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「ふつうでは、みえなしものを、見ることができる能力はふいに目覚めるのよ」
浮遊霊が手を伸ばした。
玲菜のほうにすがるように両手を伸ばしている。
妖気が濃く渦巻く中から腕だけが伸びてくる。
「さがって。とりこまれないで」
「理沙子さん。あなた、強そう。お幾つ」
その場にもっともふさわしくないことを訊ねた。
(わたし……おかしい……?????????????)
逃げなければならないのに。おかしな質問をしている。
他人事のようにじぶんをかんがえている。
「操高校三年A組。十八歳。川村理沙子。少林寺拳法を少しカジッテいるから」
いまここに迫る危機。それを目前にして冷静な声が玲菜の問いに応えている。
それで玲菜はパニックに落ち込まないですんだ。
浮遊霊の腕があわや玲菜に触れようとした。刹那。
「オモドリナサイ」
理沙子が裂帛の気合をかけた。
消えた。渦のなかから伸びてきていた腕が消えた。
伸ばしてきてすがるように手が動いていたのに。
消えた。
恨みの指が、まさに玲菜を捕えようとしたのに。
消えた。
「ことばなんて、なんでもいいの。消滅させる気迫をこめることなの」
釈由美子の「おゆきなさい」のノリで指をつきだした。
オウヴァなジェスチャ……にたいするテレがいわせたことばだった。
(操高校の生徒。優秀なんだ)
玲菜も地元出身だから高校のランク付けにはくわしい。
おいそれとは合格できる女子高校ではない。
玲菜と理沙子はオリオンスクエアにもどってきていた。
「こちらは……? どなた」
「わたしのファン。理沙ちゃん」
高内さんは、なにもいわなかつたけど、怪訝な顔をしていた。
(わたしが、またおかしなクセをだしたとおもっている。そういう顔をしていた。
わたしのわるいくせ。『美少女狩り』。そんな場合じゃないのに)
「理沙子さん。あとでgroovyで会いましょう」
「グルーヴィね。わかったわ」
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓
ああ、快感。
「ふつうでは、みえなしものを、見ることができる能力はふいに目覚めるのよ」
浮遊霊が手を伸ばした。
玲菜のほうにすがるように両手を伸ばしている。
妖気が濃く渦巻く中から腕だけが伸びてくる。
「さがって。とりこまれないで」
「理沙子さん。あなた、強そう。お幾つ」
その場にもっともふさわしくないことを訊ねた。
(わたし……おかしい……?????????????)
逃げなければならないのに。おかしな質問をしている。
他人事のようにじぶんをかんがえている。
「操高校三年A組。十八歳。川村理沙子。少林寺拳法を少しカジッテいるから」
いまここに迫る危機。それを目前にして冷静な声が玲菜の問いに応えている。
それで玲菜はパニックに落ち込まないですんだ。
浮遊霊の腕があわや玲菜に触れようとした。刹那。
「オモドリナサイ」
理沙子が裂帛の気合をかけた。
消えた。渦のなかから伸びてきていた腕が消えた。
伸ばしてきてすがるように手が動いていたのに。
消えた。
恨みの指が、まさに玲菜を捕えようとしたのに。
消えた。
「ことばなんて、なんでもいいの。消滅させる気迫をこめることなの」
釈由美子の「おゆきなさい」のノリで指をつきだした。
オウヴァなジェスチャ……にたいするテレがいわせたことばだった。
(操高校の生徒。優秀なんだ)
玲菜も地元出身だから高校のランク付けにはくわしい。
おいそれとは合格できる女子高校ではない。
玲菜と理沙子はオリオンスクエアにもどってきていた。
「こちらは……? どなた」
「わたしのファン。理沙ちゃん」
高内さんは、なにもいわなかつたけど、怪訝な顔をしていた。
(わたしが、またおかしなクセをだしたとおもっている。そういう顔をしていた。
わたしのわるいくせ。『美少女狩り』。そんな場合じゃないのに)
「理沙子さん。あとでgroovyで会いましょう」
「グルーヴィね。わかったわ」
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓
ああ、快感。
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