ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『最後の殿様』

2021-06-15 15:46:43 | 徒然の記

 「反日野党の詰まらない国会質疑と、腐れマスコミの安部政権攻撃、官僚たちの不始末と反安部の動き等々、ニュースを見ていると、こみ上げる怒りを持て余します。」

 「そんな日々を横目に、歴史を遡り、過去を再検討しています。これでいいのかと自問自答しつつも、現在の政治状況を理解するには、やはり歴史を知る必要があると、そう思います。」

 「日本の過去には、立派な事実ばかりでなく、悪どい行為も汚い話もあります。けれども、卑屈な " 敗戦思考 " だけには偏るまいと、心しています。事実を知ること・・そうすれば、反日政治家や、おかしな保守議員の間違いが見えてきます。」

 今から3年前の4月に、 臼井勝己氏の著『日中戦争』を読んだ時の感想の一部です。「知覧の米兵慰霊碑」、「有識者会議」、「共同通信社への謝罪」とブログを綴って以後、自民党にも野党にも期待が持てなくなり、パソコンに向かう気力を無くしました。

 冒頭の文章中の、安倍氏の名前を菅氏に置き換えますと、そのまま現在の政治情勢と同じです。3年前の私は、マスコミや政治家たちの言動に惑わされず、「温故知新の読書」の大切さを語っていました。「有識者会議」や「国民投票法」、「土地利用規制法」の結果がどうなろうと、そんなことで元気をなくしてどうするのかと、自分で自分を叱りました。

 「継続は力なりと」言った自分に恥ずかしくないのか、息子たちや「ねこ庭」を訪問される方々に対して、不甲斐ない姿のままで良いのかと、久しぶりに自戒いたしました。そこでやっと、1週間ばかり前に読み終えた本の書評をする気持ちを取り戻しました。

 徳川義親氏自伝『最後の殿様』( 昭和48年刊 講談社 ) です。48年前の本ですが、久しぶりの有意義な書でした。戦前の氏は、侯爵・貴族院議員でしたから、敬意を表して氏と呼ばず、侯と言うことにします。候は明治19年に生まれ、昭和51年に90才で没していますが、読み方次第では、そのまま日本の歴史書です。

 「有識者会議」が皇室の安定的継承策を求め、小田原評定を続けていますが、徳川家もさまざまな工夫を凝らし、男系継承を守り続け、義親氏に至っていることを知りました。いくら自伝でもここまで正直に書くのかと、驚きましたけれど、そのまま紹介いたします。

 「松平婦知子( ふじこ  ) は、僕ら十人の母であったが、母と呼べない母であった。」「身分は召使である。」「婦知子もまた僕ら実子を、子と呼ばないで、主人として育てた。」「僕らは母を、おふじさんと呼んだ。」

 なんと言う不幸な親子かと、同情するのは戦後生まれの私の話で、侯にはそんな気持は微塵もありません。

 「現代人には理解のできないことだが、封建時代の大名家は血統で相続する。」「相続人が絶えると、お家断絶、藩の崩壊、家臣離散となる。」「そこで婚姻は一夫一婦制だが、子孫を多く得るために側室制で子供を作る。」「当時は育児法が悪く、たくさん産んでもそんなに育たない。」「50人産んだが、数人しか育たない例もある。」

 この説明は、そのまま皇室に当てはまります。相続人が絶えると、皇室の崩壊、国の崩壊、国民の離散となるわけです。もしも義親氏が生きていたら、「女性宮家」や「女系天皇」を皇室崩壊と断じ、有識者とは愚者かと驚くに違いありません。

 「側室制は公然のものだったが、側室はあくまでも召使いで、妻ではない。」「そこに劃然とした一線があって、子供をいく人産んでも、」「母と名乗れない、しきたりであった。」「おふじさんは、髪を切って撫で付けにし、和服をきちんと着、」「正座して、両手を膝に置いていた。」

 侯は越前松平家の、かの有名な松平春嶽の側室の子でしたが、明治41年に尾張徳川家の婿養子となり、第19代当主となります。いわゆる徳川御三家の一つですが、これもまた家を絶やさないための、男系継承策でした。

 後世の反日学者たちの多くが、「側室制度」を目の敵にし、性道徳の乱れや女性蔑視に焦点を当てますが、そこには厳しい武家のしきたりがあったことを、私は候の書で教えられました。長くなっても、この事実を息子たちと、「ねこ庭」を訪問される方々には伝えずにおれません。

 さらに、できますなら、「皇室崩壊」につながる愛子天皇や、女性宮家を望まれている皇室の方々と、武士道精神を亡くした宮内庁の人々にも、知っていただきたいではありませんか。「最後の殿様」の言葉です。

 次回からは、姿勢を正し、侯の著作を紹介いたします。

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