ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

自由民主党への疑問 - 14 ( 経済産業省の豹変について )

2025-02-01 19:31:20 | 徒然の記

 本日からは、「アメリカの巨大資本」と「スーパーメジャー」の影響力を受け、霞ヶ関の省庁がどんな動きをしていたのかを整理してみたいと思います。

 手始めに一番の被害者である青山繁晴氏が、【僕らの国会】の中で「メタンハイドレート」開発の妨害省庁についてどのように述べていたのかを2例紹介します。

 〈 1例目 〉

 ・日本は石油、天然ガス等、国の根幹となるエネルギーを全て外国に依存している。しかし日本近海の海底には、石油・天然ガスに代わる「メタンハイドレート」が大量に存在している。

 ・これを使えば、日本はエネルギー資源を外国に頼らなくて済むようになり、逆に輸出国となれる可能性がある。

 ・「メタンハイドレート」の採掘開発に投資をせず、国内資源の有効活用に抵抗しているのは、経済産業省である。

 〈 2例目 〉

 令和2年7月に経済産業省が、「国の中長期的な政策指針 ( エネルギー基本計画 ) 」を、自由民主党の作業部会で説明した時の氏の発言です。

  ・この説明を聞いた時僕は、「経産省は、日本のエネルギーについて本気で考えているのか。」と、声を大きくしました。

  ・それでも、私が民間人だった頃に比べますと、役人の皆さんは意見を聞いてくれるようになりました。

  ・独立総合研究所の社長だった頃は、経産省は会ってもくれませんでした。議員になりますと、話だけは聞いてもらえるようになりました。

 経済産業省の「国の中長期的な政策指針」は、書き出しの説明文が次の様に書かれていました。

 「今回の改訂は、昨年10月に菅義偉首相が打ち出した、50年の温室効果ガス排出量・実質ゼロの目標を初めて盛り込む。」

 

 〈「国の中長期的な政策指針 ( エネルギー基本計画 ) 」〉

                    「2019年の状況」  「現行2030年の目標」  「改定2030年の目標」  

 1. 再生可能エネルギー       18.1%                       22~24%                         36~38%

 2. 原子力                             6.2%                        20~22%                       20~22%

 3. 火力                                75.7%                       56%                            51%   

 4. 水素とアンモニア                0                               0                              1%           

 「再生可能エネルギー」と「火力」については、内訳が書かれています。

   「再生可能エネルギー」・・太陽光15%  水力10%     風力6%  バイオマス5%  地熱1%程度 

   「 火 力 」    ・・LNG20%      石炭19%    石油 2%    

 計画の中に「メタンハイドレート」がなく、代わりに似て非なる「水素とアンモニア」の文字です。青山氏が大きな声を出したのは、無理もありません。

 シリーズの3回目で紹介しましたが、安倍氏が首相だった時の同省は積極的でなかったとしても、次の様に協力していました。

 〈 平成25年 ( 2013 ) 安倍内閣 〉

   ・渥美半島~志摩半島沖(第二渥美海丘)で、世界初の海洋産出試験を実施。

   ・約12万立方メートル(速報値)のガスを生産し、メタンハイドレート開発の機運が高まった。

   ・通商産業省により、新たな「海洋基本計画」と「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」の改定がされた。

   ・商業化プロジェクトに向けた目標が、初めて設定され、海洋産出試験を含む工程表が示された。

 〈 平成26年 ( 2014 ) 安倍内閣 〉

   ・「日本メタンハイドレート調査株式会社」が、次の目的で設立された。

        1.  国が実施するメタンハイドレート開発の、海洋産出試験等に参画する。

       2. 挙国的組織体制で、効率的、効果的、円滑に業務を遂行する。

       3. 国内民間企業間と知見の共有を図るため、石油・天然ガス開発企業、エンジニアリング企業11社の賛同と参加により設立する。

 安倍氏が体調不良で退陣し菅義偉内閣に変わった途端、豹変したように計画から「メタンハイドレート」の文字が消えるのですから、氏の怒りは当然です。

 参議院議員になる前の氏は「独立総合研究所」の代表取締役社長で、「メタンハイドレート」の実用化に尽力していました。現在は社長を辞め、参議院議員の傍ら、東大教養学部で自主ゼミの講師もしています。

 参議院議員当選後「独立総合研究所」の社長は妻の千春氏となり、跡をついた千春氏は東京海洋大学の特任准教授です。水産学研究者、水産学博士でもあり、海洋調査船に乗り組み「メタンハイドレート」の調査・研究に力を尽くしています。

 「資源小国」の日本が「資源大国」になれる話なのに、なぜ経済産業省は抵抗するのかと、この時は思いましたが検討作業をした今は推測できます。

 日本のエネルギー問題を管轄する主務官庁は経済産業省ですが、関係する他の省庁は次のように多数ありました。

  経済産業省  国土交通省  外務省    環境省   総務省

  厚生労働省  農林水産省  文部科学省  財務省

 国土交通省の非協力的姿勢はすでに紹介しましたので、次回は外務省と環境省について検討したいと思います。
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自由民主党への疑問 - 13 ( 公明党の利権について )

2025-01-31 23:44:16 | 徒然の記

 国土交通省と公明党の関係を知りたいと情報を探していたら、丁度よい記事が見つかりました。Jcastニュースが、令和2年9月19日に報道していましたので、コメントは後回しにして記事の紹介をします。

  ・令和2 ( 2020 ) 年9月に発足した菅内閣で、公明党の赤羽一嘉・国土交通相が再任された。

  ・国交相のポストは平成16 ( 2004 ) 年以降、民主党政権時代を除いて、ずっと公明党議員が独占している。どうしてなのか。

    ・平成13 ( 2001 ) 年の中央省庁再編で発足した、国土交通省のトップ・国交相に公明党の衆院議員が就くようになったのは、平成16 ( 2004 ) 年9月の北側一雄氏から平成18( 2006 ) 年9月まで。

  ・以来、故・冬柴鐵三氏、太田昭宏氏、石井啓一氏と続いている。

  ・令和元年9月から務める赤羽氏の1年間と合わせると、11年以上に及ぶ。

  ・国交省が所管する建設業界と公明党は歴代、公共事業を通じて『ずぶずぶ』の関係でした。

  ・自分の選挙区に道路や土木工事を持ってくるために、旧建設省を通じて予算を優先的に確保する。そして工事に参入する建設会社に選挙での応援や献金を求める・・そんな『癒着』がまかり通っていました。

   ・旧建設省系の50代の国交省幹部は「(国交省の)予算が減っても、政治家にとっての『うまみ』は減っていない」と話す。

 Jcastニュースが国交省幹部の談話を紹介しながら、公明党の現実の姿を読者に説明しています。

  ・道路や土木の工事だけでなく、ダムや港湾、不動産や航空など、国交省が所管する業界は幅広く、地方の知事や首長からの陳情は引きも切らない状態です。

  ・「地元の陳情を受ける政治家から(国交省への)口利きもありますが、彼らは『大臣につないだ』と言えば地元にメンツが立つのです。

  ・仮に地元の希望通りの結果にならなくても、『公明党の大臣だからね』と言えば、言い訳が立つのです。

 公明党にとっての旨みについて、今度は政治部デスクの話を紹介しています。

  ・「建設業界は就業者が全国に400万人います。今でも選挙の時は、業界一丸となって票とカネを動かす動員力があります。

  ・実際、過去の衆院選で公明党が苦戦していたある比例ブロックで、業界に『選挙区では自民に、比例区では公明に』と投票を呼びかけたところ、劣勢を挽回して当選に導いたこともありました。

  ・公明党の存在感をアピールするのに、国交相というポストはうってつけなのです。

 業界が一丸となって票と金を動かすというのなら、巨額の政治資金も動いていることになりますが、公明党の政治資金については、立憲民主党や共産党同様マスコミがニュースにしません。

 潔癖な人には嫌悪されると思いますが、「ねこ庭」は今でも自民党安部派の「不記載金」追求にの熱狂ぶりに疑問を持っています。

 岸田氏がアメリカの反日勢力に脅され「安倍派潰し」に加担したとはいえ、政治資金に関する追求は不公平極まる方法なのに、野党もマスコミも「安倍派潰し」には利害が一致するので何も言いません。

 こうしたおかしな状況を見て、年間5億や10億円の政治資金が不記載のまま使われた事実と、年間108兆7901億円の「輸入エネルギー代金」問題に目をつぶることと、どちらが日本にとって重要な問題かと「ねこ庭」は考えます。

 安倍元首相が暗殺され党のタガが緩んだのか、菅、岸田と首相が変わるにつれ、自由民主党は政権党の自負と責任感を放棄しているように見えます。

 だから政権の一角にいて、「クリーンな政党」をスローガンにしている公明党の実態を説明する「J-CASTニュース」を、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に紹介しました。

 「J-CASTニュース」という会社を初めて知りましたので、どういう会社なのか調べてみました。

  ・J-CASTニュースは、ミドルメディア的な独立系ニュースサイトである

  ・平成17年9月に設立された新しい会社だが、登録ユーザーは1千百万人

  ・発行人は『AERA』元編集長の蜷川真夫

  ・初代編集長は雑誌『週刊朝日』元編集長の大森千秋である。

  ・以降、編集長は朝日新聞で取締役・編集担当だった杉浦信之(現・取締役社長)、『AERA』編集長や朝日新聞出版社長などを務めた宇留間和基となっている。

 「朝日新聞」の関係者が設立した左傾のニュースサイトだということを知り、記事の信頼度が高まりました。反日リベラルの公明党が 11年間も大臣の椅子を独占しているのですから、国土交通省が国益を忘れ、他国のために動き利権を得ても不思議はありません。

 「日本財団」の「スーパーメジャー」への協力や巨額利権の獲得を、逆に勧めている可能性もあります。反日左翼系のニュースサイトが、反日リベラルの公明党を説明しているので誇張はないと考えました。

 ちょっと横道へ外れましたけれど、「アメリカの巨大資本」と「スーパーメジャー」が、「日本の石油業界」と「日本の産業界」で影響力を行使している状況を検討してきました。

 次回からは、彼らの影響力を受け、霞ヶ関の官庁がどんな動きをしたのかを整理してみたいと思います。これまで断片的には語っていますが、まとめてみると更に何かが見えてくる気がします。

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自由民主党への疑問 - 12 ( 日本財団、国土交通省、公明党 )

2025-01-31 19:26:00 | 徒然の記

 今回は問題提起だけになりそうですが、「メタンハイドレート」の自前開発に背を向けて、「スーーメジャー」への協力に力を注いでいる「日本財団」の不思議な動きを検討します。

 前に紹介した「スーパーメジャー」各社の研究課題を思い出してください。

 彼らが目指しているのは「脱炭素社会」に向けた「再生可能エネルギー」と「環境」分野での研究技術でなく、海底資源の採集技術ではないのかと「ねこ庭」には見えます。

 「日本財団」のシンクタンクである「東京財団政策研究所」平沼主任研究員は、次のように述べて、「メタンハイドレート」の開発に反対していました。

  ・今後日本においても、再エネを主力にしたエネルギー転換の方向に向かうことになるが、現状日本の再エネの普及率は低い。

  ・再エネ普及で先行する欧州では、既に平成30年で、発電電力量構成における再エネ比率、30%以上を達成している国も多く、EUでは、2030年に57%にまで普及すると推計されている。

  ・一方日本の普及率は、平成30年の17%にとどまっているばかりか、2030年の目標も、22~24%とかなり低い。

  ・地中に埋蔵された天然資源に乏しい日本は、資源の調達を海外からの輸入に依存せざるを得ず、これまで常に資源の供給不安定化におびえてきた。

  ・一方エネルギー転換がめざすものは、化石燃料依存から再エネ利用に転換し再生資源を循環させる経済モデルである。

  ・すなわち、「資源調達を輸入に依存せざるを得ない」という、これまで日本にとって、圧倒的に不利であったゲームのルールが根底から覆されようとしているのだ。

 氏の意見は欧米に倣った「脱炭素」・「再生エネルギー」への転換、「資源のリサイクル」・「資源の再利用」であり、「メタンハイドレート」は視野にありません。

  ・日本は、地下に埋蔵された化石燃料や鉱物資源に乏しくとも、地下から掘り出された天然資源の純度を高めて作られた製品が、膨大な量の廃棄物として地上に蓄積されている。

  ・これは都市の中に存在する「都市鉱山」とも呼ばれており、資源として位置づけるなら日本は紛れもない資源国となるだろう。

   ・日本には、再エネを主力化できる十分な資源ポテンシャルと技術がある。

  ・先進諸国の中でも、レアメタルのリサイクル、省資源化の高い技術を持つ日本は、国内の都市鉱山を最大限活用することで、資源を生み出す資源大国へと進化するチャンスなのだ。

 氏の意見が正論だとすれば、「スーパーメジャー」各社の研究が海洋に偏っている理由が説明できません。日本と先進各国の地上に素晴らしい「都市鉱山」があるというのなら、彼らは何のために巨額の投資をし海洋掘削技術の開発を目指しているのか。

 実におかしな話になります。

 「日本財団」の前身が「日本モーターボート協会」であることは、前回の検討で知りました。右翼の親玉と言われた笹川良一氏が会長を勤めていた組織が、氏の亡き後いつの間にか反日になったのでしょうか。

 「ねこ庭」の新しい疑問が、また始まりました。「日本財団」が今も保守の組織なら、外国のというより、日本に敵対している「スーパーメジャー」の研究開発事業に協力することは考えられません。

 日本の一流企業を「スーパーメジャー」の研究開発事業に協力させる仲介をするなど、とんでもない話です。日本の国益を第一とするのなら、日本の企業を安倍首相や青山氏と協力させるよう動くのが筋というものです。

 青山繁晴氏は【僕らの国会】の動画で「日本財団」については何も語りませんでしたが、「ねこ庭」は検討をします。

  もしかすると、監督官庁である「国土交通省」に原因があるのだろうか。

 日本中の誰もが知っている通り、国土交通省は公明党の大臣指定席です。以前から「ねこ庭」は、自由民主党がいつまでも公明党と連立を組むことに反対しています。理由は次の二つです。

  ・平和の党というキャッチフレーズ゛で、一貫して「憲法改正」に反対している

  ・選択的夫婦別姓に賛成で、今国会での成立を石破氏に働きかけている。

 公明党は「平和の党」「クリーンな党」だ、というイメージを抱いている国民が存在していることを「、ねこ庭」は知っています。しかし同党も、「裏金問題」で今日もマスコミに叩かれている自由民主党と変わらない、ダーティな面を持っている党であることをそろそろ知る時ではないでしょうか。

 日本の国益を損ねる動きをしている「日本財団」の監督官庁である国土交通省と、公明党の関係について、次回は報告しようと思います。

 「自由民主党への疑問」の森がさらに深まる感がありますが、事実を追求する学徒の冷静な検討作業を進めます。冷静な愛国者の方だけ、次回の「ねこ庭」へお越しく下さるようお願いいたします。

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自由民主党への疑問 - 11 ( 経団連副会長の杉森務氏と日本財団 )

2025-01-30 08:40:37 | 徒然の記

   1. 彼らは自分の影響力を、「日本の石油業界」で行使しようとする。

   2. 彼らは自分の影響力を、「日本の産業界」でも行使しようとする。

 今回は、「ねこ庭」が予測した2番目の項目について検討します。

 検討するのは令和3年12月28日の千葉日報が掲載した、経団連副会長の杉森務 ( つとむ ) 氏による「日本のエネルギー問題」についての談話記事です。( 共同通信社の全国配信記事 )

   ・2050年に炭素ガスの排出をゼロにするためには、原発の新設と建て替えが不可欠である。

   ・原発を含めたエネルギー政策全般の提言を、来年3月に取りまとめる。

   ・脱炭素化に取り組む企業支援のため、政府が2兆円の支援基金の創設をしたことは評価する。

   ・しかし研究開発だけでなく、社会ヘのインフラづくりを考えると少なすぎる。

   ・国際的な産業競争力維持のため、欧米に劣らない財政支援を要請する。

   ・2050年になると、廃炉問題で原発が全然足りなくなり新設・建て替えが必要となる。

   ・重大事故回避を考慮すると、小型原発のための技術開発に期待したい。

 談話を読んで「ねこ庭」が一番に感じた疑問は、次のことでした。

  ・経団連の副会長ともあろう人物が、日本の自前エネルギーである「メタンハイドレード」になぜ言及しないのか。

 「BSフジ・プライムニュース」で聞いた高市早苗氏の発言と共に、千葉日報の記事で感じた単純な疑問から、このシリーズを始めたと言っても過言ではありません。

 千葉日報の記事には、続きがあります。

 「 ENEOSホールディングス会長である氏は、経団連のエネルギー政策の担当で、脱炭素化議論を主導する立場にある。」

 そうであるなら、ENEOSの株主情報を合わせて考えると自然に答えが出てきます。

  ・「脱炭素社会」に向け石油業から撤退し、「再生可能エネルギー」と「環境」分野で新市場を開拓しようとするモルガン財閥が喜ばないことを、杉森氏に言える訳がない。

   ・モルガン財閥は、日本が自前で「メタンハイドレード」を開発するのを阻止するために筆頭株主となった。

 杉森氏はすでにモルガン財閥の代理人となっており、同時に経団連のエネルギー政策担当として産業界をリードする立場にいます。

 氏に協力する「日本財団」が公表した平成元年の資料がありますので、検討・紹介します。

 世界の「スーパーメジャー」と呼ばれているのは、下記の6社でした。

       1. エクソン・モービル  米国   

    2. ロイヤル・ダッチ・シェル  英国、オランダ  

    3. BP ( 旧フリティシュ・ペトローリアム )  英国  

    4. シェブロン  米国      

    5. トタル    フランス      

    6. コノコフィリップス  米国       

 「脱炭素社会」を目指し6社がどのように動いていくのか、 『ジェトロ・ビジネス短信』が伝えていることをシリーズ7回目のブログで紹介し、「日本財団」についても説明しました。

 この時の説明の一部を、「ねこ庭」は思い出します。

  ・日本財団は、平成30年5月、世界の主要石油・天然ガス生産大手らが組む、「コンソーシアム〈 DeepStar 〉」と、海洋技術の共同開発の覚書を締結した。

  ・同財団は日本企業がスーパーメジャーと連携し、技術開発を行う計画を実行に移した。

 令和元年5月に公表された「日本財団」の資料から、日本の主要企業がスーパーメジャーと連携し、どのような技術開発に取り組んでいるかを紹介します。(  注: 1.は、研究テーマ  2.は、協力する外資企業名 )

 〈  川崎重工業(株) 〉

   1.    自律型潜水ロボットの、海洋石油分野への実用

   2.   トタル(フランス)   シェル(イギリス、オランダ)

 〈 (株)島津製作所  〉 

       1.    海底での光通信無線技術の開発

    2.     シェル(イギリス, オランダ)   シェブロン(アメリカ)   トタル(フランス)

 〈  日本製鉄(株)  〉

   1.   海底ケーブル用の、新型スチールの開発

   2.   トタル(フランス)   シェブロン(アメリカ)

 〈  日揮(株)    〉 

   1.   天然ガス中のCO2等、高濃度酸性ガスの処理プロセス開発

   2.    Petrobras(ブラジル)   シェル(イギリス, オランダ)   JX石油開発(日本) シェブロン(アメリカ)

 〈  日産化学(株)  〉

   1.   海洋油田の生産効率を向上させるための、添加剤の開発

   2.    Woodside(オーストラリア)     シェブロン(アメリカ)

 〈 (株)日本ペイントマリン 〉

   1.   海洋油田での長期防食が可能な、新型塗料の開発

   2.   Anadarko(アメリカ)    Woodside(オーストラリア) シェブロン(アメリカ)   シェル(イギリス、オランダ)

 〈  日本電気(株)  〉

   1.   水中での、非接触型給電システムの開発

   2.   トタル(フランス)   シェブロン(アメリカ)     シェル(イギリス、オランダ)

 〈  三菱重工業(株) 〉

   1.    新型海底ポンプによる、海底原油採取の最適化

   2.   Equinor(ノルウェー)   シェブロン(アメリカ)    Shell(イギリス、オランダ)

   1.    海洋石油・ガス生産施設における、故障予想モデルの開発

   2.    Anadarko(アメリカ)   トタル(フランス)   シェブロン(アメリカ)

 〈  横河電機(株)     〉 

   1.   海洋石油開発にかかるパイプラインの詰まりや、腐食を防止するための添加剤注入新技術の開発

   2.   シェル(イギリス、オランダ)   シェブロン(アメリカ)

 これらのプロジェクトに石油業界は株主として参加し、産業界の各社は研究開発の連携企業として加わっています。国際金融資本家とスーパーメジャーが、「日本の石油業界」だけでなく「日本の産業界」へ影響力を行使しつつある状況が見えてきました。

 産業界がこれでは青山繁晴氏がいくら奮闘しても、「メタンハイドレート」は蚊帳の外に置かれます。安倍元総理も頑張っていたと【僕らの国会】で話していましたが、それでも彼らには叶わなかったと言うことになります。

 青山氏は経済産業省と中国政府は遠慮なく批判しますが、「ねこ庭」が調べた事実にはさすがに言及しません。自分の動画で国民に説明しない理由が、「ねこ庭」には痛いほど理解できます。

  1.  国民に説明しても、「陰謀論」と誤解されてしまう。

  2.  国民に説明したら、自分の政治生命を失うことになる

 「自由民主党への疑問」の森は、深く、大きく広がり、「ねこ庭」のシリーズはすでに「陰謀論」と誤解されているのかも知れませんが、今は誤解する人を相手にせず、日本を愛する国民の一人として作業を進めるしかなさそうです。

 誤解を恐れない方々だけ、次回の「ねこ庭」へ足をお運び下さい。

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自由民主党への疑問 - 10 ( エネオスと出光興産の株主 )

2025-01-30 08:37:51 | 徒然の記

  〈 集約された5社の株主 〉

  昭和56年に出された石油審議会の提言を受け、業界は合併、吸収などの再編を繰り返し、令和2 ( 2020 ) 年時点では、17社あった民族系石油元売会社は5社になりました。

 令和3年度の売上高で並べた下記一覧表はすでに紹介しましたが、まず 1 位のエネオスと2 位の出光興産の株主を紹介します。

   1 位. エネオス ( ENEOS )  ・・  7兆6,580億円         

   2 位. 出光興産      ・・  4兆4,251億円                

   3 位. コスモ石油     ・・   2兆383億円        

   4 位. 太陽石油      ・・    4,576億円   

   5 位. キグナス石油    ・・    2,838億円                 

 

 〈 1. エネオス ( ENEOS ) 主要株主    〉(2021年9月30日現在)

      日本マスタートラスト銀行 13.28 %    ・・JPモルガン系 

          日本カストディー銀行      7.03 %   

            ステイト ストリート銀行     3.17 %   ・・JPモルガン系 

     SMBC日興証券          1.51 %   

     高知信用金庫           1.34 %   

              JPモルガン チェイス銀行    1.19 %   ・・JPモルガン系  

              INPEX             1.03 %   ・・旧・国際石油開発帝石

 民族系石油会社のトップだった「エネオス」は、国際金融資本家であるモルガン財閥が筆頭株主になっています。

 金融商品取引法によりますと、持株比率が1%以上があれば当該会社の「株主提案権」を得られ、3%以上あると会計帳簿の閲覧権」と「株主総会の招集請求権」が得られるのだそうです。

 発行済み株式のうち3%以上の比率があれば、「財布の中を全て見る権利」と「財布の中身の使い方を提案する権利」の両方を得られることになります。

 つまりエネオスがこれだけの株式をモルガン財閥に保有されていると言うことは、経営権を握られていることになるのだと思います。

 

 〈 2. 出光興産 主要株主    〉(2021年9月30日現在 )

      日本マスタートラスト信託銀行  12.13 %  ・・JPモルガン系  

             日章興産              9.10 % 

      アラムコ・オーバーシーズ・カンパニー・ビー・ヴィ  7.76%     ・・サウジアラビア

      公益財団法人出光美術館    6.85 %

      日本カストディー銀行      4.05 %

      財団法人出光文化福祉財団   4.10 %

           ステイト ストリート銀行          1.92 %    ・・JPモルガン系 

      SSBTCクライアントオムニバス 1.86 %    ・・中国系ファンド 

           三菱UFJ銀行                                    1.73 %    

           三井住友信託銀行                           1.73 %    

           三井住友銀行                                    1.73 %    

 業界2位の「出光興産」は、モルガン財閥だけでなく、世界最大の石油産出国・サウジアラビアの「アラムコ」、さらには中国系のファンドまで入っています。愛国の起業家・出光佐三氏が作った「出光興産」は、すっかり影が薄れました。

 出光創業家が、昭和シェルとの合併に反対した最大の理由は、「サウジアラムコにのみ込まれて、出光が消滅することを恐れているからだ。」、と指摘したエネルギー業界の首脳もいたそうです。

 なぜなら「サウジアラムコは、アラムコ・オーバーシーズ・カンパニー・ビー・ヴィ名義で、昭和シェル石油株式を14.96%保有していたからです。

 結局出光創業家は、外資導入を進める経営陣に敗れ、「アラムコ」の資本が入ってしまいました。佐三氏が毛筆で書いた「出光」のマークは、全国の給油所名が「アポロステーション」となるとともに、消えていくのでしょうか。

 かって石油業界では、外国資本の出資を受けていない会社を「民族系石油会社」と言っていましたが、予想していた以上に外国資本の進出が大きく、エネオスも出光石油も、もはや「日本の民族系石油会社」とは呼べなくなっています。

 業界1 位の「エネオス」と2 位の「出光興産」がこの有様ですから、3位以下の会社の株主は推して知るべし、調べる必要を感じなくなりました。関心のある方は、どうかご自分でお調べください。残念ながら「ねこ庭」の意見は、「民族系石油会社は日本から消えた」と言う表現になります。

 以上で、「アメリカ巨大資本」と「スーパーメジャー」に関し「ねこ庭」が予測した下記2点の内の、1番目の事実を検討・報告しました。

   1. 彼らは自分の影響力を、「日本の石油業界」で行使しようとする。

   2. 彼らは自分の影響力を、「日本の産業界」でも行使しようとする。

 次回は彼らが石油業界だけでなく、日本の産業界にも影響力を行使している事実を紹介します。驚くと言うより情けなくなります。

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