田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

超短編24「比喩間野 伊戸子ともうしますだぁ。」麻屋与志夫

2023-10-21 07:56:51 | 超短編小説
10月21日 土曜日

超短編24 「比喩間野 伊戸子ともうしますだぁ」

遠野将平はおどろいた。
SNSでつぶやいた。
塾の教師を引退した。
じぶんと同じだ。
場所ばかりとってもはや読むことも利用するともなくなった蔵書。
売却しようかな、とふともらした。

とたんに、驚くではないか。
古本屋さんから高価出張買取のPRがべたべた画面に張りついてきた。
SNSマーケッティング敏速さには身の毛もよだつ。

将平は部屋からでる。
インターホーンがなっている。
妻が帰って来たのか。
むぞうさに、玄関をあけた。
おどろいた。
若い女がほほえんでいる。
どことなく妻が若いときに、知りあった頃の彼女に似ている。

?????……。
「比喩間野 伊戸子ともうしますだぁ。」
肌だってIPS細胞で人肌よりもなめらかであたたかいですだ」

なんだかおかしな口調だ。
言語修復がひつようなようだ。
「不忍の池の鯉してみないか」

彼女は懸命にうりこむ。
それをいうなら、忍ぶ恋だろうが。
妻でさえ、見せたことのない媚鯛でせまってくる。
なんだか、こちらの言語感覚までおかしくなりだした。

これではいけない。
言語修復士となってありったけのわたしの情報をもちだす。
その情報とかかわりをもつレファレンスの過程から教えれば、
彼女は有能な女性になる。

まだこのとき将平はSNSマーケッティング怖さに気づいていなかった。
彼女はすばやく将平の思考を読みとった。
将平の教師根性をくすぐるっているのだ。

さらに自慢の美肌。
太腿をさらしている。
チラりと見せる媚態で迫る。
「どうする。将平」

比喩間野 伊戸子 ヒユマノイド 人型ロボット

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