電車内、神経質な男の苦悩
小腹がすいた。
さきほど訪問先のお客さんから、ちょっとしっとりしたパウンドケーキの小袋をもらったのを思い出した。
封を切り、ケーキの一部を押しだし、出来るだけ、直接手で触らないようにして食べる。
かじる、押し出す、かじる。
このリズムだ。
シート状のシリカゲル。
封入してある。
これがリズムを壊す。
ケーキを引き出す度にケーキと歯の間に必ずはさまる。
手で触らないように唇と歯でシリカゲルシートを除去しながら食べる。
出来るだけ自然な感じで上記の行動を終えたい。
となりのバリットした中年紳士に自分がどう映っているのかが気になる。
だが、生理現象には勝てない。
背に腹は代えられないという奴だ。
バナナ風味のケーキだが、車内にバナナの匂いが蔓延しているのではないか。
いろいろな事が気になる。
なにせ俺は神経質。
因果な性質だ。
小腹がすいた。
さきほど訪問先のお客さんから、ちょっとしっとりしたパウンドケーキの小袋をもらったのを思い出した。
封を切り、ケーキの一部を押しだし、出来るだけ、直接手で触らないようにして食べる。
かじる、押し出す、かじる。
このリズムだ。
シート状のシリカゲル。
封入してある。
これがリズムを壊す。
ケーキを引き出す度にケーキと歯の間に必ずはさまる。
手で触らないように唇と歯でシリカゲルシートを除去しながら食べる。
出来るだけ自然な感じで上記の行動を終えたい。
となりのバリットした中年紳士に自分がどう映っているのかが気になる。
だが、生理現象には勝てない。
背に腹は代えられないという奴だ。
バナナ風味のケーキだが、車内にバナナの匂いが蔓延しているのではないか。
いろいろな事が気になる。
なにせ俺は神経質。
因果な性質だ。
最初に気づいたのはいつだっただろう。
夏の夕暮れ。
日差しはオレンジ色に変わっていた。
スクランブル交差点。
信号が青に変わるのを待っていた。
ビルの三階の窓からこちらをじっと見る女の視線に気づいた。
赤信号が青信号に変わった。
歩きだした瞬間、女と目が合った。
そのまま女は窓から落ちた。
何の声も聞こえず、そして誰もその事実に気づいていない。
わっ!
俺一人だけが、駆け出した。
ビルの下には何もなかった。
女もいなかった。
ホームで電車を待っていた。
じっとこちらを見ている女。
あのときの女だ。
女のホームに急行電車が滑り込んできた。
女と目が合う。
そのまま女は電車に飛び込んだ。
あっ
女のホームいたホームに駆けあがった。
しかし、周囲は何事も無かったかのような日常の光景。
電車も止まらない。
あの女は存在しない。
おばけだ。
そう思った。
外回りの営業でオフィス街を歩いていた。
また視線を感じた。
女がいた。
歩道橋の上で立っていた。
目があった。
また落ちるか。
そう思って見ていた。
落ちない。
そのかわりこちらを指さしてきた。
何だ。
後ろを振り返る。
ドーンという猛烈な爆発音。
衝撃におもわず倒れ込む。
辺りは白煙で何も見えない。
何かが爆発した。
ガスか?
命はとりあえず助かった。
歩道橋の上を見ると、もう誰もいなかった。
俺は、あのおばけに助けられたということか。
夏の夕暮れ。
日差しはオレンジ色に変わっていた。
スクランブル交差点。
信号が青に変わるのを待っていた。
ビルの三階の窓からこちらをじっと見る女の視線に気づいた。
赤信号が青信号に変わった。
歩きだした瞬間、女と目が合った。
そのまま女は窓から落ちた。
何の声も聞こえず、そして誰もその事実に気づいていない。
わっ!
俺一人だけが、駆け出した。
ビルの下には何もなかった。
女もいなかった。
ホームで電車を待っていた。
じっとこちらを見ている女。
あのときの女だ。
女のホームに急行電車が滑り込んできた。
女と目が合う。
そのまま女は電車に飛び込んだ。
あっ
女のホームいたホームに駆けあがった。
しかし、周囲は何事も無かったかのような日常の光景。
電車も止まらない。
あの女は存在しない。
おばけだ。
そう思った。
外回りの営業でオフィス街を歩いていた。
また視線を感じた。
女がいた。
歩道橋の上で立っていた。
目があった。
また落ちるか。
そう思って見ていた。
落ちない。
そのかわりこちらを指さしてきた。
何だ。
後ろを振り返る。
ドーンという猛烈な爆発音。
衝撃におもわず倒れ込む。
辺りは白煙で何も見えない。
何かが爆発した。
ガスか?
命はとりあえず助かった。
歩道橋の上を見ると、もう誰もいなかった。
俺は、あのおばけに助けられたということか。
スマートに生きる男の苦悩。
衛生的で使いきり、食べきりタイプの物は得てしてスマートに生きたい男にとっては悩みの種だ。
例えば、小分け納豆。
(1)ふたをめくる。
(2)醤油と辛子の小袋を取り出す。
(3)納豆にふたをしている薄いビニールを除去する。この時ねばねばが出来るだけ周囲に付かないようにねばねば面を内側にして半分に折る。
(4)好みにより付属の醤油、辛子の小袋をカットして投入。
(5)混ぜる。
以上の行程をかっこよく且つスマートに食べるには・・・もう、食べないという選択になる。
喫茶店でモーニングを注文すると、またまた問題発生。
ゆで卵。
店側のミスにより、黄身の片寄りは許すとしても、殻がめくれないのが最悪だ。
めくっても、めくっても、白身が殻にくっつき、黄身が顔を出す。
え~い、とめくり続けるしかない。
卵の容積が半分程度になってむき終わる。
この場合、どうやれば、かっこ良かったのか。
衛生的で使いきり、食べきりタイプの物は得てしてスマートに生きたい男にとっては悩みの種だ。
例えば、小分け納豆。
(1)ふたをめくる。
(2)醤油と辛子の小袋を取り出す。
(3)納豆にふたをしている薄いビニールを除去する。この時ねばねばが出来るだけ周囲に付かないようにねばねば面を内側にして半分に折る。
(4)好みにより付属の醤油、辛子の小袋をカットして投入。
(5)混ぜる。
以上の行程をかっこよく且つスマートに食べるには・・・もう、食べないという選択になる。
喫茶店でモーニングを注文すると、またまた問題発生。
ゆで卵。
店側のミスにより、黄身の片寄りは許すとしても、殻がめくれないのが最悪だ。
めくっても、めくっても、白身が殻にくっつき、黄身が顔を出す。
え~い、とめくり続けるしかない。
卵の容積が半分程度になってむき終わる。
この場合、どうやれば、かっこ良かったのか。