田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

「永六輔 戦いの夏」を見る

2011-10-16 12:49:56 | Weblog
10月16日 日曜日
「永六輔 戦いの夏」を見る
●NHK。とっておきサンデーアンコール「永六輔・戦いの夏」をたまたま見た。
見たといってもラストシーンに近く、携帯を闇で光らせている群衆の場面からだ。
そのあとで、病院帰りのように見受けられたが、街頭でのシーン。
元気な顔をみてほっとした。
あれほどの弁舌家も声がもつれているのにはおどろいた。
やはり病気にはかなわないのだなとおもった。
それでも永さん、意気軒昂。
よかった。
よかった。

●永さんとは、なんどかあっているが、とおいむかしのことである。
名のりあったわけでもない。

●おもしろいことがあった。
河田町のT病院で5年ほどまえにすれちがった。
向こうでも「あれ……どこかで……会ったかな」というような表情をしてくれた。
なつかしかった。
モノカキは仲間の臭いがわかるんだ、とカミサンに得意になってはなしたものだ。
こちらはこのまま朽ち果てようとしている、売れない作家だ。
すれちがうときの、永さんのちょっとした視線にはげまされたおもいだった。

●もうひとつ。
南千住で「人間座」を主宰しているIさんが永さんと親交がある。
彼が出す芝居のパンフレットに軽妙なコメントを永さんは寄せている。
Iさんとは「21世紀の会」いらいの仲だから、ずいぶんながいつきあいになるなぁ。
ことしは、「人間座」の公演をみにいけなかった。
ざんねんだ。

●ひとはかならず、老いる。
友だちにも、不義理をしてしまう。
Iさん。
ゴメン。
らいねんはかけつけるからね。
えっ、おまえ、まだ走れるのか。
アヤ。
ことばの綾だよ。
ごめん。
ごめん。

●わが家の大谷石の塀の外にハコネウズキの枝がのびている。
その枝にカラスウリがなっている。
同じツルの同じ場所に、赤く色づいたものと青いままのカラスウリがなっている。

    

●わたしはふとたちどまった。
赤く熟れた実はつややかにかがやいていた。
わたしはその光沢のある実にともだちの顔をだぶらせていた。
作家や画家。
実業家として成功したともだち。

●わたしは青い。

    

いつまでも青いことばかりいっている。
世間智にたけたものにはいつもだまされている。
わたしは青い。
いつまでも青春していて、ビタースィートの小説ばかりかいている。
おとなをこわがらせるような、恐怖小説がかけない。
大人の読者をうならせるような推理物がかけない。
青い。
未熟。

●田舎町でほそぼそと「アサヤ塾」という学習塾をやって食いつないでいる。

●カミサンを旅行につれだしたこともない。

●北関東の小さな田舎町の裏路地の古い家のホリゴタツでまいにちブログ小説をかいている。

●これからだって青いままなのだろう。
熟することはないだろう。
秋風にかすかにゆれるカラスウリを見ながらかんがえていた。

    

●玄関のカギをかけているカミサンの気配がする。
カチカチとカギを閉めている。

●「おまたせ……」カミサンのハズンダ声。
買い物かごを手にしている。

●「なにみてたの……」



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