第一話と第二話の間は4日間の間が開いていましたが、
第二話と第三話の一週間の間、
'Sherlock' - His Last Vow: Sometimes somebody has to die. Sunday BBC1, 8.30pm. http://t.co/gd8Hllwglb #SherlockLives
― Mark Gatiss (@Markgatiss) 2014, 1月 10
こういうツイートを製作陣がしていたというのもあって、様々な憶測が流れていました。
聖典の解釈から行けば、ジョンの妻であるメアリーが死んでしまうという説が一番濃厚ですが、
現代版ではひねりを利かせて、他のサブキャラの誰かが死んでしまうのでは?と噂が流れたり。
特に、傘兄贔屓の私の目によく止まったのは、
トレーラーにも含まれている手術中の患者の手がマーク・ゲイティスの手に似てる、
前の二話でマイクロフトがあんなに登場しているのは第三話での彼の危険の前振りなのでは?
といった推測が流れて気が気ではありませんでした。
"The Sign of Three"で、いいね!ポーズをするメアリーの頭の上には
背景のインテリアが重なって角が生えているように見えるし、
マインド・パレスにいるマイクロフトの背中には背景が天使の羽のように見える、なんていう分析とかね。
ともかく、誰も死んで欲しくない!と固唾を飲んで迎えた最終話だったのでした。
そして、今回のレビューも兄弟しばりです。
本当はもっと語りたいけど、自分に課したのです、ホームズ家だけで書くって。
【兄の強迫性障害】
ジョンがご近所さんを探しに行った麻薬中毒者のたまり場に潜入していたシャーロック。
(もちろんこの元ネタは「唇の捻れた男」)
しっかり陽性反応が出てモリーからキツいおしかりを受けた後、ジョンと共に221Bに戻ります。
「バスカヴィルの犬」ではシャーロックがアスペルガーだと言及されているシーンがありましたが、
兄が強迫性障害であるとはっきり言いきられていることに驚きました。
いや、そんな気はしていましたが、弟が断言したことに驚いたのです。
このシリーズでは今まで語られなかった設定が次々に出てきますね。
傘を常に携帯しているのも、これに関係しているのだろうか。
強迫性障害というと、私はつい「名探偵モンク」のイメージが強いので、
マイクロフトも「ガスの元栓締め忘れたんじゃないかしら…」って不安になることがあるんだろうか…、
などと考えてしまいます。
マイクロフトは元栓を開けることもないか。
【トイレのドアも閉めないで入ったりしてたのだろうか】
ジョンの連絡で駆けつけた兄は、弟の薬物の隠し場所を彼のファンクラブ=アンダーソンたちに探させます。
このあたりも兄弟の家庭の様子が想像出来るやり取りです。
ママに「ちゃんとドアを閉めなさい!」と怒られていたんでしょうね。
おそらく兄の方はドアはぴっちり閉じていたはず。
【英国政府の本気】
弟から、潜入のために薬物に手を出したのはチャールズ・オーガスタス・マグヌッセン(以下CAM)に関する依頼があってのことだと聞いた兄は、
その名前を聞いて顔色を変え、アンダーソンたちに告げます。
こわー。(((;゜Д゜))) なにもそこまで脅さんでも。
【探偵の本気】
兄は、弟とその親友にも、アイリーン・アドラーの時よろしく、手を引けと忠告します。
兄は弟にそこそこ重大な依頼を持ってきたりしますが、
弟が巻き込まれて危ない目に遭うと分かる件に関しては、
こうやってはっきり手を引くようにいいますよね。
つまり、いつも結果が見えているのです。
全部見ると分かることですが、CAMの一件に関しても、
兄には、このエピソードの終了10分前までのことは全て見通せてるのです。
だからこそ、CAMに逆らえば自分に逆らうことになる、と説明するのですが、
弟は耳を貸さず…
そして捨て台詞?を言って痛い目に遭います。
兄弱いw せっかく英国政府そのものとしての凄みを見せたところだったのにw
このあたりは一部の好事家に喜ばれたシーンみたいですw
まあ、"The Empty Hearse"の時のことを考えたら、捻られても仕方ない気はしますけどもね。
そして、ジョンに傘を拾ってもらう兄。
自分で拾わないところが兄らしいです。
【SherlとMike】
シャーロックが風呂に入ると、部屋に隠していたのがシャツ一枚姿のジャニーンであることが分かります。
「えー! 童貞じゃなかったんかい!」と呆然とした視聴者w
落ち着け!これは「犯人は二人」がベースになっているんだから!
それにしても、やっぱりそれなりの関係ではあるらしいジャニーンは、
シャーロックをSherlと呼んでいることが判明。そして兄のことも、
えええー?(((;゜Д゜))) マイクって! 名前の重厚さ台無しw
ジャニーンは家族に紹介されたことでもあるのでしょうか。
いや、ないか。ご両親が本気にしちゃいますもんね。
シャーロックがそう呼ばせたとは考えにくいから、ジャニーンが勝手に短縮させたのかもしれませんね。
【シャーロックとジョンのPressure Point】
ジャニーンの帰宅後、221BにCAMが訪れます。
彼の目には、対象者のPressure Point(弱点、と解釈していいでしょうか)が見えるようになっているらしく、
シャーロックとジョンのPressure Pointも把握しています。
ジョンのPressure Pointにメアリーがいるのは分かりますが、
それより上に姉のハリーの名前があるのが泣かせます。
ジョンも姉弟仲は良好じゃなくても、姉のことを気にしているんでしょうね。
シャーロックの方はというと、この時点でジョン・ワトソンにアイリーン、モリアーティ、そして前回登場した"Redbeard"にアヘンと出ています。
そして兄の項目に注目すると、M.I.6となっています。
今まで、兄が諜報部の幹部であるだろうということはファンの間でも語られていましたが、
劇中ではっきり示されたのは初めてです。
喜びでちょっと震えましたw
【再びマインド・パレスへ】
CAMのオフィスに忍び込んだシャーロックは
CAMを殺しにきた依頼人のレディー・スモールウッド、と思いきや、
武装したメアリーと出くわし、被弾します。
映像は、弾を受けた直後、その瞬間の彼の思考を映し出します。
マインド・パレスに現れたモリーのアドヴァイスで、どちら向きに倒れるのかが問題だと気付いたシャーロックは、
メアリーの使った銃がどの銃なのかを頭の中で"検索"しようとしますが、
ここで兄がまた登場して、嗜めます。
シャーロックは何故か子供の姿に。
Balance of probability、また出てきた。
子供時代のシャーロックはエピソードを書いているスティーブン・モファットの息子さんですね。
どんどん身内色が濃くなって行く、このドラマ。
ここのシーン、テリー・ギリアム映画みたいな雰囲気だなと思ったのです。
レンズの撮影の仕方もそうですが、悪夢の中のような会話もその理由。
実際には銃がどうのでご両親ががっかりすることなんてないわけですからね。
弟の目から見た兄の姿が、前回以上にはっきり現れている気がします。
命の危険に晒されて、より鮮明に現れているんでしょうね。
「ピンク色の研究」や"The Empty Hearse"の会話でも分かりますが、
幼い頃から兄に「お前は頭が悪い」「ママはがっかりしている」ということを
繰り返し植え付けられていたんでしょう。
ここでは兄の存在は脅威のように写ります。
でも、言っていることは正しい。
背後にあった鏡が割れていないことから、
銃弾は貫通せず、盲管になっていることをシャーロックに分からせます。
【Redbeard】
そして、今度はパニックに襲われそうになるシャーロック。
パニックが死を引き起こすと告げるモリーに、シャーロックはどうすれば?と問いかけると、
兄はパニックに陥るなと忠告します。
またEast Windなんて新しいワードが。(これは聖典「最後の挨拶」の引用ですね。)
今回のマインド・パレスの兄は怖いです。
それだけ、シャーロックの考えている兄が怖いということなのでしょうか。
そうして、シャーロックは自分を落ち着かせる存在を
マインド・パレスの中に見つけるのです。
Redbeardは犬だったか!!! ここでやっと謎が解決。
気になるのは、"The Sign of Three"で兄が何故"「Redbeardを覚えているか?」と訊いたかです。
深読みすると、2人の関係に関わる重大な出来事があるのかもしれませんが、
もしかしたら、慣れない結婚式の場に挑むシャーロックに、
落ち着かせようと"Redbeard"という言葉を言って聞かせたのかも?
その考え方は、あまりにも兄をよく捉え過ぎでしょうか。
【ついにこの2人が顔合わせ!】
残されたジョンへの思いの強さから、なんとか命をつなぎ止めたシャーロック。
ジャニーンの面会の後、病院を抜け出し、姿をくらませます。
ジョンやレストレードは彼の隠れ家をあたろうと、関係者に聞いて廻ります。
もちろん兄の元へも。
Mystrade派が待っていたこの瞬間w
マイクロフトとレストレードが同じ画面に写ることは「ピンク色の研究」でかろうじて遠目で収まっていただけで、
今まで実現していませんでしたからね。
それにしても最後の一枚のこのおっぱらうような手振り。
ちょいちょい、と、さっさと行けとでも言いたげな。ひどいw
【つづく…】