田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

連載開始 夕日の中の理沙子 Part 2 麻屋与志夫

2009-01-02 20:24:13 | Weblog
     

(理沙子の日記より……数年後)

PART 1 幻覚

1

宇都宮東公園。

公園の中央に噴水がある。
      
背後にイチョウ並木がある。

噴水はその落葉の始まった梢と高さを競うように噴き上がる。

              


並木の半日蔭を黒猫がよこぎっていった。

ギンナンの甘くせつない香り。

並木の舗道にはイチョウの葉が幾重にもかさなっていた。

       

ベンチがあった。

       

       

座り人をまっている。

だれか、そこにベンチのあることに気づいてくれることを……。

いや、いた。

ふいにいまそこにわいてでたような……人影。

宵街翔太だ。

金色に輝く落ち葉が風にながれていく。

翔太の視線のさきに、少年がいた。

少年は舗道の落葉の中にいた。

よくみると、落ち葉が少年を避けてながれている。

落ち葉がふいに立体的にまいあがった。

渦をまいた。

翔太はベンチからたちあがった。

はしりだした。

落ち葉の乱舞の中で少年はきえていた。

少年ははじめからおれに気づいていたのだ。

(遊ばれていた)

翔太はおもしろくなかった。

日没がはじまる。

(ヤッラの活動がオリオン通りで……)

なにをためらっていたのだ。

あの記憶の底のアーケイドに、いそがなければ。

吸血鬼の暗躍の街にいそぐのだ。




one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。


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