田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

街から匂いが消えていく

2012-05-28 14:47:29 | ブログ
5月28日 月曜日

●今日の「天声人語」に、においのことが書いてある。
そこでわたしも、ふと思い出した。

●むかし、鹿沼にもどってくると、木の匂いがした。
材木屋さん、それも製材所をかねているので新鮮な木の匂いが町に漂っていた。
建具屋さんからも、製材所からもキーンという機械ノコの響きが断続的にしていた。
「ああ、故郷にもどってきたのだな」
と感傷にふけったものだった。

●いまは、なんのにおいもしない。
たしかに町の匂いがしなくなっている。
それと同時に、地方都市としての特徴も薄れている。
これは日本中どこにいっても同じような現象なのだろう。
全国制覇の大型店舗、おなじブランドの日用品、衣服類、そのた……。

●いまわたしの家は、切り倒した杏と白木蓮の匂いが充満している。
塩で清めて切り倒した。
いよいよここに狭いながらも「バラ園」をカミサンは作る気だ。
田舎町だから土地の値段は安い。
でも、その安い土地も買うゆとりがない。
これはもうだめだとあきらめたのだろう。
坪庭ていどのバラ園になる。
でもないよりはいいだろう。
鉢植えのバラを二階まで、日に当てるために運び上げる労苦はたいへんなものだった。
もうガマンノの限界だったのだ。

●木の香り。
バラの花の芳香。
わたしは幸せだとおもう。
自然のそれも飛び切りすばらしい香りにつつまれて生活している。
これで塾生でも増えれば、もういうことはないのだが。

●でも……教師の個性がものをいう塾業界だから、細々とでもこうしてやってこられた。

●町から個人経営の店が消えていく。
さびしいかぎりだ。
その町の、そのお店でなかったら感じられない個性、においが消えてしまっている。

●やはり、あらゆる面で、変わり目にきている。
このさきに、どんな町がひらけるのだろうか。

●なつかしい、ほのぼのとした人情のにおいだけは消えないでほしい。

    


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