奥様はバンパイァ 81
○玲加が武の前にとびこんだ。
オババの杖が玲加を打ちすえた。
「玲加!! オババなんてことする」
○「武。これでいいの。
オババに逆らわないで。
わたしの本気をみてもらいたかった。
これきしのこと。痛くないから」
玲加は逆らう気ならオババと対等に戦えた。
Mのガードに駆けつけた吸美族の精鋭だ。
体技だってオババには負けないだろう。
あえてそれをしなかった。
人狼と吸美族の長い抗争にピリオドをうつ。
そのためならこれくらいの犠牲は覚悟していた。
始めは目線があった。
ピリッときた。
始めは「すきだ」。
ほんの一言。
武のその言葉だけで……。
それで十分だった。
恋のはじまる気配なんてなかった。
ふいに頭がボァとして武がまぶしくなった。
武のそばにいるだけで胸がくるしくなった。
玲加をかかえて武が車に逃げこむ。
オババはさすがに追ってはこなかった。
「武。ゴメンね。午後のレッスンでられないね」
○玲加はそこまでいうと、後部座席に倒れこんだ。
「玲加‼ がんばて」
パソコンのなかからMが励ます。
「しっかりしなさい。
玲加はもっと強いはずだ。
打たれ強いはずだ」
「あなた、そんなこといっても玲加がかわいそうよ」
MがGをタシナメル。
血こそ出なかった。
うたれた肩のあたりが赤くはれあがった。
「ぼく保健室で湿布をもらってきます」
「いいから……家にもどろう」
「すぐですから。
二三分でもどります」
武が車のドアをスライドさせてとびだしていった。
「G窓の外みて。あれなんなの?……」
玲加が窓の外を指さす。
●私事ですが、「星の砂」に「初恋の白いバラ」を載せました。そちらもぜひお読みください。
アイスバーグ
pictured by 「猫と亭主とわたし」
あなたのポチが筆者の励みとなります。よろしく。
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○玲加が武の前にとびこんだ。
オババの杖が玲加を打ちすえた。
「玲加!! オババなんてことする」
○「武。これでいいの。
オババに逆らわないで。
わたしの本気をみてもらいたかった。
これきしのこと。痛くないから」
玲加は逆らう気ならオババと対等に戦えた。
Mのガードに駆けつけた吸美族の精鋭だ。
体技だってオババには負けないだろう。
あえてそれをしなかった。
人狼と吸美族の長い抗争にピリオドをうつ。
そのためならこれくらいの犠牲は覚悟していた。
始めは目線があった。
ピリッときた。
始めは「すきだ」。
ほんの一言。
武のその言葉だけで……。
それで十分だった。
恋のはじまる気配なんてなかった。
ふいに頭がボァとして武がまぶしくなった。
武のそばにいるだけで胸がくるしくなった。
玲加をかかえて武が車に逃げこむ。
オババはさすがに追ってはこなかった。
「武。ゴメンね。午後のレッスンでられないね」
○玲加はそこまでいうと、後部座席に倒れこんだ。
「玲加‼ がんばて」
パソコンのなかからMが励ます。
「しっかりしなさい。
玲加はもっと強いはずだ。
打たれ強いはずだ」
「あなた、そんなこといっても玲加がかわいそうよ」
MがGをタシナメル。
血こそ出なかった。
うたれた肩のあたりが赤くはれあがった。
「ぼく保健室で湿布をもらってきます」
「いいから……家にもどろう」
「すぐですから。
二三分でもどります」
武が車のドアをスライドさせてとびだしていった。
「G窓の外みて。あれなんなの?……」
玲加が窓の外を指さす。
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