田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

トタンが冬の嵐で泣いています。麻屋与志夫

2021-12-18 09:29:33 | ブログ
12月18日 土曜日

トタンがセンベイを食べて
春の日の夕暮れは穏やかです     中原中也

昨夜は冬の嵐。
古民家のわが家のトタン屋根がゴジラのような咆哮をあげていた。
もちろん、これはただごとではない。
トタンがはがれて、絶叫しているのだ。
このとき、GGはすこしもあわてず、ゆったりと風呂に入っていた。
そして中也の詩を口ずさんでいた。
いまさら、この年になって、怖いものはない。
たぶん、トタンが一枚、あるいは数枚はがれて悲鳴をあげているのだ。
ビョウビョウと吹く風を野のなかのあばら家の浴室で聞く風情の夜だった。

 ①「トタンがセンベイ食べて」というのは、春の日差しの中で、温まった空気が冷気へと移るのを感じて、トタンが(家鳴りに似た形で)ぱりぱりいっているのを表現したのではないかしら?  

あるブログで的確な解説をしている方がいた。
詩人なのかしら。
昔、鉄工所をやっていた友人にきいたことがある。
トタンのパイプが空気の温度差によって音を立る。
エアエコーとかエアハンマーと呼んでいるというのだ。
たしかに、トタン屋根も、空気が温まったり冷え込んだりすると音をたてる。
もちろん、この言葉はほかのことからの転用なのだろう。
が、こうした現象を正確にはなんと呼ぶのでしょうか。
しかし。
今夜のこの音は風流なことばかり言ってはいられない。
あすになって、屋根を見上げるのが心配になってきたGGなのでありました。
もしものことがあったら、屋根さんを呼ばなくてはならない。
泣くのは財布だ。

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