◎約２００文字づつ進むストーリー（私の後悔 その１３）

　逃げられずに大量の手につかまれながら私は必死にメニューを凝視した。
「同期しますか？」
　私はわらにもすがる思いでボタンを押す。
　すべての手が私から離れる。
　それと同時に、私を拘束していたフレームのロックが外れる音がした。　私は自らの足でひんやりした床に
立った。
　アリーナを埋め尽くすほどのフレームから人々が解放されている。
　いったい何が起こったのか。
　私は向こうを向いていて微動だにしない人物に話しかける。
「おいどうしたんだ」
　私は背後から相手の肩に手を置いた。