?
現実はもっともっと苦しくて、もっともっと足掻くものなんじゃないか?

 

…などと、年を取っていくらか映画を見続け、いくらか近しい人たちの死を経験した私は思うのです。

生きるために見苦しくでも足掻く姿は、潔い死よりも美しいかもしれませんよ。
サムがタスカーに向かって「お前のケツを拭く!」と言った時は、かっこいい!!と震えました(笑)。

スタンリーは奥さんが闘病して亡くなった時に考えてたことを
脚本に重ね合わせて共感する部分があったのかもしれません。
私も共感できるところはたくさんあります。
愛する人を苦しめるくらいなら…と思ってしまうかもしれない。

それでも、これが2020年に誰かが作った映画だと考えると、
やはり、そこに妥協はなかったか?と問いたくなる。

それに、ロードムービーかと思いきや、それほど旅先の出来事が少ないのが物足りなかった。
もっと新しい土地に触れ、知らない人とふれあい、
生と死への考えが揺らいだりするところが見てみたかった。
サムの姉の家でもうちょっと心の変化があったら違ったかもしれないのにな。

タスカーが本を書けてないという事実を際立たせるためにも、
前半にもっと書いてますアピールをして欲しかった。
「最近どういうわけか順調で、あと最後の章だけなんだ!」とか言いながら、
蓋を開けてみると…ってなるのがショックなんじゃないか。
始めから「ハハーン、これは全然書いてないな?」とわかっちゃったらしょうがない…。

 

…考え始めると、「あぁが良かった、こうが良かった」が止まりませんが、
一番希望が持てた場面は、タスカーがサムの姪っ子に、
古い星が最後に爆発すると、それがめぐりめぐってやがて人の一部になると話して聞かせるシーン。

…この話も、どこかの映画やドラマでこれまでに取り上げられているような気がしますが、
超新星爆発のように、人が死んだ後も、また世界の一部になっているのだとしたら、
なんだか救いになりますよね。
これを思い出すたびに、涙が出てきます。

 

 

ちなみに、ハリー・マックイーン監督は初監督作"Hinterland"で、幼馴染同士の旅を描いているみたいです。

Hinterland Official Movie Trailer (2015) HD

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