田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

歴女VS暴走族/奥様はバンパイァ 麻屋与志夫

2009-10-27 11:11:39 | Weblog

奥様様はバンパイァ 60

○「猛夫がきてくれてたすかったよ。こんなところであらそいたくはないもの」

「無断欠席がつづいたので、五十嵐先生が心配している」

「月曜日からは出席する」

「わたしもよ」

「仲がよくて、いいですね。これでお狐さんたちとのあらそいはなしですね。で

も……章夫さんたち過激派に噛まれたRFはどうなりますかね」

猛夫が固い表情で武の顔をのぞきこむ。

武もなんにんかは噛んでいる。

血をすすっている。

それがいまでは悔やまれる。

マインドバンパイァ、見園玲加とつきあいだしたからだろう。

彼女の支配下にある。でもなんともうれしい。

このキラキラするようなよろこび。

血を吸ったり、肉食系として山野をかけめぐってエモノを捜すより心が高揚する。

わくわくする。

猛夫が鼻をひくひくしている。

「だれか、スーパーのうらでおそわれている」

いちはやく玲加ははしりだしていた。

「おそわれているのは、クラスメートよ」

テレポートするように速い。

バンパイァ特有の走りだ。

武も負けていない。

「なんだぁ。きさまら」

暴走族が女子高生をとりかこんでいた。

彼らにしたら、なにもない空間に玲加と武がわいてでたように見えたろう。

「わたしは、このひとたちのクラスメート。お友だちよ」

「ぼうやたち、なにしてるのかな」と武。

「なんだぁ!! お前らのほうがガキだろうが」 

暴走族のいくつもの顔が怒気を含んで叫んだ。

くるわ。

玲加は感じた。

チエンがうなりをあげてとんできた。

武と玲加がぐっとチエンをひとにらみした。

チエンの先が伸びきらず〈?〉クエスチョンマークのようにかたまった。

「なんだ。どうしたんだよ。ケントさん」

玲加もおどろいていた。

武と組むことによって、ふたりには新たな力、念動力が発現したのだ。

「ケント!!!」

どたっとケントが倒れた。 

わたしたちはあらたな歴史のページのなかにいる。

サイコキネスで戦っている。

すてき。

わたし歴史をつくっている。

この歴史の好きなわたしが、歴史のなかにいる。

すてき。



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