田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

Vバンド/夕日の中の理沙子(2) 麻屋与志夫

2009-02-14 10:21:27 | Weblog
「こんなバンドが生きのこっていたのか???」

「生きのこっていたんじゃないの」

吸血鬼は。

ヒロシですなんておどけて、デスロック会場ではしゃいでいる。

「われわれは死なないの」

まじっすか??????

なんて若者ことばでききかえしたくなる。

この音響ではヒロシのみみに口をあてなければつうじないだろう。

翔太はヒロシの耳に顔をよせる。

ヒロシがギョッとふりかえる。

「おれに噛みつくきか。おれの血を吸うか?」

立場が逆だ。

大音響のメタルの魂の歌をきいているとおかしくなる。

ともかくバンドのメンバーだって。

扮装の必要のない。

地のままでいける吸血鬼だ。

それが一般のひとびとには見えていない。

みえていないから、怖いものしらずだ。

おどりくるっている。 

どうやら。

翔太たちはVと人間の争いのない場所。

緩衝地帯。

ニュートラルゾーンに案内されたらしい。

さらに扉をぬける。

耳を覆っていた音響がピタリとやむ。

「いらっしゃい」

犬森サブロウが黒の給仕服で出むかえる。

「ここでは……争いはナシですよ」

いきり立つ翔太に。 

ヒロシがいう。

「そうでしたね。失礼しました」
  


one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
         ↓
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ああ、快感。




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