田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

メタモルフォーゼ/奥さまはvampire 麻屋与志夫

2009-07-02 06:47:31 | Weblog
奥様はvampire 16

○「クラスメイトだったのよ」

玲加が人狼に噛まれた女子高生にとりすがって泣いていた。ただ悲しみのためにだ

けで泣いているのではなかった。とりみだしてわれを忘れて泣いている。犠牲者は

着衣の乱れはほとんどなかった。ガバッとone bite。ひと噛みされたのだ。

「転校生のわたしにやさしくしてくれたの。きょうだって、わたしがおばさまたち

のところへかけつけるとき声をかけてくれた美菜が……こんな、こんなの信じられ

ない」

なんとかならないの、とすがりつく玲加をだきしめながらカミサンがやさしく諭し

ている。

「そこが人狼の怖いとこなのよ。いちど噛まれたらもう助かってもメタモルフォー

ゼ(獣化現象)からは逃れられないの。Gacktも静香もロリータのファッションも関

係ないからね。そうなったら死んだほうがよかったということになるの。じぶんか

らこんどは見境なく人を襲いだすのよ。人狼のことはひととおり勉強してきたでし

ょう」

玲加は力なくうなずく。はっと橋の上をみあげた。駆けだそうとする。

「美菜さんのカタキはうちのGGが討ったわ。いまごろは溶解して、青い跡がのこっ

ているだけよ」

カミサンは硝煙の臭いをかぎとっていた。わたしが銀のbulletを使ったことさえ察

知している。そういうことだ。

カミサンは強烈なマインド・エネルギー照射している。激しい怒りのため作動した

そのエネルギーが川面を波立たせていた。

「アイツラが動きだしたのよ。父の予知は正しかった。もう怨念の戦いははじ

まっていたの。こちらから仕掛けることはない。むこうで先手をうってきたのよ」

カミサンは九尾族滅亡の伝説のある犬飼地区にあるモロ山の方角をキットにらんで

いる。

       



one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
         ↓
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