田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

「リリが、吐いたわ」とミイマが大声をあげた。 麻屋与志夫

2016-01-28 18:15:50 | ブログ
1月28日 Thu.「リリが吐いたわ」

●「リリが、ゲしちゃった。今朝食べたモノ全部吐いた――の」
ホリゴタツでパソコンに向かっているわたしに、ミイマが離れから呼びかけている。
出来るだけ、食べさせて、体重が落ちないように。
と先生にいわれている。
だから、食事の量と体重の変化には気を配っている。
困った。寒かったからだろうが。

●ミイマがリリを抱えてきた。
「コタツに入れたら」
「そのつもりで連れてきたの」
すでに、ブラッキ―が居るコタツにリリを入れる。
ゥ―。とブラッキ―はうなったが、すぐ静かになった。
最近、ブラッキ―はリリとあまりもめなくなった。

●リリのことをブログにupした後だけに、また心配になった。
あまり心配したので、小説の筆がぴたりと止まってしまった。
いや、それはいい訳だ。
わたしの能力の問題で、リリの心配が原因などということはない。
ごめん、リリ。
ほんの一瞬でもリリのせいにして、ゴメン。
でも、リリの未来を想うと悲観的になった。
心配で、心配で瞼があつくなった。
涙がこぼれそうなのを、こらえた。

●ノドを腫らした。
イブを飲む。
明日はよくなっているといいな。

●生きていく、ということは、なにかと悩みがあるものだ。

●リリもあしたからまた頑張ってよ。



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「リリ、長生きしてよ」とわたしはいう。 麻屋与志夫

2016-01-28 07:00:07 | ブログ
1月28日 Thu.

●初めて生活を共にした彼女(ミュ)は病気ひとつしなかった。
息子が猫が好きで、森山会館のまえで抱き上げてきたメスの虎猫だった。
病気ひとつしなかった。
いちどは母猫としての気分をあじあわせてやりたいと、三匹の子猫を産んでから、不妊手術をした。
医者にかかったのは、そのときだけだった。
お医者さんの世話にはなったが、病気ではない。

●階段をポコッポコッと辛そうに上がって来た翌日この世を去った。
19年の生涯だった。
「ミュよ。下で呼んでくれれば、パパが下りていくからな。ムリするな」
と声をかけてやった翌日のことだった。
あまり呼吸が苦しそうなので、絨毯のうえにアグラヲかき、膝の上にミュをのせてやった。
だまって、わたしの顔を見上げて数時間。
静かに息をひきとった。

●ミュは寒がりだったので毛布にくるんで庭の東の隅に埋葬した。

●いまホリゴタツでわたしがキーボードを叩く音を、神妙にきいているブラッキ―も同棲してからはや18年になるが昨年の暮れ、疥癬で動物病院にかかるまでは健康そのものだった。

●だからなのかもしれない。
病弱なリリのことが心配なのだ。
それにリリはハジメからカミさんがかわいがっている。
「リリはミイマ(妻の愛称)が産んだ子じゃないの」
と冷やかしたくなるほど、妻はリリを、人間の赤ちゃん同様の育て方をしてきている。
ミイマがカウチソファーに横になってテレビを見ているとお腹のうえにのって神妙にしている。
カミさんと同じような姿勢でテレビを見ているので、
「だって、鉄分が少なくて貧血ぎみだったりして……」
その他、諸々似ていることがあるのだが、列挙するのは控える。

●「わたしに似ているのだったら、心配ないわ。この歳まで生きているのだから」

●娘たちと姉妹と間違えられるのが自慢のカミさんが、シラツトいったものだ。



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