田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

枯れるには早すぎる  麻屋与志夫

2008-09-22 08:00:22 | Weblog
9月22日 月曜日 朝から雨
●「腐れ彼岸が三日ある」という。昨夜から雨が降り続いている。この降りかたはまさにこの季節らしい雨だ。

●そうひしひしと感じた。肌寒くなる季節を誘いこむ雨だ。土砂降りでもない。梅雨の小糠雨でもない。春雨だ。濡れていこう。というわけにはいかない。屋根や庭から聞こえてくる雨音。感傷的にひびいてくる。これでは傘をささないと日向野接骨院までは歩けないだろう。

●おっくうだ。それほどのことはあるまい。カミサンを起こさないようにそって温シップをとりだす。扉ががたぴしした。秋になったのだと感じた。夏の間はあまり響かないもの音が、どうかすると鋭く響くことがある。家具などもきしむ。

●家具がよよむのはいいとしても、体がよよむのは困りものだ。昨夜階段を踏み外して倒れた。膝とわき腹と左の腕にいささか損傷。まつたくいやになってしまう。

●電気代を節約しなければならない。年をとったものだ。ごたぶんにもれず「電気消し男」になっている。オシッコだってほんとは庭の片隅でしたい。水道代の倹約になる。とまあ、みみっちいことをぼやくのはやめにする。

●この経済的な不安があるので小説を書きつづけられる。小さな学習塾をやってなんとか雨露をしのいでいる。あの時、屋根をなおしておいてよかったなと思う。それまでは、このくらいの降りになるとあちこちで雨漏りがした。盥に雨を聞く。などという芭蕉翁の風流は理解する。でもあちらこちらで、ちがった音階で、雨漏りがするのでは風流をたのしんでいる心境にはなれなかつた。

●ああいうのは、やせ我慢。風流という余裕ある境地にはいたらない。それどころかトラウマとしてのこっている。雨漏りで畳がびしょ濡れになる夢をいまでもみる。

●あらあら、腕の具合もそれほどのことはなさそうだ。

●うれしくて、構成も考えずにだらだらと書きつづけている。

●指がうごけば「魔闘学園」もこのあとすぐに投稿できる。

●接骨院にもいかなくてすみそうだ。心配するほどのこともなかった。――とまあ、これは遠く離れたこのブログを読んでくれている娘や息子、孫たちへのメッセージだ。

●訪問者のかたには、年よりの弱気をおみせしていささかお恥ずかしい。ということでこのあとは「魔闘学園」をおたのしみください。

●それから、ほい……忘れていた。ヤフーのブログ「麻屋与志夫/小説」に等身大の、老境の、年相応の小説を発表してあります。「安穏作家のおだやかな朝」です。こちらもぜひご愛読ください。お若い方はお立ち寄りにならないほうがいいと思います。作者にたいするイメージが変わります。

●年は考えないことにしている。枯れるのには早すぎる。




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