あれは2年前。
張り込みの刑事に捕まり、死刑が確定した。
刑の執行が行われる場合、朝10時に呼び出しがやってくる。
朝10時が過ぎるまでの恐怖。
10時を過ぎた瞬間、今日1日生き延びたと安堵する。
その繰り返しだ。
朝10時・・・
廊下を歩く足音に心臓が締め付けられる。
俺の部屋の前で止まる。
ガチャ、扉が開く。
終わりだ。
白衣の男が入ってきた。
「あるプロジェクトに協力しないか。」
白衣の男にそう告げられた。
「命まではとらない。
自由の身になるわけではないが、減刑の無期懲役というところだ。」
考えるまでもない。
この状況から逃げられるのなら、どんな話にだってのる。
赤黒いカプセルを飲むように指示された。
意識が遠のく・・・
何もない部屋で目が覚める。
特に体調の異常はない。
着ている服がなんだかごわごわで縫製の腕もあまりよろしくない。
それ以外は快適だった。
どんな実験だ。
用心しながらドアをあける。
同じ服を着た男が同じようにドアから首だけをだし、辺りを見回していた。
「あんたも同じ境遇かい?」
ビクッと驚きながら男はこちらを見た。
「そうだ」
2週間が過ぎた。
結果からいうと、何もない。
本当になにもない。
快適な普通の暮らしだ。
閉鎖された空間であることは間違いない。
閉鎖といっても敷地は50km程度の大きさがあり、敷地内は電動トランスポーターのボタンを押して移動する。
ただ、不思議な事は、電化製品および目にする機械が普通の大きさの5倍程度ある。
そしてもう一つ不思議なことは山が動くという事だ。
白衣の男たちがジオラマの周囲に集まっている。
「囚人たちの様子はどうですか?」
「問題ありません。」
「人体の細胞の大きさを1/100にする実験は成功ですな。」
ジオラマの中では小さな人間が活動していた。
「人間の大きさを1/100にすれば、食料もエネルギーも極わずかしかいらなくなります。不要な人間は小さくしてエコに協力してもらいます。」
「技術的には可能ですが、服装及び生活道具のリアリティは二の次になっています。まあ何が起こっているのか分からないでしょう。」
山がたまに動くのは、観察している研究者の人影だった。
張り込みの刑事に捕まり、死刑が確定した。
刑の執行が行われる場合、朝10時に呼び出しがやってくる。
朝10時が過ぎるまでの恐怖。
10時を過ぎた瞬間、今日1日生き延びたと安堵する。
その繰り返しだ。
朝10時・・・
廊下を歩く足音に心臓が締め付けられる。
俺の部屋の前で止まる。
ガチャ、扉が開く。
終わりだ。
白衣の男が入ってきた。
「あるプロジェクトに協力しないか。」
白衣の男にそう告げられた。
「命まではとらない。
自由の身になるわけではないが、減刑の無期懲役というところだ。」
考えるまでもない。
この状況から逃げられるのなら、どんな話にだってのる。
赤黒いカプセルを飲むように指示された。
意識が遠のく・・・
何もない部屋で目が覚める。
特に体調の異常はない。
着ている服がなんだかごわごわで縫製の腕もあまりよろしくない。
それ以外は快適だった。
どんな実験だ。
用心しながらドアをあける。
同じ服を着た男が同じようにドアから首だけをだし、辺りを見回していた。
「あんたも同じ境遇かい?」
ビクッと驚きながら男はこちらを見た。
「そうだ」
2週間が過ぎた。
結果からいうと、何もない。
本当になにもない。
快適な普通の暮らしだ。
閉鎖された空間であることは間違いない。
閉鎖といっても敷地は50km程度の大きさがあり、敷地内は電動トランスポーターのボタンを押して移動する。
ただ、不思議な事は、電化製品および目にする機械が普通の大きさの5倍程度ある。
そしてもう一つ不思議なことは山が動くという事だ。
白衣の男たちがジオラマの周囲に集まっている。
「囚人たちの様子はどうですか?」
「問題ありません。」
「人体の細胞の大きさを1/100にする実験は成功ですな。」
ジオラマの中では小さな人間が活動していた。
「人間の大きさを1/100にすれば、食料もエネルギーも極わずかしかいらなくなります。不要な人間は小さくしてエコに協力してもらいます。」
「技術的には可能ですが、服装及び生活道具のリアリティは二の次になっています。まあ何が起こっているのか分からないでしょう。」
山がたまに動くのは、観察している研究者の人影だった。