田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

遠い夏の蝉しぐれ 麻屋与志夫

2023-09-29 07:25:23 | わが家のニーユス
9月29日 金曜日
今年は夏の終わりがしぶとくひきのばされた。
朝の散歩のおり、墓地の角にあるカーブミラーのところでたたずむのが、いつのころからか習慣となっている。

残暑がつづいているので、まだ山からは蝉の鳴き声がつづいている。

80年前の夏わたしは鳥もち竿を手に蝉取りに熱中していた。
鳥もちはお寺の参道の角の店で売っていた。
いまは駐車場となっている。
あのころはお寺の境内にも墓地にも自由に入って遊ぶことができた。
木の枝にとまっている蝉にそっと竿の先をちかづける。
あの高揚感はまだわたしの腕がおぼえている。

いまでは不用意に空をみあげると目がくらみ転倒する恐れがある。
それどころか脇目もできない。
ともすればふらつきそうなからだを杖でささえて、物思いにふけりながら歩いている。

このあたりの田圃には冬になると農家の人が水をはってスケート場にしてくれた。
お金をとるなどというセコイことはしなかった。

あのころ一緒に遊んだ近隣のともだちはみんないなくなってしまった。
わたしのおもいでのなかでいきているのみだ。


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