田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

糞の王/奥様はバイパイア 麻屋与志夫

2009-11-13 07:50:44 | Weblog
奥様はパンパア 72

○クリンセンターの上空。

ごみ処理の焼却炉からふきあがる煙突の煙が渦を巻いている。

いや、あれは焼却炉からの煙などではない。

もっとほかのものだ。

シュールな現象だ。

化沼高校に近づく。

妖気はますます強くなる。

上空ばかりではない。

地面からも妖気が腫れもののようにふきでている。

クリンセンターと学校を結ぶ直線距離は500メートルとはない。

妖気の地下脈が通底しているのだ。

いやちがう。

街中の側溝と下水がおかしい。

Mと散歩していて、よく側溝が臭うのが感じられた。

それもストレートにいってフンの悪臭だ。

この美しい街。

前日光高原の自然に恵まれた。

清流がながれ。

緑の山々に囲まれた街にはそぐわない臭いだ。

糞の王。

ふんからわきでる蝿の王。

ベルゼブブが降臨していたのだ。

なんとおろかなことだ。

それともしらずに人狼を敵と吸美族は戦ってきた。

九尾族といわれたころから。

九尾の狐の化身といわれた玉藻がほろぼされてから千と数百年。

争いつづけてきた。

なんとおろかなことだ。

玲加!!! まっていなさい。

いまいく。

よくぞ、武をすきになった。

人狼との和解を成立させた。

だから……だからほんとうの、真の意味での怨敵の姿があきらかになったのだ。




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