この日は夜に観劇の予定がありましたが、その前に、
春から行こう行こうと思いながら訪れることが出来なかった、
ロンドン交通博物館へ行くことにしました。
例によって、オックスフォード・ストリートからSOHOを通ってコヴェント・ガーデンまで散歩。
SOHOではちょっとしたマーケットが開かれていて、食料品のストールが並んでいました。
Empire Leicester Square Cinema前を通ると、レッドカーペットが敷かれています。
周りを見ると"Nativity! 2"のポスターが。
apple storeのiPadで調べたら、17:45からレッドカーペットイベントがあるそう。
観劇前に一度戻ってくるとして、今は博物館へ急ぎます。
交通博物館はコヴェント・ガーデン・マーケットのすぐそばにあります。
ジュビリーマーケットの隣です。入場料は£13.5。
入口の扉には何故か東京の路線図が描かれてます。
中に入ると世界の主要都市の路線図や車内の映像なんかも。
エレベーターに乗ると、街の喧噪や工事をする音等が流れ、
まるでタイムマシーンに乗って時代をさかのぼっているような雰囲気に。
音が最高潮に達して、扉が開くと、
そこは1800年。
3階は馬車や船のミニチュアが展示されています。
馬車は模型がたくさんあってかわいい!(写真が綺麗に撮れなかったのが残念。)
右のオムニバスは模型ですが、左は現物大ですw
こんな大きい車引くなんて馬も大変だ。
車は色使いがカラフルだし、書体も味があります。
この2階建てのオムニバスが自動車化した現在のバスの原型なのですね。
船の旅から鉄道の旅へ。
19世紀末になるとロンドンの交通網が発達し、鉄道がより身近な交通手段になりました。
テムズ川に掛かる橋も19世紀中頃から建設・整備され、
始めのうちは交通料が掛かった橋もあったようですが、全て無料で通れるようになったとのこと。
ロンドンの玄関口となる主要駅もこの時代に作られたようです。
2階には昔の家庭のダイニングのようなくつろぎスペースが。
展示用の引き出しを開けると、少年の机の中のようなチケットコレクションが入っています。
客車を覗くと旅行中の女性たちが談笑中でした。
Ladies Onlyって書いてある…当時女性専用車両?ってあったんですね。
1863年になると、地下鉄が登場します。
つい最近、ロンドンの地下鉄開業150周年を記念して、パディントン駅からファーリンドン駅の間をSLが走っていましたが、
この路線はキングス・クロス、ユーストンというビジネス街の主要駅を結んでいる、現在のメトロポリタン・ラインです。
地下鉄建設工事現場のミニチュア。
こんないかにも"土木作業"というような工事から始まった地下鉄が今でも使われてると思うと歴史を感じるというか、
今でも普通に問題なく使われているのが不思議ですね…。
(春に来た時にウォータールーのトンネル落石事故はあったけど。)
地下鉄と言っても、始めはSLだったので、閉鎖空間での煙は利用客には辛いものがあったようで。
「便利だから使ってるけど、こりゃある意味拷問だ!」と当時の記事にも書いているそうです。
どうにか軽減出来ないものかと色々策を練ったようですが、
結局、具体的な解決案となったのは"電車への移行"だったようです。
「霧のロンドン」のイメージって、このあたりにも原因がありそうですよね。
1900年初めになると通勤の利用客が増え、
ミドルクラスのお父さんたちは郊外からロンドンまで列車通勤するようになったとか。
通勤ラッシュの始まりですね。
ディストリクト・ラインの車内路線図と広告。灯りも味があります。
吹き抜けのスペースに進むと、これぞロンドン! たくさんのダブルデッカーが!
古いものは2階の屋根がないんですね!
横っ腹に経由する地名が書かれています。
おそらくチケットを受け取るかわいい女性が後ろにいます。ツーマンバスですね。
正面の行き先のボードは1920年代に、回転式のブラインド表示に変わり、
書体は地下鉄で使われている、エドワード・ジョンストンによるフォントを使用。
このレタリングは現在のバスにも変わらずに使われています。
昔のバスは階段が螺旋。けっこう急です。
車が走っている間に上るのはしんどそう。
ロンドンバスコレクション。どれがあなたのお気に入りですか?
私が一番安心するのは、
乗ってる乗客の姿から考えて60年代のダブルデッカーでしょう。
個人的に、ロンドンの風景はモンティ・パイソンで親しみ始めたので、
この時代のバスを見ると「これだ!」と記憶にぴったりハマります。
今のバスは、都営バスのように、前から乗って、
乗り口のパネルにオイスターカードをタッチし、運転席後ろの階段から2階へ上りますが、
当時のバスは走り出したバスに駆け寄って、車両後方のポールに掴まってひょいと飛び乗るイメージ。
この形のバスに乗るのは憧れでした。
(自撮しようとしてたら、通りがかったスタッフのお姉さんが気付いて撮ってくれました///)
1階中央には現在の交通状況を表示する大きなモニターと地図が。
緑は通常通りで、赤は渋滞、でしょうか。
奥には、現在のTubeのイメージに近い地下鉄が設置されていました。
ノーザンラインの路線図。
車内は今の地下鉄の雰囲気にずいぶん近いですが、それでもクラシックな落ち着いた内装ですね。
この丸いボールのついたつり革! これも昔から気になってた!
運転席で運転手気分に。座席の柄の感じがいかにもTubeっぽい。
余談ですが、座席と同じ柄のクッションや椅子なんかも売っていたりするんですよね。高いけど。
博物館にあるショップとカフェは、入場料を払わなくても入って買い物が出来ますよ。
地下鉄はポスターもお洒落。
そして、地下鉄とバスの看板も。うちに持って帰って飾りたいっ!
ジョンストンのアルファベット表のポスターが欲しい!
こちらはイベントのパンフレットでしょうか。
どれも表紙のデザインが美しく、交通博物館というよりは、デザイン展を見にきている気分になります。
壁いっぱいに映し出されるロンドンの地図。
また、一角には第二次大戦中の展示も。
戦時中は、鮮やかなバスは姿を消し、息をひそめるような色のトラックが行き交っていたようです。
宇宙船のような形のものはシェルターですね。
地下での作業を紹介するコーナーや、エレベーターやエスカレーターが設置された地下の様子が分かる断面のミニチュアも。
もっと時間をかけて、一つ一つ解説を読みながら見られればよかったのですが、
ロンドンの博物館は、どこも一日だけでは物足りない程展示が豊富です。
写真ももちろんこれだけではないのです。紹介しきれず残念。
そのあとの予定も考えるとあまり余裕がなかったので、また機会があれば行ってみたいです。
ちょっと入場料がハードル高いですが、訪れるだけの価値がある場所です。
(ところでもう一つ大事な交通手段を忘れてませんか?)
次回は"Nativity!2"レッドカーペットのようすや、初めて見た"Singin' in the Rain"の話題等。
春から行こう行こうと思いながら訪れることが出来なかった、
ロンドン交通博物館へ行くことにしました。
例によって、オックスフォード・ストリートからSOHOを通ってコヴェント・ガーデンまで散歩。
SOHOではちょっとしたマーケットが開かれていて、食料品のストールが並んでいました。
Empire Leicester Square Cinema前を通ると、レッドカーペットが敷かれています。
周りを見ると"Nativity! 2"のポスターが。
apple storeのiPadで調べたら、17:45からレッドカーペットイベントがあるそう。
観劇前に一度戻ってくるとして、今は博物館へ急ぎます。
交通博物館はコヴェント・ガーデン・マーケットのすぐそばにあります。
ジュビリーマーケットの隣です。入場料は£13.5。
入口の扉には何故か東京の路線図が描かれてます。
中に入ると世界の主要都市の路線図や車内の映像なんかも。
エレベーターに乗ると、街の喧噪や工事をする音等が流れ、
まるでタイムマシーンに乗って時代をさかのぼっているような雰囲気に。
音が最高潮に達して、扉が開くと、
そこは1800年。
3階は馬車や船のミニチュアが展示されています。
馬車は模型がたくさんあってかわいい!(写真が綺麗に撮れなかったのが残念。)
右のオムニバスは模型ですが、左は現物大ですw
こんな大きい車引くなんて馬も大変だ。
車は色使いがカラフルだし、書体も味があります。
この2階建てのオムニバスが自動車化した現在のバスの原型なのですね。
船の旅から鉄道の旅へ。
19世紀末になるとロンドンの交通網が発達し、鉄道がより身近な交通手段になりました。
テムズ川に掛かる橋も19世紀中頃から建設・整備され、
始めのうちは交通料が掛かった橋もあったようですが、全て無料で通れるようになったとのこと。
ロンドンの玄関口となる主要駅もこの時代に作られたようです。
2階には昔の家庭のダイニングのようなくつろぎスペースが。
展示用の引き出しを開けると、少年の机の中のようなチケットコレクションが入っています。
客車を覗くと旅行中の女性たちが談笑中でした。
Ladies Onlyって書いてある…当時女性専用車両?ってあったんですね。
1863年になると、地下鉄が登場します。
つい最近、ロンドンの地下鉄開業150周年を記念して、パディントン駅からファーリンドン駅の間をSLが走っていましたが、
この路線はキングス・クロス、ユーストンというビジネス街の主要駅を結んでいる、現在のメトロポリタン・ラインです。
地下鉄建設工事現場のミニチュア。
こんないかにも"土木作業"というような工事から始まった地下鉄が今でも使われてると思うと歴史を感じるというか、
今でも普通に問題なく使われているのが不思議ですね…。
(春に来た時にウォータールーのトンネル落石事故はあったけど。)
地下鉄と言っても、始めはSLだったので、閉鎖空間での煙は利用客には辛いものがあったようで。
「便利だから使ってるけど、こりゃある意味拷問だ!」と当時の記事にも書いているそうです。
どうにか軽減出来ないものかと色々策を練ったようですが、
結局、具体的な解決案となったのは"電車への移行"だったようです。
「霧のロンドン」のイメージって、このあたりにも原因がありそうですよね。
1900年初めになると通勤の利用客が増え、
ミドルクラスのお父さんたちは郊外からロンドンまで列車通勤するようになったとか。
通勤ラッシュの始まりですね。
ディストリクト・ラインの車内路線図と広告。灯りも味があります。
吹き抜けのスペースに進むと、これぞロンドン! たくさんのダブルデッカーが!
古いものは2階の屋根がないんですね!
横っ腹に経由する地名が書かれています。
おそらくチケットを受け取るかわいい女性が後ろにいます。ツーマンバスですね。
正面の行き先のボードは1920年代に、回転式のブラインド表示に変わり、
書体は地下鉄で使われている、エドワード・ジョンストンによるフォントを使用。
このレタリングは現在のバスにも変わらずに使われています。
昔のバスは階段が螺旋。けっこう急です。
車が走っている間に上るのはしんどそう。
ロンドンバスコレクション。どれがあなたのお気に入りですか?
私が一番安心するのは、
乗ってる乗客の姿から考えて60年代のダブルデッカーでしょう。
個人的に、ロンドンの風景はモンティ・パイソンで親しみ始めたので、
この時代のバスを見ると「これだ!」と記憶にぴったりハマります。
今のバスは、都営バスのように、前から乗って、
乗り口のパネルにオイスターカードをタッチし、運転席後ろの階段から2階へ上りますが、
当時のバスは走り出したバスに駆け寄って、車両後方のポールに掴まってひょいと飛び乗るイメージ。
この形のバスに乗るのは憧れでした。
(自撮しようとしてたら、通りがかったスタッフのお姉さんが気付いて撮ってくれました///)
1階中央には現在の交通状況を表示する大きなモニターと地図が。
緑は通常通りで、赤は渋滞、でしょうか。
奥には、現在のTubeのイメージに近い地下鉄が設置されていました。
ノーザンラインの路線図。
車内は今の地下鉄の雰囲気にずいぶん近いですが、それでもクラシックな落ち着いた内装ですね。
この丸いボールのついたつり革! これも昔から気になってた!
運転席で運転手気分に。座席の柄の感じがいかにもTubeっぽい。
余談ですが、座席と同じ柄のクッションや椅子なんかも売っていたりするんですよね。高いけど。
博物館にあるショップとカフェは、入場料を払わなくても入って買い物が出来ますよ。
地下鉄はポスターもお洒落。
そして、地下鉄とバスの看板も。うちに持って帰って飾りたいっ!
ジョンストンのアルファベット表のポスターが欲しい!
こちらはイベントのパンフレットでしょうか。
どれも表紙のデザインが美しく、交通博物館というよりは、デザイン展を見にきている気分になります。
壁いっぱいに映し出されるロンドンの地図。
また、一角には第二次大戦中の展示も。
戦時中は、鮮やかなバスは姿を消し、息をひそめるような色のトラックが行き交っていたようです。
宇宙船のような形のものはシェルターですね。
地下での作業を紹介するコーナーや、エレベーターやエスカレーターが設置された地下の様子が分かる断面のミニチュアも。
もっと時間をかけて、一つ一つ解説を読みながら見られればよかったのですが、
ロンドンの博物館は、どこも一日だけでは物足りない程展示が豊富です。
写真ももちろんこれだけではないのです。紹介しきれず残念。
そのあとの予定も考えるとあまり余裕がなかったので、また機会があれば行ってみたいです。
ちょっと入場料がハードル高いですが、訪れるだけの価値がある場所です。
(ところでもう一つ大事な交通手段を忘れてませんか?)
次回は"Nativity!2"レッドカーペットのようすや、初めて見た"Singin' in the Rain"の話題等。