田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

涎をたらすよになったら 麻屋与志夫

2023-12-19 10:10:26 | 
12月19日金曜日
ひさしぶりで詩です。


涎をたらすようになったら

さむい からだがふるえている
からだがふるえているから さむいのだ
室温零℃ ああ、やはりさむいわけだ
温度計などなく さむさをあらわす数値がなかったら
さむさは さむいという感覚で察知したのだろう
さむいという ことばもないむかしには 
ただふるえていたのだろう

テレビである高原で 
凍死した人間が発掘されたと報じていた
なん百万年か時を遡行すれば 
このちほうは いまよりずっとさむかったのだろう

お年寄りの集うある「詩の会」で発言したことがあった
涎をたらすようになったら 詩をかきます 
ぜひおたくの雑誌にのせてください

誤解されたろうな
抒情詩ばかりかいている 彼らへの反発発言だ
ひとは欲情しなくなったら 
感傷も抒情とも無関係になるべきだ
女性の男性美も Beauty is only skin deep

ちりめん皺でよろった身には男女の差はなくなって
ただ やさしさが よりどころとなる

今朝 妻がお粥をにてくれた
あたたかな湯気の立つお粥
テーブルにとうめいな液体が

わたしの口元から よだれがたれているのだった

しめた これで哲学者をまかすような
メタフィジックな詩がかける

「神曲」や「失楽園」のような叙事詩もかける
わたしの口元からはすばらしい
メタファーがながれおちるだろう




●ほんとうに いくつになっても妄想つきません



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2 コメント

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Unknown (麻屋)
2023-12-20 16:40:33
寒いですね。ホリゴタツで小説がんばっています。
なにもすることがなくて、退屈だ。といっているお年寄りとちがい、こちらは、忙しすぎて困惑しています。これからどうなるのでしょうね。いまさらながら、構成の難しさにネをあげています。
「初めちょろちょろ、中ぱっぱ。赤ちゃん泣くとも蓋とるな」釜めし炊き方。小説のコンストにもいえることです。
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Unkown (種吉)
2023-12-20 09:56:50
おはようございます、先生。急に冷え込み、からだがそれについていけません。お創りになった詩を拝読。いろいろ考えさせられます。わたしは若い時の不摂生がたたり、歯科医のおっしゃる80-20が当然ながら通用しません。ものを食べる姿はまるで赤子のよう。年取ると子どもにもどる。そんな言葉が身に沁みるこの頃です。
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