田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

白昼の教室で/奥様はバンパイァ 麻屋与志夫

2009-07-06 05:59:30 | Weblog
奥様はバンパイァ 19

○灰色のネックウオマーをしているので、ふさふさした狼の胸毛のように見える。

「あら玲加がどうかしたの」

クラス委員の山本洋子が彼女たちの輪のうしろから割りこんできた。

よかった。キレイな白い喉元がセーラ服の胸元に見えている。

「見園さんは、まだ転校してきたばかりなんだから、はやくお友だちになってあげ

て」

ヤサシイことばをかけてくれた。玲加をかこんでいたものたちは、フンというよう

に上をむいた。お狼の遠吠えでもするのかとすこしこわかった。ゆとりが玲加にで

きた。

「ありがとう。洋子さん」

「洋子でいいわよ。あなたからはばらの匂いがしているから」

余裕ができてみると、なぜあんなに怖がったのか玲加は恥ずかしくなった。ここは

教室の中だ。一年B組の教室だ。授業がこれから始まろうとしている白昼の教室

だ。怯えることはない。ところが、ギャっと洋子がのけぞった。

     フレグラント アプリコット
             
 

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