田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

テロ/夕日の中の理沙子(2)  麻屋与志夫

2009-02-14 20:53:24 | Weblog
オリオン通りのすぐそばにVのアジトがあった。

立体駐車場に隠れ地下室があった。

地下室ではヘビメタのバンドが演奏している。

Vがらみの事件が多発するはずだ。

翔太は吐息をもらした。

いっしょについてきたプレスのふたりは。

きょろきょろしている。

すっかり取材者の目だ。

それにしても、どうしてヒロシはおれたちをここに誘ったのだ。

ここでゆっくりおれたちを料理しよう。

そんな下心はないようだ。

液晶モニターに店内の狂騒が映っている。

下部にテロップで歌詞がながれている。

音声はけしてある。

なかなか興味深い歌詞だ。
 

ああ、暗いくらい。ここは地獄だ。死ねしねしね。

ここはいつでも暗いくらい。死ねしねしね。

青によし奈良の都は。青によし。

もどりたい。もどりたい。

奈良の都にもどりたい。

奈良の都は、咲く花のにおうがごとく。

いま盛りなり。

もどりたい。

ここは棺桶。はいだした。はいだした。

封印といておどりでた。外の世界にとびだした。

死ねしねしね。

青によし、奈良の都にもどりたい。


「人間の世界では1300年たっているが、おれたちには数か月前のことよ」

だから吸血鬼は年をとらない。

不滅モノとおもわれているのだ。という。

どうして、おれたちに。

ヒロシはこんなに寛大な態度を。

とっているのだ。

休戦協定でも結ぼうというのか。

「おれたちは争いは避けたい。

若いもんが、暴れたがっているだけだ。

この宇都宮を制覇したいと望んでいる者もいる」

サブロウがジッとヒロシの顔をにらんでいる。

いらいらしながら、店内をモニターでチェックしている。

なにかたくらんでいる。

なにかよからぬことを。

たくらんでいる顔だ。

このとき、そとから店の防音扉がひらかれた。


暴走族サターンの連中がなだれこんできた。

ヒロシが立ちあがろうとした。

ヒロシの喉元にサブロウの鉤爪があてがわれていた。

「動くと刺すよ」





one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。




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