田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

ネズミを追いかけるルナ。 麻屋与志夫

2021-12-17 08:20:38 | ブログ
12月17日 金曜日
さっと目の隅を金色の物体がながれた。
音。
ガシャンとなにか倒れた。
ルナだ。
アメショウのルナがキッチンの床を走って追いかけている。
灰色のネズミだ。
ネズミが生ごみ入れの陰に逃げ込んだ。
ルナが勢い余ってプラスチックの箱にしょうとつした。
ゴミの匂いが漂ってきた。
匂いで覚醒したわたしの感覚が。
ネズミをみつけようとしている。
あったのはマルチーズのプラスチックの包み紙を文結びにしてあったもの。
ルナがネズミに見立てておいかけていたのだ。
灰色のネズミにみえたのに。
えっ、これって錯覚。
それとも動体視力のおとろえ。
わかい時は――。
落下するチョークを。
床に落ちる前に掬い上げるようにキャッチすることができたのに。
全てが鈍感になった。
これってやはり歳のせいなの?


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