東海村 加速器事故 規制委 現地監視なし
2013年5月30日東京新聞
茨城県東海村の日本原子力研究開発機構の敷地内にある加速器実験施設「J-PARC」の放射性物質漏れ事故で、監督する原子力規制委員会がこの施設を現地で監視する担当者も拠点も置いていなかったことが分かった。今回の事故では、機構から国や自治体への報告が一日半も遅れて問題となったが、監視体制の不備により情報収集が遅れた可能性もある。 (大村歩)
実験施設はもともと、文部科学省が監督していたが、四月に規制委に業務が移管され、現地の水戸原子力事務所は廃止、職員五人は引き揚げられた。
業務を引き継いだ規制委は、現地に東海・大洗原子力規制事務所(東海村)を置いているが、担当しているのは、日本原子力発電東海第二原発や核燃料加工工場、機構の研究用原子炉、原子力科学研究所など、原子炉等規制法で規制される十二の施設だけ。
事故を起こしたJ-PARCは放射線障害防止法の規制対象で、東京・六本木の規制委の本庁にある放射線規制室が担当し、現地で常時監視するような状況にはなっていない。
規制事務所の石井忠所長は「担当外なので普段は立ち入ることもない」と説明。J-PARCで事故が起きた二十三日は、保安検査官が周辺の研究炉などの検査をしていたが、「機構側から何も言われなかったので気付かなかった」という。
規制事務所は、J-PARC利用者の研究室が多数入居する建物の中にあるが、騒ぎを聞き付けることもなかったという。
事故の報告を受けた規制委は、すぐ規制事務所の検査官をJ-PARCに向かわせ、現地の状況を調べさせている。ただ、報告が入った時点で、既に事故発生から一日半がたっており、普段立ち入ることもない施設で、的確な調査ができたかどうか疑問が残る。
規制委の田中俊一委員長は、二十九日の記者会見で「対応に問題はなかった。現地の規制委職員(検査官)がすぐ出向いており、その報告を受けながら、こちらからも(本来の担当検査官が)出かけた」と話した。
2013年5月30日東京新聞
茨城県東海村の日本原子力研究開発機構の敷地内にある加速器実験施設「J-PARC」の放射性物質漏れ事故で、監督する原子力規制委員会がこの施設を現地で監視する担当者も拠点も置いていなかったことが分かった。今回の事故では、機構から国や自治体への報告が一日半も遅れて問題となったが、監視体制の不備により情報収集が遅れた可能性もある。 (大村歩)
実験施設はもともと、文部科学省が監督していたが、四月に規制委に業務が移管され、現地の水戸原子力事務所は廃止、職員五人は引き揚げられた。
業務を引き継いだ規制委は、現地に東海・大洗原子力規制事務所(東海村)を置いているが、担当しているのは、日本原子力発電東海第二原発や核燃料加工工場、機構の研究用原子炉、原子力科学研究所など、原子炉等規制法で規制される十二の施設だけ。
事故を起こしたJ-PARCは放射線障害防止法の規制対象で、東京・六本木の規制委の本庁にある放射線規制室が担当し、現地で常時監視するような状況にはなっていない。
規制事務所の石井忠所長は「担当外なので普段は立ち入ることもない」と説明。J-PARCで事故が起きた二十三日は、保安検査官が周辺の研究炉などの検査をしていたが、「機構側から何も言われなかったので気付かなかった」という。
規制事務所は、J-PARC利用者の研究室が多数入居する建物の中にあるが、騒ぎを聞き付けることもなかったという。
事故の報告を受けた規制委は、すぐ規制事務所の検査官をJ-PARCに向かわせ、現地の状況を調べさせている。ただ、報告が入った時点で、既に事故発生から一日半がたっており、普段立ち入ることもない施設で、的確な調査ができたかどうか疑問が残る。
規制委の田中俊一委員長は、二十九日の記者会見で「対応に問題はなかった。現地の規制委職員(検査官)がすぐ出向いており、その報告を受けながら、こちらからも(本来の担当検査官が)出かけた」と話した。