休日の午後。
私は書店にいる。
私には悩みがある。この悩みを解決できる本は無いであろうか。
そう思いながら店内をみて回っている。
ホビーコーナーか?
いや違う。
カメラでも、プラモデルでも、ゲームでも、パソコンでも無い。
情報誌コーナーか?
ファッション本なのか、デジタル家電本なのか、はたまたDIYなのか。
いや違う。
実用書コーナーだ。
「人生の指針 タイプ別実践集」
これだ。
私の悩みは「この先の人生、自分はどうなっていくのか」なのだ。
私の人生は孤独というものを感じたことが無いのだ。
周囲に人はいない訳では無かったのだが、気づくといつも一人なのだ。
人間には二つのタイプがあると思う。
集団の中で自分の存在を感じたい人物と、集団を拒否したい人物。
私は後者なのだ。
現在は仕事もあり、孤独を自分で選択できる。
問題は仕事を引退した後なのだ。
選択の余地がなくなった孤独。
選びようの無い一人。
これはどうなのだと最近思うようになったのだ。
たとえばその状況、孤独な老人になった自分の一日を想像してみる。
朝、トイレに行きたくなって目が覚める。
用を済ませて時計を見るとAM3時20分。
起きるには早すぎる。
布団に入り横になる。
目を閉じる。
眠れない。
ラジオをつけてみる。
花が咲いただの、鳥が飛んだだの、人畜無害な話題をじっと聴いてみる。
せめてニュースでも放送してくれれば聴く気もおこるが、そう自分の思うとおり世の中は回っていない。
まんじりともせずAM4時になる。
しょうがない。
起きようか。
電気ポットに水を入れてお湯を沸かす。
今日も特に予定は無い。
心臓をきゅっと捕まれるような孤独感に襲われる。
おかしい。
そんな事感じたことも無かったのに。
孤独を感じるとしても急にどうにかしようと思ってもだめだ。
そんな生き方はしてこなかった。
集団の中では生きてこなかったのだ。
地域のコミュニティにも背を向け、ただひたすら自分の世界で生きてきた。
いまさら自分を否定するのか。
こわっ
弱った自分がその心境に到達しないという自信はまったくない。
こういう悩みなのだ。
私は目の前の本を手に取る。
「人生の指針 タイプ別実践集」
目次で探す。
一匹狼タイプのあなたの老後の不安→p44
このままの人生で大丈夫なのか。
一人孤独に死んでいくのでは無いかとお悩みのあなた。
大丈夫。
年を取っても決して孤独を恐れることにはならないでしょう。
孤独を恐れるのなら、幼少の頃より集団の中での自分の立ち位置を探す生き方になったはずです。
周囲には孤独な老人に見えるかもしれませんが、本人は自分の世界でそこそこ楽しんで生きているでしょう。人はそんなに簡単にかわりません。現在のあなたは悩み遊びをしているだけです」
なるほどな。
私は満足し、ゲーム本を一冊買って帰ったのだった。
私は書店にいる。
私には悩みがある。この悩みを解決できる本は無いであろうか。
そう思いながら店内をみて回っている。
ホビーコーナーか?
いや違う。
カメラでも、プラモデルでも、ゲームでも、パソコンでも無い。
情報誌コーナーか?
ファッション本なのか、デジタル家電本なのか、はたまたDIYなのか。
いや違う。
実用書コーナーだ。
「人生の指針 タイプ別実践集」
これだ。
私の悩みは「この先の人生、自分はどうなっていくのか」なのだ。
私の人生は孤独というものを感じたことが無いのだ。
周囲に人はいない訳では無かったのだが、気づくといつも一人なのだ。
人間には二つのタイプがあると思う。
集団の中で自分の存在を感じたい人物と、集団を拒否したい人物。
私は後者なのだ。
現在は仕事もあり、孤独を自分で選択できる。
問題は仕事を引退した後なのだ。
選択の余地がなくなった孤独。
選びようの無い一人。
これはどうなのだと最近思うようになったのだ。
たとえばその状況、孤独な老人になった自分の一日を想像してみる。
朝、トイレに行きたくなって目が覚める。
用を済ませて時計を見るとAM3時20分。
起きるには早すぎる。
布団に入り横になる。
目を閉じる。
眠れない。
ラジオをつけてみる。
花が咲いただの、鳥が飛んだだの、人畜無害な話題をじっと聴いてみる。
せめてニュースでも放送してくれれば聴く気もおこるが、そう自分の思うとおり世の中は回っていない。
まんじりともせずAM4時になる。
しょうがない。
起きようか。
電気ポットに水を入れてお湯を沸かす。
今日も特に予定は無い。
心臓をきゅっと捕まれるような孤独感に襲われる。
おかしい。
そんな事感じたことも無かったのに。
孤独を感じるとしても急にどうにかしようと思ってもだめだ。
そんな生き方はしてこなかった。
集団の中では生きてこなかったのだ。
地域のコミュニティにも背を向け、ただひたすら自分の世界で生きてきた。
いまさら自分を否定するのか。
こわっ
弱った自分がその心境に到達しないという自信はまったくない。
こういう悩みなのだ。
私は目の前の本を手に取る。
「人生の指針 タイプ別実践集」
目次で探す。
一匹狼タイプのあなたの老後の不安→p44
このままの人生で大丈夫なのか。
一人孤独に死んでいくのでは無いかとお悩みのあなた。
大丈夫。
年を取っても決して孤独を恐れることにはならないでしょう。
孤独を恐れるのなら、幼少の頃より集団の中での自分の立ち位置を探す生き方になったはずです。
周囲には孤独な老人に見えるかもしれませんが、本人は自分の世界でそこそこ楽しんで生きているでしょう。人はそんなに簡単にかわりません。現在のあなたは悩み遊びをしているだけです」
なるほどな。
私は満足し、ゲーム本を一冊買って帰ったのだった。