笑顔が、もうベッカムにそっくり。
そのときのかれが、高見広司。
わたしの想い人だ。
「神沼、東中。ぼくの後輩ですね」
体育系のはずなのに。
ぼく……だなんて。
神沼商業のトレーナだった。
ぼく。
だなんて。
モウ。
カツコツケチヤッテ。
……もう……もう。
いがいや。
いがいソフトな声。
「あのぅ……おわびに……お茶しませんか」
「いい……ですよ」
わたしは、あわてて、キヨミの肘をひいた。
はしたないわよ。
はじめての男のこと。
恥ずかしいわ……なんて。
尋常なフツーの中学生みたいに。
おもったわけではない。
ヤッターてなかんじ。
体が、ぽっとあたたかになる。
きっと、ほほをあからめている。
快感指数がビンビン急上昇。
つまりーわたしたちときたらーNOマネーだったのだ。
わずか100メエートルのアーケード街。
オリオン通りをいったりきたりしていた。
なにも、おもしろいものは見かけなかった。
くらいつきたいような餌もなく、くらいついてくるお魚ちゃんもいなかった。
もう、美女が三人もそろっているのに。
だいいち、お金が。
帰りの神沼まで。
JRの260えん。
しか三人とももっていなかったのだ。
お金は、三人でプリクラになだれこんで、ホッペくつっけて300えん。
それでおわり。
PHSのうらにさっそくはりつけた。
それでおわり。
もうなんにもできない。
わびしく、さびしい。
キヨミ、タエコとわたしの三人だった。
そして、モウレツな食欲とたたかっていたのだ。
キヨミはみてきたばかりの映画のモノマネーをした。
「うわあ、かんげき。予想もしなかった、展開ですわ」
キヨミが暗記したセリフをいう。
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓
ああ、快感。
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